【東京】映画のワンシーンのような光と影の情景を探す旅


みなさん、こんにちは。フォトグラファーの相沢亮(@aizawa0192)です。
今回の『Zと写真家と47都道府県の旅』で自分が担当する場所は、なんと東京!まさかのホームタウン(笑)。ですが、住み慣れた東京といえどまだまだ気になるところや行ってみたい所がたくさん!

この記事では僕なりのおすすめ東京絶景ルートのご紹介をしたいと思います。効率よく写真を楽しむためのおすすめルートでもあります。住んでいる方も、これから遊びに来る方も、「東京で写真を楽しみたい!」と思っている皆さんのご参考にしていただけたら嬉しいです。

※本記事は2020年2月に撮影、2020年3月に執筆したため現在と状況が異なっている場合がございます。ご了承ください。

今回使うカメラとレンズ

・Z 7
・NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S
・NIKKOR Z 85mm f/1.8 S

今回もっていくレンズは広角でも撮れる標準ズームレンズと85mmの単焦点レンズ。

東京の建物を撮影する時は、普段広角レンズを使います。ひしめきあっている建物を全て入れ込むことができる広角レンズは東京のスナップに最適です。春の時期で花も撮りたいため、アクセントに単焦点を持っていきました。

旅のお供には東京メトロ24時間券(乗り放題)を使います。

東京メトロ24時間券・・・使用開始から24時間に限り、東京メトロ全9路線を自由に乗り降りできる乗車券です。大人600円、子供300円。これで都内23区内をほぼ網羅できます。

 

今回は日比谷線沿いを中心に東京の魅力をご紹介していきます。

AM6:00 静寂に包まれた 都市が目覚める前の銀座へ。

NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S | AM6:45


暗く無機質な街の中に朝日が徐々にあたり始め、明暗差が特別な光景を見せてくれたので、思わずシャッターを切りました。

普段雑踏と喧騒に溢れる銀座が静寂に包まれている朝の時間。誰もいない静かな銀座の道を1人で歩いていると、映画の世界に飛び込んだような気分に浸れます。

 

NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S | AM7:00

 


AM7:30 喧騒から離れた場所 早朝の丸の内へ。

次に東京駅方面(丸の内)に向かいます。

太陽が完全に顔を出す時間。このタイミングは、逃せません。

丸の内はオフィス街。平日なら出勤に向かう方がこの時間帯くらいから増えていくのですが、やっぱり人が少ない。なんともいえないこの開放感。。

 

NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S | AM7:30

NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S | AM7:45


反射する朝日に照らされて、光と影が東京駅の立体感を演出するのは、この時間帯だけ。
東京駅が主役ながらも全体の静けさも切り取りたかったため手前の道路もいれて撮影しました。

NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S | AM7:45

 

正直に言うと、自分は今まで休みの日まで会社のことを考えたくないという理由で、休日の朝にオフィス街を走る方の気持ちがわからなかったのですが。。。

確かにこの空気感は特別だと気付きました。都心の閉塞感や息苦しさを全く感じません。

そんな感じで休日の朝に皇居周辺を走る方への共感を覚えつつ、丸の内の街を撮り歩きます。

 

NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S | AM8:00

どこまでも続くような一本線の道。通行人が少なく、普段の喧騒を感じさせない瞬間。

そんな情景に惹かれつつ、丸の内を後にして日比谷駅に向かいます。

 

AM9:30 都心の青を感じるために築地へ。

オフィス街を撮り歩いていると水辺で少し休憩したくなる。そんな時にお勧めしたいのが築地駅での下車。
隅田川に架かる勝鬨(かちどき)橋周辺での晴れた日の散歩は最高です。
この広大な青を感じてください。東京にこんな青があったのかと改めて思うはず。
日比谷駅から5分の電車移動。東京の都心部からすぐにアクセスできるこの場所は東京旅のアクセントにおすすめです。

NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S | AM9:45


東京フォトアルバム(旅日記、写真集などなど)を作る場合の色味の追加にも是非。
空色を映す水面は、いつ見ても良い!

この写真でのポイントとして赤い建物を入れました。次に見せる青のグラデーションの写真も好きなんですけど、ワンポイントのカラーを差し込むとバリエーションが出ます。

当然なのですが、近くにかの有名な築地もあるのでおいしい海鮮のごはんも食べられます!

NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S | AM9:45


広角のレンズを使い、隅田川と空の青を両方切り取るのがおすすめです。広大な青をそのまま切り取れる場所。東京23区内だと結構貴重です。

AM10:30 光と影の建築美 KITTEへ。

隅田川散歩の後はKITTEに行く事をお勧めします。
築地駅より電車に乗って、丸の内(東京駅方面)を目指します。

KITTEとは・・・東京駅近くの白色と線を基調にした建物が特徴的な、全国各地の日本らしさを感じられるショップとレストランの複合商業施設です。JR東京駅丸の内南口より徒歩約1分です。目の前!ここの白線と光が本当に美しいです。(日比谷線の日比谷駅B7出口より徒歩6分です。)

※2021年3月現在、ショップとレストランの営業開始時間が11:00AM~となっております。

また東京駅周辺に戻るの!?なんで!?と思う方もいるかもしれないですが(笑)

KITTEは吹き抜けのガラス天井の建物。太陽が高い位置にあれば光が差して綺麗な白線美と光のシャワーを感じる事ができます。
光と影の写真が好きな方は絶対に行くべきです。建築にもそれぞれ一番綺麗な時間帯があると思いますが個人的にKITTEは日中の光が差す瞬間が一番だと思っています。

NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S | AM10:30


この綺麗に小部屋に別れたような建築美と光と影のコントラスト。光差す時間のKITTEは最高です!ガラス天井の建物は、光を意識した建築をしていると思うのです。そんな一番光輝く瞬間は、逃したくありません。

NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S | AM10:30

 

この小部屋の均等な造り。こんな整列したかのような形を見ると撮りたくなります。

NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S | AM10:30

 

PM12:00 路地裏探索の気分、上野方面へ

次は、少し電車に揺られて上野に移動です。

この上野という場所はご存知の方もいるかと思いますが、アメ横と上野公園がすぐ近くにある人気スポット。雑多な感じがたまらないという方にとって、路面店の並びが醸し出す独特の雰囲気は特別です。

正午の時間帯に訪れた理由は、上野は太陽光が街に差す時間が非常に限られているからです。お店や電車の路線がひしめき合っている街の構造上、太陽が真南に位置する時間帯だけ裏道に光が差します。

NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S | PM0:00

NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S | PM0:00


アメ横の路地裏の探索。

見てください。太陽光と煙が舞台装置のような良い味を出し、どこかアジアの裏道を散歩しているような気分を感じられます。昭和の香り漂うお店の並び。高架下の電車の音。そんな雑多な空気、人の影。。

光と煙の組み合わせの雰囲気は大好きで、昼の上野でポートレートをやってみたら、面白いはず。いつもとは違う雰囲気の写真を残せます。

NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S | PM0:15

 

上野公園の西郷隆盛像付近より撮影。

上野公園に行けばこの時期くらいから春の足音を感じられます。

この日は快晴。桜と青空のコントラスト。暖かな空気感。どうして桜色の花を見ると気分が高まるのでしょうか。写真を始めてから気付いたのですが、四季折々の花に出会うとついつい撮りたくなります。

NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S | PM0:30

NIKKOR Z 85mm f/1.8 S | PM0:30


85mmの単焦点レンズを使い、ボケを活かしながら撮りました。空と桜を絶妙なバランスで切り取ることのできる画角。ボケが綺麗。

NIKKOR Z 85mm f/1.8 S | PM0:30


公園でほっこりした後は、日曜日だけの歩行者天国の秋葉原に移動です。

PM2:00 秋葉原 日曜日だけの歩行者天国へ

日曜日は歩行者天国。普段ではできない電気街の道路の中心を歩けます。道の白線の上を歩くのが好きなんですが、みなさんはどうですかね。自分だけ?(笑)

広角で道の真ん中より、店の並びが写るように撮影。

NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S | PM2:00


秋葉原ならではの色とりどりの魅力的なお店が立ち並んでいます。少し太陽が落ちてきて、光と影のバランスや建物の立体感が素敵です。

秋葉原は高い建物が多いため、この時間くらいの太陽の高さがベストです。

※2021年1月17日から緊急事態宣言が解除されるまでのあいだ歩行者天国は中止。

 

NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S | PM2:00


そこから歩いて万世橋方面に向かいます。秋葉原からほどない場所ですが、電気街の姿からは想像できない古き良き雰囲気を感じることができます。

万世橋とは・・1912年に完成した赤レンガ造りの歴史ある高架橋です。
多種多様な雑貨屋やカフェが中にあり、アンティーク好きにはたまらない空間になっています。

 

NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S | PM2:30


写真やっている人あるあるだと思うのですが、この万世橋の中を見るとつい撮りたくなりませんか。出入り口が続き、雑貨が並ぶ。そしてこのアンティーク調。。好みです。。

この後、六本木の展望台に向かう予定ですが日没まで時間があるため、少し寄り道。

まずは日比谷。えっ!?また日比谷周辺?と思うかもしれませんが、街は太陽光の当たり方でその姿ががらりと変わります。午後の日比谷公園周辺は西日が綺麗に当たり本当に綺麗です。

NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S | PM4:10


西日に照らされたビル群が水面に映ります。

ちょうど太陽光が綺麗に入り、その水面に写る光に向き合うように撮りました。街の色が変わりつつある瞬間。そんな瞬間に惹かれます。風がない日であれば、静かな水面のリフレクションが撮れます。

NIKKOR Z 85mm f/1.8 S | PM3:45


そして日比谷公園には綺麗な菜の花畑がありました。都心で出会う菜の花畑。
もう春ですね。この周辺は、銀座や丸の内が近くオフィス街ですが、こんな景色があります。

※こちらは別日に撮影しましたが、おすすめです!
そしてもう一つ寄り道にお勧めしたいのが恵比寿。 
恵比寿の西口商店街の方へ歩いてください。恵比寿駅下車後すぐに着きます。
この西日が醸し出すノスタルジーな雰囲気。。お洒落の象徴、恵比寿にこんな瞬間が。。魅力は夜だけではないのです。

NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S | PM3:40

NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S | PM3:40

NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S | PM4:00

NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S | PM4:00

 
写真をやっている人にはたまらない暖かな光加減。斜陽という言葉がぴったり。こんな光と影に出会ったら、撮りたくなりますよね。

NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S | PM4:10

NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S | PM4:10

 

PM4:30 都市の夕焼けの情景を写しに、六本木へ

さあ、六本木の展望台へ移動です。東京という大都市を空から感じられる場所へ。
陽が落ちかけてきて、街の色が変わる瞬間。この時期は日の入り時間が18時前後のため17時くらいに着いておくのがおすすめです。(混み具合にもよりますが日没へ確実に間に合うためには、16時30分くらいが無難かもしれません。)

※撮影地の「六本木ヒルズ展望台 東京シティビュー」は改修工事のため2021年4月下旬まで休館中です。

 

NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S | PM4:45


オレンジ色の光に街が照らされ、都心が暖かな光と空気感に包まれていく瞬間。
影と夕日のバランスが刻一刻と変わる瞬間がたまりません。

目の前に広がる景色をそのまま、パンフォーカス(すべてにピントが合うような状態 広角レンズで絞りは6.3以上がお勧め)で撮るのが好きです。街の色味を活かすような編集も意識しています。

NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S | PM4:50


人それぞれいろいろな思いでこの情景を見ているかと思うととても暖かく不思議な気持ちになります。

NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S | PM5:00


東京タワーが見える場所の反対側に回れば、沈む夕日が望めます。東京で地平線を見ることができる数少ない場所の一つ。

NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S | PM5:00


東京という街へ憧れ、上京してきた時の気持ちを想起させてくれるこの映画のワンシーンのような光と影の情景は、いつ見ても良いです。時が過ぎていくことを実感できます。

1日の終わりを感じられる特別な瞬間。ついついお疲れさまと心の中で言いたくなる。

NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S | PM5:30


空の色のグラデーションが綺麗です。

仕事や学校に追われているといつの間にか陽が暮れてしまい、なかなか見ることができない日没の瞬間。日常は、こんな綺麗に過ぎていくのかと思うほど。

NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S | PM5:30


この情景を目に焼き付けた後、帰路に向かいます。


終わりに

今回の東京旅いかがでしたでしょうか。

東京という街は個性の集合体。それぞれの場所によって違った魅力があります。そんな街の魅力を引き出すことができたら旅はもっと楽しくなります。今回の記事で皆さんの旅がより楽しくなるお手伝いができれば良いなと思っています。

東京という場所には魅力的なスポットがまだまだ沢山あります。1日では時間が足りません。これからも東京で写真を撮り続け、その魅力を写し残し続けたいと思います。


お気に入りの一枚

NIKKOR Z 85mm f/1.8 S | PM0:30


お気に入りの一枚は、桜の写真。

新しい季節の始まりを感じさせる瞬間を撮ることができて良かったです。この暖かさが皆様に伝われば嬉しいです。

 

 

Edit:高澤けーすけ(@saradaregend
Supported by CURBON

Z 7

Z 7

製品ページ ニコンダイレクト
20190523173949

NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S

製品ページ ニコンダイレクト

NIKKOR Z 85mm f/1.8 S

製品ページ ニコンダイレクト
相沢亮

相沢亮

東京の写真家。光と影を活かし、暖かいオールドシネマの世界のように日常を撮ることを得意とする。