こんにちは!フォトグラファーの酒井貴弘(@sakaitakahiro_)です!
Zシリーズで撮り下ろしたポートレート写真を参考に、撮影方法やノウハウを紹介する連載『キミと彩るポートレート』。前回の『モデルが引き立つ!日の丸構図を使って一段上のポートレートを撮る方法』はいかがでしたか?
今まではカメラの使い方や、光や構図など写真の基礎的なお話をしてきましたが、今回はちょっと趣向を変えてシチュエーションを限定した内容をお届けしたいと思います!
そろそろ肌寒くなってくるこの季節。外での撮影もいいですが、お部屋やカフェなど暖かな室内での撮影もしたくなりますね。今回はそんな室内での撮影ということで、カフェでの撮影に役立つ内容をお届けします。
今回は高田馬場にある「地球を旅するカフェ」さんにご協力をいただき撮影させていただきました。お店もオシャレで可愛く、世界各国の美味しい料理を食べられる、とにかくオススメのカフェです!
カフェ撮影のマナー
さて、カフェでの撮影で一番大切なことはなんでしょうか?
それは撮影マナーです。
もちろんいい写真を撮ることも大切かもしれませんが、カフェは他にもお客さんがいますし、お店によっては撮影NGなところもあるので他のお客さんやお店の迷惑にならないように注意しましょう。
僕が思うカフェ撮影マナーはこの4つ。
1.お店の人に許可をもらう
お店によっては撮影禁止のところもあるので、お店の方に一声かけてから撮影しましょう。
SNSへの掲載許可もその時に一緒に確認するようにしています。
声をかけると、お店の方とも仲良くなれることも。僕は「かわいいお店ですね」「ご飯美味しいです」など、撮影以外のことでもコミュニケーションをとるようにしています。
2.席を立って撮影しない
「もっとこうやって、ここから撮りたい!」という思いは誰しも出てくると思います。そういう時は空いている時間帯やお店の方の許可をもらって撮影をしましょう。
※今回の撮影ではお店を貸し切って撮影させてもらっています。
3.大声で撮影しない
撮影に集中してるとモデルさんとの会話も増え、いつのまにか声も大きくなっていることがあるかもしれません。お店の雰囲気を壊したり、他のお客さんの迷惑にならないよう注意しましょう。
4. 他のお客さんがなるべく写らないように
プライベートで記念に撮るくらいであれば大丈夫ですが、SNSで公開する際はプライバシーなどありますので注意しましょう。
あまりマナーが悪いとそのお店での撮影自体が禁止になってしまうこともあります。
あくまでカフェはスタジオではなく飲食店として楽しむもの。みんなでマナーを守って楽しく撮影できるようにしましょう!
自然光の入る席を選ぼう
カフェ撮影で一番難しく感じるのは光かなと思います。
お店の中のライトはもちろん撮影用にセットされているわけでなく、撮影で使おうとすると色が難しかったり、変に影ができてしまったり。なのでまず”自然光が入る席を選ぶこと”は、カフェでいい写真を撮る為の大切なポイントです。背景も重要ですが、やはり写真は一番光が重要です。
オススメは窓際の席。窓から入るサイド光で、被写体や食べ物を立体的に撮ることができます。
この光だと、食べ物も美味しそうに撮ることができるのでオススメです。
店内が暗く、窓から入る光が少ない場合は、こういった陰影のあるトーンの写真も撮れたりします。
反対に順光がしっかり入る席では、くっきりと写る写真になります。
光について以前こちらの記事で詳しく書きましたので、ご参考にしてみてくださいね。
それぞれの好みだと思いますので、好きな光の席を探しましょう。
下の写真はお店の奥のスペースで、照明の光で撮った写真です。
自然光と人工光が混ざったり、ライトなどで顔に不自然な影ができてしまったり、光の色や当たり方が初めは少し難しいかもしれません。しかし自然光とはまた違った雰囲気を出せるので、慣れたらぜひチャレンジしてみてくださいね。
カフェ撮影のアイデア
席も決まったところで、実際に撮影してみましょう!
「……と言っても、どんな写真を撮ったらいいんだろう?何だかんだ、いつも同じような写真になっちゃう!」
なんてこともあるかもしれません。
そこで今回は、僕なりにカフェ撮影のアイデアを考えて実際に撮ってみました。
テーブルを使って動きを出す
テーブルや椅子などインテリアを使ったポーズを撮ってみましょう。
上の2枚の写真、1枚目は背もたれに腰掛けていて、2枚目はテーブルに肘をついてもらっています。同じ外を眺める仕草でも前のめりになってもらうことで、より動きの出たポーズになっています。
テーブル上のアイテムを活かす
テーブル上も入れて撮ろう
せっかくカフェに来たので、一番のメインであるドリンクや料理も写してその時の様子を残しておきましょう。
対面で撮ることが多いと思うので、テーブル上も写すには近くても広く撮れる少し広角なレンズがオススメです。
カフェの小物を活かした撮り方をしよう
引きの写真だけでなく、思い切って寄った写真も撮ってみましょう。
カフェならではの可愛いカップなどを持ってもらうのがオススメです。
テーブルフォトにもチャレンジしてみよう
ポートレートだけじゃなく、テーブルフォトにもぜひチャレンジを。
可愛いお皿を並べて上から撮るのがテーブルフォトではオススメ。お皿やスプーンを持った手元を入れると、動きを出すこともできます。
手元をアップで撮ろう
料理を食べる手元のアップもオススメのバリエーション。雰囲気が伝わる一枚になります。
おしゃれな内装を活かす
水平を意識しよう
こだわって作られたカフェの内装はとってもフォトジェニック。そのカフェの持ち味である、特徴的なスポットを入れて撮影してみましょう。特に壁や本棚などは、水平を意識して撮るとまとまった写真になります。
引き写真で雰囲気を残そう
少し引いて、お店の雰囲気も伝わるように撮ってみましょう。
席を離れて撮る場合は、お店の方に許可をもらってから。
カウンターを使って奥行きを出そう
カウンター席を使うと、放射線状に伸びるテーブルが奥行きを出してくれて、立体的な写真を撮ることができます。
プラスαのテクニックで変化をつける
グラスの前ボケを生かそう
ちょっと応用編になるかもしれませんが、カフェで使える小技としてグラスを前ボケに使う方法があります。
グラスで前ボケを作ると、白っぽくぼやけて不思議な雰囲気を演出できます。グラスはお店にあって使いやすいアイテムですし、凹凸があるかないかでも光の拡散が変わって面白いんです。
上の2枚の写真は、カメラの前にグラスを持ってきて撮影したものです。
1枚目はカメラからグラスを少し離して、光っていない部分も画角に入れているので、グラスであることが何となく分かりますよね。背景のボトルや、モデルさんの物憂げな表情を一緒に写すことで、まるでカフェやバーで一緒に過ごしているかのように演出してみました。
2枚目はカメラのすぐ近くにグラスを置いて、光っている部分だけを画角に入れています。グラスの存在感を消して、背景も全く入れないことで、モデルさんの印象を強めてみました。白っぽくぼやけた部分の効果もあって、幻想的で儚い感じがしますよね。
このように普通のグラス一つでも、使い方によって人物の印象を変えたり、ストーリー性を出したりすることができるんです。
楽しく食べてもらおう
最後に、定番ですがとにかく楽しく食べてもらうところを撮ることです。
ご飯を食べている時って、やっぱり誰にとっても幸せなことだからでしょうか、すごく自然な表情が撮れたりします。
最後に
いかがでしたでしょうか?
今回は同じお店の中での撮影でしたが、撮り方次第ではいろんなバリエーションでも撮ることができると思います。ぜひ皆さんもマナーを守った上で、色々な撮り方にチャレンジしてみてください!
それでは、また次回もお楽しみに!
美味しく楽しく!カフェでのポートレートの撮り方
・マナーを守って撮影する
・自然光の入る席を選ぶ
・テーブルを使って動きを出す
・テーブル上のアイテムを生かす
・おしゃれな内装を生かす
・プラスαのテクニックで変化をつける
【地球を旅するCAFE – Today is my life】
場所: 東京都新宿区高田馬場2-12-5
電話番号:03-6265-9482営業時間:
火〜金:17:30 〜 23:00(22:00 L.O.)
土・日:12:00 〜 23:00(22:00 L.O.)
定休日:月曜日 (たまに不定休)
(祝日の営業に関してはスケジュールを要確認)
Model:モモ(@nekura_ganbaro)
Edit:Anco Oshita
Supported by CURBON
酒井貴弘
長野県生まれ。東京在住のフォトグラファー。ポートレートを得意とし、広告写真や企業案件、ポートレートなどの撮影案件から雑誌掲載、WEBメディアでの執筆、写真教室やプリセットのプロデュースなど幅広く活躍。SNSでは約2年間で総フォロワー10万人を超えるなど、SNSでの強みも持っている。