動画初心者のジュンくんが、ミラーレスでの動画撮影について学んでいく連載企画「ミラーレスではじめる動画撮影」第5回。TAKBONさんに教えてもらった通り短い動画をたくさん撮ってきたジュンくん。ミナちゃんとのフォトウォークを前に、撮影してみた中で疑問になったことや、Vlogにするのにどんなカットを撮るといいかを、フォトグラファーのTAKBONさんに教えてもらいます!
ジュンくん
ミラーレスカメラ Z 6IIを持ち歩き、日々思い出を記録。SNSでも積極的にシェア!
TAKBONさん
アーティストのMVなどを手がける動画クリエイター。SNSではでショートフィルム、都市光景やストリートフォトなどの写真も投稿している。
さらに詳しく! TAKBONさん流 動画撮影のポイント
被写体との距離は「遠・中・近」3つのパターンを押さえよう!
被写体との距離が「遠距離」「中距離」「近距離」の3パターンを押さえておくと、編集時につなげやすくなります。
- 遠距離:モデルの全身が写っているもの。1つの動画に含まれる情報量が多くなるため、景色やモデルのいる状況を見せたい時に使います。また、風景を写す時にも使います。
- 中距離:バストアップなど。周囲の状況もモデルの表情もバランスよく伝えられるので、モデルの雰囲気を伝えたい時などに使います。
- 近距離:モデルのアップ写真。モデルの表情やディテールが見えるため、よりダイナミックに、被写体の感情や詳細を伝えられます。
いろんなアングル、構図を押さえよう!
被写体が中央のものだけでなく、右側・左側・上・下など複数の構図や、被写体を同じ目線・下から・上からなど複数のアングルで押さえておくと、動画をつないだ時に動きが生まれ、編集がしやすくなります。構図やアングルはその動画で見せたいものと背景に合わせたり、他の動画とは異なるパターンで撮ってみたりするのがおすすめです。
- 水平アングル:普段見慣れている景色とあまり変わらない角度なため、自然な印象を与えます。ただし、違和感がない分ありきたりな動画になりやすいので、このアングルばかり使うのは注意が必要です。
- ハイアングル:物事を小さく見せる効果があります。被写体の奥行きを表現したい時や、被写体が小さい印象を与えたい時に使います。
- ローアングル:被写体の大きさを強調し、迫力を出したい時に使います。また、被写体だけでなく、背景の建物などの壮大さや迫力も合わせて表現できます。例えば、被写体の後ろに高い建物がある時などにも効果的です。
「アングル」と「ポジション」の違い
「アングル」がカメラの角度を指しているのに対し、「ポジション」とはカメラの位置のことを指します。人の目線を基準に、目線の高さを「アイレベル」、目線より高い位置を「ハイポジション」、目線より低い位置を「ローポジション」といいます。アングルとポジションを組み合わせると、アングルの違いで得られる印象や効果をより際立たせることができます。
Z 6ll NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S
Adviser's Note
動画撮影ではアングル、距離を変えていろんなパターンを撮っておくのがおすすめです。あとで編集する時に素材が足りなくて困ることが減りますし、編集のバリエーションが増えて、より多彩なストーリー展開をつくれるようになります。
初心者はアップで撮影した動画の割合が少なくなりがちです。僕自身も最初の頃はそうでした。なので、少し意識して、アップを多めに撮るように心がけてみてください。アップの動画はインサートとしても使いやすいので、他カットとの組み合わせにも便利ですよ。
動画撮影に慣れてくると、写真と同じく「どのアングル・距離が一番効果的なのか」「構図を選んだ意図」などを撮影の時から考えられるようになり、より魅力的な撮影ができると思いますよ。アングル違いの素材をいろいろと組み替えてどのように印象が変わるのか、編集も合わせて楽しんでみてください。
第6回は……
ミナちゃんとのフォトウォークでVlogを作るために撮影のポイントをTAKBONさんに教えてもらっているジュンくん。今度は、カメラを動かして撮影する時のポイントを教えてもらいます!
illust:冨田マリー(@tomitamary_)
Supported by 東京通信社
Adviser
TAKBON
神奈川県在住の映像クリエイター。シネマティックな表現を得意とし、CMやミュージックビデオの制作なども手がけるなど、幅広く活躍。SNSでは動画のほか、都市光景やストリートフォトなどの写真も投稿している。