春のふんわりパステルフォト – 風景や光を生かした6つのテクニック

春のふんわりパステルフォト – 風景や光を生かした6つのテクニック

いつの間にかコートを脱いで過ごす時間が増え、いよいよ春本番。桜やチューリップ、ポピーやネモフィラなど次々に花が咲き、日常にやさしい色彩が少しずつ加わっていきます。

今回はその色彩「パステルカラー」に着目! やさしく描く撮り方や編集のコツなど、春をさらに楽しむ秘訣を紹介します。

 

パステルカラー写真の撮影&編集の基本

春のふんわりパステルフォト – 風景や光を生かした6つのテクニック

 

まずは、パステルカラー写真の基本について。季節の花やかわいいお菓子など、パステルカラーの写真をSNSで発信しているmeiさん(@4_adiantum7)に、撮り方~レタッチのポイントを教えていただきました。

 

 

パステルカラーの写真を撮る3ポイント

1.ボケ:淡い色合いをぼかしてやさしい雰囲気に

Z 6II、AF-S NIKKOR 105mm f/1.4E ED

Z 6II、AF-S NIKKOR 105mm f/1.4E ED

 

望遠ズームレンズやF値の小さい単焦点レンズを使い、開放F値で撮ることで、淡い色合いのものをやわらかくぼかします。

 

 

2.光:午後の光で透明感や立体感を出す

春の陽気を表現するには、晴れた午後の光がやわらかくてオススメです。逆光や斜光で取り入れるとやさしい描写になり、色に透明感もプラスされます。

 

Z 6II、AF-S NIKKOR 105mm f/1.4E ED
Z 6II、AF-S NIKKOR 105mm f/1.4E ED
Z 6II、AF-S NIKKOR 105mm f/1.4E ED

 

なお、光が当たった明部と影の暗部のメリハリを意識するのが大切。レタッチする際、明暗差のない状態から光のきらめきや立体感を出すのは難しいからです。

 

 

3.色数:3色程度ですっきりまとめる

Z 6II、NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR
Z 6II、AF-S NIKKOR 105mm f/1.4E ED
Z 6II、(左)NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR、(右)AF-S NIKKOR 105mm f/1.4E ED

 

色数の整理には構図やアングルがポイントです。左の写真は桜・菜の花・葉の3色で構成し、 “春色の絨毯”のように表現しました。右の写真ではローアングルにすることで、空の澄んだ水色と菜の花の黄色でさわやかな印象に写しています。

 

 

淡くやさしく仕上げる編集

色味や明るさを自分のイメージに近づくように調整しますが、自然さ・色の調和には十分注意します。
※この記事では、Lightroomモバイル版(一部有料プレミアム機能)で編集しています。

 

  • 色味:カラーミキサーで強調したい色を調整し、主役を際立たせます。
  • 明るさ:全体を明るくした上で、シャドウや黒レベルを上げ淡くやわらかい雰囲気に。平坦な印象にならないよう、コントラストを上げて全体を引き締めます。
  • 効果:かすみの除去をマイナスにするのが編集のポイント。かすみがかったような春の空気感を表現できます。

 

編集後
編集前

左:編集前、右:編集後

 

記事では、花だけでなく、テーブルフォトや空・海など、春にぴったりな被写体ごとの撮り方を紹介しています。春の花々に気分が上がったり、家の中でかわいいスイーツをつくってみたり、小さなときめきを探してみてください。

 

Z 6II、NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR
Z 6II、NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR
Z 6II、NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR

 

花×前ボケでつくる春らしい空気感

春のふんわりパステルフォト – 風景や光を生かした6つのテクニック

 

春に咲く花に前ボケを加えると、ふんわりとした空気感を表現できます。

四季の花を主役にした写真を撮影しているhakanaさん(@haro_hakana)に、花を前ボケにする撮影のコツ、前ボケを生かした表現の仕方について教えていただきます。

 

 

ふんわりとした前ボケをつくるポイント

ピントを合わせる被写体とレンズの間にあるものをぼかす「前ボケ」ですが、光の取り入れ方や設定により、ふんわりとした世界観を表現できます。

 

D7200、AF-S DX NIKKOR 55-300mm f/4.5-5.6G ED VR

D7200、AF-S DX NIKKOR 55-300mm f/4.5-5.6G ED VR

 

  • 光:逆光で撮ることで全体に光が回り、白昼夢のような曖昧な世界を表現できます。ローアングルで撮ることで、夕方の斜めからの光がとらえやすくなります。
  • F値:開放F値。F4.5以下ならきれいにボケます。
  • シャッタースピード:1/200~400秒でメインの花がブレないように、風の強さによって調整。
  • フォーカス:MF。AFにすると前ボケにしたい部分にフォーカスしてしまうなど、狙い通りの場所にピントを合わせにくいです。
  • ピクチャーコントロール:カスタムピクチャーコントロールでオートを元に明瞭度+1、コントラスト+1、色の濃さ(彩度)+1に。撮影時にくっきりとした描写にすることで、レタッチでやわらかく仕上げたときに「芯のある写真」になります。

 

 

前ボケの入れ方とさらなる表現

  • 被写体は密集して咲く小さい花を選ぶ
Z 50、NIKKOR Z 85mm f/1.8 S
D7200、AF-S DX NIKKOR 55-300mm f/4.5-5.6G ED VR
(左)Z 50、NIKKOR Z 85mm f/1.8 S、(右)D7200、AF-S DX NIKKOR 55-300mm f/4.5-5.6G ED VR

 

桜や梅、ネモフィラや菜の花など、小さく密集して咲く花は、前後の並びを生かして前ボケをつくりやすいです。このとき、主役を中央に配置し、まわりに前ボケをちりばめることで、主役の花が際立ちます。

 

 

  • 前ボケの色で写真の印象を変える

 

D7200、AF-S DX NIKKOR 55-300mm f/4.5-5.6G ED VR
D7200、AF-S NIKKOR 85mm f/1.8G
D7200、(左)AF-S DX NIKKOR 55-300mm f/4.5-5.6G ED VR、(右)AF-S NIKKOR 85mm f/1.8G

 

前ボケは、葉の緑も含めて2~3色にするとかわいらしい印象になり、1色でメインの花と色をそろえると統一感が出て落ち着いた雰囲気になります。

 

 

  • 前ボケをフィルターにして、やさしいポートレートに
D7200、AF-S DX Micro NIKKOR 40mm f/2.8G
D7200、AF-S NIKKOR 85mm f/1.8G
D7200、(左)AF-S DX Micro NIKKOR 40mm f/2.8G、(右)AF-S NIKKOR 85mm f/1.8G

 

花の前ボケをフィルターにしてポートレートを撮ると、非日常の世界観を演出できます。小さい花びらがたくさん咲く花や透け感のある花を使うと、繊細な前ボケをつくれます。
※使用する花は花屋さんで事前に用意しましょう。

 

色鮮やかな春の花たち。前ボケでふんわりぼかすと、花の持つ新たな魅力に気づけます。記事では、前ボケを生かした表現のアイデアをさらに紹介しています。

 

鮮やかな風景に溶けこむ子供写真の撮り方

春のふんわりパステルフォト – 風景や光を生かした6つのテクニック

 

続いては、パステルカラーの風景の中で溶けこむような人の撮り方について。NoriyukiKajiwaraさん(@kaji_nori06)に、春にオススメの撮影スポットと、撮影のプロセスを紹介していただきました。

 

 

色彩豊かな春にオススメのスポット

主役は風景なので、事前に行く場所をしっかりリサーチします。ここでは、春にオススメの色鮮やかなスポットを紹介しますので、場所選びの参考にしてみてください。

 

  • 桜に包まれるレトロな駅舎「苦木駅跡」

D780 、AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8E ED VR

D780 、AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8E ED VR

 

岡山県にある苦木駅跡は、桜がきれいに咲き誇る穴場スポット。桜の美しさを引き立てるため上半分を桜で埋め尽くし、小さな駅舎を生かして、電車が来るのを待つイメージで撮るのがポイントです。

 

 

  • 砂一面の景色がアートに「鳥取砂丘」

D780、AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8E ED VR

D780、AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8E ED VR

 

意外なスポットなのが鳥取砂丘。夏は暑く、冬は強風の日が多いため、実は春頃がオススメです。一面の砂の淡いオレンジと青空を生かすと、鮮やかなアート作品のような写真を撮ることができます。

 

 

風景の魅力を際立たせる撮影のポイント

実際の撮影では、下の順序で最適な構図や服装を見極めます。

  1. 風景だけで、景観のよさをどう引き出すか、どこに人が立てばよいか観察
  2. 子供に入ってもらい撮影
  3. 構図と服装の最終確認

 

Z 6、NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S
Z 6、NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S
Z 6、NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S

 

このときは「空と海の爽やかさ」を生かすよう、空と海の比率を多くし、爽やかな白いワンピースを合わせています。なお、右のように服や構図を変えてみたり、最適な組み合わせかどうかを検証するのが、イメージ通りに写すカギです。

 

服装は風景を引き立て、かつ埋没しないものを

Z 6、NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S/撮影地:花の駅せら(広島県)

Z 6、NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S/撮影地:花の駅せら(広島県)

 

服を選ぶときは、背景とかぶる色は避けます。淡い色合いの場合、引き立つようにしながらも、存在感が薄くならないよう、アクセントで色を取り入れます。

 

 

設定~編集で風景本来の美しさを引き出す

Z 6、NIKKOR Z 14-30mm f/4 S/撮影地:幸せのパンケーキ 淡路島リゾート(兵庫県)
D780、AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8G ED VR II
(左)Z 6、NIKKOR Z 14-30mm f/4 S/撮影地:幸せのパンケーキ 淡路島リゾート(兵庫県)、(右)D780、AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8G ED VR II

 

  • F値:風景が主題のため、F8程度で全体にピントを合わせます。奥行きを出すために前ボケを入れたい場合は、開放気味に。
  • ピクチャーコントロール:やわらかく繊細に表現できる「ポートレート」に設定。
  • アクティブD-ライティング:最も効果が強い「より強め」で、自然の豊かな色を再現。
    ※アクティブD-ライティング:明暗差が強い場合でも、目で見たコントラストに近づける補正機能。

 

編集後
編集前

左:編集前、右:編集後

 

  • 編集:見たときのイメージに近づけるように、風景の魅力を引き出します。淡い色味の風景の場合は明暗差を抑え、かつ、その色味が際立つように色温度や彩度を調整します。

 

記事では合計5か所のオススメスポットを紹介しています。風景撮影を楽しみたい方も、お子さんの成長をカメラで残したい方も、参考にしてみてください。

 

月と色づく空で、繊細な夜の表情を写す

春のふんわりパステルフォト – 風景や光を生かした6つのテクニック

 

パステルカラーの写真は、夜も撮ることができます。宵月 絃さん(@__yoii_to)に、月と空を表情豊かに切り取るコツを紹介していただきました。

 

 

月撮影に必要な機材と設定

Z 50、NIKKOR Z DX 50-250mm f/4.5-6.3 VR

Z 50、NIKKOR Z DX 50-250mm f/4.5-6.3 VR

 

  • 機材:入門機+キットレンズでOK。APS-Cサイズ(DXフォーマット)カメラの場合、200mm(35mm判換算300mm)までズームできるレンズがあれば十分です。
  • F値:ピントを合わせやすくするため、F5~8と少し絞ります。
  • ISO感度:明るさに応じてISO1600を上限に調整。
  • シャッタースピード:ブレない速さに調整。
  • フォーカス: AFでは合いにくいので、モニターで拡大してMFで合わせます。

 

 

月と淡い色の空を組み合わせる

月は新月からだんだんと姿を変えていきます。

左側が欠けた「三日月」は新月から3日目、「満月」は15日目、右側が欠けた三日月のような「二十六夜月」は26日目。日ごとに形状と見られる時間帯が変わるため、「月の出・月の入りマップ」などで事前に調べておきましょう。

 

  • 三日月×日没直後の空
Z 50、NIKKOR Z DX 50-250mm f/4.5-6.3 VR
Z 50、NIKKOR Z DX 50-250mm f/4.5-6.3 VR
Z 50、NIKKOR Z DX 50-250mm f/4.5-6.3 VR
Z 50、NIKKOR Z DX 50-250mm f/4.5-6.3 VR

左から:日没10分後、日没20分後、日没30分後

 

三日月前後は、日没頃に低い位置に見えるのでマジックアワーの空と合わせやすいです。日没後10分~30分と刻々と色が変わり、世界観も変わっていきます。

 

 

  • 二十六夜月×夜明け前の空

Z 50、NIKKOR Z 50mm f/1.8 S

Z 50、NIKKOR Z 50mm f/1.8 S

 

二十六夜月の前後は、夜明け頃に低い位置に残っているので、夕暮れ時とは違いドリーミーな雰囲気が出せます。

 

地上のシルエットをアクセントに

Z 50、NIKKOR Z DX 50-250mm f/4.5-6.3 VR

Z 50、NIKKOR Z DX 50-250mm f/4.5-6.3 VR

 

月と空と一緒に木や街並みなどを写すと、シルエットになったものとの関連性がイメージでき、物語性が加わります。

 

 

合成で月の表現をさらに広げる

複数枚重ねると、夢の中のような作品に仕上げることができます。Z シリーズであれば、撮影時に多重露出が可能です。

 

合成のポイント

  • ベースの写真:月を重ねる余白があるもの
  • 重ねる写真:月だけが写ったシンプルなもの

 

Z 50、NIKKOR Z DX 50-250mm f/4.5-6.3 VR
Z 50、NIKKOR Z DX 50-250mm f/4.5-6.3 VR
Z 50、NIKKOR Z DX 50-250mm f/4.5-6.3 VR

多重露出後

多重露出後

 

雲の陰影がきれいな光景をベースに、月だけの写真を合わせました。沈む太陽と月…という現実には叶わない風景も多重露出でつくり出せます。

 

記事ではさらに月の表情を引き出す撮り方や編集について紹介しています。月の魅力をもっと知りたい方はぜひご覧ください。

 

パステルカラー×ミニマルのスナップ術

春のふんわりパステルフォト – 風景や光を生かした6つのテクニック

 

意外かもしれませんが、「壁」もパステルカラーの被写体になります!

「#壁を撮る人」としてSNSで作品を投稿しているアスパラさん(@aspr_802)に、パステルカラー×ミニマル写真を撮影するポイントを紹介いただきます。

 

 

建物からミニマル写真を切り取るプロセス

まずは、街の中の色に注目して、メインの被写体を決めます。

 

Z 50、NIKKOR Z DX 50-250mm f/4.5-6.3 VR

Z 50、NIKKOR Z DX 50-250mm f/4.5-6.3 VR

 

被写体を決めたら、以下2つのどちらで切り取るのが効果的か判断します。

  • 色要素を2~3つに抑えてシンプルに
  • あえて色要素を4~5つ画角に入れて遊びをもたせる

まずは建物全体を見てどの部分を生かすか考え、多くても5色以内にまとめるのがポイントです。

 

Z 50、NIKKOR Z DX 50-250mm f/4.5-6.3 VR
Z 50、NIKKOR Z DX 50-250mm f/4.5-6.3 VR
Z 50、NIKKOR Z DX 50-250mm f/4.5-6.3 VR

 

左は、空の水色を入れてコントラストを生かしたシンプルな構図。右は、ピンク色の濃淡を生かして、リズムを感じるように撮影した写真。右のほうが2種類のピンク色と壁の模様の組み合わせが引き立っています。

 

 

パステル×ミニマルな壁の切り取り方

一見、非日常的な写真ですが、撮れる場所は意外と身近にたくさんあります!

  

  • 色や柄など壁の特徴を生かす
Z 50、NIKKOR Z DX 50-250mm f/4.5-6.3 VR
Z 50、NIKKOR Z DX 50-250mm f/4.5-6.3 VR
Z 50、NIKKOR Z DX 50-250mm f/4.5-6.3 VR

 

レトロな建物は、壁の色や柄が魅力的なものが多いのでオススメ。特に色を際立たせたいときは、思いきり寄ってシンプルに切り取ってみてもおもいしろいです。

 

 

  • 透明感が出る白をプラス
Z 50、NIKKOR Z DX 50-250mm f/4.5-6.3 VR
Z 50、NIKKOR Z DX 50-250mm f/4.5-6.3 VR
Z 50、NIKKOR Z DX 50-250mm f/4.5-6.3 VR

 

窓枠や配管などで画面に白を加えると、透明感をプラスしながら、画面を引き締めてくれます。

 

 

  • 現実的な要素をアクセントに

シンプルすぎると物足りない印象になるため、アクセントとして通気口や窓など現実的な要素を加えます。

 

Z 50、NIKKOR Z DX 50-250mm f/4.5-6.3 VR
Z 50、NIKKOR Z DX 50-250mm f/4.5-6.3 VR
Z 50、NIKKOR Z DX 50-250mm f/4.5-6.3 VR

 

左は壁のストライプに着目していますが、右のように縦構図で上の通気口もフレーミングすることで、被写体が壁だとわかり、日常と非日常の間の世界観をより表現できます。

 

 

壁をミニマルに仕上げる編集のコツ

Photoshop「変形」編集画面
Photoshop「変形」編集画面

Photoshop「変形」編集画面

 

色味を調整したら、被写体が水平垂直になるようにアオリ補正をするのが大事です。

 

トリミング前
トリミング後

左:トリミング前、右:トリミング後

 

最後にトリミングによって、シンプルで、見せたい部分に目がいくように仕上げます。

 

近所を散歩しながら撮れるミニマル写真。単調に思える近所の景色も、色に注目しながらミニマルに切り取ることで新鮮な印象になりますよ。

 

「青」に染まる淡くやさしい世界の描き方

春のふんわりパステルフォト – 風景や光を生かした6つのテクニック

 

最後は、パステルカラーの中でも「青だけの世界」をピックアップ。

白山静さん(@_melondayo)に、淡くやさしい「青の世界」の撮影&編集ポイントを紹介いただきます。

 

 

「青の世界」を表現するポイント

青の世界を表現するためには、淡くやさしく写す光と設定が重要です。

  • 光:やわらかい光を取り入れるため、お昼過ぎの日が傾き弱まる頃に、半逆光でとらえます。
  • F値:玉ボケを写すと淡く描けるため、開放が基本。
  • 露出:+1以上でオーバー気味に。明るさに応じて、+2~+3程度まで上げることも。ただし、白とびしないように注意しましょう。
  • ホワイトバランス:「電球」にすると青い色味になり、撮影時から青の世界をイメージできます。

 

Z 6II、AI Nikkor 50mm f/1.4S

Z 6II、AI Nikkor 50mm f/1.4S

 

上は撮って出し写真。ホワイトバランス「電球」で撮ると、撮影時点で自分のイメージに近づけることができます。

 

淡い青と相性がいい「オールドレンズ」

オールドレンズを使うと、暗い場所や強い色合いでもやさしい写りやボケで表現でき、またフレアが発生するなど、淡い世界観を描きやすくなります。

 

 

被写体は青と淡い色味に着目

自然な青色の空や海や花、青系の人工物はもちろん、無彩色や淡い色味も青の世界に合わせやすいです。

  

  • 時間で変わる空の色を生かす
Z 6II、AI Nikkor 50mm f/1.4S
Z 6II、AI Nikkor 50mm f/1.4S
Z 6II、AI Nikkor 50mm f/1.4S

 

空は、時間ごとに青が変化していきます。左の日中の空は爽やかな青、右の日没後すぐの空は儚さを感じる深い青。白い木や街並みなど、青を引き立てる被写体を入れるのがポイントです。

 

 

  • 光と影で青の中に表情をつくる

Z 6II、AI Nikkor 50mm f/1.4S

Z 6II、AI Nikkor 50mm f/1.4S

 

普段通る道も、影が魅力的な世界に変えてくれます。このときも光を入れることで、明るくやわらかい雰囲気になります。

 

Z 6II、AI Nikkor 50mm f/1.4S

Z 6II、AI Nikkor 50mm f/1.4S

 

部屋で撮るときは透明感とシンプルさを意識して、透明や白いもの、透け感のある素材を合わせます。光がやさしくなる午後の光を半逆光でとらえると、より雰囲気が出ます。

 

 

心落ち着く「青」をつくるレタッチ

撮影時に仕上がりをイメージし、レタッチで「淡い青の空間」をつくっていきます。
※この記事では、Lightroomモバイル版で編集しています。

 

編集後
編集前

左:編集前、右:編集後

 

  • 明るさ:全体を明るく。主役が暗くならないようにコントラスト・シャドウを調整し、ハイライトを下げて淡くします。
  • 色味:透明感を出すために彩度を少し下げます。赤い色がある場合、色温度は変更せず、カラーミキサーで青色を調整。
  • 効果:光のやわらかさを表現するためテクスチャと明瞭度を下げ、最後に周辺光量を下げて立体感と奥行きを出します。

 

「青」にも爽やかさや儚さ、温かさや冷たさといったいろんな表情があります。目の前の風景の青を引き出したらどんな世界に変わるのか? 普段とは違う視点で撮ってみると、新しい発見がありますよ。

 

 

パステルカラー特集は、いかがでしたか?

いつも通る道や慣れ親しんだ風景も「パステルカラー」という視点でみつめると、きっと違った世界に見えてくるはず。特に春は、パステルカラーの世界に合う被写体が身近なところに溢れています。色に着目して、新しい風景と出会いに、カメラを持って出かけてみてください!

 

 

※新型コロナウイルスの感染症対策に十分にご留意いただくとともに、政府、自治体など公的機関の指示に従った行動をお願いいたします。

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