みなさん、初めまして!とど(@jump_todo)です!
普段は岡山県で会社員として働きながら、休日に写真活動を楽しんでいます。
淡い色味のフィルムテイストな写真が好きで、オールドレンズを使った光の描写が得意です。
Z シリーズで撮り下ろしたポートレート写真を参考に、撮影方法やノウハウを紹介する連載『キミと彩るポートレート』。これから僕もポートレートに関する記事を書いていくので、どうぞよろしくお願いします!
さて、僕が第一回目に取り上げるのは曇りの日のポートレート撮影についてです。日本では、”見渡した空全体対して雲が占める割合が9割以上かつ降雨現象がない状態”が曇りと定義されています。
やはりカラッと晴れた日の撮影が気持ちいいですが、モデルさんと約束した撮影日が曇ってしまったなんてこと、ありますよね。
今回はそんな曇りの日だからこそできる、写真の撮り方について紹介していきます。
よければ最後まで読んで、参考にして下さると嬉しいです。
曇りの日のメリット・デメリット
まずは、曇りの日のメリット・デメリットを確認してみましょう。
<曇りの日のメリット(良いところ)>
- 影の出方を気にしなくていいため、どの方向(アングル)からでも撮影することが可能
- モデルさんが太陽の方向を向いても眩しくない
- 淡い花の色も綺麗に出すことができる
- 白系の服が白飛びしづらい
- 肌の色や質感、服の素材感を表現しやすい
- 室内撮影時、室内と室外の露出の調整がしやすい
<曇りの日のデメリット(難しいところ)>
- 光がフラットなため、のっぺりした印象になる
- 光が弱いため、写真に変化を付けづらい
- 空を主役にした撮影は難しい
あらためて書き出してみると、晴れの日と全く環境が違うことがわかります。ではここからは、曇りの日だからこそできる撮影方法についてお話ししていきます。
光の向きを気にせず撮影することができる
僕が思う最大のメリットは、光の向きを気にせずに撮影できる点です。
以下の3枚の写真をご覧ください。
それぞれ同じ時間帯に、晴れていれば順光、逆光、サイド光となる位置で撮影した写真です。
※光の種類に関しては、こちらの記事を参照ください
写真を見てもわかる通り、曇りの日は光がフラットなため、どの角度から撮影してもモデルさんや背景の露出は変わりません。
そして、どの角度からでも撮影できるということは、背景を自由に選ぶことができるということです。
晴れの日だと、光の向きによって「本当はこの場所を背景にしたいけど、今は光の状態が悪いから夕方にまた来よう」みたいなことがどうしてもあると思うんです。
でも、曇りの場合は光が一定でフラットなため、そのような状況になりづらいと言えます。
ハイアングルで撮影してみよう
夏の晴れた日の空に入道雲が出ていたら、それを背景にすると”絵”になりますよね。
しかし、曇りの日は空にほぼ変化がないため、空を大きく入れた写真はなかなか難しいです。
曇り空を大きく入れて撮影してみました。
どうでしょうか?
やはり空全体が薄暗く、変化がないため、面白みに欠けています。
そのため、曇りの日はハイアングルでの撮影がオススメです!空が入らないだけでなく、その他にも以下のような利点があります。
- カメラマンの影が入らない
- 背景(建物など)の色をすべて均一に綺麗に見せることができる
- モデルさんが上を向いても眩しくない
それぞれ、写真を用いて解説していきます。
モデルさんの正面に立ち、ハイアングルで撮影した一枚です。
この時、太陽は僕の後方にありますが僕の影がモデルさんに被っていません。
晴れの日であれば、モデルさんにカメラマンなどの影が被らないように太陽の位置を常に気にする必要があります。
しかし曇りのフラットな光の中では、影などを気にせずに自由に動いて撮影ができます。
ハイアングルでの撮影で、カメラ目線が欲しい場合、モデルさんは上を見上げる必要があります。
晴れの日に空を見ると、目が焼けるほど眩しいですよね……。
光の弱い曇りの日であれば、モデルさんとしてもかなりマシだそうです。
またフラットな弱い光は、建物などの背景の色をすべて均一に、綺麗に見せてくれます。
ハイアングルでの撮影の場合、曇りの状況はかなりメリットがありますね。
淡い花の色や白い服の質感を綺麗に出せる
光が弱いため、淡い花の色や白い服の質感を綺麗に出せるのも曇りの日の大きなメリット。
写真のような淡い色の紫陽花も、しっかりと色を残して撮影できています。
さらに確実に色や質感を残したい場合は、以下の2つを実践してみてください。
- 露出は適正よりややアンダーで撮る(白の服や花が白飛びしない程度に)
- RAWで撮影する(RAWデータだと、万が一白飛びした場合も階調を戻せる)
夏場は光が強すぎて白飛びしやすいので、曇りの日が白い服でのお出かけに狙い目です。
窓際で撮ってみよう
曇りの日の室内は暗いと思われがちですが、窓際は撮影にとてもオススメです!
外の柔らかくフラットな光が室内に差し込む窓際は、絶好の撮影スポットになります。
晴れの日だと屋外の光の方が強く、屋外との露出差が出てしまい、モデルさんに露出を合わせると外の景色が白飛びしてしまうことが多いんです。
対して曇りの日は、写真のように、外の柔らかい光がモデルさんの肌を照らして影の陰影もつくので、立体感を出すことができます。それと同時に外の景色も綺麗に色が出ていて、しっとりとした鮮やかな写真になっています。
曇りや雨の日の窓際で、ぜひポートレートを撮ってみて下さいね!
曇りには曇りの楽しみ方を
いかがでしたでしょうか?
「写真撮りに行くぞ!」と意気込んでいて、当日曇りだったら悲しいですよね……。
実は僕もこの記事の撮影日が曇りで、正直最初はテンションが下がりました(笑)。
でも撮影をするうちに、曇りには曇りの良さがあるんだなと気付いてお伝えさせていただきました!
ぜひ皆さんにも、曇りの日の撮影を楽しんでもらえると嬉しいです!
次回はロケ地の選び方についてお話しできればと思います!
お楽しみに~!
曇りの日だからこそ生きる!オススメの撮影方法
- ハイアングルで撮影してみよう!
- 淡い色の花や白い服を撮影してみよう!
- 室内の窓際で撮影してみよう!
・ Model:いちのせうみ(@non_umi622)
・ Edit:Anco Oshita
・ Supported by CURBON
とど
朝夕の綺麗な光、四季折々の美しさなど日常に潜んでいる美しさを活かし光を常に追いかけながら写真を撮っている。 光を上手く利用しオールドレンズによる淡くふんわりとした雰囲気の写真を撮るのを得意としている。