連載企画『写真家と学ぼう! カメラ初心者ガイド』。カメラ初心者のナツキちゃんと一緒に、カメラや撮影の基本を学んでいきましょう!
Step15は「スマホ連携」です。アプリ「SnapBridge」を使用して写真をスマホへ送る方法や、便利な機能について、フォトグラファーの嵐田大志さんに教えていただきます。
ナツキちゃん
スマホで写真を撮っていたが、「もっと素敵な写真を撮りたい」とついにカメラを購入。選んだのはAPS-Cサイズのミラーレス「Z fc」と単焦点レンズ「NIKKOR Z 28mm f/2.8(Special Edition)」。モットーは「とりあえずやってみる」。好奇心旺盛で、少しうっかりやさんな女の子。嵐田大志さん
家族写真や都市風景を中心に撮影するフォトグラファー。3児の父であり、子供の誕生を機に写真にのめりこむ。
私の使っている Z fcは、写真をカメラからスマホに送ることができるみたいなんですけど、どうすればいいんでしょう?
「SnapBridge」っていう無料アプリを使えば簡単に送れるよ!
スナップブリッジ…?
SnapBridgeとは?
「SnapBridge」はニコンの無料アプリです。スマホ/タブレットとBluetoothやWi-Fiで接続でき、写真を転送したり、便利な機能を利用することができます。
SnapBridgeでできること
- 気に入った写真を選んでスマホに転送できる。
- 撮影後に写真をすべて自動でスマホに転送できる。
- スマホをリモコン代わりにしてリモート撮影も可能。
SnapBridgeを使えば、カメラとスマホを接続して写真を転送できるんだ。
それなら、撮った写真を簡単にSNSにアップできますね! でも、カメラとスマホの接続ってなんだか難しそう…。
カメラとスマホを接続する
カメラとアプリ側で手順を表示してくれて、その通りやるだけだから安心してね。特にBluetoothが簡単だよ!
Bluetoothを使った接続方法
1.カメラのセットアップメニュー「スマートフォンと接続」を選択し、「ペアリング(Bluetooth)」を選択。
2.スマホでアプリ「SnapBridge」を起動し、「カメラと接続する」を選択。
3.自分が持っているカメラの機種を選択し、ペアリング(Bluetooth)を選択。
※2回目以降はこの手順が不要です。
※Bluetoothを使用するためには位置情報の利用を許可する必要があります。
思ったより簡単ですね! でも、この設定を毎回やるのは大変そう…。
Bluetoothなら1回設定するとずっと接続されるんだよ! 省エネタイプだから、バッテリーの減りも心配しなくていいんだ。
それは楽ちんですね!
カメラからスマホに写真を送る
接続すれば、カメラからスマホに写真を送れるよ。早速好きな写真を選んで送ってみよう!
はい!
Bluetoothを使った写真の転送方法
1.SnapBridgeで「自動連携」をONに。一度設定すればその後のスマホ操作は不要です。
※連携モードが「バックグラウンド」であれば、アプリを閉じてもカメラと接続状態を維持できます。2.カメラのセットアップメニュー「スマートフォンと接続」から「送信指定(Bluetooth)」を選び、「選択送信指定」を選択。
※写真再生中にiボタンを押して「送信設定(Bluetooth)」を選択すると1枚ずつ転送することもできます。3.送りたい写真を選んでOKを押すと、スマホに転送されます。
※動画も転送可能です。
ちなみにカメラの送信指定を「撮影後自動送信指定」にすると、撮影するたびに自動で写真をスマホに転送してくれるんだ。
そんな便利な機能が! …でも、写真を全部送っちゃうと、スマホの容量がいっぱいになったりしませんか?
Bluetoothで転送される写真は、小さいサイズに圧縮されるからスマホの容量にもほとんど影響がないんだ。
小さいサイズっていうことは、画質が悪くなるんじゃ…。
200万画素(2Mピクセル)あるから、スマホで見る分にも、L版サイズにプリントするにも十分だと思うよ。
サイズを変えずにスマホに転送したい場合は、Wi-Fi接続を使ってみよう。
もう一つやり方があったんですね。
Wi-Fiを使った写真の転送方法
1.SnapBridgeで「画像取り込み」を選択。カメラの電源がオフでも接続できます。
2.接続が完了するとカメラ内の写真がアプリに表示され、転送したい写真を選択できます。
3.サイズを「2Mピクセル」と「オリジナルファイル」から選択。オリジナルファイルを選択するとカメラで設定したサイズのまま転送できます。
Wi-Fi接続は自動転送ができないけど、元のサイズのままスマホに転送できるんだ。その分データが大きいからスマホの容量には気をつけてね!
スマホの容量はたしかに悩ましいですね…。
スマホからクラウドにデータを保存して、スマホには気に入った写真だけ残すのがオススメだよ。
クラウド…使ったことないです。
いろんなところがクラウドサービスを出してるんだけど、容量無制限や自動アップロード機能つきのものもあるんだ。ニコンには「NIKON IMAGE SPACE」っていうクラウドサービスがあって、SnapBridgeとの連携もしやすいよ。
それは気になりますね!
NIKON IMAGE SPACEとは?
Nikon IDを作成することで20GBまで使用できるクラウドサービス。SnapBridgeと連動して、スマホに転送した写真を自動でクラウドにアップロードすることが可能です。2MB以下の小さいサイズであれば、枚数・容量が無制限で保存できます。
【使用方法】
1.SnapBridgeの雲アイコンをタップすると、「NIKON IMAGE SPACE」と連携できます。
2.Nikon IDを登録してログイン。
3.ガイドに従い、「NIKON IMAGE SPACE」のアプリをインストール。
4.自動アップロードを設定すると、SnapBridgeでスマホに取り込んだ写真が自動でクラウドに保存されます。
5.「アプリケーションを起動」をタップすると、クラウド内の写真を確認できます。
クラウドに写真を保管してスマホの中を整理すれば、スマホの容量問題も解決だね!
パソコンがなくても、スマホだけで何とかなりそうです!
便利な遠隔撮影機能
実は、SnapBridgeにはもう一つ「リモート撮影」っていう便利な機能があるんだ。
リモート…?
スマホがリモコンになって、カメラから離れた位置でも写りを確認しながら撮影できるんだよ!
めちゃくちゃ便利ですね!
リモート撮影の仕方
1.SnapBridgeの「リモート撮影」を選択。Wi-Fiの起動をOKします。
2.撮影画面に切り替わり、写りや現在の設定が表示されます。
撮影モード・F値・シャッタースピード・露出補正・ISO感度・ホワイトバランスなどの設定変更が可能です。右下の歯車アイコンからスマホに転送するファイルサイズや、セルフタイマー撮影の設定を変えることができます。3.画面下の白い丸(シャッターボタン)を押すと、撮影できます。
リモート撮影は、三脚にカメラを固定して集合写真なんかを撮るときにすごく便利だよ。写りを確認しながら設定も変えられるしね! あとは夜景とかシャッタースピードが遅い場面でも活躍するよ。シャッターボタンを押すときの振動がないから、ブレのないきれいな写真が撮れるんだ。
リモート撮影で自分を写した写真。直前までスマホで写りを確認し、セルフタイマーで撮影。
そういう使い方ができるんですね! 集合写真とか自分も写りたいときに使ってみたいです。あ、でも三脚を持ってないや…。
三脚がなくてもテーブルの上とか平らな場所があれば、そこにカメラを置いて撮影できるよ。
そんなワザが! よし、早速ダウンロードしてみよっと!!
NEXT STEP!
次は「撮影後の編集」です。無料のスマホアプリ「Lightroom」を使えば、JPEGで撮影した写真も後から編集できます。自分好みの雰囲気に仕上げるポイントを、引き続き嵐田大志さんに教えていただきます。
キャラクターイラスト:福士陽香(@f___haru)
Supported by L&MARK
※画面キャプチャ―や機能名は Z fcのものを記載しております。
嵐田大志
本業の傍ら、東京をベースにフォトグラファーとして活動。LightroomやVSCOを活用し、フィルム風の空気感を表現。家族や身近なものを中心にしつつ、頻繁に旅する海外でのスナップを撮り続けている。