身近にあるものですぐできる!ビニール傘でポートレートにプラスαの要素を

みなさん、こんにちは! コハラタケル(@takerukohara_sono1)です!

Z シリーズで撮り下ろしたポートレート写真を参考に、撮影方法やノウハウを紹介する連載『キミと彩るポートレート』。

前回の記事(トーク力に自信がなくても大丈夫!自然な表情を引き出す3つの方法)では、モデルさんの自然な表情の引き出し方について話しました。

僕は普段ポートレート撮影の際、自然さを引き出すために色々なアイテムを使うようにしています。その中でも特によく使うのがビニール傘です。

誰もが持っているビニール傘を使うことによって、モデルさんの自然な動きや個性を引き出したり、いつものポートレートに変化や存在感を出すことができるのです。

 

 

自然な動きを出すために使えるビニール傘!

自然な表情や動きを引き出すためには、コミュニケーションや撮り方も重要ですが、写真を撮り始めたばかりの人にはハードルが高いですよね。僕もポートレートを撮り始めた頃は苦戦しましたし、今でも初めましてのモデルさんの場合はその人の本来の姿がわからず「うーん……」と悩むことも珍しくありません。

そこで僕がよく使うのがビニール傘です。

NIKKOR Z 35mm f/1.8 S

 

例えばこの写真。モデルさんに傘を持ってもらい、ビニール傘を軸にして身体を傾けてもらいました。何も持っていないと変化がなく寂しい写真になってしまいそうですが、ビニール傘を使うことで動きが感じられる一枚になっています。

一見、アイテムの有無で大きな変化がないのではと思ってしまうところですが、写真は”ワンポイントプラスαの要素を足す”ということが非常に重要だと僕は考えています。

 

予想外の行動が出てくる

NIKKOR Z 35mm f/1.8 S

 

こちらの写真はビニール傘の持ち手の部分を持たず、あえて傘の先端に近い部分を持ってもらいました。このときはモデルのくまちゃんがなぜか傘をブンブン左右に振り始めたので、その瞬間を撮った一枚になります。

このようになにかひとつアイテムがあることによって、撮影する側も想定していない行動をモデルさんがしてくれることがあります。そして、そのような行動こそが自然体に近い雰囲気であり、つまらない写真から離れるワンポイントプラスαの要素だと僕は思っています。

 

オリジナリティーを引き出すことができる

傘を使ってクルクル回しているシーン , NIKKOR Z 35mm f/1.8 S

 

僕はよく撮られる側の気持ちも考えることが多いのですが、例えば、「そこに立ってほしい」という指示だけだと「どうしようどうしよう……」と悩んでしまいませんか?
本当に撮られ慣れている人であれば、そこに立ってほしいと言われただけでいろんな表情やポージングができるかもしれませんが、そのようなモデルさんばかりを撮れるわけではないと思います。

なにかひとつアイテムがあるとモデルさんも簡単に動きを出しやすく、撮影する側も予想できないアイデアが飛び出すと、撮っていてついワクワクしてしまいます。具体的に指示を出すのではなく「持ってみて欲しい」という曖昧な指示を出すことで、傘の持ち方一つでもそれぞれのモデルさんのオリジナリティー溢れる持ち方を引き出すことができます。

 

NIKKOR Z 35mm f/1.8 S

 

僕がなぜビニール傘にこだわるのかというと、ビニール傘はほかの傘にはないメリットがあるからです。そのひとつがモデルさんの肌の色を綺麗に見せることができることです。これは写真を見ていただいたほうが早いので、まずは写真をご覧ください。

 

 

写真を見てわかる通り、傘の色によっては、モデルさんの肌の色が自然でなくなる場合があるのです。その点ビニール傘であれば、モデルさんの肌色を綺麗な状態のまま撮影できるのでおすすめです。

また、ビニール傘はどこでも購入できて、使いたいときに使えるというのも嬉しい。赤い傘を使いたいと思っても、なかなか見つからないことも多いのです。(過去に探し続けて、見つからなかった経験があります……)

 

雰囲気を出すために使えるビニール傘!

逆光撮影でも人物に光が当たる

NIKKOR Z 35mm f/1.8 S

 

ビニール傘の魅力はなんといっても”透過していること”これに尽きるかと思います。

こちらの写真は夕陽が沈む前に撮影した逆光写真。この写真ですが、もしも色付きの傘で撮影した場合はモデルさんの顔に光が当たらず、シルエットの写真になってしまいます。

しかし、透明なビニール傘は逆光撮影時も光を透過させてくれるため、モデルさんを黒つぶれさせることなく、輪郭や肌の色もちゃんと見せることができます。モデルさんの表情も含めて、写真の表現に加えられるのも、ビニール傘の強みと言えるのではないでしょうか。

 

傘のデザイン性を最大限に利用することによって写真の印象が変わる

NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S

 

傘ってとてもデザイン性に優れたアイテムじゃないですか? そのなかでもビニール傘は写真にしたときにとても”絵”になるアイテムだと思うのです。

なぜかというと、傘の骨組みも見ることができるからです。

NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S

NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S

 

骨組みの部分が見えることにより、どこか物足りなさを感じる写真にも存在感を加えることができます。

ビニール傘を持っているか持っていないか、ただ、それだけで見え方が全然違います。

NIKKOR Z 35mm f/1.8 S


夕陽が沈み、空がどんどん蒼くなってくるシーンというのは非常にドラマティックであり幻想的です。あえてビニール傘越しに風景を入れることで、モヤがかかったような、より印象的な雰囲気に仕上げています。

 

ビニール傘を使った様々な表現作例

最後にビニール傘を使って撮った、様々な表現をご覧ください。 

ビニール傘越しの表情を見せたり。

NIKKOR Z 35mm f/1.8 S

 

引き写真でもビニール傘を使うと視線を誘導できます。

NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S

 

ビニール傘越しに景色を見せるのも◎

NIKKOR Z 35mm f/1.8 S

 

最後は組写真で。



まとめ

1. ビニール傘を使って自然な動きを引き出そう!
2. 予想外の行動からモデルさんの個性を見つけよう!
3. 透過性を活かした逆光撮影を楽しもう!
4. 傘のデザインを生かして、普通のポートレートに変化と存在感を作りだそう!


いかがでしたでしょうか!

「なにかいつもと少し違う写真にしたいな……」と思ったときは、是非ともビニール傘を使ってみてください。味気なかった写真たちにも、自然な動きを足せるかもしれません。

今回ご紹介したのはほんの一部。僕の知らないあなただけの表現方法も見つけてみてください。

それではまた次回の記事で、お会いしましょう!

 

Model:熊井 りん(@rin_kumai
Edit:高澤けーすけ(@saradaregend
Supported by CURBON

 

 

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Z 6

製品ページ ニコンダイレクト
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NIKKOR Z 35mm f/1.8 S

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NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S

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コハラタケル

コハラタケル

1984年、長崎県生まれ。フリーライター時代に写真撮影もはじめ、その後、フォトグラファーに転身。企業案件や家族写真を撮影するだけでなく、会員140名を越える月額制noteサークルの運営も行っている。SNSの総フォロワー数は12万人以上。