海と山の自然美に恵まれた山口県長門市を、日本の美しさを写真で伝えるフォトグラファー・Koichiさん(@Kfish1882)が巡りました。
Koichiさんが長門市を訪れるのは、今回でなんと9回目。この記事では、特に海の美しさや自然美を感じられる春~夏のオススメスポットを紹介します。この時期の輝くような海「ながとブルー」を、ぜひご覧ください。
※長門市は、2021年に岩倉しおりさんも旅されています。こちらもあわせてぜひご覧ください
Koichiさん
岐阜県高山市出身のフォトグラファー。東京を中心に風景とポートレートをメインで撮影。「心に響く写真」をコンセプトに、日常を切り取る。地方創生に力を入れ、全国各地で写真を撮影している。
みなさん、こんにちは! フォトグラファーのKoichiです。
山口県長門市をはじめて訪れたのは2021年です。この年に長門市で行われたワーケーションプログラムへの参加をきっかけに地域の方々と交流を深め、仕事やプライベート撮影でも通うようになりました。海も山も両方楽しめるのは、海なし県出身の私からするとうらやましく、何と言っても海の美しさに魅了されました。
2023年は5月に旅し、水田や新緑など新たな魅力を発見!
これまで訪れたスポットを含めて、春~夏にぜひオススメしたいスポットを紹介したいと思います。
春~夏に行きたい! 長門のオススメスポット10選
私はこれまで9回、長門市を訪れましたが、春~夏が多いです。この時期は、海はより青く、自然はより鮮やかになり、美しい風景と出会えます。
【波の橋立】水平線に沈む、美しい夕景
日本海の潮流により長い年月をかけて作り上げられた、約1300mの砂洲が広がる「波の橋立」周辺での撮影。海に夕日が落ちていき、水面に伸びる太陽と周辺の島のシルエット、そして波の静かな落ち着いた海が印象的なスポットです。特に波が静かな日は、空の色や模様が写りこみ、美しい景色が目の前に広がります。
狙うのは、夕日が沈む時間帯からその15分後くらいまでのマジックアワーです。
この日は黒い雲がありましたが、少しずつ紫色に染まりはじめ、橙色と紫色のグラデーションが視界いっぱいに広がりました。
背景に広がる島や空が写らないよう、水面だけになる構図を高いアングルから撮影しました。波の動きが収まっている状況を待ち、水面の静けさと空の中を進んでいるような水面に写る色を感じてもらえたらうれしいです。
撮影のポイント
海岸沿いに船着場のようなコンクリートの道があり、その先端に立って撮影しました。波が止められるシャッタースピード1/60~1/125秒を確保するため、F値は開放気味に、ISO感度は400前後に設定。太陽を入れる構図では、太陽が白とびしないよう空に露出を合わせ、暗めに撮影します。
撮影のポイント
SUPボードの上にちょうど太陽が来る位置になるよう、水面ギリギリにカメラを構えて可動式モニターで構図を確認しながら撮影しました。水中に下半身が浸かっている状況で、カメラだけは沈めないように気をつけながらシャッターを切っています。
太陽が沈んだ後の空も美しい!
太陽が沈んでからは視界全体の雲が少しずつ薄紫に変わり、暗くなりながら濃い紫へと変化していきます。上品な色合いで「妖美的」という言葉がピッタリの空です。
波の橋立
山口県長門市仙崎
https://nanavi.jp/sightseeing/naminohashidate/
※詳細は、上記HPをご確認ください。
- 注意点:人が少なく静かではありますが、その分何かあっても気づかれにくい場所だと感じました。波の高さや天気はしっかりチェックし、暗くなってからは特に身の安全を最優先に。
アクティビティもオススメ!
こちらのポイントでは、夏(7~9月)にシーカヤックやSUPが楽しめます。水面から海の中が透けて見えるくらい水がきれいなので、水上からもぜひ美しい海を見てほしいです。レクチャーしてくれた方がとてもおもしろい方で、SUPがはじめての私でも簡単に乗ることができました。
※詳細/予約は体験予約サイト「ナガトリップ」をご確認ください。
【東後畑棚田】人の営みと自然が織り成す絶景
日本海に沈む夕焼け、そして星空が楽しめるスポットです。特に5月には田んぼに水が張られ、空の色が水面に写りこみ、美しい景色を広がります。夜になるとイカ釣り漁船の漁火が輝き、幻想的です。
棚田の近くに専用の駐車場があり、そこに車をとめて撮影をはじめます。
日没が近づくと雲全体が薄いオレンジ色に色づきはじめ、染まった空が水面にも写りこむ夕景に感動しました。
撮影のポイント
30mm程度で、棚田をしっかり収めるため横位置で撮影しました。左の木をアクセントに、水田の右端と木の左端で夕焼けを挟むような構図に。逆光で太陽がとばないように太陽周辺に露出を合わせています。この時間帯は、手持ちでも十分撮影できます。
日没後に漁火が灯りはじめます
日没後の暖色と寒色が入り混じるブルーアワー。この時間になると海の上に船が来て、イカ釣り漁がはじまります。漁火が幻想的で美しいです。
撮影のポイント
日没後は真っ暗なので、三脚にカメラを取り付け、F値を小さくした上で長時間露出撮影をします。シャッタースピードは30秒で、いちばん明るい空の部分に露出を合わせるのがポイント。20mmで星も撮りたい場合、20~30秒より長いと星が流れるので、F値を下げられる明るいレンズを使うか、ISO感度を上げてシャッタースピードを少し速めて撮影します。
>星の撮り方はこちらをご覧ください。
こちらは、日が沈んでから1時間ほど経った光景です。空には星が輝き、漁火も少しずつ増えてきました。手前まで広がる棚田と、海に浮かぶ漁火、そしてアクセントの木のすべてを写し入れました。
東後畑棚田
山口県長門市油谷後畑410-1
https://nanavi.jp/sightseeing/tanada/
※詳細は、上記HPをご確認ください。
- 注意点:棚田のいちばん上の道路脇ガードレール沿いで撮影するのですが、車の通行には十分注意しましょう。また、棚田内は立ち入り禁止です。
【青海島自然研究路】海と自然が創り出す岩のアート
「メモリアルロード」と呼ばれている散策路で、壮大で迫力のある景色を眼下に眺めることができます。遊歩道は約1900mにわたり、随所に植物群落や名勝についての解説板が設置され、散策も楽しめます。
遊歩道を進み、下の浜へと続く階段の手前で、この景色が見えてきます。
太陽が傾きはじめる時間に訪れましたが、白い雲のおかげで青空がより際立つシチュエーション。逆光方面はキラキラと水面が輝き、順光方向は空も海も濃くて深い青色に染まっていて、日本海の険しさも感じることができました。
撮影のポイント
全体にピントが合うようにF8程度に調整し、左右の山の間から岩が出るような構図で24mmを選択しました。70mm程度にすると、中央の岩のみを切り取ることもできます。
さらに進むと、この枯れ木が目印の展望エリアがあります。広角レンズを使って、アクセントになる前景や、手前から遠景にかけての奥行きを生かすことで、ダイナミックな写真を撮影できます。
奥へさらに進むと2か所目の展望スポットに到着。海から飛び出した岩が不規則に散らばっているのがおもしろかったので、陸は入れずに海と岩のみが写る画角を探して撮りました。手前の岩とのバランスがよくてお気に入りです。
遊歩道を最後まで進んだ展望エリアでは、自然が創り出した断崖絶壁の光景が待っています。
青海島自然研究路
山口県長門市仙崎紫津浦
https://nanavi.jp/sightseeing/omijima-sizenkennkyuu/
※詳細は、上記HPをご確認ください。
- 注意点:通行の邪魔にならないように、また同じ場所を占有しないなど、マナーを守って撮影しましょう。最終地点まで行く道はなかなかに急な坂道なので、歩きやすい靴と軽装をオススメします。
- 周辺情報:ダイビングが有名で、運がいいと野性のイルカにも会えるようなポイントがあるそうです。透明感のある美しい海なので、夏に泳ぎに来たくなるようなスポットがたくさんあります。
【元乃隅神社】海に向かって並ぶ123基の鳥居
123基の鳥居が100m以上にわたって並ぶ景色は圧巻です!
ここの美しさは、「色の三原色」が気持ちのいい配置で楽しめる部分にあると感じています。昼頃に訪れましたが、海の青色・草の緑・鳥居の赤がハッキリといい色が出ていました。
撮影のポイント
駐車場から道路を渡ってすぐの展望エリアから全体を見渡せます。風景全体にピントがしっかり合うようにF8程度に。赤・緑・青の3色の割合がバランスよくなるように構図を決めます。このような場面は、構図の微調整ができるズームレンズが便利です。
角度によって鳥居の配置が変わり、印象が大きく変わります。
定番構図もいいですが、左の写真のように鳥居にグッと近づいて、インパクトのある写真を撮るのもオススメです。右の写真では、断崖にある鳥居の全体像を写しました。
元乃隅神社
山口県長門市油谷津黄498
https://nanavi.jp/sightseeing/motonosumiinarijinja/
※詳細は、上記HPをご確認ください。
- 注意点:オンシーズンは観光客がとても多いので、譲り合って撮影しましょう。
- 周辺情報:鳥居を抜けた先には「龍宮の潮吹」というスポットがあり、日本海から打ち寄せた波が絶壁海面近くの小さな穴に追突して、海水を噴き上げる現象を見ることができます。断崖絶壁なので注意は必要です。
【立石観音】漁港にそびえたつ二つの岩峰
元乃隅神社の西にある港町・立石漁港前には、「沖の島」と「地の島」と呼ばれる二つの岩峰があり、夫婦岩として親しまれています。
昼過ぎで、ちょうど陰影がきれいな斜めの光が差しこむ時間帯。テトラポットや木々の影が立体感を生み、コントラストが際立つ景色でした。
撮影のポイント
近くにある「海のそばのカフェbliss point」の目の前の堤防から撮影しました。全体にピントが合うようにF8に設定。テトラポットが奥から手前まで続いていて、縦位置でその奥行きが感じられるように。立石観音の上にある雲もアクセントにしました。
ここから見える海の青のグラデーションが非常に美しいです。さらに船が停まっている場所に降りると、その透明度に驚きます。
立石観音の上からも絶景が眺められます
立石観音は上に登ることができ、参拝できる場所があり、街の人たちに大切にされてきたことがよくわかります。上からは港町全体を見渡せるのですが、静かで時間の流れがゆっくりな街の雰囲気に惹かれました。松の木が生えていて、日本海と合わせて撮ると水墨画のような構図で撮影をすることができます。
立石観音
山口県長門市油谷後畑立石
https://nanavi.jp/sightseeing/tateishikannon/
※詳細は、上記HPをご確認ください。
- 注意点:風が強い日や天気が悪い日は高波で危ないので、海沿いでの撮影には注意しましょう。5月の時点で日差しが強く、日陰になる場所が少ないので、春から夏にかけて行く方は紫外線対策が必須です。
周辺のオススメ「bliss point」
石でできた路地の階段を上がっていくと古民家があり、店名の書かれた旗が掲げられた秘密基地のようなお店。店内は実家に帰ってきたような安心感と心地よさがあります。
窓からは海を見ることができ、料理を待つ時間も楽しいです。
店員さんは母親のように温かくてお客さんを包みこむような、とても話しかけやすい方でした。今回注文したのはビーフカレー。お肉も野菜も噛めば噛むほど美味しさが溢れ出てきて、幸せいっぱいになりました。
【大寧寺】翡翠色に染まる新緑の名刹
春は桜、夏は新緑、秋は紅葉、冬は運がいいと雪景色が楽しめる、庭のきれいなお寺です。
晴れた日は木漏れ日が美しく、新緑の苔に木々の影が落ちて自然のアートを作り出します。
この場所は秋に紅葉撮影でも訪れましたが、地面がさまざまな色の落ち葉で彩られて絶景でした。
撮影のポイント
駐車場から庭に入ってすぐの、赤い橋を過ぎたあたりで撮影しました。苔の時期は特に緑がきれいで目立っているので、すぐにわかると思います。焦点距離14mmの超広角で撮影。F8で全体にピントを合わせています。
地面の苔を主題にする場合、超広角で地面に近づいて撮ると、背景までの奥行きが生まれて迫力のある写真になります。
緑に映える赤色を探そう!
大寧寺はとても広く、散策しながら写真撮影が楽しめます。特に新緑の時期は、よく映える赤色を探してみてはいかがでしょう。表情や特徴が違うお地蔵さんがたくさん並んでいたり、鯉が泳いでいたり、とても風情があります。
大寧寺
山口県長門市深川湯本1074
https://nanavi.jp/sightseeing/taineiji/
※詳細は、上記HPをご確認ください。
- 注意点:お寺ではマナーを守って撮影しましょう。横を道路が通っていて、赤い橋を撮る際などは交通状況に注意する必要があります。
- 周辺情報:俵山温泉からも長門湯本温泉からも近く、カフェや温泉、宿泊施設が充実しています。
【川尻岬】馬の背のように稜線の美しい岬
向津具半島の最北端・本州最西北端に位置する小さな岬で、コバルトブルーの日本海を眺められる絶景スポットです。
午前は右から、午後は左から光が差しこみ、山の立体感を美しく撮影できる場所です。このときは日が傾いた時間帯に訪れましたが、西日のおかげでコントラストの効いた立体感のある風景写真が撮れました。
撮影のポイント
駐車場から2~3分ほど歩くと、展望スポットがあります。風景のスケールを伝えるため19mmで撮影。全体にピントが合うようにF11程度にし、白とび・黒つぶれしないよう露出バランスがちょうどよくなるように設定しています。
川尻岬
山口県長門市油谷向津具下
https://nanavi.jp/sightseeing/kawashirimisaki/
※詳細は、上記HPをご確認ください。
- 注意点:天気が悪い日は海が荒れるので、岬へ行くのは避けましょう。
【千畳敷】果てしなく続く海と空を朝日が染める
標高333mの高台に広がる草原で、広大な敷地の先に海と風車がある海外のような景色です。夏の夜には、日本海に浮かぶ漁火が望め、人里離れた自然を満喫できます。
そして、なんと言っても朝焼けの絶景スポットです。
このときは、日の出直前まで水平線上に薄雲があり、夏の湿度が空気中にある状況だったので、目上に広がる雲にも広く光が入ってくれました。
撮影のポイント
1枚目は14mmの超広角で、奥行きが出るよう手前の地面から奥の海まで写るように撮影しています。2枚目では、人を入れて風景のスケール感を表現しました。
千畳敷
山口県長門市日置中1138-1
https://nanavi.jp/sightseeing/senjoujiki/
※詳細は、上記HPをご確認ください。
- 注意点:周囲に風をさえぎるものが何もありません。風が強い日は行かないなど、天気情報を事前にチェックしましょう。
【俵山温泉街】レトロで風情のある街並み
街並みそのものがレトロで風情のある温泉街です。長門市を訪れる際によく滞在しています。街の温泉に入りに行く文化が残っていて、宿も外湯のみの場合が多いです。
夜になると各宿の看板が光り、幻想的な景色を作り出します。
撮影のポイント
宿泊した「ゲストハウスねる山」の前から望遠で撮影しました。100mm以上(写真では180mm)で圧縮すると、より多くの看板を写せます。全体にピントを合わせるためF8程度にし、三脚に固定してスローシャッター(写真では1/3秒)で撮影しました。
雨の日の、温泉街のしっとりした雰囲気も魅力的です。この日は早朝でしたが、赤い傘をさす人が印象的でした。
ホタル鑑賞もできます
俵山を流れる七重川は、ホタルの鑑賞スポットです。5月下旬~6月中旬頃になるとゲンジボタルが飛び交い、幻想的な光景を見せてくれます。
撮影のポイント
五段の滝の手前に水の流れが緩やかなところがあり、水面に人物を写して撮影することができます。ホタルは光を発して消えてを繰り返すので、シャッターを開けている間に光の軌跡となって写真に写ります。真っ暗な状況なので、極力小さいF値にして人物を撮影し、ホタルは長時間露出撮影したものを比較明合成します。
>ホタルの撮り方はこちらをご覧ください。
俵山温泉街
山口県長門市俵山湯町5113
https://nanavi.jp/stay/onsen/tawarayamaonsen/
※詳細は、上記HPをご確認ください。
- 注意点:温泉街では通行の邪魔にならないように、また同じ場所を占有しないなど、マナーを守って撮影しましょう。ホタルは光にとても弱いので、明るいうちにセッティングを済ませ、暗い中ではシャッターを切るだけにして臨んでほしいです。その分、足もとや帰り道も暗いので十分に気をつけて撮影しましょう。
【油谷】夏の夜空を彩る花火
油谷地区では毎年夏、市内~県内に帰省した人に楽しんでもらおうと、花火大会が開催されています。波穏やかな油谷湾をバックにレーザーとともに花火が打ち上げられます。
撮影のポイント
伊上海浜公園の横にある堤防から、F8・20秒の長時間露出で撮影しました。この設定では人が黒くつぶれてしまうので、提灯を使って二人の影が浮かび上がるように。
油谷夏まつり
会場:油谷総合運動公園
https://nanavi.jp/
※2023年の開催は中止となっています。来年以降の開催は観光サイト「ななび」をご確認ください(例年6月前後に開催日が決定されます)。
- 注意点:真っ暗なので、明るい時間に一度ロケハンしていくことをオススメします。また、潮の満ち引きと帰りの道をしっかりと把握しておく必要があります。コンビニも離れたところにしかないので、熱中症対策に飲み物は事前に準備しておきましょう。
まだまだ伝えたい! 魅力的な長門
春~夏のオススメスポットを紹介してきましたが、まだまだ紹介したい長門の魅力があります。
【長門湯本温泉】詩をテーマにした幻燈の世界
長門湯本温泉は、市街地からほど近くの谷あいにある、長門を代表する温泉街です。時期によってさまざまなお祭りやイベントが開催されています。特に印象に残っているのが、毎年冬季に開催される童謡詩人・金子みすゞさんの詩をテーマにした「音信川うたあかり」です。
会場に流れる詩の朗読に合わせてプロジェクションマッピングを行うというもので、美しい桜をはじめとした詩に合わせたさまざまな模様が地面に浮かび上がり、撮影だけでなく見ているのも楽しいイベントでした。
撮影のポイント
背景のプロジェクションマッピングが高速で動いているので、できる限りシャッタースピードを速くする必要があります。上の写真はF1.2・ISO200で、シャッタースピード1/80秒で手持ち撮影しました。
長門湯本温泉
山口県長門市深川湯本
https://yumotoonsen.com/events/
※上記より最新情報をご確認ください。
- 注意点:開催期間はお客さんがたくさんいるので、通行の邪魔にならないように、また同じ場所を占有しないなど、マナーを守って撮影しましょう。
長門湯本温泉周辺で見つけた「鯉のぼり」
GW明けでしたが、長門湯本温泉から長門市街地へ行く道の途中で、鯉のぼりが目に留まりました。一つ一つの鯉が立派で、青空に大きく泳ぐ姿がとても気持ちよさそうです。
【山陰本線】赤い車両がのどかな風景を走る
長門市を東西に走る山陰本線。のどかな風景の中で赤い車両が来ると思わずカメラを向けたくなります。実は今回の旅で山陰本線の魅力に引きこまれたのですが、車両の型が私の地元を走っていた車両とそっくりで、高校の頃に乗っていた記憶がよみがえってきたのも惹かれた理由です。
左は、人丸駅から長門古市駅までの間にある田んぼの景色。色の三原色がそろい、青と緑の背景の中を赤い車両が走る光景が非常に気持ちよかったです。右は、長門市駅から長門三隅駅までの間にある海沿いの道を少し入った水田。リフレクションがきれいでした。
撮影のポイント
風景の中で電車をとらえるには、先に構図・ピント位置を決めて、電車が来たタイミングで連写します。左の写真は順光だったので、山や空、電車の色が鮮やかに出てくれました。右のリフレクションは、ローアングルでカメラを構え、モニターで見ながら連写しました。
今度は特別車両が走るところも見てみたいですし、乗ってもみたいです。新たな楽しみが生まれました。
山陰本線
- 注意点:私有地には入らないように、通行の邪魔にならないように、また同じ場所を占有しないなど、マナーを守って撮影しましょう。私の場合、田んぼやその土地の管理者が近くにいる際は直接声をかけて確認をすることもあります。
Photographer's Note
長門市は海も山も楽しめる街で、少し車を走らせるとすぐに美しい海を見ることができます。
こちらは道の駅センザキッチンで見た海。はじめて仙崎を訪れた際に、センザキッチンから見た透明度の高い海に惚れこみ、毎回必ず立ち寄っています。
長門市に行くときは俵山温泉によく滞在します。長門の食材を使った料理を食べた瞬間、美味しすぎて涙が出そうになりました。迎え入れてくれる人々の温かさと最高の食べ物、最高の温泉、最高の景色…。「こんなに魅力の詰まった場所があったんだ」と旅をする楽しさを実感するきっかけにもなりました。
長門は、まだまだ知らない景色があり、たくさんの人に行ってほしい景色が詰まった街だと感じています。9回も訪れましたが、行くたびに必ず一つは新しい発見があるんです。それは景色だけではなく、人の移り変わりだったり、お店だったり、新しい人との出会いだったり。
今回は、長門市観光コンベンション協会の方に案内してもらいながら、行く先々ではじめての景色やはじめましての人と出会いました。景色に感動すると同時に、「またおいでね」「来るときは連絡してね」という言葉が心にしみ、「また来たい」と思わせてくれる素敵な場所だなと思いました。
長門のベストショット
春~夏の長門で特に気に入っているのが、波の橋立の夕景です。直前まで雲が多く、夕焼けを諦めていたときに見ることができた太陽だったので感動もひとしお。角度や位置、設定を考えながらどんどん沈んでいく太陽にカメラを向けるのが本当に楽しかったです!
長門の春夏オススメスポットMAP
協力:一般社団法人 長門市観光コンベンション協会
長門市の観光情報をWEBサイト「ななび(長門観光ナビ)」やSNSで発信中です。その中で、「魅力あるロケーションを発信し、ながとを撮影しに訪れる方を増やしたい」という想いから、さまざまなフォト企画も開催中。海に山に、また季節ごとに、ながとは「写真を撮る楽しみ」がたくさん詰まった町です。ぜひ一度おこしください! ななびスタッフがオススメの撮影スポットを定番から穴場までご案内して撮影する「ななびフォトウォーク」も不定期で行っています。
▽「ななび」では、今回の撮影の密着記事がご覧いただけます。
「フォトグラファー Koichiさんが “帰る場所”。山口・長門4日間の写真旅」https://nanavi.jp/feature/2305koichi_phototp/
▽ながと観光サイト「ななび」
https://nanavi.jp/
Twitter:@nagato_kanko
Instagram:@nanavi_visit_nagatoまた、ロケーション紹介とストーリー性を掛け合わせたフィルム写真企画「#ながとに物語を」も更新中です。こちらもぜひご覧になってください。
▽「#ながとに物語を」
Twitter:@yukute_yuku
Instagram:@yukuteyuku
※こちらに掲載している情報は、2023年6月27日現在のものです。
Supported by L&MARK
Koichi
岐阜県高山市出身のフォトグラファー。東京を中心に風景とポートレートをメインで撮影。「心に響く写真」をコンセプトに、日常を切り取る。デジタルカメラでの作品づくりに加え、フィルムカメラやオールドレンズも収集し、常に新しい写真の楽しみ方を模索している。