私たちはなぜ写真を撮るのでしょう。
写真は記憶を残すとともに、大切なことを思い出させてくれます。ささやかな日常の一コマから、忘れたくないあの日の思い出まで。
日々の出来事や空気を写真に残し、言葉を添えるPhotoDiary。初回は新潟県在住の写真愛好家、yukiさんから届いた秋の記憶をお届けします。
夜明け前から現地に入って、良きタイミングを待っていた。
枝にはわずかな葉が残り、地面は赤い落ち葉で埋め尽くされている。
朝のヒカリと朝靄が、美人林をさらに美しくした。
それは晩秋から初冬にかけてのわずかな期間しか見ることのできない光景だった。
美しい時間は15分くらいで、あっという間に幻想的な雰囲気は終わってしまう。
わずかな時間に自分の撮りたいものを収めていく。
必死で掬いとるようなその行為は、まるでスポーツをしているような感覚があり、達成感も感じられる。
写真撮影において、技術や機材と同じくらい大切なのは選択なのかもしれない。
いつ、どこで、誰と、何を選択するかによって撮れるものが変わってくる。
経験や情報をもとにベストな選択をし、より最適な状況に出会えることが写真活動の励みにもなり、醍醐味でもあるような気がする。
秋が終わり、冬が来る。
※Z シリーズカメラでNIKKOR Fレンズをご使用するにはマウントアダプターFTZを装着する必要があります。
yuki
新潟県出身、在住の写真愛好家。豊かな自然の風景写真のほか、ロケーションを活かしたポートレートも撮影する。新潟の色鮮やかな四季を追いかけながら、日々写真愛好家として活動中。