「#壁を撮る人」直伝!パステルカラー×ミニマルなスナップ写真の撮り方

「#壁を撮る人」直伝!パステルカラー×ミニマルなスナップ写真の撮り方

はじめまして、アスパラ(@aspr_802)です。Twitterで「#壁を撮る人」というハッシュタグで、壁をミニマルに撮影した作品を投稿しています。

 

Z 50、NIKKOR Z DX 50-250mm f/4.5-6.3 VR
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フォトウォークやSNSを通じた写真との出会いをきっかけに、散歩しながらスナップするようになり、はじめは気になるものをひたすら撮影していました。だんだんと情報量を少なくした写真や、淡い色合いの被写体を撮るようになり、たどり着いたのが今の作風です。

今回は、「パステルカラーなミニマル写真」の被写体の見つけ方と撮り方を紹介したいと思います。

※ミニマル写真とは、「minimal=最小限」の画面構成で成り立っている写真のことです。

 

パステルカラーなミニマル写真の基本

Z 50、NIKKOR Z DX 50-250mm f/4.5-6.3 VR

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パステルカラー×ミニマルの魅力は「現実と非現実の中間の世界」をつくり上げられるところです。単調に思える近所の景色も、色に注目しながらミニマルに切り取ることで新鮮な印象になります。

【壁の色】メインの被写体と全体の色数を決める

中でも私がよく撮る「壁」は、パステルカラー×ミニマルで表現しやすい被写体です。いつも以下のような手順で被写体を探して撮影しています。

 

望遠ズームレンズとプログラムオートで撮る

壁の一部分を切り取るため、レンズはいつも望遠ズームレンズを使っています。サッと撮りたいので、カメラの設定は基本的にプログラムオート。絞り優先オートなどで撮る場合は、全体にピントを合わせるためF8程度にするといいと思います。

 

 

1.街の中の壁の色に注目する

まずは、街の中の壁の色に注目しながら散歩して、メインにする被写体を決めます。

 

Z 50、NIKKOR Z DX 50-250mm f/4.5-6.3 VR

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久しぶりの晴れがうれしくて空を見上げると、雲一つない青空とピンク色の建物を発見。ピンク色の壁はあまり見ないので、この建物をメインに決めました。

 

 

2.画角に入れる色数を決める

被写体を決めたら、以下2つのどちらで切り取るのが効果的か判断します。

  • 色要素を2~3つに抑えてシンプルに切り取る
  • あえて色要素を4~5つ画角に入れて遊びをもたせる

壁や物の色はもちろん、影や空も色としてカウントして全体の色数を決めていきます。まずは建物全体を見てどの部分を生かすか考え、多くても5色以内にまとめるのがポイントです。

 

Z 50、NIKKOR Z DX 50-250mm f/4.5-6.3 VR
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左は、空の水色を入れてコントラストを生かしたシンプルな構図に。もう少し引きで撮影していましたが、画面の1/3が空になるようにトリミングすることで、よりすっきりとまとまった印象になりました。

右は、ピンク色の濃淡を生かして、同系色でもリズムを感じるように撮影。元の写真は上に窓が写っていましたが、生活感を抑えたかったのでトリミングしています。

このときは、右のほうが2種類のピンク色と壁の模様の組み合わせが引き立ってかわいいと思います。

【構図】切り取り方で建物の表情を引き出す

Z 50、NIKKOR Z DX 50-250mm f/4.5-6.3 VR

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色数は同じでも、陰影を生かしたり平面的にとらえることで、表現の幅が広がります。赤枠で囲んだ、壁の凹凸や窓の形がおもしろい建物を、切り取り方を変えて撮影してみました。

 

Z 50、NIKKOR Z DX 50-250mm f/4.5-6.3 VR
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左の写真は建物の側面の凹凸をメインにして、影の形や濃淡が引き立つように、右側に正面の壁を少し入れて余白をつくりました。

右の写真は、建物の正面と別の建物の屋上の柵が重なって見える位置から平面的に撮影。メインの建物の窓やラインは真っすぐなのに、柵は斜めになっているという違和感が見る人の興味を引きます。

【アクセント】現実的な要素を加える

ミニマル写真はシンプルすぎると少し物足りない印象になってしまうので、アクセントとして通気口や窓など現実的な要素を加えます。

 

Z 50、NIKKOR Z DX 50-250mm f/4.5-6.3 VR

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壁の凹凸でできた白とグレーのストライプに惹かれて切り取りましたが、 それだけでは何を撮ったのかわかりにくくなってしまいました。

 

Z 50、NIKKOR Z DX 50-250mm f/4.5-6.3 VR

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縦構図で左上の通気口もフレーミングすると被写体が壁だとわかり、日常と非日常の間の世界観が表現できたと思います。このようにアクセントにする被写体は、日常でよく目にするものが効果的です。

 

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アクセントを入れる位置に迷ったら、三分割構図を使うのがオススメです。画角の縦横を三分割にして、線が交差する場所に被写体を合わせると、ポイントになりつつまとまった印象になります。上の写真は、かわいいベージュの壁に、三分割構図で少しだけ開いた窓を取り入れました。

【天気・時間】くもりや夕暮れの淡い光を狙う

天気でオススメなのがくもりの日です。くもり空をバックにするとコントラストが弱まり、淡い色合いに。また、背景が白いと非日常感を演出することもできます。

 

Z 50、NIKKOR Z DX 50-250mm f/4.5-6.3 VR

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上の写真は、白いくもり空と白い壁、黒いラインでシンプルにカッコよく切り取りました。壁の少し下には黄色い部分もありましたが、このときはくもり空の白を生かして無機質なイメージでまとめています。

 

Z 50、NIKKOR Z DX 50-250mm f/4.5-6.3 VR

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晴れの日は、夕暮れの時間帯がオススメです。やわらかい日差しで壁がほのかに色づき、影が長く伸びて予想外の形になるので、いつも宝探しのような感覚でシャッターを切っています。

パステルカラー×ミニマルな壁の探し方と撮り方

一見、非日常的な写真ですが、撮れる場所は意外と身近にたくさんあります! ここでは、パステルカラーなミニマル写真を撮る際、着目するポイントや切り取り方のコツを紹介します。

【画づくり】建物の特徴を生かす

ひとくちに「壁」といっても、表面がフラットなものや、タイル・レンガのようにパターンがあるもの、凹凸があって影で模様ができるものなどさまざまです。壁の特徴によって注目するポイントを変えると、表情豊かに写すことができます。

 

 

レトロな建物の色や雰囲気を生かす

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レトロな建物は、壁の色が魅力的なものが多いのでよく撮ります。

特に色を際立たせたいときは、思いっきり寄ってシンプルに切り取るのがオススメです。ぽつんと一つだけある窓は、切手のように画面の左上に配置してアクセントに。壁と同じ色に塗られた配管は、遠目で見ると黒いラインが浮かんでいるように見えて、近くで見ると配管の影だとわかる…だまし絵のようになりました。

 

Z 50、NIKKOR Z DX 50-250mm f/4.5-6.3 VR

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また、少し引いて塗装の剥がれや室外機などを入れることで「現実と非現実の間」のような少し不思議な世界を表現できます。このときは、オレンジとピンクを混ぜたようなやさしい色に、味のある塗装と室外機のレトロな雰囲気がマッチしました。配管も壁の色になじみつつ、陰影がアクセントになっています。

 

 

ビル街では洗練された規則的なミニマル写真が撮れる

Z 50、NIKKOR Z DX 50-250mm f/4.5-6.3 VR

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ビル街は窓が規則的に並んでいる建物が多いため、パターンを生かした写真が撮りやすく、窓に映った空の色でパステルカラーをプラスできます。幾何学的なデザインはシンプルに撮ってもいいですが、斜めのラインをつくったり前後で模様をずらしたりすると、画面に動きが出てよりおもしろいです。

【白の効果】透明感が出る白で引き締める

Z 50、NIKKOR Z DX 50-250mm f/4.5-6.3 VR

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窓枠や配管などで画面に白を加えると、パステルカラーに大切な透明感をプラスしながら、画面を引き締めてくれます。白はどんな色とも相性がいいので、アクセントとして取り入れるのにぴったりです。

 

Z 50、NIKKOR Z DX 50-250mm f/4.5-6.3 VR

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上の写真のように白い被写体がない場合でも、角度を調整して、光が当たって白く見える部分を取り入れることもできます。黄色と淡い紫色の間に白が入ることで、それぞれの色がグッと引き立ちました。

【色のリンク】統一感と遊び心をプラスする

Z 50、NIKKOR Z DX 50-250mm f/4.5-6.3 VR

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画角の中に同じ色の被写体を取り入れると、複数の要素があってもまとまった印象になり、おもしろみを感じる写真になります。

上の写真は、淡い色のレンガに注目してカメラを構えたときに、「レンガの白い枠」と「白いコード」がリンクしていることに気づいて、とっさにコードを画角に入れて撮影しました。直線的なレンガのパターンに曲線で遊び心がプラスされ、コードの向かう先に何があるのか想像が膨らみます。

 

Z 50、NIKKOR Z DX 50-250mm f/4.5-6.3 VR

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この写真は、「白い壁と白いバイク」がリンクしていることに気づいて一緒に撮りました。地面の砂利は黄色でしたが、色合いを統一するため、編集時に「オレンジ色のバイクのランプと石」のみ色が残るように調整しました。

世界観を引き出す編集のコツ

パステルカラーなミニマル写真に仕上げるには、編集の工程も重要です。私は、スマホ版の「Lightroom」と「Photoshop」を使っています。

 

 

全体をやわらかい色味に調整する

まずは「Lightroom」で色味の調整です。下の写真を例に、調整手順を解説します。

 

Z 50、NIKKOR Z DX 50-250mm f/4.5-6.3 VR

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右のアイボリーの建物と左下にある淡いピンクの階段の組み合わせがかわいいので、色味を生かしつつ全体的にやわらかい雰囲気になるように調整していきます。

 

「#壁を撮る人」直伝!パステルカラー×ミニマルなスナップ写真の撮り方

Lightroom「ライト」編集画面

 

1.全体を明るく平面的に見せるため、コントラストを-40~-70、ハイライトを-10~-60を目安に下げ、シャドウを+30~+40の範囲で上げて調整します。

2.露光量を+1.4前後、彩度を-20前後にして全体を淡い雰囲気にします。

 

「#壁を撮る人」直伝!パステルカラー×ミニマルなスナップ写真の撮り方

Lightroom「ホワイトバランス」編集画面

 

3.メインの被写体によって色温度を調整して好みの色合いにします。今回は建物と階段が暖色なので、色温度を+30前後にして、あたたかみのあるやさしいカラーにしました。メインが寒色の場合は、色温度を-5~-10前後にすることが多いです。

 

「#壁を撮る人」直伝!パステルカラー×ミニマルなスナップ写真の撮り方
「#壁を撮る人」直伝!パステルカラー×ミニマルなスナップ写真の撮り方

Lightroom「カラーミキサー」編集画面

 

4.最後にカラーミキサーを調整します。建物の色に透明感を出すため、イエローの彩度を-96に。階段のピンクを強めるために、オレンジの色相を赤に寄せました。

 

「#壁を撮る人」直伝!パステルカラー×ミニマルなスナップ写真の撮り方
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左:編集前、右:編集後

 

全体的に明るく、コントラストを弱くしたため、ソフトでかわいらしい印象に仕上がりました。

 

 

水平垂直を整え、トリミングで切り出す

色味を調整したら、被写体が水平垂直になるように必ず「Photoshop」でアオリ補正をしています。

 

「#壁を撮る人」直伝!パステルカラー×ミニマルなスナップ写真の撮り方
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Photoshop「変形」編集画面

 

ほとんどの写真は、変形タブの「全自動」できれいな水平垂直になりますが、気になる部分がある場合は「垂直方向のみ」や「水平方向のみ」を選択して微調整します。

水平垂直を整えたら、トリミングで要素を絞って見やすく心地いい仕上がりにします。撮影の段階でいいと思っても、編集の段階で「この要素はいらない。この要素も…」とどんどん削ることが多いです。

 

「#壁を撮る人」直伝!パステルカラー×ミニマルなスナップ写真の撮り方
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左:トリミング前、右:トリミング後

 

撮影時には空も一緒に入れたほうがいいと思ったのですが、建物と階段の色合いと影の形が気に入ったので、空の部分をトリミングしました。シンプルで、見せたい部分に目がいく仕上がりになったと思います。

 

編集しながら遠目で見え方を確認する

はじめて使ったコンデジの縦横比の初期設定が4:3だったので、今でもその比率でトリミングしています。編集中は画面と目の距離が近く、視野が狭くなってしまうので、編集の途中や最後に画面から離れてみて、心地いいと感じる切り取り方になっているか確認することが大切です。

Photographer's Note

ミニマル写真はたくさんの情報で溢れている毎日に、そっと休息を与えてくれるような存在です。特に人が集まる場所や県外に行けない今、遠出をしなくても近所をお散歩しながら撮れるミニマル写真が、私の心に余裕をもたらしてくれています。

 

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また、撮り集めたものを組写真にして楽しむのもオススメです。今回撮影した4点も、色や模様の組み合わせを意識して組んでみました。対角に配した写真同士で黄色や赤、タイルやストライプといった要素がリンクするようにしています。

 

写真を撮りはじめて2年。うまく写真が撮れずに、もうやめたいと思ったこともありましたが「継続は力なり」を証明したくて撮り続けました。そのうち壁を撮ることに興味を持ち、現在は好きなものを撮影・編集できることがたまらなく楽しいです。

この記事が、少しでもみなさんのお役に立てたらいいなと思います。1人でも多くの方が「楽しい」と思えるなにかに出会えますように。

 

 

Supported by L&MARK

 

 

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製品ページ ニコンダイレクト

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アスパラ

アスパラ

会社員として働きながら、休日はカメラを片手に散歩して壁をミニマルに切り取り、TwitterやInstagramに投稿している。2020年8月からTwitterのハッシュタグ「#壁を撮る人」を使いはじめ、同年の12月に自主制作の写真集「壁を撮る人」を発売。