フィルムカメラを手に動物園フォトさんぽ!かわいさを引き出す動物園撮影のコツ

フィルムカメラを手に動物園フォトさんぽ!かわいさを引き出す動物園撮影のコツ

みなさん、こんにちは! 松浦稀(@marematsuura)です。普段は撮影モデルなどをしていますが、最近フィルムカメラをはじめてフォトライフを楽しんでいます。

はじめてのフィルムカメラ」第7回は、動物園でのフォトさんぽ。もともと動物好きで、よくInstagramで動画や写真を見ています。どうしたらうまく撮影できるのかを知りたくて、今回はほんわかした動物写真が素敵なフォトグラファー・寺島由里佳さん(@yuricamera)に動物園撮影を楽しむコツを教えていただきました!

 

教えていただいたのは…

寺島由里佳

寺島由里佳さん

動物園にいる動物たちをライフワークとして撮り続けているフォトグラファー。ほんわかした癒やされる動物写真が魅力的で、個展やグループ展開催、写真集出版など積極的に活動されています。

 

フィルムカメラを手に動物園フォトさんぽ!かわいさを引き出す動物園撮影のコツ

 

事前に一人で撮影したときの写真をもとに改善ポイントを教えてもらいながら、フィルムカメラでかわいい瞬間をたくさん撮りたいと思います!

 

 

おじゃましたのは…「井の頭自然文化園」

井の頭自然文化園

「動物園(本園)」と「水生物園(分園)」に分かれていて、合わせて170種を超える動物が飼育されています。「リスの小径」や「モルモットふれあいコーナー」など、動物を近くで見られる場所がたくさんあり、超望遠レンズなどがなくても撮影しやすいスポットです。

所在地:東京都武蔵野市御殿山1-17-6
TEL:0422-46-1100
https://www.tokyo-zoo.net/zoo/ino/

 

 

フィルムカメラを手に動物園フォトさんぽ!かわいさを引き出す動物園撮影のコツ

 

稀:かわいい動物たちに興奮してたくさんシャッターを切りました! …ですが、なんともうまくいかなくて。囲いが写ったり、動きが速くてブレていたり。実際に目で見る“かわいさ”をもっと写したいです。

寺島:動物園撮影は、ちょっとしたコツを覚えるだけで、ぐっと楽しくなりますよ!
望遠レンズであれば表情をクローズアップできるんですが、フィルムカメラだと標準レンズだけの方も多いと思います。今回は50mmの標準レンズで、動物たちの魅力を引き出すコツを紹介していくので、実際にトライしてみましょう!

人工物の写りこみを防ぐ

檻は、大きくぼかして目立たなくする

稀:肉眼ではあまり気にならなかったのですが、写真で見ると檻が強く写ってしまって…。

 

New FM2、AI Nikkor 50mm f/1.4S / photo by 松浦稀

New FM2、AI Nikkor 50mm f/1.4S / photo by 松浦稀

 

寺島:檻がある場合は、レンズを極力近づけて、絞りを開放気味にしましょう。完全には消えませんが、檻に近づけるほど目立たなくすることができます。この園では、コールダックがオススメです!

 

フィルムカメラを手に動物園フォトさんぽ!かわいさを引き出す動物園撮影のコツ

フィルムカメラを手に動物園フォトさんぽ!かわいさを引き出す動物園撮影のコツ

New FM2、AI Nikkor 50mm f/1.4S / photo by 松浦稀

New FM2、AI Nikkor 50mm f/1.4S / photo by 松浦稀

 

稀:F1.4にすると、檻がほとんど見えなくなりました!

寺島:こちらに近づいてきたタイミングを狙って奥のネットも写さないようにすると、コールダックだけの世界を切り取れますよ。

 

FE、AI Nikkor 50mm f/1.4S / photo by 寺島由里佳

FE、AI Nikkor 50mm f/1.4S / photo by 寺島由里佳

FE、AI Nikkor 50mm f/1.4S / photo by 寺島由里佳

FE、AI Nikkor 50mm f/1.4S / photo by 寺島由里佳

 

稀:かわいい…! 生き生きした写真になりますね。





服装とレンズの位置でガラスの反射を防ぐ

New FM2、AI Nikkor 50mm f/1.4S / photo by 松浦稀

New FM2、AI Nikkor 50mm f/1.4S / photo by 松浦稀

 

寺島:もう一つ気をつけたいのが、ガラスの反射です。これも、コツを押さえると回避できます。

  • 暗めの服装で反射を抑える
  • 照明などの位置にも注意
  • ガラスにレンズを近づけて余計な光が入るのを防ぐ、または、斜めから撮り反射が写らないようにする

 

フィルムカメラを手に動物園フォトさんぽ!かわいさを引き出す動物園撮影のコツ

New FM2、AI Nikkor 50mm f/1.4S / photo by 松浦稀

New FM2、AI Nikkor 50mm f/1.4S / photo by 松浦稀

 

稀:きれいに撮れました!

寺島:水槽の場合、斜め下から撮ると照明で背景を明るくできるんです。

稀:水族館でも、こうすればいいんですね!

寺島:ガラスがあると反射はおきるので、クマやパンダなどガラス越しで撮るときは全般的に生かせますよ。





構図の工夫で背景を整理する

寺島:檻やガラス以外にも、人工物はたくさんあります。
ハイアングルでしか撮れない場合は足元まわりが写ってしまうんですが、背景整理と余白を意識するとぐっとよくなります!

 

New FM2、AI Nikkor 50mm f/1.4S / photo by 松浦稀

New FM2、AI Nikkor 50mm f/1.4S / photo by 松浦稀

 

寺島:上の写真は日の丸構図で真ん中のペンギンに目がいくんですが、カーペットや背景が少し気になるので、もっと近づいてみましょう。

 

フィルムカメラを手に動物園フォトさんぽ!かわいさを引き出す動物園撮影のコツ

New FM2、AI Nikkor 50mm f/1.4S / photo by 松浦稀

New FM2、AI Nikkor 50mm f/1.4S / photo by 松浦稀

FE、AI Nikkor 50mm f/1.4S / photo by 寺島由里佳

FE、AI Nikkor 50mm f/1.4S / photo by 寺島由里佳

 

稀:ペンギンに目がいきますね!

寺島:寄ると背景の人工物も気にならなくなって、余白もできて印象深くなったと思います。
引いて撮るときも余白を意識して、さらにステージのカーブを生かすとアクセントになりますよ。

 

FE、AI Nikkor 50mm f/1.4S / photo by 寺島由里佳

FE、AI Nikkor 50mm f/1.4S / photo by 寺島由里佳

 

寺島:泳ぐペンギンを撮る場合は、進行方向の水面を広く写すのがオススメです。

 

FE、AI Nikkor 50mm f/1.4S / photo by 寺島由里佳

FE、AI Nikkor 50mm f/1.4S / photo by 寺島由里佳

 

稀:のびのびとしたペンギンの雰囲気が伝わってきますね!

寺島:「三分割構図」など構図の王道にとらわれず、雰囲気を優先して好きに切り取っていいんですよ。

 

Point

  • レンズを近づけ、檻の写りこみやガラスの反射を防ぐことが大前提(檻やネットの種類によっては消えないことも)
  • 動物を驚かしたり、レンズを傷つけないように、近づくときは慎重に
  • 背景整理と余白を意識して、目を引くポイントをつくる
  • 構図の王道にとらわれず、雰囲気優先で切り取る

動物の習性や動物園の特徴を生かす

動物の習性を知ることで自然な雰囲気に

寺島:動物に近づけない場合でも、極力人工物をフレームアウトしたいですよね!

稀:どうしても写りこんでしまうときはどうしましょう…?

 

New FM2、AI Nikkor 50mm f/1.4S / photo by 松浦稀

New FM2、AI Nikkor 50mm f/1.4S / photo by 松浦稀

 

寺島:実はヤギは高いところにのぼる習性があり、この園では丸太の上によく乗るんですよ! そのタイミングで狙ってみましょう。縦位置にしてみると表現の幅が広がりますよ。

 

フィルムカメラを手に動物園フォトさんぽ!かわいさを引き出す動物園撮影のコツ

New FM2、AI Nikkor 50mm f/1.4S / photo by 松浦稀

New FM2、AI Nikkor 50mm f/1.4S / photo by 松浦稀

 

稀:下にあった人工物が見えなくなって、ナチュラルな雰囲気になりました!

寺島:背景の抜けもいいですね! さらにローアングルにすると、奥の建物もフレームアウトできますよ。

 

FE、AI Nikkor 50mm f/1.4S / photo by 寺島由里佳

FE、AI Nikkor 50mm f/1.4S / photo by 寺島由里佳

 

稀:森の中にいるみたいです!

寺島:習性を知るために、動物園に複数回通うことがとても大事なんです。





動きの速い動物は、移動ルートを覚えて狙う

稀:徐々にコツがつかめてきました!
あと…かわいいリスをぜひ撮りたいのですが、ブレブレになってしまって…。

 

New FM2、AI Nikkor 50mm f/1.4S / photo by 松浦稀

New FM2、AI Nikkor 50mm f/1.4S / photo by 松浦稀

 

寺島:急に出てきた瞬間をとらえるには、連写ができないと難しいですよね。そういうときには、杭や岩場などのよく通るルートや、動きを観察すると撮影のチャンスが広がります。光を確保できる場所もチェックしておきましょうね。

 

FE、AI Nikkor 50mm f/1.4S / photo by 寺島由里佳

FE、AI Nikkor 50mm f/1.4S / photo by 寺島由里佳

New FM2、AI Nikkor 50mm f/1.4S / photo by 松浦稀

New FM2、AI Nikkor 50mm f/1.4S / photo by 松浦稀

 

稀:岩場で、すごく野生感のある写真になりました!

寺島:完全に動きが止まるわけではないので、ISO感度が高いフィルムにしておくと、シャッタースピードを速くできて安心ですよ。





食事中を狙って無邪気な姿をとらえる

寺島:加えて、ぜひ狙いたいのが「食事中」です。食事中は動きの速さに関係なく、無邪気な姿をとらえられるチャンスなんです!
このエリアではリス自身のタイミングで食事をしますが、他の動物は食事時間「もぐもぐタイム」が決まっているので、動物園に確認してみましょう。

※「もぐもぐタイム」は一般的な呼称で、井の頭自然文化園では「みてみてえさの時間だよ」という名称です。

 

FE、AI Nikkor 50mm f/1.4S / photo by 寺島由里佳

FE、AI Nikkor 50mm f/1.4S / photo by 寺島由里佳

フィルムカメラを手に動物園フォトさんぽ!かわいさを引き出す動物園撮影のコツ

New FM2、AI Nikkor 50mm f/1.4S / photo by 松浦稀

New FM2、AI Nikkor 50mm f/1.4S / photo by 松浦稀

 

稀:食事中は、結構じっくり撮れますね。もぐもぐしているのもまたかわいいです!!

 

Point

  • 動物の習性を知ることで、雰囲気のある画づくりができる
  • よく通るルートや光を確保できる場所を覚えておいて、じっと待つ
  • ISO感度が高いフィルムで、シャッタスピードを速くできるように(天候によりますがISO400以上がオススメ ※今回はISO800)
  • 食事中は無邪気な姿を狙うチャンス(動物によっては、食事の時間「もぐもぐタイム」が決まっている)

前ボケで、ふんわりした雰囲気を演出する

寺島:動物園は土や岩が多くて、引いて撮ると少しさびしい写真になりがちなんですが、前ボケでふんわり感をつくることもできます。周囲に木がある場合は、手前の葉を前ボケにしてみましょう。

 

FE、AI Nikkor 50mm f/1.4S / photo by 寺島由里佳

FE、AI Nikkor 50mm f/1.4S / photo by 寺島由里佳

New FM2、AI Nikkor 50mm f/1.4S / photo by 松浦稀

New FM2、AI Nikkor 50mm f/1.4S / photo by 松浦稀

 

稀:やわらかい印象になりますね!
まわりに木がない場合はどうすればいいでしょうか…?

寺島:その場合は落ち葉を拾ったり、100円ショップでフェイクグリーンを買っておいて、手持ちで前ボケをつくるといんですよ。

稀:そんな手が…!

 

フィルムカメラを手に動物園フォトさんぽ!かわいさを引き出す動物園撮影のコツ
フィルムカメラを手に動物園フォトさんぽ!かわいさを引き出す動物園撮影のコツ

FE、AI Nikkor 50mm f/1.4S / photo by 寺島由里佳

FE、AI Nikkor 50mm f/1.4S / photo by 寺島由里佳

 

稀:おお~!! 砂と岩しかない場所でも、ふんわりした印象になりました!

寺島:こうすると色味もプラスされます。動物園はモノトーンな配色が多いのですが、前ボケを差し色にすることで、やわらかさやかわいさを演出できるんです。

 

Point

  • 葉などで前ボケを入れると、ふんわり感が出る
  • まわりに何もない場所では、落ち葉などで手持ち前ボケをつくる
  • 前ボケを入れると、写真に色味を加えることもできる

写真店でのオーダーや画像編集で、自分好みの世界を自由につくる

色味や明るさなどを自由に調整する

寺島:撮影後にもポイントがあります。動物写真は「本来の色味や質感を忠実に再現する」という考え方もあるんですが、私は自由に調整して「自分好みの世界」をつくりこんでいいと思っています。

稀:自分好みの世界…なんだかワクワクします!

寺島:私は「緑っぽく」「明るめ」「シャープ」が好きなので、比較してみましょう。

 

左:調整前/右:調整後
調整前
調整後
FE、AI Nikkor 50mm f/1.4S / photo by 寺島由里佳
調整前
調整後
FE、AI Nikkor 50mm f/1.4S / photo by 寺島由里佳


稀:やさしい雰囲気で、温かみがあって素敵です!

寺島:今回はスピード仕上げのお店で現像&データ化した写真から、緑とシャープさを足して、さらに温かみのある雰囲気に仕上げました。写真店で相談して調整してもらうのもいいですし、そこからさらに画像編集してもいいと思います。自分好みになるまで調整してみましょう!





トリミングで撮影後に構図を調整する

寺島:色味や明るさだけでなく、構図も撮影後に調整していいと思います。動いている動物はじっくり構図を調整する時間もないので、撮影後にトリミングする選択肢も頭に入れておきましょう。
例えば下の写真なら、左側に余白を残すようにましかくにするとどうでしょうか?

 

トリミング前
トリミング後
New FM2、AI Nikkor 50mm f/1.4S / photo by 松浦稀

 

稀:右側にも余白があるときより、目を引くようになりました!

 

Point

  • 色味や明るさなど、写真店での仕上がりのオーダーや画像編集で自由に調整してOK
  • 構図は、撮影後にトリミングして調整してOK

その時々の出会いを楽しむことが何より大事!

稀:今回久しぶりに動物園に来てみて、動物たちが本当にかわいかったです!

寺島:撮影のコツはあるんですが、動物園の何よりの楽しみは「出会い」だと思います。同じ園でも来るたびに新鮮で、想像もしなかったような表情や姿を見せてくれるんですよ!

稀:動物たちを身近に感じられてうれしくなりました。また来たいです!!

 

フィルムカメラを手に動物園フォトさんぽ!かわいさを引き出す動物園撮影のコツ

食べるのに夢中で、くちばしに草がついていたり

フィルムカメラを手に動物園フォトさんぽ!かわいさを引き出す動物園撮影のコツ

「もぐもぐタイム」が近づき、行儀よく待つ羊の後ろ姿がかわいい!

フィルムカメラを手に動物園フォトさんぽ!かわいさを引き出す動物園撮影のコツ

生まれたての赤ちゃんがお母さんのお乳を飲む光景に心温まります

フィルムカメラを手に動物園フォトさんぽ!かわいさを引き出す動物園撮影のコツ

リスが足元まで接近!くんくん!

稀’s Photo Note

  • 生き生きとした姿を写すには…囲いの写りこみを防ぎ、人工物を避ける
  • 動物の魅力を引き出すためには…動物の習性や動物園の特徴を覚えて生かす
  • 無邪気な姿を写すには…食事中を狙う
  • ふんわり感を出すには…前ボケを入れる(まわりに何もなければ、手持ちで前ボケをつくる)
  • 自分好みの雰囲気に仕上げるには…写真店での仕上がりのオーダーや画像編集で自由に調整してOK
  • 撮影チャンスを増やすには…何回か動物園を訪れて、動物たちを観察する
  • 何より大事なのは…その時々の「出会い」を楽しむ!

 

動物園撮影のルールはしっかり守りましょう!

  • フラッシュの使用禁止:動物の目の病気、ストレス配慮のため
  • 長時間の同じ場所の占拠NG:他のお客様の迷惑にならないよう、場所を譲り合いましょう
  • 三脚や一脚は他のお客様の迷惑になる可能性があります(使用禁止の園もあります)
  • カメラを構えながらの急な移動NG:撮影に夢中になって急な移動をすると人や物にぶつかります。小さなお子さんも多いので要注意

 

 

同行撮影:もなみん(@and_mona
Supported by L&MARK

※撮影協力:井の頭自然文化園

フィルムカメラの購入から撮影、現像後まで - はじめてのフィルムカメラ総集編

フィルムカメラの購入から撮影、現像後まで - はじめてのフィルムカメラ総集編

ここ数年リバイバルブーム中のフィルムカメラですが、わからないことだらけで手を出せていない方、実は多いんじゃないでしょうか?

そこでスタートした企画が「はじめてのフィルムカメラ」です。カメラ選び、操作、撮影、現像…など、6回にわたりお伝えしてきました。今回は総集編として、一気にポイントをおさらいしていきます。「興味が湧いてきた」「もっと詳しく知りたい」という方はそれぞれの記事をチェックしてみてくださいね!

 

【選び方】ショップスタッフに聞いた、フィルムカメラ選び5つのポイント

【選び方】ショップスタッフに聞いた、フィルムカメラ選び5つのポイント

 

フィルムカメラの種類はたくさんあるので、どう選べばいいか悩みますよね。自分に合った1台を選ぶために何が大事なのか、モデルの稀ちゃん(@marematsuura)がカメラショップの方に教わりました。

 

フィルムカメラ選び5つのポイント

  1. フィルムとカメラの種類を決める:35mmフィルムが入手しやすく、レンズ交換やボケ味を楽しむなら一眼レフカメラがオススメ
  2. 見た目が気に入るか:毎日持ち歩きたくなる、気に入ったデザインのカメラを選ぶ
  3. 実際に使いこなせそうか:露出がマニュアルかオートか、自分に使いこなせそうかチェック
  4. レンズ選びもお店の方に相談:カメラに取り付け可能か、どんなふうに撮りたいかで選ぶ
  5. 商品の状態を忘れずに確認:お店の評価を確認し、外観、動作、内部に問題がないか見る

 

【選び方】ショップスタッフに聞いた、フィルムカメラ選び5つのポイント
【選び方】ショップスタッフに聞いた、フィルムカメラ選び5つのポイント

 

数十年前に製造されたカメラやレンズは、機種により機能が大きく異なります。また、中古品のため状態も一つずつ違います。お店の方に相談しながら、実際に手に取って選びましょう。
※お店が扱う商品は日々変わるので、WEBで在庫状況が確認できる場合は事前にチェックして行くと安心です。

【操作】はじめてでも意外と簡単!?フィルムカメラの基本の使い方

【操作】はじめてでも意外と簡単!?フィルムカメラの基本の使い方

 

中古のフィルムカメラは、取扱説明書がないことがほとんど。そこで、フィルムカメラを愛用しているフォトグラファーのフジモリメグミさん(@fujimorimegumi)に、操作方法をレクチャーしてもらいました。

 

【操作】はじめてでも意外と簡単!?フィルムカメラの基本の使い方
【操作】はじめてでも意外と簡単!?フィルムカメラの基本の使い方

記事の中では、各パーツやレンズの着脱など基本からしっかり解説しています。

 

Point 1 慣れれば簡単なフィルムセット

【操作】はじめてでも意外と簡単!?フィルムカメラの基本の使い方
【操作】はじめてでも意外と簡単!?フィルムカメラの基本の使い方
【操作】はじめてでも意外と簡単!?フィルムカメラの基本の使い方
【操作】はじめてでも意外と簡単!?フィルムカメラの基本の使い方

 

フィルムのセット手順

  1. カメラの裏ぶたを開けて、フィルムを入れる
  2. フィルム先端を引き出して、スプールの溝に差し込む
  3. フィルムを巻き上げて裏ぶたを閉める
  4. フィルムカウンターが1になるまで空シャッターを切る

 

注意点を含め、記事の中でフィルムのセット&取り外し方をイチから解説しているので、見ながらやってみましょう。

 

Point 2 ピントと露出の合わせ方を覚えよう

【操作】はじめてでも意外と簡単!?フィルムカメラの基本の使い方
【操作】はじめてでも意外と簡単!?フィルムカメラの基本の使い方

 

  • ピント:ファインダーで確認しながら、距離リングで調整
  • 露出:露出計を確認しながら、絞りリングとシャッタースピードダイヤルで調整

 

記事では、ボケ具合や焦点距離についても紹介しています。稀ちゃんの初フィルム写真も掲載しているので、ぜひチェックしてみてください!

【撮影】海辺のフォトさんぽ in the summer time

【撮影】海辺のフォトさんぽ in the summer time

 

操作を覚えたら、いよいよ実践撮影。稀ちゃんとフォトグラファーのnanoさん(@nanono1282)のフォトさんぽを通して、撮影テクニックを学びましょう。

 

Point 1 「ボケ」で写真の魅力アップ

【撮影】海辺のフォトさんぽ in the summer time
【撮影】海辺のフォトさんぽ in the summer time

 

  • 被写体が際立つ背景ボケ:背景との距離があるほどきれいにぼける
  • 奥行き感が出る前ボケ:小さいものをさりげなく前ボケに入れるのがコツ

 

Point 2 「露出」で雰囲気づくり

【撮影】海辺のフォトさんぽ in the summer time
【撮影】海辺のフォトさんぽ in the summer time

 

  • 露出調整により、「シック」「かわいい」など場所の雰囲気を生かせる
  • 明暗差が大きい場合:被写体/背景/中間のどこを適正露出にしたいかで調整

 

他にも、リフレクションや多重露出にチャレンジしたり、フィルムをセットしたまま裏ぶたを開けるハプニングがあったりと、フィルム撮影のドキドキワクワクがこの記事に詰まっています!

【現像&データ化】自分好みに仕上げる写真店でのオーダー

【現像&データ化】自分好みに仕上げる写真店でのオーダー

 

撮影後はどこに現像をお願いしますか? すべておまかせのスピード仕上げしか経験のない稀ちゃんが、写真店の方に仕上がりのオーダーの仕方を教えてもらいました。

 

【現像&データ化】自分好みに仕上げる写真店でのオーダー
【現像&データ化】自分好みに仕上げる写真店でのオーダー

 

仕上がりのオーダーで覚えておくべき項目

現像オーダーでは、「雰囲気」「明るさ」「鮮やかさ」「色味」の4つを覚えておくといいそうです。

 

  • 雰囲気
雰囲気:さわやかさわやか
雰囲気:やわらかいやわらかい
雰囲気:力強く力強く

 

  • 明るさ
明るさ:明るめ明るめ
明るさ:標準標準
明るさ:暗め暗め

 

  • 鮮やかさ
鮮やかさ:高彩度高彩度
鮮やかさ:標準標準
鮮やかさ:低彩度低彩度

 

  • 色味
色味:暖色暖色
色味:標準標準
色味:寒色寒色

 

具体的なオーダーが難しい場合、雰囲気を伝えたり、スマホで参考になる写真を見せてもOK。データ化やプリントを注文すれば、撮影後の楽しみも広がります! 

【現像後も楽しむ】フィルム写真で作るフォトブック

【現像後も楽しむ】フィルム写真で作るフォトブック

 

現像した後は…データ化してSNS投稿も楽しいですが、せっかくなら形に残るフォトブックを作ってみてはいかがでしょう。写真学校の講師でもあるフジモリメグミさんに、魅力度がアップする作り方をレクチャーしてもらいました。

 

前編:思い出を形づくる写真の選び方

【現像後も楽しむ】フィルム写真で作るフォトブック
【現像後も楽しむ】フィルム写真で作るフォトブック

 

  1. フォトブックサイズ:フィルム写真の場合、サイズは小さめに
    ※写真店によりますが、長辺1500px程度(印刷するとL判程度)がほとんどのため
  2. ページ数:次も読みたくなるよう、ページは増やしすぎない
  3. 掲載枚数:小さいフォトブックでは、1ページに写真1枚が適切
  4. テーマ&表紙:テーマ&タイトルはシンプルに、それに合わせて表紙写真を選ぶ
  5. カテゴリわけ:人物/シーン/場所/その他などにわけて整理
  6. 候補選び:思い入れの強い写真を軸に、1冊全体の雰囲気を意識

カテゴリ:人物人物
カテゴリ:シーンシーン
カテゴリ:場所場所
カテゴリ:その他その他

 

誰目線かで写真選びの基準が変わったり、見開きの写真配置で印象が激変したり、目からウロコのTIPSが記事にはちりばめられていますよ!

 


後編:順番で変わる仕上がりの印象

【現像後も楽しむ】フィルム写真で作るフォトブック
【現像後も楽しむ】フィルム写真で作るフォトブック

 

  1. フォトブックの出だし:興味を引く写真を選ぶ(濃い色味、ポートレートなど)
  2. フォトブックの中盤:思い入れの強い写真で盛り上がりをピークに
  3. フォトブックの最後:この後も続きそうな写真を選ぶ
  4. 最終チェック:掲載順を入れ替えたり、本のように開いて見るなど、印象をチェック

 

【現像後も楽しむ】フィルム写真で作るフォトブック

 

記事では、写真の組み方や文字を入れる場合のポイントも解説しています。思い出の詰まった稀ちゃんのフォトブックも公開中なので、ぜひチェックしてみてください!

【フィルム比較】フィルム8種を撮り比べ~種類で変わる写真の世界観~

【フィルム比較】フィルム8種を撮り比べ~種類で変わる写真の世界観~

 

「フィルムカメラをはじめたけど、フィルム自体の違いがわからない」というお悩み、ありませんか? フォトグラファーのnanoさんにオススメのフィルム8種を紹介してもらいました。

 

Point 1 フィルム選びで大切なこと

色表現や粒子感が種類で異なるフィルム。自分好みを知るには、実際に撮ってみるのがいちばんです。また、環境に合わせてISO感度を使いわけできると、「現像してがっかり」がなくなります。

  • ISO100~200:明るい場所
  • ISO400:明るい場所〜少し暗い場所
  • ISO800:暗い場所

 

ISO200ISO200
ISO400ISO400
ISO800ISO800

 

Point 2 フィルムの特徴をつかむ

カラーのネガフィルムの中から、8種類を撮り比べてみました。フィルムごとの得意な色・表現をつかんだら強力な相棒になりますよ!

 

FUJIFILM C200:色のりがよく、くせが少ない。

FUJIFILM SUPERIA PREMIUM 400:はっきりした描写で、色鮮やか。

FUJIFILM PRO400H:淡い青み、やさしい質感。

Kodak Ektar 100:彩度・コントラストが高く、粒子感が少ない。

Kodak ULTRAMAX 400:彩度・コントラストが高めで、シャープな描写。

Kodak PORTRA 400:肌色がとてもきれいに写り、光と影の描写が美しい。

Lomography Color Negative 400:こってりした濃い色味。

CineStill 800T:映画の1シーンのような世界観、独特な青み。

 

Point 3 “自分色”のフィルムを見つけよう

FUJIFILM C200
Kodak PORTRA 400
CineStill 800T

 

nanoさんは、「FUJIFILM C200」「Kodak PORTRA 400」「CineStill 800T」の3本が特に好きだそうです。記事ではさらに詳しく各特徴を紹介しているので、自分好みのフィルム探しの参考にしてみてください!

 

「はじめてのフィルムカメラ」…いかがでしたか?
基本の操作は思っている以上に簡単で、撮影やフィルム選び、現像などワクワクのほうが大きいと思いませんか?

シャッターを切れば簡単・確実にきれいな写真が撮れるわけではありませんが、思い通りにいかないからこそ、想像以上に撮れたときの喜びは何ものにも代えられません。手がかかるほど愛おしさも倍増です!

もし少しでも興味を持っていただけたら、まずはカメラショップに足を運んでみてください。その一歩が、楽しいフォトライフの一歩になるはずです! 

 

Supported by L&MARK

オススメのフィルム15種を撮り比べ ~種類で変わる写真の世界観~

オススメのフィルム15種を撮り比べ ~種類で変わる写真の世界観~

2023年1月24日更新

この記事は、2019年9月10日に公開した「オススメのフィルム8種を撮り比べ ~種類で変わる写真の世界観~」の紹介フィルム数を増やし、再構成いたしました。

 

こんにちは、フォトグラファーのFujikawa hinano(@nanono1282)です。

私は主にフィルムカメラを使って撮影していて、現在は撮りたいイメージによってフィルムを選んでいます。しかし、私もフィルムカメラをはじめたての頃は、どんな種類があるのかまったくわからない状態でした。少しずつ試しながら特徴を覚えているうちに、フィルムカメラの奥深さにどっぷりはまってしまいました!

今回はそれぞれのフィルムの持ち味を、愛用カメラで撮影した作例と一緒に私目線でご紹介していきたいと思います。個人的によく使うオススメフィルムも紹介しているので、ぜひフィルム選びの参考に読んでみてくださいね。

※今回いろいろな作例を載せていますが、撮る状況によって仕上がりが変わるので、あくまで参考程度に見ていただければと思います。

 

フィルム選びのポイント

オススメのフィルム15種を撮り比べ ~種類で変わる写真の世界観~

 

フィルムは種類によって色表現や粒子感が変わります。その人の撮るスタイルや色の好みによって相性があるので、実際に使ってみて自分に合ったフィルムを見つけていきましょう! きっと、強力な相棒になるはずです。

また、同じ種類のフィルムでもISO感度の違いもあります。場所によって向き不向きがあるので、使いわけましょう。

  • ISO100~200:明るい場所(晴天の屋外撮影など)※私はISO200を使うことが多いです
  • ISO400:明るい場所~少し暗い場所まで幅広く使える(くもり・屋外・屋内)
  • ISO800~:暗い場所(屋内撮影など)※粒子感が強く出ます

ISO感度の詳細はこちら

 

オススメのフィルム15種を撮り比べ ~種類で変わる写真の世界観~
オススメのフィルム15種を撮り比べ ~種類で変わる写真の世界観~

左の写真はISO200のフィルム、右の写真はISO800のフィルムで撮影。

フィルム15種類を撮り比べ

フィルム撮影の場合、フィルムごとの特徴をどう撮影に生かしていくかがとても大事だと思います。

…ということで今回は、一般的で選択肢も多いネガフィルムの中から、定番に加えてプロ向け、モノクロ、特殊なものまで、計15種類をご紹介したいと思います。

 

オススメのフィルム15種を撮り比べ ~種類で変わる写真の世界観~

 

各フィルムは家電量販店や写真屋さんなどで手に入りますが、私は常にストックしておきたいので常用のものはネットで購入しています。ただ、特殊なものはネットのほうが高かったりもするので、写真屋さんをチェックして安いタイミングでまとめ買いすることがオススメです!

なお、販売終了や入手困難なフィルムが増え、高額で転売されているケースが散見されるのでご注意ください。

Kodak ColorPlus 200

色味にくせがなく、やわらかい描写の素直な写りが特徴のベーシックなフィルムです。Kodakは全体的に暖色系になる傾向だと感じているのですが、このフィルムも同様で肌がきれいに写ります。ISO感度は200のため、屋外でのポートレート撮影にオススメです。

 

オススメのフィルム15種を撮り比べ ~種類で変わる写真の世界観~

オススメのフィルム15種を撮り比べ ~種類で変わる写真の世界観~

オススメのフィルム15種を撮り比べ ~種類で変わる写真の世界観~

オススメのフィルム15種を撮り比べ ~種類で変わる写真の世界観~

 

自分が見た色彩をしっかり表現したい場合や人物を撮るときに適していると思います。影ができた際の陰影も美しいですね。私はシンプルな表現をしたい場合によく使います。

Kodak ULTRAMAX 400

KodakでISO400といえばのULTRAMAXは、彩度とコントラストが高めで、Kodakの中でもシャープな描写です。

 

オススメのフィルム15種を撮り比べ ~種類で変わる写真の世界観~

オススメのフィルム15種を撮り比べ ~種類で変わる写真の世界観~

オススメのフィルム15種を撮り比べ ~種類で変わる写真の世界観~

オススメのフィルム15種を撮り比べ ~種類で変わる写真の世界観~

 

1枚目は絞って撮っているのでシャープな写りですが、開放気味で撮ってうまく光をとらえると、2枚目のように一気にやわらかくて優しい雰囲気の写真になります。コントラストが強いせいか、絞って撮ると色味が強く出すぎてしまう場合があるので、優しい光の状況下や街撮りスナップが合うなぁと感じています。

Kodak Ektar 100

値段は高めですが、彩度が高くきめ細やかな粒子が特徴の人気フィルムです。

 

オススメのフィルム15種を撮り比べ ~種類で変わる写真の世界観~

オススメのフィルム15種を撮り比べ ~種類で変わる写真の世界観~

オススメのフィルム15種を撮り比べ ~種類で変わる写真の世界観~

 

このフィルムは、粒子感が少なく肌がきれいに写るので、ポートレートに向いています。直射日光だとかなり鮮やかになってしまうので、光を少し遮ってやわらかくすると、とてもきれいな写りになります。スナップで動きながら撮るよりも、ゆっくり丁寧にポートレートを撮りたいときにオススメなフィルムです。

Kodak PORTRA 400

ポートレートのフィルムの王様。鮮やかなのに優しくてきれいな描写です。値段は高いですが、持っていて損はない良質フィルムです。

 

オススメのフィルム15種を撮り比べ ~種類で変わる写真の世界観~

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オススメのフィルム15種を撮り比べ ~種類で変わる写真の世界観~

オススメのフィルム15種を撮り比べ ~種類で変わる写真の世界観~

 

光と影の階調がとても繊細に写ります。Kodakならではの黄色みが入るので、人の肌も美しく表現できます。陰影がある晴天時にはくっきりと、室内では優しい色に、曇天時でも色はしっかり乗り、ISO400なのでどんな条件下でも安定して撮れる優秀なフィルムです。

FUJIFILM SUPERIA PREMIUM 400

色の描写が鮮やかでコントラストもきれいに写ります。そこまで主張は強くなく、感度もISO400と高いので、常用としてコンパクトにも一眼レフにも使いやすいフィルムです。

 

オススメのフィルム15種を撮り比べ ~種類で変わる写真の世界観~

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オススメのフィルム15種を撮り比べ ~種類で変わる写真の世界観~

オススメのフィルム15種を撮り比べ ~種類で変わる写真の世界観~

 

写りはすごく素直で、はじめての人でも扱いやすいと思います。このフィルムで好きなところは、黒(シャドー)と色がしっかり入るので、見たままの写真にしてくれること。少し暗い場所で撮影するときや絞ってシャープに撮りたいときにオススメです。

FUJIFILM C200

クリアな描写が特徴の使いやすいフィルムです。フィルム自体のくせは少なく、個性が出にくいからこそ、撮るもので個性が出ると感じています。
※海外流通品であり、現在国内での入手が難しいフィルムです(2023年1月現在)。

 

オススメのフィルム15種を撮り比べ ~種類で変わる写真の世界観~

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オススメのフィルム15種を撮り比べ ~種類で変わる写真の世界観~

 

暖色・寒色ともに素直な色になります。粒子感はきれいすぎず、粗すぎずな絶妙なバランスです。基本的には屋内・屋外どちらでも写りますが、くもりの日はマゼンタが強く出るので、色が多少くすむ場合があります。

Lomography Color Negative 400

こってりとした独特の色味が特徴のLomography。中でも人気なのがこのISO400フィルムで、くもりでも晴天でもしっかりとした写りをします。

 

オススメのフィルム15種を撮り比べ ~種類で変わる写真の世界観~

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色味が濃く、個性的で印象的な1枚に仕上げてくれます。私の場合、「今日は遊んで撮りたいなぁ」というときに使うことが多いのですが、色味が強いのでよくも悪くも期待を裏切られる作品になることも…。予想できなくて愛おしい、ドキドキ感を味わえるフィルムです。

Lomography Color Negative 800

暗い室内の撮影にも適しており、特徴的なこってりとした色味でどんなシーンもドラマチックになります。ISO800としては1本あたりの価格が手頃で、写真屋さんやメーカーオンラインショップなど入手性がよいのもポイントです。

 

オススメのフィルム15種を撮り比べ ~種類で変わる写真の世界観~

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オススメのフィルム15種を撮り比べ ~種類で変わる写真の世界観~

 

全体的に緑が乗るので、肌をきれいに写したいポートレートというより、雰囲気重視の撮影やスナップで使用するとはまります。4枚目の写真は、黄色背景に光を当てていますが、緑がかって雰囲気が出ました。

Lomography 2021 LomoChrome Metropolis 35mm ISO 100–400

彩度が低いながらも、黒の表現が強くかっこいい描写が特徴のフィルム。ISOは100~400と暗い室内にも適し、ポートレートだけでなく、スナップにも使いやすいです。メーカーオンラインショップでは1個から注文可能です。

 

オススメのフィルム15種を撮り比べ ~種類で変わる写真の世界観~

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オススメのフィルム15種を撮り比べ ~種類で変わる写真の世界観~

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いずれもISO200で撮影

 

色は寒色ですが、粒子感があり描写は優しいので、逆光気味で光を取り入れればやわらかい写真に、影を写せば黒の表現がしっかりと出て強い写真に…と二面性があるおもしろいフィルムです。

 

以前、Lomographyの個性派フィルムを紹介しましたが、そのときの「LomoChrome Metropolis 35mm ISO 100-400」(旧Metropolis)とは特性が異なります。旧Metropolisでは暖色系は緑や黄色のトーンに変化していましたが、新Metropolisでは色はそのまま全体の彩度が落ちるので、クールな雰囲気はありながら、以前より扱いやすくなったと感じました。

 

オススメのフィルム15種を撮り比べ ~種類で変わる写真の世界観~
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「LomoChrome Metropolis 35mm ISO 100-400」(旧Metropolis)で撮影した写真

Lomography LomoChrome Purple 35 mm ISO 100–400

緑がパープルに、青がエメラルドグリーンに、黄色がピンクに、いつもの風景が一変する独特なフィルムです。これまでもピンクっぽい写真を試してきましたが、甘すぎるのはちょっと違うと思っていて。このフィルムで撮ると、彩度が低い上にコントラストが高いので、エッジが効いた甘すぎない雰囲気が出て、とっても好きです!
※以前の記事で紹介した「2019 Lomochrome Purple 35 mm」と特性は同一です。

 

オススメのフィルム15種を撮り比べ ~種類で変わる写真の世界観~

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いずれもISO200で撮影

 

色の特徴を考えつつ、モデルさんの服装や背景を決めると好きな配色で撮影できます。また、白は変化せず、黒と原色がより変化をするように感じました。いつものフィルム+αで同時に撮っていくと、仕上がってきた写真を見たときに驚くはずです!

Lomography Berlin Kino 35mm ISO 400

映画用フィルムから作られたモノクロフィルムで、繊細なグレートーンが好印象。たまにムラが出ますが、そこもまたシネマチックな雰囲気を高めてくれます。ISO400なので、少し暗い場所でも十分撮ることができます。
※以前の記事で紹介した「Berlin Kino B&W 35mm ISO 400 2019 Edition」と特性は同一です。

 

オススメのフィルム15種を撮り比べ ~種類で変わる写真の世界観~

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オススメのフィルム15種を撮り比べ ~種類で変わる写真の世界観~

オススメのフィルム15種を撮り比べ ~種類で変わる写真の世界観~

 

白と黒、そして中間調がとてもきれいで、フィルターなしでソフトに写すことができます。また、ラチチュード(再現できる明部から暗部までの幅)が広いのが特徴です。明暗差が大きい場面でも黒つぶれすることなく、映画のワンシーンのような撮影を楽しむことができます。

Lomography Potsdam Kino 35mm ISO 100

コントラストが高めで、白と黒をきれいに表現できます。粒子感もほどよく、ポートレートからスナップまで幅広いシーンで活躍してくれるフィルムです。ISO100なので、明るさが確保できる場所に向いています。
※以前の記事で紹介した「Lomography B&W ISO 100 35mm Potsdam Kino Film」と特性は同一です。

 

オススメのフィルム15種を撮り比べ ~種類で変わる写真の世界観~

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オススメのフィルム15種を撮り比べ ~種類で変わる写真の世界観~

オススメのフィルム15種を撮り比べ ~種類で変わる写真の世界観~

 

はっきりしたコントラストで、撮っていて気持ちいいです。粒子感が適度で、構図で遊ぶ写真や、ファッションポートレート、スナップなど、ディテールをしっかり描写できるのでモノクロ好きにはたまりません…。また、多重露出撮影をすると写真全体が明るく淡くなりやすいのですが、このフィルムでは4枚目のようにしっかりコントラストを保てます。

ILFORD DELTA 3200

コントラストが優しく、粒子感が強いシネマチックな描写のモノクロフィルム。ISO3200と暗い場所の撮影にも適しています。取り扱っているお店やオンラインショップが多く、入手性がよいのもポイントです。

 

オススメのフィルム15種を撮り比べ ~種類で変わる写真の世界観~

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オススメのフィルム15種を撮り比べ ~種類で変わる写真の世界観~

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いずれもISO800で撮影

 

空白のある写真や抽象的な表現をしたいときにオススメ。ISOは3200ですが、ラチチュード(再現できる明部から暗部までの幅)が広いので、経験上ISO400~でも撮影できます。ISO感度を低く設定するほど粒子が強く出るため、好みの粒子感の設定を探すといいかもしれません。
※フィルムのISO感度よりカメラの設定を低くすると、露出補正をプラスしたことになります。

CineStill 800T

映画用の材料で作られたISO800のフィルムです。映画の1シーンを切り取ったような独特な青み。高価なフィルムですが、一度は絶対に使ってみてほしいフィルムです。

 

オススメのフィルム15種を撮り比べ ~種類で変わる写真の世界観~

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オススメのフィルム15種を撮り比べ ~種類で変わる写真の世界観~

オススメのフィルム15種を撮り比べ ~種類で変わる写真の世界観~

 

他のフィルムではマネできない世界観を表現できます。ISO800なので粒子感はありますが、そこも含めて映画のような雰囲気が出ます。夜と室内の状況下だと、落ち着いた少しダークな雰囲気が出てオススメですよ。裸電球では光が赤くなるので、特徴をつかみつつ楽しんでほしいなと思います。

FUJIFILM PRO400H

淡い青みが特徴で、彩度やコントラストも低く優しく仕上がります。
※35mmフィルムは2021年に出荷終了。

 

オススメのフィルム15種を撮り比べ ~種類で変わる写真の世界観~

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オススメのフィルム15種を撮り比べ ~種類で変わる写真の世界観~

オススメのフィルム15種を撮り比べ ~種類で変わる写真の世界観~

 

優しい青と粒子感があるので爽やかで温かい写真になります。個人的には、このフィルムではポートレートよりも、スナップで街中を探索しながら撮るほうが好きです。思い出の1枚のような景色が撮れる…かも。

私のオススメ3本

15種類のフィルムをご紹介してきましたが、私がよく使っているオススメ3本をぜひ紹介したいと思います!
※2019年公開時から変わりました。

 

  • Kodak ULTRAMAX 400
  • ILFORD DELTA 3200
  • CineStill 800T

 

Kodak ULTRAMAX 400:今ではいちばん使うフィルムです。色再現がよく、ほどよい暖色が肌をきれいに見せてくれますし、コントラストが低いのでやわらかい表現ができます。さまざまなシーンで安定して撮りたいものを撮らせてくれる、撮影で頼りになる相棒フィルムです。

 

ILFORD DELTA 3200:粒子感や陰影描写がとても美しい、特別なときに使いたいフィルム。ISO感度が高いフィルムがなくなってしまった現在、ISO3200まで適応できるため暗い場所でも撮影でき、重宝しています。

 

CineStill 800T:この写真、青みを足しているわけではなく、映画用タングステンフィルムの独特の色です。CineStillは普段見ている景色とは異なる世界を創り出してくれるので、いつもの撮影にスパイスを加えてくれます。

フィルムの取り扱いで覚えておきたいポイント

オススメのフィルム15種を撮り比べ ~種類で変わる写真の世界観~

 

最後に、フィルムをより楽しむために、覚えておきたいポイントを紹介します。

  • 使用期限:箱に期限が記載されていて、基本的には期限内に使用するようにしています。期限が切れると、色あせ、コントラストが弱まる傾向にあり、状態が悪いとカビなどが写ってしまう場合もあります。
  • 保管場所:未使用フィルムは、高温多湿を避ける・長時間光に当てないように。私はコンテナボックスに除湿剤を入れて保管しています。

 

オススメのフィルム15種を撮り比べ ~種類で変わる写真の世界観~

  • カメラにセット後に注意すること:ずっとセットした状態のままでは、次回撮影時に何のフィルムが入っているかわからなくなることも。裏ぶたの中央にある四角い枠にフィルム箱の一部を入れたり、メモを入れておくと一目瞭然です。ちなみに私は、1回の撮影で撮り切るようにしています。

 

オススメのフィルム15種を撮り比べ ~種類で変わる写真の世界観~

  • フィルムを取り出す際の注意:フィルムを巻き戻す前に裏ぶたをあけると感光してしまうので、必ず巻き戻してからふたをあけます。また、入っていないと思って裏ぶたをあけたら、フィルムが装填されていた…という失敗もありがちですが、「1回の撮影で撮り切る」というのはこの状況を防ぐことにもつながります。
  • 現像&スキャンに出すお店:写真屋さん(現像店)や家電量販店などで依頼することができ、店頭持ち込みに加え、郵送対応をしているお店もあります。同じフィルムでも、お店によって所要日数や料金、仕上がりが異なるため、用途や好みに合ったお店を選ぶことが大切です。
    >写真家がオススメする現像店についてはこちらでも紹介しています。

 

オススメのフィルム15種を撮り比べ ~種類で変わる写真の世界観~

  • データの受け取り方法:現像&スキャンを依頼した場合、現像済みのフィルムとスキャンデータを受け取ります。データはCD書き込みだけでなく、メールやLINEなどでダウンロードURL(期限付き)を送付してくれるサービスもあるため、ご自身の環境に合わせて選択しましょう。

 

現像済みのフィルムは保管することをオススメします!

フィルムカメラで撮影した写真データは、あくまでもフィルムをスキャンしたものであり、フィルムが大本です。仮にデータを消してしまっても、フィルムがある限り再度スキャンすればデータが復活しますし、スキャンの仕方によりデータサイズや仕上がりなども変更可能です。保管することをオススメします。

Photographer's Note

正直、まだご紹介できていないフィルムがいっぱいで心苦しいのですが、少しでも参考になればうれしいです。

フィルム×カメラ×シチュエーション×現像(写真屋さん)…この組み合わせ次第で、どんな仕上がりになるか(個性)が大きく変わってきます。

「なんか難しそう」と思ってしまうかもしれませんが、遊ぶようにいろいろ試して実験して、自分の好きな組み合わせを見つけてみてください。好きな組み合わせがはまったとき、誰とも似つかない“自分だけの写真”が撮れる…と思っています。

 

オススメのフィルム15種を撮り比べ ~種類で変わる写真の世界観~

 

昨今、フィルムの種類が減ってきていますし、価格も高騰し、なかなか手軽に手を出せるものではなくなってしまいました。ただ、フィルムの描写やフィルムカメラ自体のデザインの人気はどんどん加熱していると感じていますし、実際に新しいフィルムブランドやフィルムカメラも増えてきています。

私を含めたフィルムを愛するみなさんが撮り続けることできっと、前のようにもう少し手が届きやすい価格帯に戻る…そう願っています。

私がフィルムカメラに出会って人生が豊かになったように、みなさんのフォトライフがもっと豊かになりますように。

 

各種ネガフィルムの特徴まとめ

  1. Kodak ColorPlus 200:色味にくせのないベーシックなフィルムで、肌がきれいに写る
  2. Kodak ULTRAMAX 400:彩度やコントラストが高めで、シャープな描写
  3. Kodak Ektar 100:彩度・コントラストともに高く、粒子感も少ないためきれいに写る
  4. Kodak PORTRA 400:肌がとてもきれいに写り、光と影の描写が美しい
  5. FUJIFILM SUPERIA PREMIUM 400:はっきりした描写で色鮮やか
  6. FUJIFILM C200:色乗りがよく、くせが少なくてオーソドックス
  7. Lomography Color Negative 400:独特のこってりした色味が特徴
  8. Lomography Color Negative 800:緑がかったこってりした色味で、暗所に強い
  9. Lomography 2021 LomoChrome Metropolis 35mm ISO 100–400:低彩度でありながら、黒が強く出る
  10. Lomography LomoChrome Purple 35 mm ISO 100–400:いつもの風景がパープルやピンクに一変
  11. Lomography Berlin Kino 35mm ISO 400(モノクロ):低コントラストで、繊細な階調と粒子感
  12. Lomography Potsdam Kino 35mm ISO 100(モノクロ):高コントラストで、白と黒をきれいに表現できる
  13. ILFORD DELTA 3200(モノクロ):粒子感が強く、コントラストが優しいシネマチックな描写
  14. CineStill 800T:独特な青みで、映画のワンシーンのような世界観
  15. FUJIFILM PRO400H:淡い青みで、優しい質感

>さらに他のフィルムについてはこちらでも紹介しています。

 

 

※こちらに掲載している情報は、2023年1月24日現在のものです。

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FE2

FE2

20190523173947

F3

Nikkor S Auto 5cm F2

Nikkor S Auto 5cm F2

Nikkor-N Auto 24mm F2.8

Nikkor-N Auto 24mm F2.8

※フォトグラファーの作品性を尊重して機材を選択・撮影しています。
※AI改造済みのNikkor S Auto 5cm F2およびNikkor-N Auto 24mm F2.8でなければFE2に装着できませんので、ご注意ください。

フィルム写真で作るフォトブック〈後編〉~順番で変わる仕上がりの印象~

フィルム写真で作るフォトブック〈後編〉~順番で変わる仕上がりの印象~

みなさん、こんにちは。フォトグラファーのフジモリメグミ(@fujimorimegumi)です。

「フィルム写真で作るフォトブック」前編はいかがでしたか? 前編で選んだ候補写真をもとに、後編ではいよいよフォトブックの実際の中身を作りこんでいきます。稀ちゃん(@marematsuura)の奮闘ぶりもぜひご覧ください!

「フィルム写真で作るフォトブック」前編はこちら

 

掲載順を考える

フジモリ:入れたい写真がだいたい絞れたら、順番を考えながら具体的に選んでみよう!

 

フィルム写真で作るフォトブック〈後編〉~順番で変わる仕上がりの印象~

 

1ページ目を決める

フジモリ:フォトブックの1ページ目に何を入れるか考えてみましょう。お気に入り写真が表紙に入っているけど、1ページ目だと新鮮味がないので表紙の写真は中盤に持ってくるといいよ。私は1ページ目には割とインパクトがある写真を持ってきて、興味を引きつけるようにしてます。

 

フィルム写真で作るフォトブック〈後編〉~順番で変わる仕上がりの印象~

 

稀:この青空を反射した水面はどうですか?

フジモリ:今回は白っぽい色合いが多いので、最初に色味の濃い写真を持ってくると見た人の目を引くね!

 

Check Point

・1ページ目は、興味を引きつけるような写真を選ぶ

・表紙で使った写真は、1ページ目を避ける

 

 

2ページ以降を決める

フジモリ:2ページ目には、どの写真を入れたいかな?

稀:主役が写った写真を入れたくて…この二つのどちらかです。

 

フィルム写真で作るフォトブック〈後編〉~順番で変わる仕上がりの印象~
フィルム写真で作るフォトブック〈後編〉~順番で変わる仕上がりの印象~

 

フジモリ:左の方が表紙の場所と一緒で連動性があるし、奥の街並みまで写っていて場所の空気感もわかる写真だね。

 

フィルム写真で作るフォトブック〈後編〉~順番で変わる仕上がりの印象~

 

フジモリ:この隣には何を持ってこようか?

稀:違うシーンにしたいのと、色味を変えたいんですけど…。この緑の中にちょこんとした感じも好きなんですよね。

 

フィルム写真で作るフォトブック〈後編〉~順番で変わる仕上がりの印象~
フィルム写真で作るフォトブック〈後編〉~順番で変わる仕上がりの印象~

 

フジモリ:そうだね、場所が写っているカットはつなぎとしていいんだけど、カメラを構えているシーンが続くから、緑でも人物に変化を出すとさらにいいかもしれないね。

稀:この、足元の木漏れ日がきれいな写真はどうでしょう?

 

フィルム写真で作るフォトブック〈後編〉~順番で変わる仕上がりの印象~
フィルム写真で作るフォトブック〈後編〉~順番で変わる仕上がりの印象~

 

フジモリ:色味のメリハリも出るし、別のシーンにつながりやすいね。

稀:この次に観覧車の中で撮った2枚の写真を入れてみたいです。

フジモリ:流れもいいね! あとは、このラムネを持った写真の隣はどうしようか?

 

フィルム写真で作るフォトブック〈後編〉~順番で変わる仕上がりの印象~

 

稀:どうしましょう…。

フジモリ:こういう自分の気持ちが写っているような写真の隣は、あえて何も入れないのもありだよ。

稀:え…!

 

フィルム写真で作るフォトブック〈後編〉~順番で変わる仕上がりの印象~

 

フジモリ:そうすると自分の気持ちを強調できるし、場面展開にもなるよね。何もないページは写真が続いたときに一息つく役割もあるんだよ。

稀:なるほど…。全部に写真を入れなきゃと思ってたんですけど、たしかにすっきりしますね。

 

Check Point

・2ページ目は、印象の強い写真(ポートレートや色味が多い写真)を入れると、フォトブックの世界にさらに興味を引きつけることができる

・掲載順を決める際は、テーマに合わせて時系列や場面展開、色合いなどを意識する

・思い入れの強い写真を中盤に置くと、掲載順を決めやすい

・写真を入れないページを作るのも効果的

 

 

最後のページを決める

フィルム写真で作るフォトブック〈後編〉~順番で変わる仕上がりの印象~

 

フジモリ:フォトブックは終わり方も大事だよ。私は…最初はインパクトを強めにして、中盤くらいにピークを、最後は盛り上がりの中間くらいのまま終わらせることが多いかな。そうするとこの次が気になるじゃない?

稀:そんな考え方もあるんですね! この写真はどうでしょう?

 

フィルム写真で作るフォトブック〈後編〉~順番で変わる仕上がりの印象~

フィルム写真で作るフォトブック〈後編〉~順番で変わる仕上がりの印象~

 

フジモリ:この後も撮影デートが続きそうな写真でいいね! 今回のフォトブックは横長だから、途中に縦の写真を入れるのは結構難しいんだけど、最後ならしっくりくると思うよ。

 

Check Point

・最後のページは一番好きな写真よりも、まだ続きそうな写真を入れるのがオススメ

 

 

レイアウトの最終チェック

フィルム写真で作るフォトブック〈後編〉~順番で変わる仕上がりの印象~

 

フジモリ:入れる写真と順番が決まったら、本当にこれでいいか最終チェックをしてみましょう! 例えば、この観覧車の見開きとラムネの見開きだけど…、順番を入れ替えると違った印象になるよね?

 

フィルム写真で作るフォトブック〈後編〉~順番で変わる仕上がりの印象~

フィルム写真で作るフォトブック〈後編〉~順番で変わる仕上がりの印象~

 

稀:本当だ、前の位置よりさわやかな印象になりました。こっちの方が好きかも!

フジモリ:順番が決まったらプリント写真を本のようにまとめて、ページをめくるように写真を見てみましょう。印象が変わるでしょ?

 

フィルム写真で作るフォトブック〈後編〉~順番で変わる仕上がりの印象~

フィルム写真で作るフォトブック〈後編〉~順番で変わる仕上がりの印象~

 

稀:わぁぁー。フォトブックって感じがしますね。並べて見たときと印象が違って、観覧車のシーンもすごくかわいい!

フジモリ:平面で見るのと開きながら見るのでは雰囲気が変わるから、私はフォトブックを作るとき必ず写真をプリントして確認するんだよ!

 

Check Point

・ページ順を入れ替えてみるなど、全体としての印象を再確認

・本のようにプリント写真をまとめて、開いて見たときの印象を最終チェック

 

【番外編】写真の組み合わせを考えよう

フジモリ:はじめての人は1ページに写真1枚の方が作りやすいけど、慣れてきて大きいサイズのフォトブックを作るときは1ページに複数枚組んでみるのもおもしろいよ。上下や左右にどんな写真を入れるかで印象が変わってくるからね。じゃあ稀ちゃん、1ページに2枚、合計2ページ分を考えてみましょう!

稀:はい、やってみます!
(10分ほど悩む稀ちゃん)

 

フィルム写真で作るフォトブック〈後編〉~順番で変わる仕上がりの印象~

 

稀:こんな感じでどうでしょう? でも、右下の写真だけどうしても決まらなくて…。

フジモリ:そうだね…右下の写真が他に比べると情報量が多いかも。同じ雰囲気の色合いで、左上と同じく足元だけの写真をもってくるとどうかな?

 

フィルム写真で作るフォトブック〈後編〉~順番で変わる仕上がりの印象~


稀:なるほど…! 統一感がでました!

 

フィルム写真で作るフォトブック〈後編〉~順番で変わる仕上がりの印象~

 

フジモリ:こういう組み方もあるよ。上半分に空を入れて、下半分は地面を意識した写真でまとめると、上下で雰囲気がそろうと思うんだよね。

稀:たしかに!また印象がぐっと変わりますね。

 

フィルム写真で作るフォトブック〈後編〉~順番で変わる仕上がりの印象~

 

フジモリ:同じ場所で撮った写真を左右で並べると動きも出るし、色合いもそろっておもしろいよね。

稀:本当だ、なんだかおしゃれです…!

フジモリ:こんなふうに写真を組むのも楽しいから、今度チャレンジしてみてね!

稀:やってみます!

 

Check Point

・1ページに複数枚写真を入れる場合は、全体の色味や雰囲気の統一感を意識する

・上の写真は空、下の写真は地面と、上下関係を意識するのも◎

・隣のページとあえて場面や色味をそろえるのもおもしろい

 

ついにフォトブック完成!

2時間ほどで、稀ちゃんの第1号フォトブック制作が完了しました。完成したら早速発注、1週間くらいで手元に届きます。早いですね!

 

フィルム写真で作るフォトブック〈後編〉~順番で変わる仕上がりの印象~
フィルム写真で作るフォトブック〈後編〉~順番で変わる仕上がりの印象~
フィルム写真で作るフォトブック〈後編〉~順番で変わる仕上がりの印象~

Photobackで見たレイアウト画面。

 

ちなみに今回はタイトル以外に文字を入れず、写真をより大きく扱う構成にしました。もし文字を入れたい場合は、以下のポイントを意識してみましょう。

 

Check Point

・全ページに文字を入れると図鑑のような印象になるので適度に

・どうしても文字を入れたい場合、余白ページに詩集のような雰囲気で仕上げていくのがオススメ

・文字サイズは大きくしすぎない方がおしゃれに仕上がる

・旅の思い出のフォトブックの場合、最後のページに「あとがき」をつけるのも◎

 

 


完成したフォトブックが手元に!

フィルム写真で作るフォトブック〈後編〉~順番で変わる仕上がりの印象~

フィルム写真で作るフォトブック〈後編〉~順番で変わる仕上がりの印象~

 

「小さくてかわいい」とはしゃぐ稀ちゃん。できあがりに大満足の様子…!

 

フィルム写真で作るフォトブック〈後編〉~順番で変わる仕上がりの印象~

フィルム写真で作るフォトブック〈後編〉~順番で変わる仕上がりの印象~

フォトブックという形にすると、写真の喜びも倍増ですよね。後から見返したり、記録として毎年1冊作っていくと、フォトライフがもっと楽しくなります。

「より素敵に記憶を彩る大切な宝物ができました!今後もフォトブック作りを続けていきたいです」と稀ちゃん。次のフォトブック作りに向けて撮影意欲もアップしていました。

 

今回作ったフォトブックは、下記からも見ることができます。稀ちゃんのフォトブック、ぜひチェックしてみてください!

SUMMER GIRL by marematsuura

 

Model:松浦稀(@marematsuura
Supported by L&MARK

※協力:Photoback(https://www.photoback.jp/book/app
※PhotobackはPC版とスマホアプリ版では編集機能が一部異なります。

 

 

フィルム写真で作るフォトブック〈前編〉~思い出を形づくる写真の選び方~

フィルム写真で作るフォトブック〈前編〉~思い出を形づくる写真の選び方~

みなさん、こんにちは。フォトグラファーのフジモリメグミ(@fujimorimegumi)です。「はじめてのフィルムカメラ」第5回では、稀ちゃん(@marematsuura)がフィルムカメラで写した夏の思い出写真で、フォトブックを一緒に作りたいと思います!

「はじめてのフィルムカメラ」撮影編はこちら

 

私は写真学校でフォトブックの講義をしたり、作品の発表のために普段からZINEをよく作っていますが、フォトブックは写真選びや順番などを工夫するだけで印象ががらっと変わります。より魅力的な1冊になるフォトブックの作り方を、前編と後編の2回にわたってお届けしたいと思います。前編ではフォトブックに入れる写真の選び方まで、ポイントを押さえながら一緒に作っていきましょう。

ちなみに私は普段、完成形をイメージしやすいようにプリントした写真を使ってフォトブックを作るようにしています。これもポイントです!

 

フォトブックの種類やページ数を決める

フィルム写真で作るフォトブック〈前編〉~思い出を形づくる写真の選び方~

 

フジモリ:今回は、幅広い世代から人気のフォトブックサービス「Photoback」を使ってみましょう。Photobackにはスマホ用アプリがあるので、簡単にフォトブックが作れます。
https://www.photoback.jp/book/app

 

フィルム写真で作るフォトブック〈前編〉~思い出を形づくる写真の選び方~

Photobackのスマホアプリでは、ROUGH、POCKET、ALBUMの3種類から選べます。(画像提供:Photoback)

 

フジモリ:稀ちゃんは、どの種類で作ってみたい?

稀:今回撮った写真は横長が多いので、写真を生かせるように「POCKETよこ」がいいです!

フジモリ:ページ数は一番少ない16ページにしてみましょう。どうしても詰め込みたくなるけど、少し物足りないくらいの方が「次も読みたい」って感じてもらえると思うな。

稀:なるほど! 少しでも詰め込みたいと思ってました…。

 

フィルム写真で作るフォトブック〈前編〉~思い出を形づくる写真の選び方~

フィルム写真で作るフォトブック〈前編〉~思い出を形づくる写真の選び方~

フィルム写真で作るフォトブック〈前編〉~思い出を形づくる写真の選び方~
フィルム写真で作るフォトブック〈前編〉~思い出を形づくる写真の選び方~
フィルム写真で作るフォトブック〈前編〉~思い出を形づくる写真の選び方~

Photobackでは、候補となる写真を選んで「フォトブックをつくる」をタップすると、フォトブック制作をスタートできます。

 

Check Point

・フォトブックの種類:フィルム写真のデータは写真店によって異なりますが、長辺1500px程度(印刷するとL判サイズ程度)がほとんどなので、フォトブックのサイズにも注意

・ページ数:はじめての人は少ないページからスタート

・1ページに入れる写真の数:フォトブックサイズが小さい場合、1ページに写真1枚の方が写真のよさが生きてくる

テーマを決める

フジモリ:具体的な写真セレクトを始める前に、まずはテーマを考えてみましょう。全体の写真を見てみると、さわやかな夏の始まり感があっていいね。稀ちゃんは、どんなフォトブックにしたいかな?

稀:夏の公園で、nanoさん(@nanono1282)との撮影デートの1冊にしたいと思います。

フジモリ:一人の女の子を主人公にする場合、「友達目線」か「彼氏目線」かで、セレクトも変わってくるよ。

稀:「彼氏目線」にしたいです。撮影しているときnanoさんがかわいくて、ずっときゅんきゅんしてたので!

 

フィルム写真で作るフォトブック〈前編〉~思い出を形づくる写真の選び方~
フィルム写真で作るフォトブック〈前編〉~思い出を形づくる写真の選び方~

 

フジモリ:例えば、夏らしいラムネの写真だけど、どっちを選ぶかでも印象が変わるよね。左の二人で乾杯している写真は「友達」という感じ、右の方は向かい合っている感じが「彼氏」っぽいよね。

稀:なるほどー!

 

Check Point

・大きすぎるテーマより、絞ったテーマの方がまとめやすい

・誰に見せたいかで考えてみる:“友達や恋人”に誕生日プレゼントとして思い出をまとめたり、“フェス仲間”に夏フェスではしゃいだ日々を見せたい…など

・普段気になっていることでもOK:ペットの寝顔がかわいくてしょうがないからテーマにしてみる…など

・日常的に撮影した写真がたくさんある場合:季節でまとめたり、月刊誌のようなイメージで作るのも◎

表紙とタイトルを決める

フィルム写真で作るフォトブック〈前編〉~思い出を形づくる写真の選び方~

 

稀:実はタイトルを考えてきました。「SUMMER GIRL」です!

フジモリ:シンプルでいいね!タイトルが長すぎるとお腹いっぱいになっちゃうからね。表紙にはどんな写真がいいかな? いくつかピックアップしてみましょう。

 

フィルム写真で作るフォトブック〈前編〉~思い出を形づくる写真の選び方~

フィルム写真で作るフォトブック〈前編〉~思い出を形づくる写真の選び方~

 

フジモリ:ちなみに、人の顔がしっかり写ったものだと見る人の好みが出やすいから、人物写真を使う場合はそこも気をつけてみてね!

 

フィルム写真で作るフォトブック〈前編〉~思い出を形づくる写真の選び方~
フィルム写真で作るフォトブック〈前編〉~思い出を形づくる写真の選び方~

 

稀:このかわいい足元の2枚で悩みます。

 

フィルム写真で作るフォトブック〈前編〉~思い出を形づくる写真の選び方~

 

フジモリ:どっちもかわいいね。今回のタイトルは「SUMMER GIRL」だから、夏感があった方がいいかもしれないね。

稀:波打ち際の写真はどうでしょうか?

 

フィルム写真で作るフォトブック〈前編〉~思い出を形づくる写真の選び方~

 

フジモリ:この写真が表紙にくると、見た人が本の中に誘われている感じもあってすごくいいね。

稀:たしかに…なんだかワクワクします!

 

Check Point

・タイトルはシンプルなものがオススメ:「ハワイ家族旅行を楽しむ7つのコツ」のようにしてしまうとタイトルだけでお腹いっぱいになるので、「hawaii」とシンプルにする…など

・表紙やタイトルのイメージがつかない場合:好きな写真集や雑誌をマネしてみるのも◎

・表紙に人物写真を使う場合:人の顔が大きく写っていると見る人の好みが出るので要注意

 

写真をカテゴリわけする

フィルム写真で作るフォトブック〈前編〉~思い出を形づくる写真の選び方~

 

フジモリ:入れたい写真を選ぶ前にカテゴリわけすると、どんな写真があるか整理できて、後々選びやすくなります。テーマに合う写真の中からさらに、「人物」「シーン」「場所」「その他」でわけてみましょう。

稀:仕分けしてみるとどんな写真があるか自分の中で整理できて、どの種類が多いかもわかりますね。

 

フィルム写真で作るフォトブック〈前編〉~思い出を形づくる写真の選び方~

フィルム写真で作るフォトブック〈前編〉~思い出を形づくる写真の選び方~

フィルム写真で作るフォトブック〈前編〉~思い出を形づくる写真の選び方~

 

Check Point

・まずはテーマに合うか合わないかでわける

・さらにカテゴリでわける:「人物が写っている」「シーンが写っている」「場所が写っている」「その他」など(人物はさらに、全身、上半身、下半身、パーツでわける)

入れたい写真を選んでいく

フィルム写真で作るフォトブック〈前編〉~思い出を形づくる写真の選び方~

 

フジモリ:ここから実際に何を入れるか決めていくけど、特に入れたい写真はある?

 

フィルム写真で作るフォトブック〈前編〉~思い出を形づくる写真の選び方~

フィルム写真で作るフォトブック〈前編〉~思い出を形づくる写真の選び方~

フィルム写真で作るフォトブック〈前編〉~思い出を形づくる写真の選び方~

 

稀:やっぱり主役を大きく入れたいので、人物の上半身カットから選ぶと…この4枚です。

フジモリ:この中で特に好きなのはどれかな?

 

フィルム写真で作るフォトブック〈前編〉~思い出を形づくる写真の選び方~
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フィルム写真で作るフォトブック〈前編〉~思い出を形づくる写真の選び方~
フィルム写真で作るフォトブック〈前編〉~思い出を形づくる写真の選び方~

 

稀:右上の写真が好きです。高い場所が苦手で、観覧車に怖がっているところがかわいくて。

フジモリ:エピソードや思い入れが強い方がいいフォトブックになるので、その写真でいきましょう! この隣にはどんな写真があった方がいいかな?

 

フィルム写真で作るフォトブック〈前編〉~思い出を形づくる写真の選び方~

フィルム写真で作るフォトブック〈前編〉~思い出を形づくる写真の選び方~
フィルム写真で作るフォトブック〈前編〉~思い出を形づくる写真の選び方~

 

稀:下をおそるおそる眺めている状況なので、下の景色を隣に置いたらいいですかね…。

フジモリ:ストーリー性があっていいね。

 

フィルム写真で作るフォトブック〈前編〉~思い出を形づくる写真の選び方~
フィルム写真で作るフォトブック〈前編〉~思い出を形づくる写真の選び方~

 

フジモリ:怖がっている仕草に惹かれたなら、見開きに両方を入れるとその感じを強調できるんじゃないかな。

稀:本当だ! 私が組んだものだと静かな印象でしたけど、動きが出てます。このときの空気感が伝わりやすいですね。

フジモリ:これは中央に顔の向きを合わせているけど、両方を外側に向けると、本の外の方に景色があるみたいで広がりが生まれるよ。

 

フィルム写真で作るフォトブック〈前編〉~思い出を形づくる写真の選び方~
フィルム写真で作るフォトブック〈前編〉~思い出を形づくる写真の選び方~

 

稀:わぁぁ、すごい…さらにかわいくなりました!

フジモリ:じゃあこの写真を軸にして、入れたい写真を選んでみましょう。選んだ写真の隣に何を持ってくるかイメージしながら、1冊全体の雰囲気も意識してみてね。

 

フィルム写真で作るフォトブック〈前編〉~思い出を形づくる写真の選び方~

フィルム写真で作るフォトブック〈前編〉~思い出を形づくる写真の選び方~

 

Check Point

・思い入れの強い写真や撮影時のストーリーがある写真を軸にする

・全体を通して雰囲気や世界観を統一していく

 

 

…前編はここまで!

後編では、実際に入れる写真を決めて、掲載順を考えるところからスタートです。より魅力的なフォトブック作りのために、後編もぜひお楽しみに!

「フィルム写真で作るフォトブック」後編はこちら

 

 

Photo by:もなみん(@ry.mona
Model:松浦稀(@marematsuura
Supported by L&MARK

※協力:Photoback(https://www.photoback.jp/book/app
※PhotobackはPC版とスマホアプリ版では編集機能が一部異なります。

 

 

待つ時間もワクワク!自分好みに仕上げる写真店でのオーダーを体験してきました

待つ時間もワクワク!自分好みに仕上げる写真店でのオーダーを体験してきました

みなさん、こんにちは! 松浦稀(@marematsuura)です。撮影のモデルをさせていただくことが多いのですが、はじめてのフィルムカメラをきっかけに写真意欲が日々高まっています。

「はじめてのフィルムカメラ」第4回は、現像編です。今まではお店におまかせでしか現像やプリントをしたことがなかったんですが、仕上がりをオーダーすることで自分らしい写真にする…という楽しみ方があることを撮影でご一緒したフォトグラファーさんに教えてもらいました。そこで、写真店でのオーダーにチャレンジしてきました!

どこに現像をお願いすればいいんだろう?

現像&データ化といってもいろんな写真店があって、1時間もかからないところから数週間かかるお店もあるそう。スピード優先の場合は基本お店のおまかせになるところが多いみたいです。今回はいろいろと相談できる写真店ということで、学芸大学駅近くにある「monogram」さんに行ってきました!

 

待つ時間もワクワク!自分好みに仕上げる写真店でのオーダーを体験してきました

待つ時間もワクワク!自分好みに仕上げる写真店でのオーダーを体験してきました

待つ時間もワクワク!自分好みに仕上げる写真店でのオーダーを体験してきました

待つ時間もワクワク!自分好みに仕上げる写真店でのオーダーを体験してきました

 

monogramさんは、1階が現像・プリントと雑貨コーナー、2階がギャラリーになっています。お店に入ると作業中でした。かっこいい!

 

どんなふうにオーダーするの?

仕上がりのオーダーははじめてなので、「どう注文したらいいんでしょうか…」と相談してみると、お店の方がやさしくサポートしてくれました。

 

待つ時間もワクワク!自分好みに仕上げる写真店でのオーダーを体験してきました

待つ時間もワクワク!自分好みに仕上げる写真店でのオーダーを体験してきました


「今回はどんなものを撮ったんですか?」「どういう雰囲気の写真が好きですか?」 お店の方が撮影した写真サンプルも見せていただいて、それを見ながら好きな写真の雰囲気を伝えていきます。そうやって、具体的なイメージがわからない場合でも、うまく聞き出してくれるんですね。すごいです!

 monogramさんでは、抽象的な雰囲気でもオーダーできて、イメージに近い写真や雑誌の切り抜きを持っていってもいいみたいです。最近はSNSの写真を見せる人も多いそう。

オーダーするときには以下の項目を覚えておくといいそうです。

  • 雰囲気
  • 明るさ
  • 鮮やかさ
  • 色味

 

雰囲気でオーダー

まずは「雰囲気」でどう変わるのか、「さわやか」「やわらかい」「力強く」の3パターンをお店の方が見せてくれました。

 

待つ時間もワクワク!自分好みに仕上げる写真店でのオーダーを体験してきました

 

「さわやか」はすっきりとした印象で白が際立っています。「やわらかい」はやさしい色合いですね。「力強く」は影や暗い部分が強い印象です。同じ写真でもこんなに変わるんですね!驚きです。

 

 

明るさをオーダー

次に明るさの違いを見せてもらいました。明るさだけでもイメージがだいぶ変わりますね。

 

待つ時間もワクワク!自分好みに仕上げる写真店でのオーダーを体験してきました

 

 

鮮やかさをオーダー

鮮やかさは、「高彩度」や「低彩度」でオーダーするそう。「高彩度」は色が濃く鮮やかで、「低彩度」はシックでかっこいい印象ですね!

 

待つ時間もワクワク!自分好みに仕上げる写真店でのオーダーを体験してきました

 

色味をオーダー

色味のオーダーは、グリーンやブルー、レッドの他、シアンやマゼンタなど、かなり細かく指定することができるそうです。どの色を指定したらいいかわからない場合は「暖色」「寒色」という伝え方でもOKとのこと。それなら私でもオーダーできそうです!

 

待つ時間もワクワク!自分好みに仕上げる写真店でのオーダーを体験してきました

 

 

データ化する?プリントする?

フィルム現像後は、データをCDにしてもらうことと、プリントしてもらうことができます。monogramさんではデータ化する人とプリントする人で半々くらいだそうです。

 

待つ時間もワクワク!自分好みに仕上げる写真店でのオーダーを体験してきました

 

プリントは種類がたくさんで迷ってしまいますね。

35mmフィルムの場合、サイズはL判から6PW(B5より少し大きいサイズ)までプリントできて、アルバムにまとめるならL判、作品展示するなら大きいサイズがオススメだそうです。

紙質は「光沢紙」と「マット紙」の2種類ありました。「光沢紙」は色鮮やかにプリントされるので、ウェディングフォトなどにいいそう。「マット紙」は落ち着きのあるやさしい雰囲気で、フィルム写真に合いそうだなと思いました。

白フチありなしも選べて、私は白フチありの方がかわいくて好みでした。

 

実際にオーダーしてみよう!

待つ時間もワクワク!自分好みに仕上げる写真店でのオーダーを体験してきました

待つ時間もワクワク!自分好みに仕上げる写真店でのオーダーを体験してきました

 

お店の方とお話をしていく中で、イメージがかたまってきました。夏の公園で撮影した写真なので、「明るめ」「さわやか」、そして「夏っぽく」とオーダーしてみました。「こんな感じの頼み方で大丈夫ですか?」と聞くと、「はい、おまかせください!」と笑顔で受けてくれました。現像と一緒に、データCDとL判プリントも注文。できあがりが楽しみです!

ちなみに、monogramさんではオーダーの際にカメラの種類も聞くそうです。そうすると、現像して問題があった場合に何が原因かを推測しやすいんだとか。細かい気配りに感動です!

 

待つ時間もワクワク!自分好みに仕上げる写真店でのオーダーを体験してきました

待つ時間もワクワク!自分好みに仕上げる写真店でのオーダーを体験してきました

 

今回は特別に、少しだけお仕事現場を見学させてもらいました。

フィルムを1本1本引き出して現像液に浸す…という作業を機械で行うそうです。データ化するときはパソコンで1枚ずつスキャンしていくとのこと。お店の方が丁寧に仕上げてくださると思うと、なおさら写真1枚1枚が愛おしく感じます。

 

 

 

現像以外も楽しめる写真店!

monogramさんでは、雑貨も充実していました! 木製のフォトフレームやかわいいアルバム、革のストラップやレンズキャップホルダー…どれもほしくなっちゃいます(笑)フィルムの種類も豊富で、現像するときに買い足せていいですね。

 

待つ時間もワクワク!自分好みに仕上げる写真店でのオーダーを体験してきました

待つ時間もワクワク!自分好みに仕上げる写真店でのオーダーを体験してきました

 

「2階に置いてあるフォトブックも自由に見れますよ」とお店の方に教えてもらって、早速拝見します!

 

待つ時間もワクワク!自分好みに仕上げる写真店でのオーダーを体験してきました

待つ時間もワクワク!自分好みに仕上げる写真店でのオーダーを体験してきました

待つ時間もワクワク!自分好みに仕上げる写真店でのオーダーを体験してきました

 

ライブラリースペースとして、一般応募のあったフォトブックやスタッフさんがセレクトした写真集を展示しているそうです。見ているとフォトブックが作りたくなりますし、作るときの参考になりますね。

monogramさんでは現像だけじゃなくて、撮る前から撮った後まで“写真の楽しさ”をサポートしたいんだそうです。素敵です…!

 

写真ができました!

数日後、受け取りにやってきました。ここ数日間は写真の仕上がりのことばかり考えて、ずっとワクワクしていました。ついに仕上げていただいた写真とご対面です!

 

待つ時間もワクワク!自分好みに仕上げる写真店でのオーダーを体験してきました

待つ時間もワクワク!自分好みに仕上げる写真店でのオーダーを体験してきました

待つ時間もワクワク!自分好みに仕上げる写真店でのオーダーを体験してきました

 

ネガとCDとインデックス、それにL判のプリント写真。「わぁぁぁ…」素敵に仕上がっている写真に思わずうっとり。きれいに撮れていてうれしいです!

 

待つ時間もワクワク!自分好みに仕上げる写真店でのオーダーを体験してきました

 

ネガをお店の照明に透かして見てみました! 現像作業を見せてもらったので、ネガもとても特別感があります。

 

monogaramさんで仕上げていただいた写真たち

「明るめ」「さわやか」「夏っぽく」でオーダーした写真がこちらです! 「はじめてのフィルムカメラ」撮影編で撮影した写真を現像していただきました。
「はじめてのフィルムカメラ」撮影編はこちら

夏らしくさわやかな印象で、この日の空気感が鮮やかに感じられる大好きな写真になり、胸がときめいてしまいました。

 

photo by 松浦稀

photo by 松浦稀

photo by 松浦稀

photo by 松浦稀

photo by 松浦稀

photo by 松浦稀

 

今回、monogramさんのおかげで自分好みのオーダーができる楽しさを知りました!

またまた早く写真が撮りたくなってしまいました。いざ、夏旅へ出かけてきます!

 

稀’s Photo Note

・はじめての人は、まず好きな写真の雰囲気を伝えるところから

・スマホで参考にしたい写真を見せてもOK

・「さわやか」「やわらかい」「力強く」など、「雰囲気」でオーダーもできる

・「明るさ」「鮮やかさ」「色味」をオーダーすると、より自分好みに仕上げることができる

・「色味」でどの色についてオーダーするか困った場合、「暖色」や「寒色」と伝えるのも◎

・プリントはサイズ、紙質、白フチありなしを選べる

 

Photographer’s Note

待つ時間もワクワク!自分好みに仕上げる写真店でのオーダーを体験してきました
待つ時間もワクワク!自分好みに仕上げる写真店でのオーダーを体験してきました

 

店内はあまり引きでは撮れないため広角レンズを使いました。暗めの店内では明るいレンズがオススメ。フィルムはISO800を使い、自然光が明るくそそぐ窓際ではなるべく光を取り入れました。また、木を基調とした落ち着いたお店なので、それを生かすためしっとりとした雰囲気を残すように調整しました。お店の雰囲気とフィルム写真の風合いがマッチしたと思います。 

— photo by もなみん


monogram
東京都目黒区鷹番2-19-13
TEL:03-3760-5852
営業時間:12:00〜20:00
定休日:水曜日
http://monogram.co.jp/

※お店での撮影はお店の方に許可を得てから、お店や他のお客様に迷惑にならないようご注意ください。また、撮影のみのご利用はご遠慮ください。

※こちらに掲載している情報は2019年8月20日現在のものです。

 

 

 

Model:松浦稀(@marematsuura
Supported by L&MARK

 

 

恋するフィルムカメラ ~海辺のフォトさんぽ in the summer time~

恋するフィルムカメラ ~海辺のフォトさんぽ in the summer time~

みなさん、こんにちは! 松浦稀(@marematsuura)です。普段、撮影のモデルをさせていただくことが多いのですが、写真には前々から興味を持っていました。

はじめてのフィルムカメラ「New FM2」を手に入れたことで、写真愛がものすごく高まっている今日この頃。カメラを持っておでかけしたい…でも基本操作を教わったばかりでちょっぴり不安に思っていたら、「晴れ、ときどきレトロ気分」で撮影していただいたフォトグラファーのnanoさん(@nanono1282)と一緒にフォトさんぽへ行くことに。nanoさんの写真が大好きなので、フィルムカメラを教えてもらえる喜びにもうドキドキしています!

「はじめてのフィルムカメラ購入編」はこちら
「晴れ、ときどきレトロ気分」はこちら

 

 

FE、Nikkor S Auto 5cm F2 / photo by a y a .

FE、Nikkor S Auto 5cm F2 / photo by a y a .

FE、Nikkor S Auto 5cm F2 / photo by a y a .

FE、Nikkor S Auto 5cm F2 / photo by a y a .

 

やってきたのは、海が見える公園です。天気はときおり晴れ間が見えますが、あいにくのくもり空。「晴れたらいいね~」とnanoさんと話しながら、画になりそうなところを探しにおさんぽスタートです! 

Point.1 ピント位置とボケ

観覧車の下の茂みで、ピント位置とボケについて教えてもらいました。ボケをうまく使うと主役を引き立たせることができて、ピント位置で手前をぼかすか背景をぼかすかを選べるんだそうです。

早速、F値を5.6に設定して奥にある観覧車にピントを合わせて撮ると、全体にピントが合った写真が撮れました。

 

New FM2、AI Nikkor 50mm f/1.4S / photo by 松浦稀

New FM2、AI Nikkor 50mm f/1.4S / photo by 松浦稀

 

次に、手前の草にピントを合わせて、F値を小さくして「背景ボケ」にチャレンジ。

 

New FM2、AI Nikkor 50mm f/1.4S / photo by 松浦稀

New FM2、AI Nikkor 50mm f/1.4S / photo by 松浦稀

 

うまくぼかすことに成功! 背景とピントを合わせるものに距離があるときれいにぼけるんだそうです。

 

FE2、Nikkor S Auto 5cm F2 / photo by nano

FE2、Nikkor S Auto 5cm F2 / photo by nano

 

「今度は前ボケをやってみよう」と、二人で距離をとって撮り合いっこ。前ボケを入れると奥行き感が強調されるそうで、小さいものを前ボケにするのがさりげなくていいそうです。

 

New FM2、AI Nikkor 50mm f/1.4S / photo by 松浦稀

New FM2、AI Nikkor 50mm f/1.4S / photo by 松浦稀

 

草にちょこんと埋もれるnanoさんがかわいいです。nanoさんにピントを合わせて、背の高い草を前ボケに…はじめてにしてはうまくできたかな?

 

FE2、Nikkor S Auto 5cm F2 / photo by nano

FE2、Nikkor S Auto 5cm F2 / photo by nano

 

こちらはnanoさんが撮った前ボケ写真。私が撮った写真よりもそのときの空気感が伝わってきて、素敵です! 比較するととても勉強になります。

 

New FM2、AI Nikkor 50mm f/1.4S / photo by 松浦稀

New FM2、AI Nikkor 50mm f/1.4S / photo by 松浦稀

 

いよいよ観覧車へ!

「乗るの何年ぶりだろう」と久々の観覧車にちょっと興奮しました。高さに怖がるnanoさんがかわいくて思わずパシャリ。彼氏目線できゅんきゅんしてしまいました(笑)

 

New FM2、AI Nikkor 50mm f/1.4S / photo by 松浦稀

New FM2、AI Nikkor 50mm f/1.4S / photo by 松浦稀

FE2、Nikkor S Auto 5cm F2 / photo by nano

FE2、Nikkor S Auto 5cm F2 / photo by nano


頂上から見る景色は広々として気持ちよかったなぁ! 

 

FE2、Nikkor S Auto 5cm F2 / photo by nano

FE2、Nikkor S Auto 5cm F2 / photo by nano

 

広い景色全体を撮るときはF値を大きくするといいそうです。…ということで早速!

 

New FM2、AI Nikkor 50mm f/1.4S / photo by 松浦稀

New FM2、AI Nikkor 50mm f/1.4S / photo by 松浦稀

 

F値を大きくすると、奥のビルまでしっかり写せました。広い景色になんだか心が落ち着きます。

 

New FM2、AI Nikkor 50mm f/1.4S / photo by 松浦稀

New FM2、AI Nikkor 50mm f/1.4S / photo by 松浦稀

 

この写真は少しピントが甘かったのですが、白い空と淡い風景で幻想的な雰囲気になりました。

久しぶりの観覧車とはじめての高所撮影という楽しい空中さんぽでした。

 

FE2、Nikkor S Auto 5cm F2 / photo by nano

FE2、Nikkor S Auto 5cm F2 / photo by nano

FE、Nikkor S Auto 5cm F2 / photo by a y a .

FE、Nikkor S Auto 5cm F2 / photo by a y a .

 

観覧車を降りた頃、くもり空から青空へ。やったー! うれしくてたくさんシャッターを切りました。

 

FE2、Nikkor S Auto 5cm F2 / photo by nano

FE2、Nikkor S Auto 5cm F2 / photo by nano

New FM2、AI Nikkor 50mm f/1.4S / photo by 松浦稀

New FM2、AI Nikkor 50mm f/1.4S / photo by 松浦稀

FE、FE、Nikkor-N Auto 24mm F2.8 / photo by a y a .

FE、FE、Nikkor-N Auto 24mm F2.8 / photo by a y a .

 

「見て稀ちゃん、反射がきれいだよ!」とnanoさん。さっきまで乗っていた観覧車が水面に映っていました。さすが、フォトグラファーさんの視点…。「水面に反射した観覧車だけ写すとおもしろい写真になるよ」とnanoさんが教えてくれました。これが構図というものか…! 

 

New FM2、AI Nikkor 50mm f/1.4S / photo by 松浦稀

New FM2、AI Nikkor 50mm f/1.4S / photo by 松浦稀

 

水の揺らぎでぶれる観覧車もかわいいです。

 

FE2、Nikkor S Auto 5cm F2 / photo by nano

FE2、Nikkor S Auto 5cm F2 / photo by nano

 

こちらはnanoさんが撮った水面に映る観覧車。反射の場合はなるべくシンプルにした方が見せたいものが生きるんだそうです。たしかに! 同じ被写体でも切り取り方で印象が全然違うんですね。

Point.2 露出と光と影

次にやってきたのは、公園を一望できる展望台です。

 

New FM2、AI Nikkor 50mm f/1.4S / photo by 松浦稀

New FM2、AI Nikkor 50mm f/1.4S / photo by 松浦稀

FE、FE、Nikkor-N Auto 24mm F2.8 / photo by a y a .

FE、FE、Nikkor-N Auto 24mm F2.8 / photo by a y a .

New FM2、AI Nikkor 50mm f/1.4S / photo by 松浦稀

New FM2、AI Nikkor 50mm f/1.4S / photo by 松浦稀

 

外観は「白と透明」という印象のこの建物。中には意外にも影のあるスポットも。「明暗差があるところだと、また違った雰囲気の写真が撮れるよ」とnanoさん。早速、光と影の写し方を教えてもらいました。

 

FE、FE、Nikkor-N Auto 24mm F2.8 / photo by a y a .

FE、FE、Nikkor-N Auto 24mm F2.8 / photo by a y a .

FE、FE、Nikkor-N Auto 24mm F2.8 / photo by a y a .

FE、FE、Nikkor-N Auto 24mm F2.8 / photo by a y a .

 

明暗差が大きいところでは、「背景が白く飛んでも被写体を明るく写すか」「背景メインで被写体を暗く(シルエットに)するか」「両方ともバランスよく写すか」で、露出を調整していくそうです。nanoさんは被写体の表情も背景も写る中間くらいの明るさが好きだそうで、私もその写し方に挑戦してみました!

 

FE、FE、Nikkor-N Auto 24mm F2.8 / photo by a y a .

FE、FE、Nikkor-N Auto 24mm F2.8 / photo by a y a .

New FM2、AI Nikkor 50mm f/1.4S / photo by 松浦稀

New FM2、AI Nikkor 50mm f/1.4S / photo by 松浦稀

 

私が撮ったnanoさん。しっとりとした雰囲気がお気に入りです。

 

FE、FE、Nikkor-N Auto 24mm F2.8 / photo by a y a .

FE、FE、Nikkor-N Auto 24mm F2.8 / photo by a y a .

FE2、Nikkor S Auto 5cm F2 / photo by nano

FE2、Nikkor S Auto 5cm F2 / photo by nano

 

nanoさんのお手本。背景と人物でそれぞれ適正露出になるシャッタースピードをチェックして、その中間のシャッタースピードで撮るそうです(例えば背景が1/500で人物が1/125なら1/250に設定)。背景から被写体の表情までしっかりと写っていますね。光と影が混ざって、なんだかほんのりやさしい印象を受けます。

 

FE2、Nikkor S Auto 5cm F2 / photo by nano

FE2、Nikkor S Auto 5cm F2 / photo by nano

New FM2、AI Nikkor 50mm f/1.4S / photo by 松浦稀

New FM2、AI Nikkor 50mm f/1.4S / photo by 松浦稀

 

真っ白な空間で撮るのも、服の色がアクセントになってかわいかったです。nanoさんのワンピースの色が白い空間に映えていました。

 

FE、FE、Nikkor-N Auto 24mm F2.8 / photo by a y a .

FE、FE、Nikkor-N Auto 24mm F2.8 / photo by a y a .

New FM2、AI Nikkor 50mm f/1.4S / photo by 松浦稀

New FM2、AI Nikkor 50mm f/1.4S / photo by 松浦稀

 

ガラスにスカートが反射しているのもかわいい…。nanoさんに何往復もしてもらって、たくさん撮ってしまいました。

 

FE、FE、Nikkor-N Auto 24mm F2.8 / photo by a y a .

FE、FE、Nikkor-N Auto 24mm F2.8 / photo by a y a .

FE、FE、Nikkor-N Auto 24mm F2.8 / photo by a y a .

FE、FE、Nikkor-N Auto 24mm F2.8 / photo by a y a .


写真を撮ることに夢中になっているとちょっとしたハプニング。フィルムを交換するときにセットしたままふたを開けてしまって、光が入ってしまったんです…。nanoさんが「やっちゃったね!」と笑っていました。

「撮った写真は大丈夫かな…」と少し心配でしたが、現像してみたらいろんな光が入っていて驚きです。また新しい雰囲気の色にときめいてしまいました。フィルムって楽しい…!

 

New FM2、AI Nikkor 50mm f/1.4S / photo by 松浦稀

New FM2、AI Nikkor 50mm f/1.4S / photo by 松浦稀

New FM2、AI Nikkor 50mm f/1.4S / photo by 松浦稀

New FM2、AI Nikkor 50mm f/1.4S / photo by 松浦稀

New FM2、AI Nikkor 50mm f/1.4S / photo by 松浦稀

New FM2、AI Nikkor 50mm f/1.4S / photo by 松浦稀

New FM2、AI Nikkor 50mm f/1.4S / photo by 松浦稀

New FM2、AI Nikkor 50mm f/1.4S / photo by 松浦稀

 

Break 夏らしい色発見!

New FM2、AI Nikkor 50mm f/1.4S / photo by 松浦稀

New FM2、AI Nikkor 50mm f/1.4S / photo by 松浦稀

FE2、Nikkor S Auto 5cm F2 / photo by nano

FE2、Nikkor S Auto 5cm F2 / photo by nano

 

通りがかりに売店を発見。さっき教えてもらった前ボケをここでも実践してみました。吊るされているボールを前ボケにして撮影してみたり…。奥行き感が出てますね。

 

New FM2、AI Nikkor 50mm f/1.4S / photo by 松浦稀

New FM2、AI Nikkor 50mm f/1.4S / photo by 松浦稀

 

この日は少し暑くて、かき氷とラムネを注文しました。私はイチゴ、nanoさんはブルーハワイのかき氷。夏っぽくて、これまたかわいい!

 

FE、FE、Nikkor-N Auto 24mm F2.8 / photo by a y a .

FE、FE、Nikkor-N Auto 24mm F2.8 / photo by a y a .

New FM2、AI Nikkor 50mm f/1.4S / photo by 松浦稀

New FM2、AI Nikkor 50mm f/1.4S / photo by 松浦稀

 

かき氷を待つワクワクの時間、小さい頃を思い出しました。

 

New FM2、AI Nikkor 50mm f/1.4S / photo by 松浦稀

New FM2、AI Nikkor 50mm f/1.4S / photo by 松浦稀

New FM2、AI Nikkor 50mm f/1.4S / photo by 松浦稀

New FM2、AI Nikkor 50mm f/1.4S / photo by 松浦稀

 

でき上がったかき氷にすかさずシャッターを切ります。ちょこんと隠れてるソフトクリームの置物もかわいかったです。

 

FE、Nikkor S Auto 5cm F2 / photo by a y a .

FE、Nikkor S Auto 5cm F2 / photo by a y a .

FE、FE、Nikkor-N Auto 24mm F2.8 / photo by a y a .

FE、FE、Nikkor-N Auto 24mm F2.8 / photo by a y a .

 

夏色のかき氷に大喜び!
早速いただきます…の前にしっかり写真におさめます。

 

FE2、Nikkor S Auto 5cm F2 / photo by nano

FE2、Nikkor S Auto 5cm F2 / photo by nano

New FM2、AI Nikkor 50mm f/1.4S / photo by 松浦稀

New FM2、AI Nikkor 50mm f/1.4S / photo by 松浦稀

 

2つをきれいに並べて、少し引いて撮るのもかわいかったです。

 

FE、FE、Nikkor-N Auto 24mm F2.8 / photo by a y a .

FE、FE、Nikkor-N Auto 24mm F2.8 / photo by a y a .

FE、FE、Nikkor-N Auto 24mm F2.8 / photo by a y a .

FE、FE、Nikkor-N Auto 24mm F2.8 / photo by a y a .

FE2、Nikkor S Auto 5cm F2 / photo by nano

FE2、Nikkor S Auto 5cm F2 / photo by nano

 

今年初のかき氷。写真におさめて、一緒に食べて、いつもよりおいしく感じる! エネルギー補給も十分です。

Point.3 海とリフレクション

New FM2、AI Nikkor 50mm f/1.4S / photo by 松浦稀

New FM2、AI Nikkor 50mm f/1.4S / photo by 松浦稀

FE、FE、Nikkor-N Auto 24mm F2.8 / photo by a y a .

FE、FE、Nikkor-N Auto 24mm F2.8 / photo by a y a .

 

夏といえばやっぱり海! 水面が空をキラキラと映していました。
「サンダルを脱いで海に入って撮影」と思ったのですが、クラゲがたくさんいたので…(笑) 波打ち際で撮ることにしました。

 

New FM2、AI Nikkor 50mm f/1.4S / photo by 松浦稀

New FM2、AI Nikkor 50mm f/1.4S / photo by 松浦稀

 

nanoさんに波打ち際を歩いてもらいました。ワンピースが風になびいてひらひら。波と足元って、画になりますね。風が強くなって、驚くnanoさんもかわいかったなぁ。

 

New FM2、AI Nikkor 50mm f/1.4S / photo by 松浦稀

New FM2、AI Nikkor 50mm f/1.4S / photo by 松浦稀

FE2、Nikkor S Auto 5cm F2 / photo by nano

FE2、Nikkor S Auto 5cm F2 / photo by nano

New FM2、AI Nikkor 50mm f/1.4S / photo by 松浦稀

New FM2、AI Nikkor 50mm f/1.4S / photo by 松浦稀

 

二人で動きながら撮り合いっこ。ピントがうまく合わなかった写真も、楽しい思い出が詰まっています。

そして、nanoさんが簡単にできるとっておきを教えてくれました。それは「多重露出」です。「シャッターの横についているレバーはこのためだったのか!」と驚き。

 

FE、Nikkor S Auto 5cm F2 / photo by a y a .

FE、Nikkor S Auto 5cm F2 / photo by a y a .

恋するフィルムカメラ ~海辺とフォトさんぽ in the summer time~

1枚目のシャッターを切った後に、人差し指で多重露出レバーを手前に引きながら巻き上げレバーを回します。2枚目のシャッターを切ると、2枚が1つの写真として重なります。

New FM2、AI Nikkor 50mm f/1.4S / photo by 松浦稀

New FM2、AI Nikkor 50mm f/1.4S / photo by 松浦稀

 

海とnanoさんを重ねてみました。イメージがつかなくて、どんな写真になるだろうとドキドキ。現像した写真を見ると、深みのある想像以上の仕上がりに感動しました!

 

FE2、Nikkor S Auto 5cm F2 / photo by nano

FE2、Nikkor S Auto 5cm F2 / photo by nano

FE2、Nikkor S Auto 5cm F2 / photo by nano

FE2、Nikkor S Auto 5cm F2 / photo by nano

 

人物に重ねるときはシンプルなものがいいとのこと。2枚を重ねると写真全体が明るくなるので、露出を少し暗めにするといいそうです。

 

New FM2、AI Nikkor 50mm f/1.4S / photo by 松浦稀

New FM2、AI Nikkor 50mm f/1.4S / photo by 松浦稀

 

時間が経つにつれて引き潮になると、ついにリフレクションが! ワンピースの色と淡いリフレクションに、「撮りたい!」と自然にシャッターを切ってしまいました。ずっと撮っていたかったなぁ。

 

New FM2、AI Nikkor 50mm f/1.4S / photo by 松浦稀

New FM2、AI Nikkor 50mm f/1.4S / photo by 松浦稀

New FM2、AI Nikkor 50mm f/1.4S / photo by 松浦稀

New FM2、AI Nikkor 50mm f/1.4S / photo by 松浦稀

 

この胸のドキドキ…。どうやらフィルムカメラに恋をしてしまったようです。二人ではしゃいで、撮り合って、夏の素敵な思い出ができました! 日常のときめきを、フィルムカメラを通して大切に残していきたいと思います。

よ~し、次はどこへ行こうかな! ときめき探しに今日も出かけます。

 

FE2、Nikkor S Auto 5cm F2 / photo by nano

FE2、Nikkor S Auto 5cm F2 / photo by nano

 

稀's Photo Note

Point.1 ピント位置とボケ

・被写体が際立つ背景ボケ:背景との距離があるほどきれいにぼける

・奥行き感が出る前ボケ:小さいものをさりげなく前ボケに入れるのがコツ

・ピント位置:背景をぼかすか、手前をぼかすかでピントを合わせる位置を変える

 

Point.2 露出と光と影

・明暗差が大きい場合:被写体と背景のどちらか、もしくは中間に合わせるかで露出を調整する

・被写体と背景の中間に露出を合わせる場合:被写体と背景それぞれで適正露出となるシャッタースピードを調べて、その中間値で撮影する

 

Point.3 海とリフレクション

・多重露出:シンプルなものを重ねるのがオススメ(写真が明るめになるので露出に注意!)

・リフレクション:引き潮になった場所ではきれいなリフレクションが撮れる(水面の反射を撮る場合はシンプル構図が◎)

 

 

同行撮影:a y a .(@o_a_y_a
Supported by L&MARK

※撮影協力:ダイヤと花の大観覧車