今回の「47都道府県の旅」の目的地は、鳥取県です。
2023年9月に発表されたフルサイズミラーレスカメラ「Z f」を手にしたフォトグラファーの鎌田風花さん(@fuka_09)に、鎌田シンイチさん(@shinichillout54)と1泊2日で旅していただきました。
鳥取といえば世界的な写真家・植田正治氏の出身地であり、鳥取砂丘ではモノクロで植田正治作品のオマージュ撮影にもチャレンジ!今回の鳥取旅では、どのような光景との出会いが待っているのでしょうか?
みなさん、こんにちは。フォトグラファーの鎌田風花です。私は兵庫を拠点に、全国いろいろな場所へ写真を撮りに出かけています。
兵庫県と隣接する鳥取県は何度か訪れている場所ですが、自然豊かで、鳥取砂丘をはじめ素敵なロケーションが多いところが好きです。
今回は待望だった「Z f」を手に、鳥取を旅してきました。
【1日目】海と砂丘と、鳥取の絶景を巡る
神戸市から鳥取市までは車で2時間半ほど、山深いエリアを瀬戸内海から日本海へ縦断します。この日は快晴で、絶好の旅日和でした。
初日は鳥取砂丘がメインですが、暑い日は夕方からがオススメなので、それまで砂丘周辺のスポットを巡ります。
「浦富海岸」美しい日本海をひとり占め
せっかく晴れたので、まずは海へ。兵庫と鳥取の県境近くにある浦富海岸は、日本海の荒波によって複雑なリアス式海岸になっているのですが、その中で美しい地形がよく見られる「小鴨ヶ磯」を訪れました。
ここは遊歩道の入口。道の先に青い海が見えてワクワクします。木々のトンネルのようになっていて、木漏れ日が心地いいです。
トンネルを抜けると大海原が広がります。自然が創り出した絶景にテンションが上がりました!
日本海の青は、普段なじみのある瀬戸内海の青よりも深いように感じました。
海岸へ続く遊歩道をひたすら進みます。高低差を生かした撮影をしたり、道中も楽しめました。
遊歩道の終点に、白いビーチが見えてきます。
静かで穏やかな砂浜、青く透明感のある海と奇岩群という、浦富海岸らしい美しい風景を堪能しました。
奇岩の一部が洞窟になっていて、その先に海が見えます。ちょうどボートが運航していて、おもしろい構図だと思いシャッターを切りました。40mmのレンズでしたが、もう少し寄りたかったので、撮像範囲をDXに設定してクロップしています。
PHOTO GALLERY
浦富海岸 小鴨ヶ磯
鳥取県岩美郡岩美町田後
注意点:遊歩道の入口からビーチまでは徒歩10分程度です。特に帰りは急な階段を登ることになるので、水分補給と休憩を挟みましょう。
「cafe bloom」オーシャンビューに浸りひと息
浦富海岸には、青い海と空を背景に、ぽつんとかわいらしいトレーラーカフェがあります。Instagramで見つけて以前から行ってみたい場所でしたが、想像以上に素敵な空間でした。
注文口にはかわいい「Welcome」のオブジェ。随所に店主さんのこだわりを感じます。
トレーラーのそばには海を眺められる席があり、風を感じながらドリンク片手にのんびりできました。
注文したのは、レモネードとブルーレモンソーダ。爽やかでとても美味しく、このロケーションで飲むことができるのはプライスレスだと感じました。
ここではぜひ、ドリンクを海と一緒に撮影してみてください。ドリンクに光を当てて透明感を出すことや、水平線を意識するのがポイント。手に持つと、海と空のバランスも自分で調整しやすいです。
Nikonのカメラが表現する青色が好きなのですが、この写真も海と空の青をきれいに写してくれて、ドリンクを際立たせてくれました。
cafe bloom
鳥取県岩美郡岩美町牧谷690
営業時間:11:00~17:00/不定休(荒天時休業)
https://www.instagram.com/cafebloom530/
※営業状況についてはInstagramをご確認ください。
注意点:小鴨ヶ磯からカフェのある場所までは車で約10分かかります。お店を撮影する際は許可を得てから、周囲の迷惑にならないよう注意しましょう。また、撮影のみのご利用はご遠慮ください。海のそばで風が強いことがあるので、帽子など飛びやすいものは十分に気をつけましょう。
「仁風閣」緑豊かな庭園に佇む白亜の洋館
鳥取城跡に建てられたという仁風閣は、広大な公園の中でひときわ存在感がありました。
真っ白で美しい外観は、たくさん写真を撮りたくなります!
入口近くから建物の正面で撮影すると奥にビルが入ってしまうのですが、入口右側から撮影すると背景を公園のみにできます。また、仁風閣の南側にある宝扇庵周辺から撮ると、右の写真のように庭園と洋館を一緒に写せてオススメです。
まずは2階に上がり、外から見えていた白いバルコニーに来ました。窓から見える公園の緑がとても美しいです。
ここは「御座所(ござしょ)」と呼ばれる部屋。窓から入るやわらかい光と調度品が印象的で、その雰囲気をできるだけそのまま写したいと思いました。
仁風閣の内観は、外観のイメージ以上に歴史を感じました。あえて少しアンダーにして撮ることで、しっとりした雰囲気を表現できます。
ここで特に気に入ったのが螺旋階段です。支柱のない螺旋階段は圧巻でした。
ケヤキの板をつなげて作られているそうで、その技術と実際に見たときの迫力を伝えるために広角×ローアングルで切り取りました。
支柱がないことで中心が吹き抜けになっているため、上から下にいる人を撮影することもできます。こちらは撮ってもらった写真ですが、回転してワンピースをふわりとさせ、動きをつけました。
仁風閣
鳥取県鳥取市東町2-121
開館時間:9:00~17:00(最終入館16:30まで)
休館日:月曜(祝日の場合は開館)、祝日の翌日、年末年始
https://www.tbz.or.jp/jinpuukaku/
※観覧料がかかります。詳細はHPをご確認ください。
注意点:文化財修理工事のため、令和5年12月下旬より休館予定です(令和10年度中に再開館の予定)。館や他の訪問客の迷惑にならないように注意しましょう。なお、ポートレート撮影のロケーションとして利用する際は、別途撮影料を支払う必要があります。
「カフェ・ダール ミュゼ」開放感のあるカフェで、鳥取名物のカレーを
仁風閣のすぐ近くの鳥取県立博物館内に、地元食材にこだわったレストランがあります。
今日はここでランチ。ロゴになっているコック帽をかぶった鳥がかわいいです。
天井が高く、大きな窓からは光がたくさん入り、心地よく開放的な雰囲気。公園の緑を眺めることができ、とても落ち着きます。
鳥取が「カレー王国」と呼ばれているのをご存じですか? カレー消費量が日本トップクラスなんだそうです。
そしてこのお店もカレーがイチオシ! 人気No.1のメニュー「薬膳牛すじカレー」は、彩りよく食べ応えたっぷりでした。辛すぎず食べやすいのもうれしいポイントです。
カフェ・ダール ミュゼ
鳥取県鳥取市東町2-124(鳥取県立博物館内)
営業時間:平日11:00~15:00、土・日・祝11:00~17:00(18:00以降は予約専用)/不定休
http://www.tottori-musee.jp/
※詳細はHPをご確認ください。
注意点:撮影の際はお店の方の許可を得てから、周囲の迷惑にならないよう注意しましょう。撮影のみの利用はご遠慮ください。
「砂の美術館」砂漠の都・エジプトを旅する
鳥取砂丘の近くに、世界ではじめて「砂」を素材にした彫刻美術館があります。
期間ごとに各国がテーマの展示「砂で世界旅行」が開催されていて、このときはエジプトでした。
実は二人ともエジプトに興味があり、それも相まって「どう撮るか」を相談しながら撮影を楽しみました。
思い切ってモノクロに。造形の質感を写し出すのに相性がよかったです。作品は細部までとても細かく表現されていて見応えがありました。
展示空間は人工的な壁や間仕切りがあるのですが、それが入らないように寄って切り取ることで世界観を表現できます。
エジプト展全体を撮影するなら、見渡せる3階からがオススメです。上の写真では、通路で少し間があいてしまうところを、手すりを前ボケにして空間を埋めつつ写真のアクセントにしてみました。
この美術館でのお気に入り写真です。猫の女神・バステトの横にいる猫がかわいくて、つい何枚も撮ってしまいました。モノクロで撮影することで、砂の質感をより感じられます。
鳥取砂丘 砂の美術館
鳥取県鳥取市福部町湯山2083-17
第14期展示「砂で世界旅行・エジプト編」は2024年1月3日まで開催(開催期間中は無休)
http://www.sand-museum.jp/
※展示や営業時間、入場料など詳細はHPをご確認ください。
注意点:場所を長時間占有しないなど、周囲の迷惑にならないようにしましょう。
「タカハマカフェ」砂丘の目の前! 隈研吾氏が手がけたカフェでブレイク
砂丘の目の前に、外観から圧倒されるカフェがあります。建築家・隈研吾さんの砂丘をモチーフに設計されたお店ということで、入る前からワクワクです。
店内は、木の温かみがあるおしゃれで落ち着いた雰囲気。カフェ好きの方にも、建築好きの方にもオススメしたいスポットです。
タカハマカフェオリジナルのクラフトコーラとアイスコーヒーを注文しました。クラフトコーラは20種類以上のスパイスを使っているそうで、パウチに入っているのも特徴的。しっかりスパイスがきいて、美味しかったです!
窓際を背景にすると、光が入りドリンクの撮影がしやすいです。また、ドリンクだけでなく、手元も一緒に入れると雰囲気よく撮影できます。友達や家族とお出かけされるときなどはぜひ真似してみてください!
タカハマカフェ
鳥取県鳥取市福部町湯山2164(砂丘会館敷地内)
営業時間:10:30~16:30(L.O.16:00)
https://www.instagram.com/takahamacafe/
※詳細はHPをご確認ください。
注意点:撮影の際はお店の方の許可を得てから、周囲の迷惑にならないよう注意しましょう。撮影のみの利用はご遠慮ください。
「鳥取砂丘」想像を超えるスケールの砂の世界
いよいよ鳥取砂丘へ。5回以上は来ていますが、何度訪れても飽きることのないロケーション、壮大なスケールが魅力的です。
上の写真は、砂丘の入口から見える光景です。入口は全景を撮ることができるスポットで、砂丘の稜線と海を一緒に写すことができます。
私たちが砂丘を訪れたのは17時前頃。暑さが少し和らぐのに加えて、影が伸びてシャッターチャンスが増えます。帽子などをかぶると影の形がわかりやすいです。
砂丘撮影のオススメエリア「馬の背」
※鳥取砂丘ビジターセンター脇に案内表示があります。
「馬の背」が、広大な砂丘や美しい日本海を見ることができてオススメです。
タカハマカフェを出て道路を渡り、鳥取砂丘ビジターセンター横の階段を上がるとすぐに砂丘入口で、そのまま海のほうへ向かうと馬の背に。馬の背を一直線に登るのはハードで、遠回りではありますが東側の傾斜が緩やかな場所を歩く選択肢もあります。
ただ、馬の背は足跡がたくさんついている部分があるので、そこを避けると砂丘のきれいな稜線を撮ることができます。いくつかの条件がそろうと見られる「風紋」がとても美しいので、人の足跡がない場所をぜひ探してみてください!
鳥取砂丘では、モノクロ撮影も楽しいです。
カラーでは少しぼんやりした空模様でも、モノクロにすることで雰囲気が出ます。人を入れることでスケールを強調でき、圧迫感が出ないように空の割合を多めにしているのもポイントです。
モノクロは質感や形、光と影の明暗などを印象的に表現できます。
左の写真は、馬の背の頂上で、不規則に削られた砂の面が続いている様子を切り取りました。右は砂丘と木と海が見える場所で、逆光かつモノクロにより引き締まった風景写真が撮れます。
植田正治さんの作風を意識した写真にもチャレンジしました。
植田正治氏の作品例
※無断での転載、流用は禁止されています。
モノクロではっきりとシルエットがわかる傘を持っていき、伸びる影を意識して撮影しています。
三脚を使って、二人並んでセルフタイマーで撮影しました。違和感を加えるため、同じ方向を向きつつ立つ位置に前後差をつけ、遠近感を出しています。セルフポートレートではアプリ「SnapBridge」を使い、スマホに映るライブビュー画面を見ながらのリモート撮影が便利です。
18時を過ぎ、徐々に空が赤らんできました。
砂丘の奥は日本海のため、夕日を望めます。
淡く染まる空を背にポートレート撮影(私がモデルに)。砂丘撮影のこだわりの一つが服装で、風でなびくことを想定して、裾がふわりとしたワンピースを選びました。なびくことで写真に躍動感が出ます。また、手前のきれいな砂の面に足跡がつかないように、写真に写らない場所を歩いて立っています。
海と砂を巡る1日目が終わっていきます。
PHOTO GALLERY
鳥取砂丘
鳥取県鳥取市福部町湯山2164-971(鳥取砂丘ビジターセンター)
https://www.sakyu-vc.com/jp/
※鳥取砂丘ビジターセンターには足洗い場や自販機、トイレがあります。詳細はHPをご確認ください。
注意点:日差しに注意し、水分補給はこまめに。風が強いことがあるので、帽子は飛びにくいものがオススメです。靴は足が砂に埋もれること前提で選びましょう。夏は17時頃には裸足で歩いても暑くないですが、正午付近は高温なので注意が必要です。
また、機材の扱いにも気をつけましょう。風が強いことも多く、砂はとても細かいので気づかぬうちに機材に入り、故障の原因になることもあります。撮影するとき以外はバッグにしまうなどで、極力砂が入らないような配慮が必要です。
【2日目】アートや花々に魅せられる
鳥取のもう一つの定番スポット「植田正治写真美術館」を中心に、アートや花との出会いを楽しみます。
「植田正治写真美術館」写真への創作意欲がかき立てられる
鳥取砂丘から西へ車で1時間半ほどの場所に、世界的写真家・植田正治さんの作品が展示されている美術館があります。のどかな田園の中にぽつんと佇む異質な雰囲気です。
建造物はモノクロとの相性がよく、曇天でも形状や構造の美しさを際立たせてくれます。
この美術館では、展示や建築の観賞を楽しめますが、構造やインテリアの切り取り方も意識しながらぜひ巡っていただきたいです。
左の写真は、手前の壁を前ボケにして、幕に目がいくように撮影。透けている質感が素敵でした。
入口付近で撮影した右の写真では、縦横の水平を意識していくつかの層が重なるようにしています。ちなみに左側に鳥取砂丘のパネルが少し写っているのですが、この前で植田正治さんの写真のような記念写真を撮ることができます。
美術館内は、開放的な空間が広がっています。
大きな窓から見える緑がとてもきれいで、右の写真では左右対称で額縁を意識して撮影しました。
カラーとモノクロ、それぞれ魅力的に写るので、ぜひどちらも試していただきたいです。
植田正治写真美術館といえばここですね! 帽子のシルエットが貼られた窓から大山を望めます。
大山が帽子をかぶるような構図で撮影しました。左右に壁があることで、フレームの中に大山が収まっているように見え、より目がいきます。
今度は私が被写体として入り、帽子を取ろうと手を伸ばすポーズを。横顔で写るとシルエットがよりわかりやすいです。モノクロでもかっこいいのですが、カラーで撮ることで大山の麓にある田んぼの季節の色彩を生かせます。
植田正治写真美術館
鳥取県西伯郡伯耆町須村353-3
開館時間:10:00~17:00(最終入館16:30まで)
休館日:火曜、令和5年12月11日~翌年2月末日、展示替期間中
https://www.houki-town.jp/ueda/
注意点:長時間同じ場所を占有しないなど、他の方の迷惑にならないように。特に帽子スポットは人気のため、譲り合って撮影しましょう。
「とっとり花回廊」どんな天気でも楽しめる花の楽園
日本最大級のフラワーパーク「とっとり花回廊」は、以前から行きたかった場所で、今回はじめて訪れました。
入園するとすぐにたくさんの花が出迎えてくれます。あいにくの雨でしたが、雨に濡れるユリも美しかったです。
この日は雨も風も強かったのですが、とっとり花回廊は雨でも楽しめる工夫があります。それがフラワードームという温室と屋根つきの展望回廊です。
フラワードームには熱帯・亜熱帯の植物がたくさんあり、雨の日でも快適に観賞できます。
鳥のような花の形をしているストレリチアの横に鳥のオブジェがあったので、同じ方向を向いているように見える角度から撮影しました。
展望回廊では、季節の花が置かれていたり、景色をじっくり眺められるベンチがあったり、悪天候でも楽しめるさまざまな工夫がありました。
訪れたのは、マリーゴールドの見頃時期。展望回廊から見えるマリーゴールド畑が圧巻でした。
幸いにも天気が回復し、外に出られました。一面に咲き誇る花畑を間近で見ると、より惹きつけられます。
花畑全体を写す際は、少し奥のほうにピントを合わせると、花畑の奥行き感を表現できます。マリーゴールドは葉の形もかわいいので、寄って上から撮るのもオススメです。
PHOTO GALLERY
とっとり花回廊
鳥取県西伯郡南部町鶴田110
https://www.tottorihanakairou.or.jp/
※開園時間や休園日、入園料は時期により変動します。詳細はHPをご確認ください。
注意点:長時間同じ場所を占有しない、花に触れないなど、施設や他の方の迷惑にならないようにしましょう。とても広いので、あらかじめ「ここは行きたい」という場所をリストアップしておくのもよいかと思います。
「レストラン花かいろう」美しい花の料理に舌鼓
ランチは、とっとり花回廊内にある「レストラン花かいろう」へ。エディブルフラワーを使ったメニューがあるとのことで、とても楽しみにしていました。
中に入ると、開放感と見晴らしのよさに驚きました。大きな窓からは、花回廊や大山まで望めます。
そして、楽しみにしていた花を使った料理を注文しました。
「花ちらし」はエディブルフラワーを贅沢に使った華やかさに目を奪われます。美味しいちらし寿司の上に乗った花は、まったくくせのない味や少し苦味があるものなど、個性豊かな味わいでした。
「フラワーパスタ」は、パスタの上にエディブルフラワーが乗っているのですが、実は麺にも花が練りこまれているそう。半透明の麺にうっすらと花が見えています。トマトベースのパスタで、こちらも美味しくいただきました。
料理や盛り付け方によって、どう撮ると美味しそうに写るかを考えて撮影します。ここでは、上に乗った特徴的なエディブルフラワーの立体感を伝えるために、実際に目で見る角度に近いアングル・画角で撮影しました。自然光が入る席に座れると、ツヤ感も出て料理をより美味しそうに撮ることができます。
レストラン花かいろう
鳥取県西伯郡南部町鶴田110(とっとり花回廊内)
営業時間:ランチ11:00~L.O.14:30、ティータイム14:30~L.O.16:00
https://www.tottorihanakairou.or.jp/park/restaurant/
※詳細はHPをご確認ください。
注意点:レストランのみの利用はできず、花回廊の入園料が必要です。撮影の際はお店の方の許可を得てから、周囲の迷惑にならないよう注意しましょう。撮影のみの利用はご遠慮ください。
「米子城跡」黄金色に輝く夕景を望む
とっとり花回廊から車で20分ほどの場所に、美しい夕景を観賞できる米子城跡があります。標高約90m、360度のパノラマで景色を一望できる展望スポットです。
登る前に天気が回復してきたので、どんな景色が見られるのだろうとワクワクしながら頂上を目指しました。
上には石段をひたすら登っていきます。
城跡らしさが残る石垣も道中で見ることができます。人と対比して写すことで、石垣のスケールの大きさがよくわかります。
20分ほどで頂上に到着!
海や山、街並み、米子市内全体を見渡すことができます。
頂上は自然豊かで、そこでの撮影も楽しめました。
花をあえてモノクロで撮影しました。小さな白い花をたくさん咲かせるヒメジョオンは、右のように真上から撮影すると、優しいボケ感が生まれます。モノクロにすると、見慣れた花風景を、いい意味で抽象的に撮ることができます。
太陽の光が雲間から差しこんできた瞬間。光と影がはっきりしていて、カラーよりもモノクロのほうがよりドラマチックな世界観を表現できると考えました。
午前中の雨が信じられないほど、あたりがオレンジに染まっていきます。
日没が近づき、夕日色に染まる空と海がとても美しいです。
「ここに来てよかった」と思える1枚を、旅の最後に撮ることができました。
PHOTO GALLERY
米子城跡
鳥取県米子市久米町
https://www.city.yonago.lg.jp/4439.htm
注意点:歩きやすい靴が必須で、夏などは虫除けスプレーも持っていくことをオススメします。石垣の上で撮影するときは足元にも注意してください。また、日がかげるとかなり暗くなるので注意が必要です。
Photographer's Note
1泊2日の鳥取旅…。今までは「鳥取といえば鳥取砂丘」というくらい同じ場所へ何度も行っていたのですが、はじめての場所も訪れ、まだまだ魅力的なスポットがたくさんあることを知りました。
次回はさらに西の島根県境近くまで足を伸ばしてみたいですし、異なる季節にもう一度とっとり花回廊を訪れたいと思います。
ベストショット
今回の旅のテーマの一つが、「モノクロで写真を表現する」でした。「どんなふうに撮ろうか」と考えている時間も楽しかったのですが、モノクロで表現する世界はとても楽しいと改めて気づくことができた1枚です。何度も訪れている鳥取砂丘の新たな魅力を知ることもできました。
記念撮影は旅ごとに行っていますが、今回はひと味違った形で残すことができたと思っています。
旅にNikon機材を使ってみて
私は普段 Z 7IIと Z fcを使っていますが、今回使用したフルサイズミラーレスカメラ「Z f」は、Z 7IIよりもカジュアルにクオリティの高い写真を日常で撮影できるカメラであり、Z fcよりもフルサイズで本格的な写真を撮ることができるカメラです。Z fcが少し成長し、見た目はFM2(ブラック)により近づいて、とてもかわいいと感じました。
Z fcよりも重さはありますがフルサイズカメラとしては軽量で、グリップがついていて持ちやすいので、ストラップと合わせると長時間持ち歩いても問題ありません。また、手ブレ補正は8段と強力。明るいレンズと合わせると暗いシーンでも手持ち撮影ができますし、動画撮影もしやすいと思います。
何より驚いたのが、液晶モニターとファインダーのきれいさです。浮き出るような立体感をモニターで見ることができ、撮って出しから満足感がありました。
液晶モニターはバリアングル式で、縦に構えるとメニューも縦に表示され、低い位置にある植物などを縦構図で撮るときも楽です。逆光で、かつファインダーをのぞきにくいシーンでも、画面を確認しながら撮影できます。
Z f の大きな特徴の一つとして、モノクロレバーがあります。普段からモノクロで撮ることがありますが、レバーですぐ切り替えられるため、モノクロ撮影の敷居が下がり撮影機会が増える効果があると思います。実際に私は、Z f を使ってモノクロにハマってしまいました。何より、モノクロで撮ったときに液晶モニターやファインダーでチェックする写真の階調がなめらかで本当に美しいんです。それだけでまた撮りたいと思えます。
さらに、モードは従来の「モノクローム」以外に二つ追加されました。
モノクローム:やや高めのコントラスト、メリハリのあるダイナミックな印象。
モノクロームで撮影することで、流木の質感やメリハリのある陰影をそのまま表現することができます。
フラットモノクローム:白から黒までの階調を、強調感なく緩やかに再現。
洋館の窓から入るやわらかな光とクラシックな階段を、フラットモノクロームによりなめらかに表現できました。
ディープトーンモノクローム:中間調は暗めながら黒つぶれ感の少ないダークトーン。陰影感が高まり、青空は暗く、赤い花や唇は明るめに表現。
鳥取砂丘は陰影がはっきりしつつ、しっとりした質感のディープトーンモノクロームで撮影することが多かったです。風景との相性がよく、風のなびきもモノクロではっきりと表現できたように思います。
Z f は、Special Editionのレンズと見た目の相性がとてもいいです。軽量コンパクトなので長時間持っていても疲れません。特にNIKKOR Z 40mm f/2(SE)は使いやすい画角で、自ら動いて距離の調整は必要ですが、風景やテーブルフォトなどいろんなシーンで使えます。旅では広角も重宝します。NIKKOR Z 28mm f/2.8(Special Edition)はとても軽く、40mmと一緒に持っていくと撮影の幅が広がります。
この旅では、NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 SやNIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR Sも使用しました。14-24mmはサイズ的に問題なく使え、Z 7Ⅱにつけたときよりも軽い印象です。70-200mmはサイズ的にアンバランスさを感じますが、描写・AFとも申し分なく、レンズを支える必要はありますがボディーが軽く扱いやすいので、今後もこの組み合わせを使いたいと思います。
改めて、Z f は旅や日常の撮影にぴったりなカメラです。
何よりこのカメラは構えたときに相手に圧迫感を与えないので、家族写真やポートレート撮影でもぜひ使っていきたいと考えています。
※こちらに掲載している情報は、2023年9月29日現在のものです。
同行撮影:鎌田シンイチ(@shinichillout54)
※機材表記がない同行写真は、Z 7IIで撮影されたものです。