写真家 岩倉しおりさんが恋した「山口・長門市」の美しい海岸線 – 「ながとブルー」と光を追い求めたフィルムの旅

写真家 岩倉しおりさんが恋した「山口・長門市」の美しい海岸線 – 「ながとブルー」と光を追い求めたフィルムの旅

美しい四季の風景やノスタルジックな世界観が多くの人を魅了している写真家・岩倉しおりさん(@Shiori1012)。今回は、岩倉さんがフィルムカメラNew FM2で撮り下ろした、旅のフォトエッセイをお届けします。

フィルムカメラを手に訪れたのは、山口県長門市。豊かな海岸線が続くこの街で、岩倉さんは何に惹かれ、シャッターを切るのでしょうか? そして、岩倉さんが恋した「ながとブルー」とはどんな色なのでしょう? 美しい「ながとの海」をぜひご覧ください。

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【旅人】写真家・岩倉しおりさん

【旅人】写真家・岩倉しおりさん

香川県在住の写真家。
うつろう季節の光をとらえたフィルム写真が反響を呼んでいる。地元、香川県で撮影した写真を中心にSNSで作品を発表する他、CDジャケットや書籍のカバー撮影、写真展の開催など幅広く活躍。

 

 

【旅先】海と山の自然美に恵まれた山口県長門市

山口県の北西部にある長門市は日本海に面し、古くから漁業や水産加工が盛ん。また、海岸線から車で少し走れば山の風景が広がる、自然に恵まれた街です。

そんな長門市では、「魅力あるロケーションを発信し、ながとを撮影しに訪れる方を増やしたい」という思いから、2018年にフォトイベント「YUKUTE PHOTO(ゆくてふぉと)」が誕生しました。2019年にはさらに広く発信するため、「#ながとに物語を」というテーマで撮影された写真をSNSに投稿開始。素敵なロケーションを紹介しながら「ながとに写真を撮りに行きたい」と思っていただけるような活動が行われています。
※「YUKUTE PHOTO」主催:(一社)長門市観光コンベンション協会

 

Prologue

はじめての長門市は、私が普段目にする瀬戸内海とは違い、波が強いというイメージがありました。
旅する2月は、冬と春…季節と季節の間。調べてみると海岸線に素敵なロケーションが数多くあり、いろんな景色に出会えることを楽しみに、長門市へと向かいました。
夜に到着した2泊の「ながと写真旅」。光輝く海を追い求めて、海岸線を旅します。

 

写真家 岩倉しおりさんが恋した「山口・長門市」の美しい海岸線 – 「ながとブルー」と光を追い求めたフィルムの旅

 

 

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Day 1 海と光…「ながとブルー」に魅せられる海岸線

夜明け前にホテルを出て、青海島(おおみじま)へと車を走らせました。日の出の時間と方向を調べ、特に目的地は決めず、光を追いかけるのが私の撮影スタイルです。

 

06:20
大日比防波堤で
夜明け前の月見

 

青海島の東側、防波堤にさしかかると、月に目がとまり車を停めました。

 

写真家 岩倉しおりさんが恋した「山口・長門市」の美しい海岸線 – 「ながとブルー」と光を追い求めたフィルムの旅

 

下弦より少しだけ欠けた月と、ほのかに色づきだす空のグラデーション。
その二つの美しさを際立たせるため、防波堤とその上に立つ人をシルエットにして、影絵のように切り取りました。

 

07:00
県道283号線沿いで
迎える朝日

 

海から日の出がよく見える場所を探してさらに車を走らせます。
県道283号線沿いの堤防。山から徐々に顔を出す朝日が、海面にひと筋の光の道をつくっていました。

 

写真家 岩倉しおりさんが恋した「山口・長門市」の美しい海岸線 – 「ながとブルー」と光を追い求めたフィルムの旅

 

この日は空気が澄んでいて、とても透明度の高い朝日。私が暮らす地域は方角的に海から日は昇らないので、海と一緒に見る朝日は新鮮でした。
それでいて、海は穏やかで、向こうには美しい山の稜線。香川の島の雰囲気に似ていて、はじめての景色なのに、不思議と心が落ち着きます。

 

写真家 岩倉しおりさんが恋した「山口・長門市」の美しい海岸線 – 「ながとブルー」と光を追い求めたフィルムの旅

写真家 岩倉しおりさんが恋した「山口・長門市」の美しい海岸線 – 「ながとブルー」と光を追い求めたフィルムの旅
写真家 岩倉しおりさんが恋した「山口・長門市」の美しい海岸線 – 「ながとブルー」と光を追い求めたフィルムの旅

 

太陽が昇っていくほどに、オレンジから白へと光の色が変わり、海の表情も変わっていきます。刻々と変化するこの特別な時間を、海で過ごすのが大好きです。

 

写真家 岩倉しおりさんが恋した「山口・長門市」の美しい海岸線 – 「ながとブルー」と光を追い求めたフィルムの旅

 

光の向きに合わせて、追いかけるように海岸線を走ります。
ここは船着き場になっていて、防波堤から下に降りられるようになっていました。

 

写真家 岩倉しおりさんが恋した「山口・長門市」の美しい海岸線 – 「ながとブルー」と光を追い求めたフィルムの旅

 

なめらかな水面にきれいな光の道筋。香川の海は「青」というイメージですが、ながとの海は緑がかった青色…ターコイズブルーの海。この青を「ながとブルー」と呼んでみました。

 

立ち寄りスポット「養殖場見学ツアー」

写真家 岩倉しおりさんが恋した「山口・長門市」の美しい海岸線 – 「ながとブルー」と光を追い求めたフィルムの旅

 

野波瀬漁港近くにある養殖場では、見学ツアー(要予約)に参加できます。たくさんの水槽があり、養殖されているフグやヒラメなどを見ることができました。施設は魚のために暗くなっていて、窓から差すわずかな光が印象的。ISO200のフィルムでしたが、暗部の描写もきれいに出ました。

 

写真家 岩倉しおりさんが恋した「山口・長門市」の美しい海岸線 – 「ながとブルー」と光を追い求めたフィルムの旅

このツアーに参加すると、新鮮な海鮮丼をいただけます。普段は食事をする会場が用意されるのですが、今回は撮影の関係で近くの海でいただきました。

 

 

12:00
松島海岸で出会う
サファイアのような透明な海

 

写真家 岩倉しおりさんが恋した「山口・長門市」の美しい海岸線 – 「ながとブルー」と光を追い求めたフィルムの旅

 

午後の光を追いかけてたどり着いた「松島海岸」。防波堤から、先ほどまでいた養殖場が見えます。

 

写真家 岩倉しおりさんが恋した「山口・長門市」の美しい海岸線 – 「ながとブルー」と光を追い求めたフィルムの旅

 

この辺りを少し歩いてみることに。…すると、海へと続く階段を見つけました。

 

写真家 岩倉しおりさんが恋した「山口・長門市」の美しい海岸線 – 「ながとブルー」と光を追い求めたフィルムの旅

 

間近に見ると、とにかく透明で、まるでサファイアのような海。こんなにも透明な海とはそう出会えないと思います。

 

写真家 岩倉しおりさんが恋した「山口・長門市」の美しい海岸線 – 「ながとブルー」と光を追い求めたフィルムの旅

 

撮ることに夢中になっていると、いつの間にかパシャリ。ここは、時間を忘れるくらい撮りたくなる場所です。

 

13:00
青海大橋から眺める
懐かしい港町

 

高いところから海を見たくて、見晴らしのいい「王子山公園」へ。

 

写真家 岩倉しおりさんが恋した「山口・長門市」の美しい海岸線 – 「ながとブルー」と光を追い求めたフィルムの旅

 

向かう途中に渡った「青海大橋」では、どこか懐かしい港町が広がっていました。

 

写真家 岩倉しおりさんが恋した「山口・長門市」の美しい海岸線 – 「ながとブルー」と光を追い求めたフィルムの旅

 

ふと見下ろすと、一艘の船…。青海島を巡る遊覧船が、海に模様を描きます。
海の上からこの景色を見ると、どれだけきれいなのか。ながとにいるうちにぜひ乗りたいと心に決めました。

 

13:30
さわやか海岸で感じる
日本海の風

 

王子山公園に着くと、高台から仙崎港を一望できました。
その眺めの中に、特徴的な海岸を発見。「さわやか海岸」という場所だそうで、早速行ってみました。

 

写真家 岩倉しおりさんが恋した「山口・長門市」の美しい海岸線 – 「ながとブルー」と光を追い求めたフィルムの旅

写真家 岩倉しおりさんが恋した「山口・長門市」の美しい海岸線 – 「ながとブルー」と光を追い求めたフィルムの旅

 

大海原へと続く道。日本海の広大さを感じます。
少し強くなってきた風を、服や髪の毛のなびきでとらえたくてシャッターを切りました。

 

立ち寄りスポット「王子鼻灯台」

写真家 岩倉しおりさんが恋した「山口・長門市」の美しい海岸線 – 「ながとブルー」と光を追い求めたフィルムの旅

 

さわやか海岸からふと見えた、青海島にある白い灯台。細いブロックを渡っていくと、海にせり出た場所に着きます。もくもくの白い雲と白い灯台、白いワンピースとの組み合わせがかわいいです。

 

 

14:30
別世界に迷いこんだような
青海島共和国

 

灯台からさらに西へ。ここは閉校となった小学校の校舎を活用した、地域住民との交流拠点です。

 

写真家 岩倉しおりさんが恋した「山口・長門市」の美しい海岸線 – 「ながとブルー」と光を追い求めたフィルムの旅
写真家 岩倉しおりさんが恋した「山口・長門市」の美しい海岸線 – 「ながとブルー」と光を追い求めたフィルムの旅

 

後ろは山に囲まれているため、なかなか光が入らないのですが、午後のこの時間だけ光が入っていました。

 

写真家 岩倉しおりさんが恋した「山口・長門市」の美しい海岸線 – 「ながとブルー」と光を追い求めたフィルムの旅

写真家 岩倉しおりさんが恋した「山口・長門市」の美しい海岸線 – 「ながとブルー」と光を追い求めたフィルムの旅

 

窓の代わりに張られたビニールシートが上から垂れ下がっていて、レンズを近づけると屈折で光に変化が生まれ、どこか別世界に迷いこんだような感覚になります。

 

16:30
湖と海に挟まれた
波の橋立で見る夕日

 

写真家 岩倉しおりさんが恋した「山口・長門市」の美しい海岸線 – 「ながとブルー」と光を追い求めたフィルムの旅

 

まもなく日没の時間が近づいてきました。
この日最後に訪れたのは、青海湖(おおみこ)と海に挟まれた「波の橋立」。

 

写真家 岩倉しおりさんが恋した「山口・長門市」の美しい海岸線 – 「ながとブルー」と光を追い求めたフィルムの旅

 

さらに風と波が強くなり、日本海らしさを肌で感じます。

 

写真家 岩倉しおりさんが恋した「山口・長門市」の美しい海岸線 – 「ながとブルー」と光を追い求めたフィルムの旅

 

17時すぎ、ついに日が沈む瞬間。
海岸線を歩きながら、山へ沈む太陽と、海にできる光のラインを写真に収めました。
美しさに惹かれた「ながとの海」。1日目が終わっていきます。

Day 2 雲に包まれる幻想的な海街

2日目は、ながとの西エリアへ。
朝からあいにくのくもり予報でしたが、あきらめずに向かいます。

 

06:30
千畳敷で迎える
非日常の朝

 

写真家 岩倉しおりさんが恋した「山口・長門市」の美しい海岸線 – 「ながとブルー」と光を追い求めたフィルムの旅

 

標高333mの高台にあり、海と空の大パノラマが楽しめる「千畳敷(せんじょうじき)」。展望台にのぼると、雲の上から月が顔を出していました。

 

写真家 岩倉しおりさんが恋した「山口・長門市」の美しい海岸線 – 「ながとブルー」と光を追い求めたフィルムの旅

 

日の出の時間、空がかすかに赤く色づきました。厚い雲におおわれ、船の軌跡がなければ海かどうかもわからないくらいに、海と雲の境界線が溶け合っています。
晴れていればオーシャンビューと日の出が楽しめる場所ですが、この天候でしか出会えない幻想的な景色に心惹かれました。

 

09:00
レトロ空間に酔いしれる
へきの洋館

 

千畳敷から車で10分ほど。長門古市駅近くにある「へきの洋館」は、地域おこし協力隊を中心に現在も改修が行われている場所で、イベントやギャラリーなどに使われています。

 

写真家 岩倉しおりさんが恋した「山口・長門市」の美しい海岸線 – 「ながとブルー」と光を追い求めたフィルムの旅

 

ソファやテーブル、窓やカーテンなど、アンティーク調の家具が並ぶ空間に写真欲が高まります。
ISO200のフィルムでしたが、窓からのやわらかい光を生かしてしっとりと写しました。

 

写真家 岩倉しおりさんが恋した「山口・長門市」の美しい海岸線 – 「ながとブルー」と光を追い求めたフィルムの旅

 

さらに、少し待っていると印象的な形の光が入ってきました。

 

写真家 岩倉しおりさんが恋した「山口・長門市」の美しい海岸線 – 「ながとブルー」と光を追い求めたフィルムの旅

 

外に出てみてわかったのですが、木漏れ日によって、窓ガラスにきれいな光と影が映っていたようです。

 

写真家 岩倉しおりさんが恋した「山口・長門市」の美しい海岸線 – 「ながとブルー」と光を追い求めたフィルムの旅

 

私は光の入るレトロな建物が大好きなのですが、ながとには自然の景色だけでなく、こういった趣のある建物があるのも魅力です。

 

立ち寄りスポット「只の浜展望所」

千畳敷にある「カントリーキッチン」でランチをして、1日目に見かけた遊覧船に乗るため海岸線をドライブ。…すると、海岸へと続く1本の階段をみつけました。

 

写真家 岩倉しおりさんが恋した「山口・長門市」の美しい海岸線 – 「ながとブルー」と光を追い求めたフィルムの旅

 

階段の真下には山陰線の線路があるのですが、背景が大海原になるようにし、階段の下を写さないように切り取ると、「階段がどこへ続いていくのか?」と想像するのが楽しい写真になります。

 

 

15:00
青海島観光汽船で
海の上を旅する

 

寄り道をすませたら、いよいよ遊覧船で青海島を巡ります。

 

写真家 岩倉しおりさんが恋した「山口・長門市」の美しい海岸線 – 「ながとブルー」と光を追い求めたフィルムの旅

写真家 岩倉しおりさんが恋した「山口・長門市」の美しい海岸線 – 「ながとブルー」と光を追い求めたフィルムの旅

 

角が丸い正方形の窓が特徴的で、窓枠でフレーミングするとかわいく切り取れます。

 

写真家 岩倉しおりさんが恋した「山口・長門市」の美しい海岸線 – 「ながとブルー」と光を追い求めたフィルムの旅

 

今回乗った船は窓を開けることができて、波しぶきを間近に感じることも。香川でも船に乗りますが、ここまで波が激しいのは新鮮でした。

 

写真家 岩倉しおりさんが恋した「山口・長門市」の美しい海岸線 – 「ながとブルー」と光を追い求めたフィルムの旅

 

波がはじけ、窓につく水滴。水面のきらめきを開放で玉ボケにして、輝きを添えました。

 

写真家 岩倉しおりさんが恋した「山口・長門市」の美しい海岸線 – 「ながとブルー」と光を追い求めたフィルムの旅


船内に目を移すと、傾いた日の光が特徴的な影をつくっていました。揺れはありますが、船内も素敵な撮影スポットです。

 

写真家 岩倉しおりさんが恋した「山口・長門市」の美しい海岸線 – 「ながとブルー」と光を追い求めたフィルムの旅

 

船で旅する青海島。自然がつくる岩の造形や行き交う船、変わりゆく景色など、たくさんの見どころがあり、あっという間のひとときでした。

 

17:30
さわやか海岸に沈む
旅の最後の夕日

 

約1時間、たっぷりと海の上を堪能すると、日没が迫っていました。

 

写真家 岩倉しおりさんが恋した「山口・長門市」の美しい海岸線 – 「ながとブルー」と光を追い求めたフィルムの旅

 

海岸へ打ち寄せてくる波に日本海を感じながら、眺める夕日。
残念ながら水平線に沈む太陽は見られませんでしたが、雲の中に消えていき、淡く染まっていく空に、ながとの景色をもっと見たいという気持ちが重なっていくようでした。

Photographer's Note

長門市はとにかく海がきれいで、透明度が高く青緑色の水質「ながとブルー」が印象的でした。海岸線をドライブしていると、撮影したい場所がたくさん見つかります。…ですが、写真を撮っている人はいなかったので、もっとこの魅力が伝わってほしいと感じました。

長門市を2日間で巡るには時間が全然足りず、もっと海を見ながらドライブしていたかったです。また、今回旅してみて、夏の日差しならさらに光輝く海が見られるんじゃないかと思いましたし、美しい桜の木もあるようなので春にもぜひ訪れたいです。

ながと写真旅のお気に入り写真

特に惹かれたのは、1日目に行った青海島にある県道283号線沿いの海です。

 

New FM2、AI Nikkor 50mm f/1.4S

New FM2、AI Nikkor 50mm f/1.4S

 

天気に恵まれ、光が当たる時間帯に行けたことで、きらきらと輝くクリアな美しい海に出会うことができました。

 

New FM2、AI Nikkor 50mm f/1.4S

New FM2、AI Nikkor 50mm f/1.4S

 

また、私が暮らす地域では見られない、海での朝日に感動しました。

あまりにきれいだったので、New FM2の機能を使って多重露出を。先に人を撮り、暗い部分に光の粒を重ねることで、水面に反射する光の美しさを写し取りました。

撮影ワンポイント

海を撮るときは光の向きがとても大切で、水面に当たる光を生かして海の美しさを引き出します。

そして同じ海でも、天気や時間帯で光景は変わってきます。晴れの日なら青色、くもりや雨の朝は淡い青色。朝焼けや夕焼けでは赤色ですが、朝の光は透明で、夕方は光自体に色があるように感じます。さまざまな表情を見せる海の魅力を写し取るために、ロケーションやシチュエーションを考えています。

 

New FM2、AI Nikkor 50mm f/1.4S
New FM2、AI Nikkor 50mm f/1.4S
New FM2、AI Nikkor 50mm f/1.4S

 

このとき、シャボン玉やカメラなど+αのものがあるとストーリーを感じる写真を撮ることができるので、ぜひ試してみてください。

 

New FM2、AI Nikkor 50mm f/1.4S

New FM2、AI Nikkor 50mm f/1.4S

 

2日目に訪れた只の浜展望所では、階段の先に何があるか想像できるように切り取るのがポイントです。ちょうど鳥が飛んでいたので、ミニマルな構図で切り取りました。階段の前後がどこに続いているのか、もやがかかったような淡い空と相まって、より想像が膨らむ写真になりました。

 

New FM2、AI Nikkor 50mm f/1.4S

New FM2、AI Nikkor 50mm f/1.4S

 

また、遊覧船などで撮る場合には、特にブレないように意識します。片手でカメラを構え、もう片方でどこかにつかまり、シャッタースピードは極力速く。船の揺れはブレの要因になりますが、髪の毛などの自然な揺れが生まれ、写真に動きが加わります。

旅先での撮影スタイル

  • 光を最優先に
    私は光の当たり方・向きを重視していて、時間とともに変わる光を追うように移動し、構図を決めています。事前に日の出・日の入り時間や方向をチェックし、そこで一番いい光の状態になるように巡る場所の目星をつけておきます。朝焼けや夕日など、車の中で光を待つ時間も多いです。
  • その時だけの出会いを大切に
    旅の詳細なルートを決めるよりも、何かを見つけたら直感的に行動するようにしています。その中でさらにおもしろいものを見つけることもよくあるんです。その場所・瞬間だけの出会いを大切にしています。

 

 

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今回の旅のルート

今回の旅のルート
今回の旅のルート

 

 

 

岩倉さんが巡ったスポットは、「ながと体験プログラム“ナガトリップ”」のフォトスポットを巡るツアーとして今後造成される予定です。また、長門市の観光サイト「ななび」では、NICO STOP未公開の岩倉さんの旅の様子を掲載しています。あわせてご覧ください!
>写真家 岩倉しおりさんのながと写真旅<前編>
>写真家 岩倉しおりさんのながと写真旅<後編>

 

巡回写真展「写真家 岩倉しおりさんのながと写真旅」開催決定!

巡回写真展「写真家 岩倉しおりさんのながと写真旅」

2021年4月下旬より順次、この旅で撮影された写真を展示する「巡回写真展 写真家 岩倉しおりさんのながと写真旅」が開催されます。

実際に撮影された場所を中心に展示会場を設置。岩倉しおりさんの写真でつくられたノベルティのプレゼントも企画されていますので、ぜひお楽しみください。

  • 場所:撮影された場所を中心に展示会場を設置
  • 期間:2021年4月下旬より順次開催

※詳細は、4月上旬に長門市観光サイト「ななび」にて公開予定

 

協力:一般社団法人 長門市観光コンベンション協会
▽観光情報
Twitter:@nagato_kanko
Instagram:@nanavi_visit_nagato
▽フォト企画
Twitter:@yukute_yuku
Instagram:@yukuteyuku

※こちらに掲載している情報は、2021年3月26日現在のものです。
※撮影は2021年2月に、新型コロナウイルス感染拡大防止に配慮した上で実施しています。
※新型コロナウイルスの感染症対策に十分にご留意いただくとともに、政府、自治体など公的機関の指示に従った行動をお願いいたします。

Supported by L&MARK

 

 

New FM2

New FM2

AI Nikkor 50mm f/1.4S

AI Nikkor 50mm f/1.4S

製品ページ
AI Nikkor 28mm f/2.8

AI Nikkor 28mm f/2.8

岩倉しおり

岩倉しおり

香川県在住の写真家。うつろう季節の光をとらえたフィルム写真が反響を呼んでいる。地元、香川県で撮影した写真を中心にSNSで作品を発表する他、CDジャケットや書籍のカバー撮影、写真展の開催など幅広く活躍。2019年3月、初の写真集『さよならは青色』(KADOKAWA)を出版。