動画初心者のジュンくんが、ミラーレスでの動画撮影について学んでいく連載企画「ミラーレスではじめる動画撮影 」第4回。TAKBONさんに教えてもらった通り動画をたくさん撮りはじめたジュンくん。でも、いざ撮ってみると画面が真っ白になってしまいます。そこで、動画の露出調整で欠かせない「NDフィルター」について、フォトグラファーのTAKBONさんに教えてもらいます!
ジュンくん
ミラーレスカメラ Z 6IIを持ち歩き、日々思い出を記録。SNSでも積極的にシェア!
TAKBONさん
アーティストのMVなどを手がける動画クリエイター。SNSではでショートフィルム、都市光景やストリートフォトなどの写真も投稿している。
さらに詳しく! TAKBONさん流 動画撮影でのNDフィルターのポイント
明るい場所ではNDフィルターを活用しよう!
動画撮影ではシャッタースピードを固定しているため、環境によっては画面が真っ白になって撮影できなくなることがあります。そこで使うのが、レンズから入る光の量を減らすために使うNDフィルターです。NDとは「Neutral Density(ニュートラル・デンシティ)」の略で、発色に影響を与えることなく光量を減らせます。屋外での日中での動画撮影では欠かせないアイテムです。
Z 6ll NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S
NDフィルターを選ぶ時は4つのポイントをチェック
NDフィルターを選ぶ時は、「固定式・可変式」「透過率の数値」「フィルター径」「質の良さ」の4つをチェックしましょう。
- 固定式/可変式
NDフィルターには透過率が決まっている「固定式」と、1枚で透過率を調整できる「可変式」があります。
- 透過率の数値
NDフィルターには「ND8」「ND16」「ND32」のように「ND」の後ろに数字があり、光の透過率を表しています。
ND8=光量が1/8に
ND16=光量が1/16に
ND32=光量が1/32に
また、固定式のNDフィルターは重ねて利用することもできるので、使いやすい濃さを複数枚持ち歩くのもおすすめです。
ND2とND4=光量が1/8に
ND4とND8=光量が1/32に
- フィルター径
使用するレンズの直径と同じフィルター径のものを選びましょう。複数のレンズを持っている場合は、まずは一番よく使うレンズに合わせて選ぶのがおすすめです。また、大きめのレンズのフィルター径に合わせて選び、ステップアップリングを使用して調整することもできます。
- 質の良さ
質の低いNDフィルターを使用すると、透過する光にむらが生まれ、フレアやゴースト、色むらの発生や画質の低下につながる可能性があります。実際に店頭で試して確認したり、信頼できるメーカーのものを選ぶなど、十分な質が担保された製品を選びましょう。
Z 6ll NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S
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Adviser's Note
動画撮影時のNDフィルターは、特に「日差しが強い昼間の撮影」では必須。第3回で紹介した「自然なブレ感(モーションブラー)」を出す動画では欠かせません。また、動画はもちろん、写真の表現の幅も広げてくれる道具でもあります。たとえば、スローシャッターで水や滝を撮影して水の流れを滑らかに表現したり、木の葉や枝をわざとぶらしたりと、いろいろと面白い使い方ができます。1枚持っておくと、動画も写真も楽しみの幅が広がりますよ。
これからはじめてNDフィルターを買うという方は、まずは動画で一番使用頻度が高いレンズに合わせて購入してみてくださいね。フィルター径を間違えて購入してしまうことがたまにあるので、レンズ径とサイズが一緒か購入前にしっかりとチェックしましょう。
第5回は……
NDフィルターを手に入れて、散歩のたびに飼い犬のリクくんを撮影しているジュンくん。でも、動画を並べてみると、どこか単調…。どうすれば表現豊かな動画を撮影できるのか、TAKBONさんに被写体との距離やアングルのポイントを教えてもらいます!
illust:冨田マリー(@tomitamary_)
Supported by 東京通信社
Adviser
TAKBON
神奈川県在住の映像クリエイター。シネマティックな表現を得意とし、CMやミュージックビデオの制作なども手がけるなど、幅広く活躍。SNSでは動画のほか、都市光景やストリートフォトなどの写真も投稿している。