ジャンル別フィルム5種を撮り比べ – 標準的なネガからリバーサル、個性派、モノクロ、タングステンまで

ジャンル別フィルム5種を撮り比べ – 標準的なネガからリバーサル、個性派、モノクロ、タングステンまで

みなさん、はじめまして。「金曜日のミニシアター」として活動している、ナカムラユウスケ(@you.co.co)です。

フィルムカメラは幼い頃から身近な存在で、5歳のときに親のカメラを持ち出し、近所を1周する間にフィルム1本を撮り切ってしまったことを覚えています。

本格的にフィルム撮影をするようになったのはここ数年。写真家・川島小鳥さんの『BABY BABY』という写真集がきっかけで、人物写真を撮りたいと思うようになりました。

 

F3、AI Nikkor 50mm f/1.4/使用フィルム:FUJIFILM SUPERIA PREMIUM 400
F3、AI Nikkor 50mm f/1.4/使用フィルム:CineStill 800T
F3、AI Nikkor 50mm f/1.4/使用フィルム:(左)FUJIFILM SUPERIA PREMIUM 400、(右)CineStill 800T

 

個性的なフィルム「LomoChrome Metropolis」や「LomoChrome Purple」に出会ったことも、フィルム撮影に力を入れるようになった転機です。その独特の色味とコントラストに「フィルムって楽しい!」と強く感じた瞬間でした。

 

F3、AI Nikkor 50mm f/1.4/使用フィルム:LomoChrome Metropolis
F3、AI Nikkor 50mm f/1.4/使用フィルム:LomoChrome Purple
F3、AI Nikkor 50mm f/1.4/使用フィルム:(左)LomoChrome Metropolis、(右)LomoChrome Purple

 

写真はそこにあるものや環境、一緒に写す人や天候によって世界が変わり、フィルム撮影では「フィルムのつくり出すイメージに導かれている」と感じることが何度もあります。どんな世界に連れて行ってくれるのか、何を見せてくれるのか、どう感じさせてくれるのか…。時にハプニングもありますが、このソワソワ感はアナログ表現ならではの感情です。

 

今回は、はじめてのフィルムを含む5種類を撮り比べ、個性や表現のポイントを紹介したいと思います。フィルム選びの参考にしていただきたいですし、フィルムの楽しさや魅力を少しでもお伝えできたらうれしいです。

 

ジャンル別フィルム5種を撮り比べ

ジャンル別フィルム5種を撮り比べ – 標準的なネガからリバーサル、個性派、モノクロ、タングステンまで

 

以下の5つのジャンルで、1種類ずつ合計5種類のフィルムを撮り比べます。

  • スタンダード(ネガフィルム)
  • リバーサルフィルム
  • ユニーク(ネガフィルム)
  • モノクロ(ネガフィルム)
  • タングステン(ネガフィルム)

 

なお、はじめてのフィルムを使うときは、メーカーが提供している情報や作例などを確認しています。何度か試し撮りをするのが理想的ですが、フィルムによってはなかなか手に入らない貴重なものや高価なものも。その場合は、露出設定を大切にすることを意識しています。

スタンダード:Kodak ColorPlus 200

F3、AI Nikkor 50mm f/1.4

F3、AI Nikkor 50mm f/1.4

 

オーソドックスな写りで尖った特徴がない分、どんな場面でも使いやすいのが強みです。私自身、自分の納得いく表現が見つかっていなかった頃に、まとめ買いをしてよく使っていました。

 

F3、AI Nikkor 50mm f/1.4
F3、AI Nikkor 50mm f/1.4
F3、AI Nikkor 50mm f/1.4

 

全体的に素朴な暖色をまとっているため、フィルムらしいノスタルジックな雰囲気を楽しむことができ、身近なものや日常の何気ない時間、被写体の持つ空気感を表すのに適しています。

 

フィルムの特徴を生かすコツ

優しい色味とISO200の感度を生かして、ある程度開放の設定で撮影するのがオススメです。

基本的には使いやすいフィルムですが、ISO200を考慮した上で暗い時間帯や室内などでは光を意識しましょう。

 

F3、AI Nikkor 50mm f/1.4

F3、AI Nikkor 50mm f/1.4

 

窓からちょうど光が入る時間帯だったので、その光がつくり出す影を切り取りました。露出をハイライト部で決めることによって、陰影がしっかり描写されるように心がけています。

 

F3、AI Nikkor 50mm f/1.4
F3、AI Nikkor 50mm f/1.4
F3、AI Nikkor 50mm f/1.4

 

暗い室内で写した上の2枚は、どちらも開放F値近くで撮影しています。客観的な視点と人物の主観的な視点とを共存させたいと思い、引いた構図で被写体の目線の先で露出を合わせました。

 

さらに使いこなすには

F3、AI Nikkor 50mm f/1.4

F3、AI Nikkor 50mm f/1.4

 

強い個性がない分、普段からユニークなフィルムを使っている方には物足りなさを感じることもあるかもしれません。ですが、素直に写すこと、目の前の事象に感情をトレースすること、物語を描くことなど、標準的なカラーネガだからこそ向き合えるものがあるはずです。

 

現像・データ化のポイント

オーソドックスな写りなので、オーダーで自分好みへ仕上げやすいというメリットがあります。

 

 

「Kodak ColorPlus 200」作例ギャラリー

リバーサル:FUJIFILM Velvia 100

F3、AI Nikkor 50mm f/1.4

F3、AI Nikkor 50mm f/1.4

 

リバーサルフィルム(ポジフィルム)は、ネガフィルムに比べてラチチュード(明部から暗部までの再現可能な幅)が狭いため、正確な露出設定が求められます。その分、高彩度で鮮やかな色になるのが特徴です。

 

F3、AI Nikkor 50mm f/1.4

F3、AI Nikkor 50mm f/1.4

 

彩度を生かして木漏れ日や木々の美しさ、その中に人を入れて撮るのにぴったりだと思います。また、低感度のため、明るい場所で開放F値にしても適正露出で撮影可能です。透明感のある写真や爽やかなイメージの写真を撮りたいときにも適しています。

 

F3、AI Nikkor 50mm f/1.4

F3、AI Nikkor 50mm f/1.4

 

フィルムの特徴を生かすコツ

F3、AI Nikkor 50mm f/1.4

F3、AI Nikkor 50mm f/1.4

 

ISO100ということで明るさが必要ですが、屋外であればそれほど難しいことはありません。発色のよさやシャープネスを生かすために、屋外で撮影するときには少し絞ってピントが正確に合うことを意識します。ボケ感もふんわりというよりもしっかりした印象で、木漏れ日や水面の光など、きらきらした雰囲気を表現するときには開放F値で撮影するといいでしょう。

 

F3、AI Nikkor 50mm f/1.4

F3、AI Nikkor 50mm f/1.4

 

上の写真は、手の部分はしっかりとした描写になっているのに対し、手前のボケと後ろのボケがともにやわらかく表現され、コントラストが気持ちいい1枚です。

 

さらに使いこなすには

「リバーサルフィルムは露出設定がシビア」という情報を意識しすぎてしまい、目の前の瞬間を素直な気持ちで撮れないことがありました。使い慣れてもっと心のままに撮影できれば、このフィルムのよさを楽しめるのかなと感じました。

 

F3、AI Nikkor 50mm f/1.4

F3、AI Nikkor 50mm f/1.4

 

その中でもこの写真は、勢いでシャッターを切った瞬間でお気に入りです。

 

現像・データ化のポイント

オーダーで調整しやすいフィルムですが、リバーサルはネガに比べて費用がかかり、日数を要することが多いです。なお、現像後のリバーサルフィルムは、写真の色や明るさがその通りに現れます。光を感じる写真や爽やかなイメージの写真はとても美しく、撮影後の楽しみがあるのも魅力的でした。

 

 

「FUJIFILM Velvia 100」作例ギャラリー

ユニーク:Lomography Redscale XR 35mm ISO 50–200

F3、AI Nikkor 50mm f/1.4

F3、AI Nikkor 50mm f/1.4

 

レッドスケール(Redscale)は、フィルム裏側の赤に敏感な層がレンズ近くにくるよう、フィルムをひっくり返して撮影する手法で、Lomographyでは商品としてラインアップがあります。はじめてこのフィルムに出会ったとき、実験的な試みにワクワクしたのを覚えています。

全体的に赤みがかる独特な風合いで、朝焼けに染まった世界をよりドラマチックに表現することができたり、レトロな空気をまとわすことができる点が、とてもユニークです。

 

F3、AI Nikkor 50mm f/1.4

F3、AI Nikkor 50mm f/1.4

F3、AI Nikkor 50mm f/1.4

F3、AI Nikkor 50mm f/1.4

 

実際に目で見えている世界とは異なった仕上がりになるため、何を撮っても楽しいと思います。特に風景や、風景の中に人を置くようなポートレートは、どこか自分の知らない異国のような雰囲気です。

 

フィルムの特徴を生かすコツ

F3、AI Nikkor 50mm f/1.4
F3、AI Nikkor 50mm f/1.4
F3、AI Nikkor 50mm f/1.4

 

色の変化は、青空や色鮮やかな植物などから撮りはじめるとわかりやすいです。全体が赤系統の色に染まり、シャドー部が少し青みがかるのですが、モノクロで撮影するときと同じように光の明暗や背景と被写体のコントラストなどを意識するとこのフィルムの持ち味を生かせます。

ISO感度は50~200で選べますが、「ISO200の適正で撮影すると全体的に赤く、それよりも明るめに露出するとオレンジや黄色に寄る」ということを念頭に置きましょう。

 

F3、AI Nikkor 50mm f/1.4

F3、AI Nikkor 50mm f/1.4

 

逆光で光を強く取り入れるときに、シャドー部をある程度生かそうとすると、ハイライト部がオーバー気味になってしまうのも特徴です。明暗のコントラストが強めに出るフィルムなので、「全体的にディテールを残しつつも、ノスタルジックな空気感を出す」ということができると思います。

 

F3、AI Nikkor 50mm f/1.4

F3、AI Nikkor 50mm f/1.4

 

なお、屋外で光が安定しない場合などはアンダーになるため、黒くつぶれた写真にならないように少し明るめの露出で撮影する必要があります。

 

さらに使いこなすには

ISO感度の設定で特徴が変わるフィルムなのですが、個人的にはISO50のときの色のバランスがよいと感じました。そのため、少し暗い場所や逆光下での撮影では暗部で露出決定が必要だったり、シャッタースピードが遅めになる点が難しく感じました。

 

F3、AI Nikkor 50mm f/1.4
F3、AI Nikkor 50mm f/1.4
F3、AI Nikkor 50mm f/1.4

 

例えば左の写真は、水面のきらめきと女性の影の部分のバランスを取るのが難しく、きらめきが少しつぶれて、手前の暗部もベタっとしてしまったのが残念でした。その点、右の写真は手前の暗部が濃くなることによって光の輪郭が際立つ写真になりました。

 

現像・データ化のポイント

フィルムの特徴を生かすようにオーダーすると安心です。シャドー部分がつぶれているのが好きな方や、しっかりした描写が好みの方は、その点をしっかり伝えておくとよいと思います。

 

 

「Lomography Redscale XR 35mm ISO 50–200」作例ギャラリー

モノクロ:Lomography Lady Grey B&W 35mm ISO 400

New FM2、AI Nikkor 50mm f/1.4S

New FM2、AI Nikkor 50mm f/1.4S

 

コントラストの強い、白黒映画のように仕上がるフィルムです。モノクロは、シャッターを切る瞬間にカラーだった世界が、写真が仕上がるときには白黒で写し出されるのがおもしろさであり、ロマンを感じます。

 

New FM2、AI Nikkor 50mm f/1.4S
New FM2、AI Nikkor 50mm f/1.4S
New FM2、AI Nikkor 50mm f/1.4S

 

ISO400で屋外内と幅広いシチュエーションで使用でき、はじめてモノクロで撮影する方にも扱いやすいでしょう。また、シンプルで落ち着いた写真や、構図にこだわって撮影をしたい方、ダイナミックレンジを生かした風景や建物の撮影にもオススメです。

 

フィルムの特徴を生かすコツ

New FM2、AI Nikkor 50mm f/1.4S
New FM2、AI Nikkor 50mm f/1.4S
New FM2、AI Nikkor 50mm f/1.4S

 

慣れていないと、モノクロ的な見方は難しく感じるかもしれません。そんなときは、まず影を探して光の輪郭をイメージしてみると、モノクロの美しさや楽しさを理解しやすいと思います。影を撮っていくうちに自分の好きな光の形を知ることができるはずです。

 

New FM2、AI Nikkor 50mm f/1.4S

New FM2、AI Nikkor 50mm f/1.4S

 

上の写真は、グレーになっていく奥の部分と、光がしっかり描写されている手前の部分が共存していますが、光や構図に集中して見てもらえるのはモノクロの利点です。

 

New FM2、AI Nikkor 50mm f/1.4S

New FM2、AI Nikkor 50mm f/1.4S

 

こちらはカラーがない分、全体的にすっきりしたシンプルな写真に仕上がりました。モノクロだからこそ、空や海の色よりも「木と女性」というテーマに目を向けてもらえているのだと思います。

なお、コントラストが強いフィルムのため、やわらかいイメージにするには、暗部と明部の中間ぐらいの露出で撮影するのがポイントです。

 

さらに使いこなすには

感度も階調も扱いやすかったのですが、全体的にのっぺりした印象にならないように光や構図には気をつけました。

 

New FM2、AI Nikkor 50mm f/1.4S

New FM2、AI Nikkor 50mm f/1.4S

 

例えば上の写真は、車内ということで光が限定的に差しこむ構図をつくり、オーソドックスな三分割構図ですが暗部の割合を増やすことで、モノクロらしい主役を引き立たせたポートレートになったと思います。

 

現像・データ化のポイント

カラーフィルムよりも構成する要素がシンプルな分、いろいろとオーダーをするとそのフィルムのよさを損ねる可能性があります。「フィルムの特徴を生かした仕上げ」をお願いするのがいいと思います。

 

 

「Lomography Lady Grey B&W 35mm ISO 400」作例ギャラリー

タングステン:AMBER T800

F3、AI Nikkor 50mm f/1.4

F3、AI Nikkor 50mm f/1.4

 

映画用フィルムを加工して、写真用にしたフィルムです。ISO800という高感度と独特な青み、タングステンならではのシネマチックな色味が特徴的。暗くなりがちな室内での人物撮影や、雰囲気のある夜の情景を切り取ることができます。

 

F3、AI Nikkor 50mm f/1.4

F3、AI Nikkor 50mm f/1.4

 

フィルムの特徴を生かすコツ

やはり、ISO800の高感度を生かした夜の撮影に適しています。このとき、街の光を探して被写体に当てたり、背景が輝いている場所を選ぶのもポイントです。

 

F3、AI Nikkor 50mm f/1.4
F3、AI Nikkor 50mm f/1.4
F3、AI Nikkor 50mm f/1.4

 

電球などの光源下で、自然な色味になるよう反応するのがタングステンフィルムの特徴です。例えば左の写真は、車のヘッドライトだけが光源で、青白い印象に。右の写真では暖色の光源の影響も受け、やわらかい印象に。この2枚の写真は、洋画と邦画のように、まったく雰囲気が異なります。

また、光がにじむような情景を選ぶことで、ただ重たいだけではなく、シネマチックな情景として写すことが可能です。

 

F3、AI Nikkor 50mm f/1.4
F3、AI Nikkor 50mm f/1.4
F3、AI Nikkor 50mm f/1.4

 

夜写真との比較のために、日中の室内でも撮影してみました。少し重みのある落ち着いたトーンになったことで、より物語性を感じる1枚になったと思います。何より、暗い室内でもシャドー部までしっかり描写できていて驚きました。

 

さらに使いこなすには

高感度ではありますが、その場所の光量を考えなければ明るさ不足になったり、シャッタースピードが遅くなって手ブレが生じてしまいます。

 

F3、AI Nikkor 50mm f/1.4

F3、AI Nikkor 50mm f/1.4

 

上の写真は、車の光でもう少し露出が上がると思ってシャッターを切ったのですが、タイミングがずれてアンダーになってしまいました。安定した光を意識したり、動く光のタイミングを読むことがこのフィルムの難しさであり、おもしろさでもあります。

 

現像・データ化のポイント

コントラストをしっかり出してもらったほうが、このフィルムの特徴を生かすことができます。暖色が好きな方は「“ほんの少しだけ”青みを抜く」というオーダーをするのが個人的にオススメです。

 

F3、AI Nikkor 50mm f/1.4

F3、AI Nikkor 50mm f/1.4

 

 

「AMBER T800」作例ギャラリー

フィルムの保管方法や現像に出す際のポイント

フィルムは長期間使わないものや高感度のものは冷蔵庫で、低感度のフィルムは高温多湿を避けて暗い場所で保管をしています。銘柄ごとに並べておくと在庫管理がしやすいです。

 

ジャンル別フィルム5種を撮り比べ – 標準的なネガからリバーサル、個性派、モノクロ、タングステンまで

 

撮影したフィルムは、いつも「フォトデポ彩色兼美」で現像やスキャンをお願いしています。

パーフォレーション(フィルムの両側に規則的に開けられた穴)まで含んだスキャンや、フィルムの特徴を生かしたスキャンなど、こちらが希望するイメージや色味に仕上がるのはもちろん、フィルムや撮影に関する質問にも丁寧に答えていただけて、信頼できる現像店です。

今回はフィルムの特徴がしっかり表れるように、「そのフィルムの特徴を生かしてください」とオーダーして、仕上げてもらいました。

Photographer's Note

ジャンルごとに紹介してきましたが、気になるフィルムは見つかりましたか?

今回紹介したフィルムのうち、ColorPlusとRedscale以外ははじめて使いました。慣れたフィルムは友人のような感覚で撮影に臨むことができ、はじめてのフィルムでは、初対面の人に会うときやはじめての喫茶店に行くときのようなワクワクと不安が入り混じった不思議な感覚になります。

 

お気に入りの1本「Lomography Redscale XR 35mm ISO 50–200」

F3、AI Nikkor 50mm f/1.4

F3、AI Nikkor 50mm f/1.4

 

5種類の中で特にお気に入りなのが「Lomography Redscale XR 35mm ISO 50–200」です。上の写真は、モデルさんにポーズをお願いしているとき、ふと見上げた空に飛んでくる鳥を見つけて直感的に撮影したものです。露出も構図もその瞬間に感覚で合わせたものですが、空のブルーとオレンジに染まる雲とを1枚に残すことができました。ユニークなカラーのフィルムだったからこそ、偶然性に“運命性”をより強く感じられる写真になったと思います。

 

フィルムで写真を撮るにはそれぞれの特徴をつかむ必要があり、いつもと違うものを使うと、自分でも予想していなかったような写真に仕上がることもあります。それが難しさでもあり楽しさでもあると改めて実感しました。

ぜひみなさんも、フィルムを通じて新しい写真の世界に出会っていただきたいです。

 

愛用のNikon機材

ジャンル別フィルム5種を撮り比べ – 標準的なネガからリバーサル、個性派、モノクロ、タングステンまで

 

私が普段の撮影で愛用しているのは、NikonのF3です。デザインの美しさに惹かれ、ほどよい重さと気持ちのよいシャッター音がとても気に入っています。多重露出撮影が好きなので、多重露出レバーがついていることは大きなポイントです。

レンズは広角や望遠なども使いますが、特によく使うのはAI Nikkor 50mm f/1.4です。ゆがみの少ない自然な画角や距離感は誠実な印象を与えてくれ、私の中の芯のような写りが50mm付近の焦点距離にはあると思います。

今回はNew FM2も使いましたが、とにかく使いやすかったです。はじめてのカメラはフィルムの装填に戸惑ってしまうことが多いのですが、問題なく一度できれいに装填できたのが驚きでした。露出計の正確さはもちろん、感覚的に使いやすいところや、通電状態でなければシャッターが切れない安全設計、ほどよい重みなど総合的に優秀で、これからフィルムをはじめる方に間違いなくオススメしたい1台でした。

 

各種フィルムの特徴まとめ

  1. Kodak ColorPlus 200(ネガフィルム):くせが少なく、素朴な暖色
  2. FUJIFILM Velvia 100(リバーサルフィルム):適正露出で撮ることで、高彩度に写る
  3. Lomography Redscale XR 35mm ISO 50–200(ネガフィルム):全体的に赤みがあり、レトロな雰囲気
  4. Lomography Lady Grey B&W 35mm ISO 400(ネガフィルム):コントラストがありつつも、やわらかさも出せるモノクロ
  5. AMBER T800(ネガフィルム):青みと描写がやわらかい、シネマチックな世界観

 

 

※この記事は、2023年1月17日現在の情報をもとに作成しております。
Model:ちえり(@chii_erii)、ひまり(@himari_sky_)、ちかっちい(@hmmnq)、和花奈(@miya__.wak.29)、pakao(@paka_graphy
Supported by L&MARK

 

 

20190523173947

F3

New FM2

New FM2

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AI Nikkor 50mm f/1.4

20190523173946

AI Nikkor 50mm f/1.4S

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ナカムラユウスケ

ナカムラユウスケ

休日写真作家「金曜日のミニシアター」。独自の世界観を表現した写真が人気を集めている。ドイツのコーヒーテーブルブックレーベル「orvelio」で初のモノクロフォトブック『A love letter directed to the light』をリリース。