動画初心者のジュンくんが、ミラーレスでの動画撮影について学んでいく連載企画「ミラーレスではじめる動画撮影」第7回。ミナちゃんとのフォトウォークでたくさん動画を撮影してきたジュンくん。思い出の詰まったVlogに仕上げるため、動画編集の方法をTAKBONさんに教えてもらって学びます。
ジュンくん
ミラーレスカメラ Z 6IIを持ち歩き、日々思い出を記録。SNSでも積極的にシェア!
TAKBONさん
アーティストのMVなどを手がける動画クリエイター。SNSではでショートフィルム、都市光景やストリートフォトなどの写真も投稿している。
さらに詳しく! TAKBONさん流 動画編集のポイント
音楽と連動した編集で、ストーリー性と臨場感あるVlogにしよう
撮影してきた動画をつないで1本の映像にする編集。BGMに音楽をつけ、音楽と映像を連動させていくことで、動画全体にストーリー性と臨場感が生まれます。
1.曲を選ぶ
リズム感と緩急のある曲が動画の編集ではおすすめ。曲全体に起承転結があると、より動画全体へのストーリー性をつけられます。また、SNSでの公開が可能か、クレジットの記載が必要かなど、著作権(ライセンス)を必ず確認しましょう。YouTubeで公開する場合は、YouTube Studioのオーディオライブラリーで使用可能な音源を探せるほか、各種音楽配布サイトでも、無料のものから有料のものまで、さまざまな音源がダウンロードできます。
>YouTubeでの音楽の著作権管理の仕組み(外部サイト)
2.曲を何度も聴いて構成を考える
カットをどのようにつないでいくかなど、動画全体の構成は曲に合わせて考えます。スピードの速いところでは動画もスピード感あるシーンを入れたり切り替えを増やしたり、盛り上がりやサビに印象的なシーンを持ってきたりするといいでしょう。
3.カットの切り替えは、音のアタックに合わせる
曲のアタック(「ドンッ」と音が強く出ているところ)に合わせてカットを切り替えると、曲との連動感が生まれ見やすい動画になります。ただし、すべてをアタックに合わせると単調になるため、サビやシーンの切り替わりでアタックに合わせ、ほかは映像を優先して適度にずらしましょう。Z 6ll NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S
映像は時系列に、アングルや距離感の異なるカットを並べる
Vlogは時系列に進むと一日を振り返りやすく見やすくなります。ところどころ場面が切り替わる箇所で、時系列の気にならない空やお花などのイメージ映像をインサートとして入れ込むと、より雰囲気を出せ、さらにシーンと曲の切り替わりの調整もできるのでおすすめです。
また、ワンシーンを3つ程度のアングルで映すと、より情景がイメージしやすくなります。カットの並びは同じようなアングルや距離感が続かないように注意しましょう。
>動画のアングルや距離感の復習はこちらから
>カメラを動かす撮影の復習はこちらから
スローモーションを使えばよりシネマティックに
印象的な動きのカットはスローモーションをかけるとよりインパクトがあり、グッとシネマティックな雰囲気になります。動きの伝わりやすいアップや中距離のカットで使用するのがおすすめです。ただし、使いすぎると単調になりスローモーションの効果も軽減されてしまうため、特に印象付けたいシーンで使いましょう。
Z 6ll NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S
書き出しはアップするSNSに合わせて動画形式を確認
動画の書き出しでは「ファイル形式」「書き出すフレームレート」「解像度」「ビットレート」を確認しましょう。
- ファイル形式はmp4
高画質かつどの再生環境でも使いやすいためおすすめです。
- フレームレートは動画イメージに合わせる
基本的に撮影時のものに合わせましょう。シネマティック動画の場合は24fpsです。
- 解像度とビットレートは書き出し先のSNSをチェック
SNSにより適正な動画サイズは異なります。推奨サイズより大きいとアップロードができなかったり、アップした際に自動で圧縮されて画質が落ちたりすることがあるので、あらかじめアップしたいSNSの推奨形式を確認しておきましょう。
<フルHD、24fpsの場合の主なSNSの推奨サイズ(2021年9月6日時点)>
- YouTube
解像度:1,920×1080、映像ビットレート:10Mbps、音声ビットレート(ステレオ):384kbps
>出典:YouTubeヘルプ(外部サイト)
解像度:1,280×720、映像ビットレート:2,048Kbps、音声ビットレート:128Kbps(※ファイルサイズ512MB以内、再生時間0.5〜140秒)
>出典:Twitter Developer(外部サイト)
動画を公開するときは、必ず映っている人に確認をしよう
映っている人に無断で動画を公開すると、肖像権やプライバシー権を侵害してしまう恐れがあります。必ず映っている人に確認をとってから公開しましょう。
>肖像権・プライバシー権についてはこちらから
Adviser's Note
あっという間に最終回です。
Vlogの目的は「Video Blog」という名前の通り、「思い出を動画で残す」ことが一番。今までは「Blog」として文章と写真だけで表現していたことも、「Vlog」として動画で記録することで、動きや音などでも表現できるのが魅力です。ただ動画を撮影するだけでなく、BGMをつけたりカットをつなげたりして表現を広げ、自分のライフスタイルや趣味をより魅力的に伝えられるように編集までチャレンジしてみてください。
僕自身、第1回で公開した江ノ島Vlogの撮影・編集では、観た方がその場に行きたいと思えるように、江ノ島の綺麗な景色や自然な空気感を残すことを意識しました。
全7回、もしかしたら難しい部分もあったかもしれませんが、この連載で「動画やりたいけどなんか難しそう……」と思っている方の手助けが少しでもできていたらうれしいです。最後までご覧いただきありがとうございました! ぜひ楽しい動画ライフを!
illust:冨田マリー(@tomitamary_)
Supported by 東京通信社
Adviser
TAKBON
神奈川県在住の映像クリエイター。シネマティックな表現を得意とし、CMやミュージックビデオの制作なども手がけるなど、幅広く活躍。SNSでは動画のほか、都市光景やストリートフォトなどの写真も投稿している。