みなさん、こんにちは。北海道在住のデザイナーsachi(@sachi_427_)です。
今回は、私の大好きなキャンプについてお話ししたいと思います。
キャンプを好きになったのは3年ほど前からで、北海道で自然と人を撮影しているうちに、アウトドアへの興味が強くなったことがきっかけです。今年はデイキャンプも含めて9回ほどしています。
自然の中でゆっくり過ごす時間は、非日常感を味わえて、心も身体もリフレッシュできるのが魅力です。その中でも「デイキャンプ」は、気軽にアウトドアを満喫できます。テント設営や荷物の準備などキャンプ泊より簡単ですし、その分のんびり過ごして写真撮影をじっくり楽しむことができるんです。
今回は、自然の中でのデイキャンプと写真撮影の楽しみ方をご紹介したいと思います。
デイキャンプの魅力
1.気軽に行ける
キャンプ泊は意外と体力が必要で、翌日からの仕事を考えると土日で行くのはなかなか難しいです。その点デイキャンプなら、土曜に行き日曜は身体を休められるため、気軽に行うことができます。設営や片づけの時間もそれほどかからないため、日中の時間をゆったり過ごせるのも魅力です。
2.荷物が少ないから道具にこだわれる
キャンプ泊は必要なものが多いため軽量で機能性を重視した道具を持っていくようにしていますが、デイキャンプは、テントや寝袋、焚き火台などの荷物を省けます。その分、食器など道具の見た目にこだわることができるんです。
3.食事にもこだわれる
メインはやっぱり「ごはんとコーヒータイム」。キャンプに必須のお酒がないこと(笑)でクーラーボックスに余裕が生まれ、食事にもこだわることができます。私が固めプリンを作ることが好きなこともあり、前日にプリンを仕込むことが多いです。
デイキャンプの事前準備
【場所選び】近場でキャンプができる場所
行きやすい近場のキャンプ場で、特に車で入ることができるオートキャンプ場なら荷物の出し入れも楽です。また、キャンプができる河川敷などもオススメ。水の流れやその音で涼やかな気持ちになれ、癒やされます。
今回は、帯広川の河川敷でデイキャンプをすることにしました。
※河川敷のキャンプ利用は自治体ごとに異なるため、事前に必ずチェックしてください。
【持ち物】デイキャンプでは見た目にこだわる
デイキャンプの荷物はこれくらいになりました。軽自動車なのですが、かなり余裕がありますね。
主にタープ、テーブル、イス、棚、クーラーボックス、キッチン道具などを持っていきます。デイキャンプではテントがなくても、日除けのタープがあれば大丈夫です。
細かい道具は右の木箱とカゴバッグに収納して持っていきます。木箱やカゴはそのまま置いてもかわいいです。ちなみにキャンプ泊のときは、木箱では重いので軽いストレージボックスを使用しています。
アイテム選びのポイント
統一感が出るように素材や色の数は絞ります。素材は木材やステンレスがメインで、色は白・ベージュ・茶・黒・カーキのようなナチュラルカラーでそろえています。
デイキャンプの愛用ギア
1.タープ…愛用品「IGNIO ヘキサタープ」
雰囲気が明るくなる白いタープがお気に入り。タープの色が影に影響しないのもポイントです。私が使っているIGNIOのヘキサタープは、キャンプ初心者の方でも入手しやすい価格で、シンプルなのでどんなスタイルにも合うと思います。
2.イス…愛用品「FIELDOOR ポータブルチェア」
落ち着いたカラーと収納したときのコンパクトさが気に入っていて、キャンプ泊でも活躍します。
3.飾り棚…愛用品「FIELDOOR ワンバイラック」
分解できる棚は持ち運びに便利で、追加のパーツ購入でアレンジしやすいのが選んだポイントです。キャンプ場に着いたら、棚にお気に入りの道具たちを並べます。
飾っている道具はすべて普段自宅で愛用しているものばかり。Bluetoothのスピーカーは「Classica BOLERO」のもので、ラジオのような見た目と小ささがかわいいです。インスト曲を小さめに流しながら外で過ごす時間は、とても癒やされます。
※周囲の迷惑にならないように、音量には十分注意してください。
4.コーヒー道具や食器はキャンプとの相性を意識
自宅で愛用しているコーヒー道具がデイキャンプでも活躍。普段からミルで豆を挽いているのですが、キャンプでも必ず豆を挽くところからはじめます。
なお、フィルターは何度でも使える布製にして、器やカトラリーも使い捨てのものは使わず、キャンプでのゴミの量をなるべく減らすようにしています。自然の中で遊ばせていただいているので、環境のこともできる限り考えていきたいという思いからです。
食器は、割れにくいステンレスやアルミ製を持っていきます。特にスイーツ皿は「co+fe(コフェ)」のアルミプレートがお気に入り。ふちの部分がとてもかわいくて、キャンプの雰囲気にもマッチします。
5.雰囲気を盛り上げるランタン
キャンプ泊では明るさを確保するためガスランタンを使いますが、デイキャンプでは雰囲気を盛り上げる用として光量は弱めですがLEDランタンを持っていきます。タープのポールにぶら下げたり、テーブルの上に置くだけでキャンプ感のある写真が撮れますよ。
キャンプ道具の配置の仕方
タープの下はこのようなレイアウト。棚やクーラーボックスなどで囲いを作ることで、“自分たちの居場所”感が出て、快適にのんびり過ごせます。ちなみに、棚の奥に川(景色)が見えるように配置すると、景色と道具を一緒に写せますよ。
6.撮影機材は軽量で、気持ちの上がるものを
デイキャンプでは、カメラも見た目にこだわりたいので Z fcをセレクトしました。キャンプ道具として古道具も使用しているのですが、Z fcのレトロな外観がマッチしてかわいいです。
また、レンズを含めても軽量なのがうれしいポイント。ボケを生かした雰囲気のある写真と景色が伝わる引きの写真を撮るため、NIKKOR Z 28mm f/2.8(Special Edition)とNIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VRの2本を持っていきました。
セルフタイマーでの撮影もするため、軽量でコンパクトになる三脚も持っていきます。
デイキャンプで自然とおやつに満たされる休日
今回、帯広川の河川敷でデイキャンプをしてきたので、その様子をお届けします。「がんばりすぎず素敵に、自然とおやつを満喫するデイキャンプ」がテーマです。
到着したら、まず風景を満喫
友人と近くにある河川敷に来ました。
流れのゆるやかな川を眺められて、貸切状態でキャンプを楽しめる大のお気に入りの場所です。
到着したらまず、空の広い風景を撮影します。
キャンプ場は空が広いことが多く、開放感があって心地いいので、その雰囲気を伝えるためです。
さて、車から荷物を出しましょう。
普段は早く終わらせるため準備中の撮影はしないのですが、三脚にセットしてセルフタイマーで撮ってみました。こういう写真があると、そのときの様子やわくわく感が伝わっていいですね。
セッティングは20分くらいでできます。テント設営などもあると40分くらいはかかるので、デイキャンプは準備時間も短く気持ちがとても楽です。
キャンプの醍醐味「オソトゴハン」
少しのんびりしたら、お昼ごはんの準備をはじめます。
日帰りで時間は限られているので、手軽な冷凍カレーにしました。お気に入りのカレー屋さんのものなので、間違いない美味しさです。
付け合わせのアチャールは前日に仕込んだのですが、事前にある程度準備しておくと当日の余裕が生まれます。
〈POINT〉
上の2枚はセルフ撮影しました。三脚にカメラを固定したら先に構図を決め、手が入る位置を想定してピントを調整します。F値が小さすぎるとピント合わせが難しくなるため、少し絞るのがポイント。このレンズの開放F2.8は、ピントが合わせやすくセルフ撮影にちょうどよかったです。
ほかほかの炊きたてごはんに、チキンたっぷりのカレーと、アチャールで、簡単なのにぜいたくなお昼ごはんの完成です! 外で食べるごはんってどうしてこんなに美味しいのでしょう…。
〈POINT〉
テーブルの上にグローブやしゃもじなどを置くことで、人の存在を感じられて“キャンプごはん”の楽しさを表現できると思います。手に持って背景に緑を入れるのも、アウトドア感を出すポイントです。
至福のおやつ&コーヒー時間
今日のおやつは、簡単マフィンとパンケーキとタルトです。
この3つはスーパーで購入して、自分たちの好きなように生クリームとフルーツをトッピング。作る過程も楽しむスタイルにしてみました。スイーツの飾りに重要なミントはお庭で育てたものです。
パンケーキを重ねて、はちみつをたら〜り。この透明感がなんとも食欲をそそります。
タルトとパンケーキとマフィンが、こんなにかわいくなりました!
〈POINT〉
食材をカットしている様子や盛り付けのタイミングはシャッターチャンスです。動きのある瞬間は、シャッタースピードを1/1000秒以上にして連写。手の位置やシロップの垂れ方などベストな瞬間をとらえます。
キャンプ場を背景に入れる場合は、開放でやわらかくぼかすことでメインの食べ物が際立ち、背景の緑の描写も美しくいい雰囲気に仕上がります。
次は、コーヒーをいれましょう。
甘いものと合わせるときの豆は深煎りがお気に入り。豆を挽く時間は無心になれて、景色を眺めながら外の空気を感じてゆっくりガリガリするのは、いつもと違う感覚でとても楽しいです。
おやつとコーヒーができたので…いただきま~す!
美味しくてかわいくて、思わず笑みがこぼれてしまいます。
食事シーンは人を入れて、食べている最中の写真を撮る
盛り付けた料理だけがきれいに並んだ写真よりも、人が入ったり食べかけのシーンはその場の雰囲気をより感じられます。また、上や正面から撮ったり、撮影位置によってイメージもガラリと変化をつけられます。
料理写真は俯瞰で撮ることが多いので、バリアングルの液晶モニターはかなり重宝します。
正面から撮ると、一緒に食べている感じが伝わりますね。
思うままに自然や好きな時間を楽しむ
おやつを食べ終わった後は、ゆっくり好きな時間を過ごします。
目の前の景色や野花を撮影したり、周辺をちょっぴり散歩したり。
私の住む北海道は、季節ごとで野花に特徴があると感じていて、それらを見るとより季節を感じることができます。
散策の後は、大好きな読書をして過ごします。タープの外にイスとミニテーブルを移動させて、景色をより近く感じながらの読書がたまりません。家で読むよりはかどっちゃうのはどうしてでしょう(笑)
〈POINT〉
読書など何かしている様子を撮るときは、手前や奥に少しキャンプ道具が見えていると場の雰囲気が伝わりやすくなります。複数の写真を組むときは、花や木々などのカットを混ぜると、自然の中で過ごしている様子がより強調されますよ。
イスがあればできる「チェアリング」もオススメ
「チェアリング」は、イスを持って川辺や公園で過ごすこと。デイキャンプをする時間も体力もないけれど、自然の中に行きたい…と思ったのがきっかけではじめました。
夏場は仕事終わりに日が暮れるまでの時間を過ごしにふらっと行くことも。いつでもどこでもできるように、車には常にイスとミニテーブルとコーヒーセットを積んでいます。
必要なのは、イスとミニテーブルだけ。お弁当やパンを食べたり、コーヒーをいれて本を読んだり、ひたすらに自分一人の時間を満喫しています。特に川辺では、せせらぎや野鳥の鳴き声にどっぷり浸れて、ぜいたくな時間を過ごすことができてオススメです。
デイキャンプでの撮影のポイント
キャンプを楽しんでいるのは自分たちですが、伝えたいのは「自分たちの様子」ではなく「キャンプの魅力やその場の雰囲気」です。撮影するときは、その視点を忘れないように心がけています。
人の顔を写さずに、キャンプの雰囲気を伝える
その場の雰囲気やストーリーを感じてもらうために、作業している手元や引きの写真、顔の写っていない写真を多めに撮るようにしています。
基本は開放F値で、雰囲気重視のボケのある写真を多めに撮影しています。このとき、背景に自然の緑を入れてその場の空気感を表現するのがポイントです。
ポツンと自然の中に佇む姿もよく撮ります。
自分を写す場合は三脚を使ってセルフタイマーで。イスとテーブルを設置するのでピントはそこに合わせれば間違いありません。スマホアプリ「SnapBridge」でリモートシャッターを利用すると、簡単に撮影できますよ。
目の前に広がる景色の魅力を伝える
キャンプ道具が写っていない葉や地面、景色の写真があると、見た人も自然の中で過ごしている空気をより感じられます。
このとき、引きと寄りの視点でそれぞれ切り取ると、自然を深く堪能できます。写真を撮っていなかったら、こんなに植物に近寄ることもなかったと思いますね…。撮るときは、F2.8程度であれば引きでも全体にピントが合います。
Photographer's Note
静かな自然の中、お気に入りの道具たちに囲まれて過ごす時間は、私にとって一番のリフレッシュ方法です。いつものごはんやコーヒーも外でいただくとより美味しく感じられて、特別な時間を過ごすことができます。
次にやってみたいのは紅葉キャンプです。色とりどりの落ち葉の絨毯の上に白いタープがきっと映えるはず。秋の光は暖かくてきれいですし、グリーンシーズンとはまた違った撮影を楽しみたいです!
「キャンプ」って、荷物が多くて準備も大変そうなイメージがあると思いますが、まずは気軽に自然の中で過ごす体験をしてみてほしいです。デイキャンプよりももっと気軽な、チェアリングやピクニックなどもオススメですよ。
デイキャンプにZ fcを使ってみて
キャンプ道具はステンレス製のものが多いため、Z fcの黒×シルバーのデザインはなじんでいてすごくかわいいです。そして、軽くて小さいので持ち運びやすくてアウトドアにぴったり。普段からフィルムカメラに慣れているのでグリップレスも違和感なく、片手でも撮りやすかったです。
今回メインで使ったNIKKOR Z 28mm f/2.8(Special Edition)は35mm判換算42mmで、寄りも引きも撮影しやすく、人を撮るときの距離感がちょうどよくてコミュニケーションを取りながら楽しく撮れました。
写りは色再現が忠実で後から編集もしやすいですし、ナチュラル系が好きな方にオススメです!
※機材名が入っていない、Z fcを撮影した写真は Z 50+NIKKOR Z 50mm f/1.8 Sで撮ったものです。
※新型コロナウイルスの感染症対策に十分にご留意いただくとともに、政府、自治体など公的機関の指示に従った行動をお願いいたします。
Supported by L&MARK
Photographer / Designer
sachi
北海道在住。エディトリアルデザイナー。北海道のライフスタイル雑誌のデザインを行う傍ら、“北海道の自然と人”をテーマにフィルム写真をメインに撮影。日々写真とデザインの組み合わせの表現を模索している。