はじめてでも意外と簡単!?フィルムカメラの基本の使い方

はじめてでも意外と簡単!?フィルムカメラの基本の使い方

みなさん、こんにちは。フォトグラファーのフジモリメグミ(@fujimorimegumi)です。普段は写真学校の講師もしています。

フィルムカメラ初心者さんのための連載企画「はじめてのフィルムカメラ」。第2回は操作編です。第1回で購入したNew FM2を持って、稀ちゃん(@marematsuura)に操作の仕方をレクチャーしてきました!

「はじめてのフィルムカメラ購入編」はこちら

 

はじめてでも意外と簡単!?フィルムカメラの基本の使い方

 

 

まずは各パーツを知ることから

はじめてでも意外と簡単!?フィルムカメラの基本の使い方

 

操作をはじめる前に、どんなパーツがあってどんな役割があるのか覚えていきましょう。

 

はじめてでも意外と簡単!?フィルムカメラの基本の使い方

 

カメラ前面にレンズを取り付けます。レンズには、ピントを調整する距離リングと絞りを調整する絞りリングがついていて、回して調整します。右手側にはセルフタイマーと絞り具合を確認するためのレバー。絞り込みレバーを操作するとピントの合う範囲を事前に確認できて便利ですよ。

 

はじめてでも意外と簡単!?フィルムカメラの基本の使い方

 

背面にはファインダーがあり、ここをのぞきこんで写り具合を確認します。フィルムをセットするときは巻き戻しノブを持ち上げて裏ぶたを開けます。裏ぶたの中央にある四角い枠(メモホルダー)にフィルムの箱のふたなど一部を切り取って入れておくと、今使っているフィルムが一目でわかるので安心です。

 

はじめてでも意外と簡単!?フィルムカメラの基本の使い方

 

上面には操作パーツが集合しています。左側はフィルムの出し入れに使うパーツ、右側は撮影時に使うパーツです。New FM2の場合は、シャッタースピードダイヤルとフィルム感度目盛が一体になっています。ダイヤルが多くて操作が大変そうに思うかもしれませんが、すぐに慣れるので心配はいりません!

レンズ交換の仕方を覚えよう

複数のレンズを使いわけるときなど、頻繁にレンズ交換をするときもあります。ここでは、レンズの取り付けと取り外しの仕方を覚えましょう。

※New FM2に非AIレンズは装着できませんのでご注意ください。

 

レンズの取り付け

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イスに座るなど安定した場所で、カメラとレンズのキャップを外して取り付けます。レンズとカメラの間にホコリや水滴が入らないように注意してくださいね。

カメラのレンズ着脱指標とレンズの絞り指標(カメラとレンズにある丸印)の位置を合わせてはめこみ、レンズの着脱リングを持って反時計方向にカチっと音がするまで回したら取り付け完了。簡単ですね!

 

レンズの取り外し

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レンズ着脱ボタンを押しながら、レンズの着脱リングを持って時計方向へ止まるまで回し、静かに外してください。外したレンズは、ホコリなどが付着しないようにキャップをつけて保管してくださいね。

ここが重要! フィルムのセットの仕方

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はじめての人にとって、フィルムのセットが一番難しく感じるポイントです。すぐに慣れるので一緒にやってみましょう。なお、新しいフィルムをセットする前に、撮影済み(撮影中)のフィルムが入っていないか裏ぶたを開ける前に確認することを忘れずに!

 

裏ぶたを開けてフィルムをセット

1. 裏ぶたロックレバーを手前に引いて、巻き戻しノブを引き上げ、カメラの裏ぶたを開ける(機種によっては巻き戻しノブにロックがかかっています)

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2. フィルム本体を入れ、巻き戻しノブを下げて固定する(フィルムの向きに注意)

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3. フィルムを引き出し、先端を巻き取りスプールの溝に差し込む

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4. フィルムの穴にツメがかかるように注意しながら巻き取りスプールを少し回す

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5. 巻き上げレバーを回してフィルムを巻き上げ、空シャッターを切る

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6. 裏ぶたを閉じ、巻き戻しノブを矢印の方向へ止まるまで静かに回してたるみをとる

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7. フィルムカウンターが1になるまで数回空シャッターを切る

はじめてでも意外と簡単!?フィルムカメラの基本の使い方

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これでフィルムのセットは完了です。2回くらいやってみると、すぐに慣れますよ!

ちなみに、フィルムのセットや交換のときは強い光がフィルムに当たらないよう、室内や日陰、または太陽を背にして自分の陰で行ってくださいね。

 

フィルムの感度と同じ数値に設定する

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フィルムをセットできたら、フィルムの感度と同じ数値にフィルム感度指標を合わせましょう(今回は感度400のフィルムを使用)。New FM2ではシャッタースピードダイヤルとフィルム感度目盛が一体になっていて、持ち上げて回すと感度設定を変更できます。

ピントを合わせよう

ファインダーをのぞきこむと、何気ない光景に心惹かれたりしておもしろいですよね。いいなと思った光景を写すために、ピントをしっかり合わせましょう。

 

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ファインダーをのぞいてみると、ぼんやりしています。これはピントが合っていない状態。レンズの距離リングを回して調整していきます。

 

はじめてでも意外と簡単!?フィルムカメラの基本の使い方

はじめてでも意外と簡単!?フィルムカメラの基本の使い方
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距離リングを自分から見て左方向に回すと近い位置に、右方向に回すと遠くの位置にピントが合うようになるので、ファインダーをのぞきながら確認します。レンズと被写体が近すぎるとピントが合わないので、その場合は自分が被写体から離れましょう。

 

なお、ピントが合っているかどうかはピント位置が鮮明に見えることに加えて、「スプリットプリズム」の部分も確認します。ピントが合っていない場合、上半分と下半分が左右にずれるので、上下がしっかりそろっていることを確認しましょう。

 

はじめてでも意外と簡単!?フィルムカメラの基本の使い方
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左の写真のスプリットプリズム部分を見ると、上下で柱がずれているのがわかります。右の写真のように柱の上下が合うように調整するとピントがしっかり合います。

写真の明るさ「露出」を調整して撮影!

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写真の明るさのことを「露出」といいます。ファインダーをのぞいたとき、右側に「○」という表示が見えますが、これは明るさを表す「露出計」です。「○」がちょうどいい明るさ、「―」だとそれより暗く、「+」だとそれより明るくなります。あえて+や―にしてみるのもおもしろいですよ!

※露出計は機種により異なります。

 

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露出を決める要素は「フィルムの感度」「F値」「シャッタースピード」の3つです。
感度、F値、シャッタースピードの関係についてはこちらの記事をチェック!

フィルムの感度(ISO)は100や400などフィルムによって異なり、数字が大きいほど明るく写ります。F値は絞りリングを、シャッタースピードはシャッタースピードダイヤルを回して調整しましょう。絞りリングの値を小さく、シャッタースピードダイヤルの数値を小さくするほど明るくなります。

※「絞り優先」というオート機能がある機種では、F値に合わせてちょうどいい明るさになるよう自動でシャッタースピードを設定してくれます。

 

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ピントと露出が合ったらシャッターボタンを押して、撮影完了です! 次の写真を撮るときは、巻き上げレバーを回します。

※New FM2の場合、上の写真のように巻き上げレバーを少し引き出さないとロックされてシャッターが切れません。

 

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ピントと露出を合わせると、明るくてしっかりピントのあったこんな写真が撮れますよ!

背景をきれいにぼかしたい

はじめてでも意外と簡単!?フィルムカメラの基本の使い方

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F値を小さくすると、背景をぼかすことができて雰囲気のいい写真になります。レンズの絞りリングを回して、F値を調整しましょう。

 

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New FM2なら、ピントが合う範囲を事前に絞り込みレバーで確認できます。レバーをカメラ側に引くと実際の写り具合が確認できるので、最初はこれで感覚をつかんでいきましょう!

※絞り込みレバーがない機種もあります。

 

はじめてでも意外と簡単!?フィルムカメラの基本の使い方
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左がF値を小さく(F2)、右がF値を大きくした(F8)場合。ボケ具合が違うのがわかりますね。なお、絞り込みレバーを使うと絞りが実際に作動するため、F値が大きいほど暗く見えます。

 

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F値を小さくして背景をぼかした写真

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F値を大きくして全体をくっきり写した写真

 

背景をぼかすと主役が引き立って雰囲気のいい写真に仕上がります。広い風景など全体を写したいときにはF値を大きくした方がいいので、うまく使いわけたいですね。

レンズによる写り具合の違いを知ろう

レンズによって50mmや24mmのように焦点距離が違っていて、写り具合も変わります。レンズ交換の仕方を覚えたら、撮影イメージに合わせて使いわけてみましょう。

 

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焦点距離50mm

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焦点距離24mm

 

焦点距離50mmのレンズで撮影すると実際の見た目に近くて自然な遠近感に。24mmのレンズで撮影すると広い範囲を写すことができて遠近感が強調されます。レンズ交換をすると、表現の幅が広がりますね!

フィルムを外して現像に出そう

フィルムを使い切ったら、取り外して写真店で現像しましょう。

 

はじめてでも意外と簡単!?フィルムカメラの基本の使い方
はじめてでも意外と簡単!?フィルムカメラの基本の使い方

 

フィルムを外すには底面にある巻き戻しボタンを押して、左上の巻き戻しクランクで巻き戻します。クランクを矢印の方向に回していくと、スッと軽くなる瞬間が! 「フィルムを巻き終えたよ」という合図です。

 

はじめてでも意外と簡単!?フィルムカメラの基本の使い方

 

裏ぶたをあけるとフィルムが巻き戻っているので、巻き戻しノブを上げてフィルムを取り外しましょう。写真店では現像と一緒にデータ化までできます。データをもらえばインスタにアップもできますよ!

はじめてのフィルムカメラギャラリー

はじめてでも意外と簡単!?フィルムカメラの基本の使い方

はじめてでも意外と簡単!?フィルムカメラの基本の使い方

 

操作の仕方を覚えた稀ちゃんは早速、公園で撮影開始。「撮影しているうちに、使い方はすぐに慣れちゃいました。1枚1枚どんなふうに写るのか想像しながらシャッターを切るのが楽しかったです!」と稀ちゃん。現像した写真を見て、フィルムのやわらかい質感に感動していました。雨上がりということで、しっとりしたいい雰囲気の写真ですね!

 

photo by 松浦稀

photo by 松浦稀

photo by 松浦稀

photo by 松浦稀

photo by 松浦稀

photo by 松浦稀

 

次回の「はじめてのフィルムカメラ」は撮影編です。稀ちゃんが今年の夏をどう切り取るのか、ぜひお楽しみに!

※New FM2に非Aiレンズは装着できませんのでご注意ください。
※ボディとレンズの組み合わせによっては使用できない場合もございますので、購入の際にはお店の方にご確認ください。

  

Model:松浦稀(@marematsuura
Supported by L&MARK 

 

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お気に入りの1台をどう探す?ショップスタッフに聞いた、フィルムカメラ選び5つのポイント

お気に入りの1台をどう探す?ショップスタッフに聞いた、フィルムカメラ選び5つのポイント

「フィルムカメラに興味はあるけど、選び方や使い方がわからなくてなかなか手が出ない」というお悩みの声をよく聞きます。そんなフィルムカメラ初心者さんのために、連載企画「はじめてのフィルムカメラ」がスタートします。第1回はドキドキの購入編。「晴れ、ときどきレトロ気分」の撮影でフィルムカメラに興味が出てきたという稀ちゃん(@marematsuura)が、お気に入りの1台を探しにカメラショップを訪れます。

「晴れ、ときどきレトロ気分」の記事はこちら

 

カメラショップにやってきました

はじめてのフィルムカメラ ~自分に合ったカメラの選び方~

 

今回やってきたのは、80年以上続く老舗の「フジヤカメラ店」。スタッフさんがお客さんと楽しそうに写真トークをしていて入りやすい雰囲気です。出迎えてくれた副店長の塩澤さんによると、2~3年前からフィルムカメラやオールドレンズを探しに来る若い方が増えてきているとのこと。フィルムブームを肌で感じているみたいです。

 

はじめてのフィルムカメラ ~自分に合ったカメラの選び方~

はじめてのフィルムカメラ ~自分に合ったカメラの選び方~

 

フィルムカメラといっても種類がたくさんあるので、どう選べばいいのか悩んでしまいますね。はじめての1台を選ぶのに何が大事なのか、塩澤さんに聞いてみました。

フィルムカメラ選びで重要なチェックポイント

まずフィルムの種類とカメラの種類を決め、それらを考えた上で「見た目が気に入るか」「実際に使いこなせそうか」をポイントに、気に入ったものがあれば商品の状態に問題がないかをお店の人と一緒に確認していくといいそうです。

 

1. フィルムの種類とカメラの種類を決める

はじめてのフィルムカメラ ~自分に合ったカメラの選び方~

 

フィルムの種類

フィルムにはサイズがいくつかあって、それによって使えるカメラも変わってきます。中でも手に入りやすい「35mmフィルム」は、カメラもサイズが小さくて持ち運びしやすいものが多く、はじめての人でも扱いやすいそう。


カメラの種類

35mmフィルム用のカメラの中にも、シャッターを押すだけで気軽に撮れる「コンパクトカメラ」、レンズ交換やきれいなボケを楽しめる「一眼レフカメラ」などいくつかのタイプがあります。一眼レフカメラでは、ピントや露出を自分で合わせたり、ボケ具合の調整など操作自体も楽しめる「マニュアル一眼レフ」が人気です。


2. 見た目が気に入るか

はじめてのフィルムカメラ ~自分に合ったカメラの選び方~

 

機能も大事ですが、見た目も重要なポイントです。シンプルなもの、クラシカルなもの、カメラ本体のデザインに魅力を感じてフィルムカメラをはじめる人もたくさんいます。せっかくなら、持ち歩きたくなるカメラを選びたいですよね。

何十年も前に作られたカメラはクラシックなデザインが魅力的ですが、その分機能が限られている場合があります。逆に機能が充実しているカメラは、デジタルカメラのデザインに近いものが多かったり…。何を優先するかを考えながら、お店の人に相談していきましょう。



3
. 実際に使いこなせそうか

はじめてのフィルムカメラ ~自分に合ったカメラの選び方~

 

マニュアル一眼レフは、シャッターなどの機構が電池なしでも制御できる「機械式カメラ」と、電池がないと制御できない「電子式カメラ」の2種類にわかれます。

機械式カメラは電池がなくてもシャッターを切れますが、写真の明るさ「露出」は自分で決める必要があります(機械式カメラでも露出計を作動させるための電池は必要です)。一方、電子式カメラはシャッターを切るのに電池が必要ですが、露出の決定をオートでできたり、写真の明暗や濃淡を簡単にコントロールできる「露出補正」という機能がついたカメラもあります。

実際に使いこなせそうかを操作してみながら、自分に合ったタイプを選びましょう。

※「電子式カメラ」は露出をすべてオートで設定できるものや、一部のみオートで設定するものがあります。

 

はじめてのフィルムカメラ ~自分に合ったカメラの選び方~

 

初心者の方は露出を判断するときに便利な「露出計」がついてるカメラを選ぶのがオススメです。ファインダーをのぞきこんで露出計がどう動くのかも確認しましょう。露出計がないカメラの場合でも、スマートフォン用の露出計アプリがあるので、うまく活用すれば問題なく使いこなせますよ。

 

はじめてのフィルムカメラ ~自分に合ったカメラの選び方~
はじめてのフィルムカメラ ~自分に合ったカメラの選び方~

New FM2のファインダーをのぞいたときの様子です。右側に赤く表示されるのが露出計です(機種により異なります)。「○」がちょうどいい明るさ、「―」はそれより暗くて、「+」はそれより明るいという意味なので、撮影するときは「○」になるよう調整します。

フジヤカメラさんのこの日のオススメ4台

選び方のアドバイスを受けて、徐々にどんなカメラがいいか見えてきましたね。ここからさらに絞っていくために、塩澤さんにクラシカルなデザインでタイプ別のオススメ機種4台を教えていただきました。

 


1. Theクラシカル「F」

はじめてのフィルムカメラ ~自分に合ったカメラの選び方~

60年以上前に発売された、直線的なデザインとかわいいロゴの雰囲気がいいカメラです。状態によっては1万円前後からと手頃な価格も魅力的。露出は自分で調整する機械式カメラです。上の写真の「アイレベル」タイプには露出計がないので注意が必要。その分、電池が不要というメリットがあります。 露出計アプリを活用すれば十分使いこなせます。

 


2. オート機能がついて安心な「FE」

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電子式カメラのFEは「絞り優先(A)」というオート機能が大きな特徴。F値(絞り)に合わせてちょうどいい露出になるようシャッタースピードを自動で設定してくれるので安心ですね! 価格も1万円台が多く、とてもお手頃。露出計もついています。ただ、この機種ではシャッターが電池で動くので電池交換は必要です。

 

3. マニュアル操作を楽しみたいなら「New FM2」

はじめてのフィルムカメラ ~自分に合ったカメラの選び方~

 

マニュアル操作にチャレンジしたい方にオススメなのが機械式カメラのNew FM2です。FMシリーズは、電池不要でシャッターが切れるのが大きな特徴。赤いLED表示の露出計には電池が必要ですが、露出計アプリを活用すれば電池が切れても使い続けられます。シャッタースピードがMAX1/4000秒と動く被写体にも強い人気機種です。人気な分、価格は3~4万円台とFEよりも少しお高めです。

 

 

4. 操作性抜群の憧れのカメラ「FM-3A」

はじめてのフィルムカメラ ~自分に合ったカメラの選び方~

 

FM-3Aは、FEシリーズとFMシリーズのいいとこどりです。「絞り優先(A)」のオート機能がありながら、マニュアルの場合は電池がなくてもシャッターが切れるというハイブリッド機構のカメラ。使い勝手が抜群で人気な分、価格も5~6万円台とお高めです。予算に余裕がある方はぜひ検討してみてくださいね。

レンズ選びもお店の人に相談

はじめてのフィルムカメラ ~自分に合ったカメラの選び方~

はじめてのフィルムカメラ ~自分に合ったカメラの選び方~

 

一眼レフカメラでは、レンズ選びも楽しみの一つです。同じメーカーのものでもレンズとカメラの組み合わせによっては取り付けできないものもあるので、お店の人に相談しながらカメラと一緒に選びましょう。

レンズ選びでは、「何を撮りたいか」「どんなふうに撮りたいか」をイメージすることも大切です。レンズ名の「〇〇mm」は焦点距離のことで、小さいほど広い景色を、大きいほど遠くにあるものをクローズアップして撮影できます。「f/〇〇」はどれだけ明るく撮れるかの目安で、小さいほど明るく撮れてボケ具合も大きくなります。きれいにぼかしたい人は数値が小さいものを選びましょう。

商品の状態を忘れずに確認

はじめてのフィルムカメラ ~自分に合ったカメラの選び方~

 

目ぼしいカメラやレンズが絞れてきたら、実際に手に取って状態をしっかりチェックすることが大切です。中古品は一つずつ状態が違っていて、それにより価格も変わってきます。価格やランク、気になる点が記載されている商品のラベルをチェックし、お店の人に聞きながら以下の順番で確認していきましょう。

  1. お店の評価を確認
  2. 外観を確認
  3. 動作や内部を確認
  4. レンズの状態も確認

     

1. お店の評価を確認

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状態をチェックする上で、まずはお店の評価を確認することからはじめましょう。ラベルに「A」「AB」「B」などランクが記載されています。ランクは状態のよしあしで変わり、ランクに応じて価格も変わります。ランクはお店独自の評価なので、その違いについてもお店の人に聞いてみましょう。

 

フジヤカメラさんを例にすると、下記のようにランクがわかれています。

  • A(新品同様):使用頻度の特に低い新品同様の外観をした状態
  • AB+(美品):Aランクに準ずるきれいな状態(キズやいたみが少ない)
  • AB(良品):ややキズやいたみがあるものの、普通に使用された程度の良品状態
  • AB-(並品):使用上の問題はなく、多少キズやいたみの目立つ状態
  • B(並品):非常に使いこまれた状態(目立つキズや部分的な不具合がある場合も)

古くなってしまったフィルムカメラやレンズでAやAB+はごくわずかで、ABやAB-から選んでもらうケースが多いそうです。さらに価格重視であればBランクも狙い目。中古品の場合には保証の有無もチェックしておきたいですね。

※フジヤカメラさんでは税込10,800円以上の商品には半年間の保証がついていて、修理不能の場合には返金もしてくれるそうです。


 

2. 外観を確認

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見た目の優先度が高い人にとって外観チェックは重要です。以下を確認していきましょう。特に気になる点はラベルに記載されているので、そのチェックを忘れずに。

  • ボディ全体のキズ
  • 角のへこみ
  • 部分的な変形

使用頻度の高さや使いこみ具合は、シャッターボタンまわりやレンズを取り付けるマウント部分を見るとわかるそうです。キズやへこみなど見た目が悪くても使用上の問題にならないこともあるので、気になったらどんどんお店の人に相談しましょう。ちなみに、中古品では付属品がない場合がほとんど。ついていたらラッキーだと思っておきましょう。


 

3. 動作や内部を確認

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カメラの動作は、ボタンやダイヤルなど外から見てわかるもの以外にも以下を必ずチェックします。

  • シャッターが正常に動くか
  • フィルムの巻き上げが正常に動くか
  • フィルムカウンターや露出計などの動作が問題ないか

 

また、内部状態のチェックも大事です。

  • 経年劣化しやすいファインダー部分は問題ないか(ファインダーの汚れも含めて)
  • 修理が必要になりやすいモルト(遮光や緩衝材に使われるパーツ)は問題ないか

フィルムカメラは修理が難しい機種、修理が高額になるケースも多いため、購入前にその点もお店の人に相談しておきましょう。

※フジヤカメラさんの本店ではカビあり品は扱っていませんが、扱っているお店の場合はカビの有無も確認しましょう。

 

4. レンズの状態も確認

はじめてのフィルムカメラ ~自分に合ったカメラの選び方~

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カメラと同じくレンズもそれぞれ状態が違うので、実物を確認しましょう。特にレンズ先端やカメラとの接続部にキズや汚れがないかはしっかりチェック。天井の照明にレンズをかざすとよくわかります。また、カメラへの取り付け・取り外しが問題ないか、距離リングや絞りリングの動作が問題ないかも確認しておきましょう。

「自分好みのフィルムカメラ」見つけた!

はじめてのフィルムカメラ ~自分に合ったカメラの選び方~

はじめてのフィルムカメラ ~自分に合ったカメラの選び方~


いろいろと悩んだ結果、「New FM2」に決めました!決め手はデザインと、電池がなくてもシャッターが切れること。それにせっかくなら露出のマニュアル操作にチャレンジしてみたいからだそうです。買う前に決めていたポイントをクリアできて大満足の様子! レンズは、遠近感が自然で見たままを撮れる基本レンズ「AI Nikkor 50mm f/1.4S」を一緒に購入しました。

写真を撮ることを想像しながらどれがいいかなと選ぶ楽しさでワクワクして、はやく撮ってみたいとはしゃぐと稀ちゃん。「フィルムカメラって、思った通りに撮れないところだったり、思った以上に撮れて驚いたり、偶然性がおもしろさだと思うので、成功も失敗も含めて楽しんでくださいね!」と塩澤さんがエールを送っていました。

 

はじめてのフィルムカメラ ~自分に合ったカメラの選び方~

はじめてのフィルムカメラ ~自分に合ったカメラの選び方~

はじめてのフィルムカメラ ~自分に合ったカメラの選び方~


はじめてのフィルムカメラを購入した稀ちゃんは、お店を出るとすぐにカメラを取り出して、ファインダー越しの世界に夢中です!

押さえておきたい!フィルムカメラ選び5つのポイント

 

1.フィルムの種類とカメラの種類を決める:35mmフィルムが入手しやすく、レンズ交換やボケ味を楽しみたいなら一眼レフカメラがオススメ

2.見た目が気に入るか:毎日持ち歩きたくなる、デザインの気に入るカメラを選ぶ

3.実際に使いこなせそうか:露出がマニュアルかオートか、自分に使いこなせそうかチェック

4.レンズ選びもお店の人に相談:カメラに取り付け可能か、どんなふうに撮りたいかで選ぶ

5.商品の状態を忘れずに確認 :お店の評価を確認し、外観、動作、内部に問題がないか見る



お店で取り扱っているカメラやレンズは日々変わっていきます。一期一会を楽しむようにお店巡りをしてみるのも楽しいですし、お店のWEBサイトで在庫状況が確認できる場合は事前にチェックして行くと安心です。

次回は「はじめてのフィルムカメラ」操作編。フィルムのセットの仕方やピント・明るさの調整の仕方など、フィルムカメラの知りたいポイントをしっかり解説します。稀ちゃんが実際に撮影した写真も登場するので、ぜひお楽しみに!

 

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フジヤカメラ店

東京都中野区中野5-61-1
TEL:03-5318-2241
営業時間:10:00~20:30
定休日:年中無休
https://www.fujiya-camera.co.jp/


※掲載商品はすでに取り扱っていない場合がございます。

※各商品の価格は商品状態により異なり、あくまで目安の金額です。

※ランクはお店独自のものです。

※こちらに掲載している情報は2019年7月25日現在のものです。

 

Photo by:フジモリメグミ(@fujimorimegumi
Model:松浦稀(@marematsuura
Supported by L&MARK