不思議な世界が現れるリフレクションの魅力 – 東京のオススメスポット5選と幻想的な表現のポイント

不思議な世界が現れるリフレクションの魅力 – 東京のオススメスポット5選と幻想的な表現のポイント

はじめまして。フォトグラファーのやまちゃんこと、やま(@S_Y_yama)です。普段は、夜景や迫力のある風景、季節ごとの花などを撮影しています。

中でも好きな被写体が、今回紹介する「リフレクション」です。
リフレクションの魅力は、不思議な世界観になるところ。カメラをはじめたての頃、Twitterですごくきれいなリフレクション写真を見つけたのがきっかけで、自分も「こんなの撮りたい」と思い真似してみました。…ですが、全然うまく撮れず、悔しくて何度も挑戦していくうちにハマってしまったんです。

 

Z 6II、NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S
Z 6II、NIKKOR Z 24-120mm f/4 S
Z 6II、(左)NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S、(右)NIKKOR Z 24-120mm f/4 S

 

リフレクションのスポットは全国に溢れていますが、今回は私が拠点としている東京のオススメスポット5選と、撮り方のポイントを紹介します。

 

東京のリフレクションスポット5選

リフレクションは、光の反射です。鏡や水面、ガラス面などに鏡のように反転した世界が映ります。
よくよく見てみると、さまざまなところにリフレクションのポイントがありますし、雨上がりなどはどこでもリフレクションが狙えます。

【SHIBUYA SKY】空に人がいるような不思議な光景

Z 6II、NIKKOR Z 24-120mm f/4 S

Z 6II、NIKKOR Z 24-120mm f/4 S
 

SHIBUYA SKYの屋上展望空間はガラス張りで、来ている人たちの姿が反射し、まるで空に人がいるような写真が撮影できます。特に、夕方頃が空の色がきれいでオススメです。

なお、屋上展望空間は三脚やバッグなどの持ちこみが禁止で、持ちこみできるのはネックストラップつきカメラまたはポケットに入るサイズのカメラのみです。

 

Z 6II、NIKKOR Z 24-120mm f/4 S

Z 6II、NIKKOR Z 24-120mm f/4 S

 

撮影ポイント

  • 位置:SHIBUYA SKY屋上展望空間の西側。
  • 設定や構図:1枚目は標準域で東京の街並みのスケール感を生かし、2枚目は90mm程度の望遠で人影をメインにしました。F値は露出を確保しつつ、街のディテールを写し出すためF4~5程度に。反射した人が街並みの上に来るようにし、日没の太陽を入れて人がシルエットになるとエモーショナルです。
    持ちこめるのはネックストラップつきカメラかポケットに入るサイズのカメラのみで、レンズはカメラに取り付けたもののみ。広角~中望遠までカバーできるNIKKOR Z 24-120mm f/4 Sを選びました。手持ち撮影となるため、手ブレ補正つきの機材が安心で、しっかり脇をしめて構えて手ブレしないシャッタースピードを確認しながら撮影します(「1/焦点距離」秒が手ブレしない目安と言われていますが、1/100秒以上を確保しています)。

 

Z 6II、NIKKOR Z 24-120mm f/4 S

Z 6II、NIKKOR Z 24-120mm f/4 S

 

上の写真は南側で、夕焼けが反射し、ブルーからオレンジのグラデーションが美しいです。SHIBUYA SKYは360°パノラマビューで、見る位置で雰囲気ががらっと変わります。

 

Z 6II、NIKKOR Z 24-120mm f/4 S
Z 6II、NIKKOR Z 24-120mm f/4 S
Z 6II、NIKKOR Z 24-120mm f/4 S

 

全面ガラス張りなので、アイデア次第でさまざまなリフレクション写真が楽しめます。右の写真は、より一層“東京らしさ”を感じられる東京タワーを入れました。

 

SHIBUYA SKY(渋谷スカイ)

東京都渋谷区渋谷2-24-12 渋谷スクランブルスクエア
https://www.shibuya-scramble-square.com/sky/
※入場料がかかります。詳細はHPをご確認ください。

注意点:長時間同じ場所を占有しないなど、他の方の迷惑にならないようにしましょう。また、屋上展望空間では三脚やバッグなどの持ちこみが禁止で、持ちこみできるのはネックストラップつきカメラまたはポケットに入るサイズのカメラのみです。屋外や屋上への持ちこみ禁止物についてはこちらをご確認ください。

【東京国際フォーラム】まるで別世界への入口

Z 6II、NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S

Z 6II、NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S

 

東京国際フォーラムの上を見上げると、宇宙船のような迫力ある天井に圧倒されます。そして、屋内に天井を反射するポイントがあり、まるで別世界への入口のような写真を撮影できます。昼と夜で雰囲気が異なり、屋内なのでいつ行っても楽しめるのも魅力です。

 

Z 6II、NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S

Z 6II、NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S

 

不思議な世界が現れるリフレクションの魅力 – 東京のオススメスポット5選と幻想的な表現のポイント

撮影ポイント

  • 位置:7階の各所に、写真のように空調の上に透明(緑色)のカバーがついていて、そこに反射します。
  • 設定や構図:広角(写真では14mm)にすると迫力が出ます。縦構図では、天井とリフレクションが際立ち、横構図では空間のスケール感が伝わります。

 

東京国際フォーラム

東京都千代田区丸の内3-5-1
https://www.t-i-forum.co.jp/
※詳細はHPをご確認ください。

注意点:長時間同じ場所を占有しないなど、他の方の迷惑にならないようにしましょう。

【マクセル アクアパーク品川】光とクラゲが織り成す幻想空間

Z 6II、NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S

Z 6II、NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S

 

クラゲ展示の「ジェリーフィッシュランブル」は、暗闇の中で水槽と天井のLEDライトが鮮やかに輝き、鏡面になっている壁や床に反射し、幻想的な世界が広がっています。

 

Z 6II、NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S

Z 6II、NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S

 

撮影ポイント

  • 位置:「ジェリーフィッシュランブル」の入口付近で、水槽の光がカーブを描くように反射している壁をしゃがんで撮影します。
  • 設定や構図:壁面に近づき広角で空間のスケール感を強調します。1枚目の縦構図は宇宙でのワープを思わせるイメージに、2枚目の横構図は放射線を描いて奥行き感を表現しています。なお、館内は暗いので、ISO400程度に上げ、シャッタースピードはクラゲがブレないように1/50秒程度にしています。

 

Z 6II、NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S

Z 6II、NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S

 

こちらは、「ジェリーフィッシュランブル」の出口付近です。床も天井も壁もあらゆる方向で反射し、光に包まれます。天井や床も写すために、広角で下からローアングルで撮影しています。

 

Z 6II、NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S

Z 6II、NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S

 

時間でライティングの色が変わるのも楽しいポイントです。私は特に青が好きで、より幻想的に感じます。

 

マクセル アクアパーク品川

東京都港区高輪4-10-30 品川プリンスホテル内
https://www.aqua-park.jp
※詳細はHPをご確認ください。

注意点:長時間同じ場所を占有しないなど、他の方の迷惑にならないようにしましょう。三脚は使用できません。暗いので、撮影の際は安全確認が必須です。

【皇居周辺】水面に反射するドラマチックな夜景

Z 6II、NIKKOR Z 24-120mm f/4 S

Z 6II、NIKKOR Z 24-120mm f/4 S

 

皇居の周囲は水面反射を撮影できます。特に南東側には帝国劇場やオフィス群があり、煌びやかな夜景リフレクションが魅力的です。

 

撮影ポイント

  • 位置:皇居の日比谷(南東)側。
  • 設定や構図:広角でビル全体を写しながら、街路樹を目立たせることで奥行き感を出しています。上下二分割にし、30秒の長時間露出で光が溢れる夜景を表現しました。

 

Z 6II、NIKKOR Z 24-120mm f/4 S
Z 6II、NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S
Z 6II、(左)NIKKOR Z 24-120mm f/4 S、(右)NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S

 

皇居の周囲はぐるっと歩けるので、位置によってリフレクションの表情が変わります。右の写真は5月に撮影したものですが、ツツジが咲いている場所がありアクセントに入れました。ぜひ好きな位置を探してみてください。

 

皇居周辺

東京都千代田区 皇居外苑

注意点:長時間同じ場所を占有しない、通行の邪魔にならないようになど、他の方の迷惑にならないようにしましょう。

【水たまりの夜景】雨上がりに現れる宝石のような輝き

Z 6II、NIKKOR Z 24-70mm f/4 S

Z 6II、NIKKOR Z 24-70mm f/4 S

 

雨で水たまりができると、あらゆる場所がリフレクションスポットになります。特に東京の夜は、高層ビルなどの夜景が反射してきれいです。

 

撮影ポイント

  • 設定や構図:反射面にカメラを近づけ、広角でより広く写します。三脚を使用して長時間露出をすると、光が溢れ幻想的です(写真では30秒)。上の写真のように雨上がりで水面が揺れていないと鏡のように反射しますが、雨が降っている最中は下の写真のように明かりが伸び、宝石のように美しいです。

 

Z 6II、NIKKOR Z 24-70mm f/4 S

Z 6II、NIKKOR Z 24-70mm f/4 S

 

2枚の写真は晴海臨海公園で撮影しましたが、水はけが今後改善される予定で、このような写真は撮れなくなるかもしれません。ですが、都内で水たまりができる場所は他にもたくさんありますので、ぜひ雨の日や雨上がりに探してみてください!

 

注意点:長時間同じ場所を占有しない、通行の邪魔にならないようになど、他の方の迷惑にならないようにしましょう。

リフレクションの撮り方のポイント

【機材】可動式モニターつきカメラ+広角レンズ

  • カメラ:地面スレスレに構えることが多いので、ミラーレスなど軽いカメラや、グリップ性がよいものが◎。可動式モニターであれば、見やすい角度に調整して楽な姿勢で撮影できます。
  • レンズ:スケール感を出すには広角レンズがオススメです。24mmでも十分ですが、さらに超広角があるとより迫力のあるリフレクション写真が撮影できます。

 

【設定・構図】全体にピントを合わせ、二分割構図

  • F値:全体にピントを合わせるために、F8~11程度に絞ります。
  • シャッタースピード:日中は手ブレしないように。夜に三脚を使用できる場所では、長時間露出撮影を行うと光が溢れる写真になります。
  • ISO感度:基本は最小値で、暗所で手持ちの際にはISO400程度と少し上げて手ブレしないシャッタースピードを確保できるようにします。
  • 構図:反射面スレスレにカメラを構え、二分割構図を意識すると、どちらが実際の像か迷うような反転世界を写し出せます。

 

【編集】夜景は青寄りにすると幻想的に

Z 6II、NIKKOR Z 24-120mm f/4 S
Z 6II、NIKKOR Z 24-120mm f/4 S
Z 6II、NIKKOR Z 24-120mm f/4 S

左:編集前、右:編集後

 

リフレクション写真は被写体によって好みの空気感に編集するのですが、夜景の場合は色温度を寒色系にすることが多いです。冷たい空気感に仕上がり、より幻想的な雰囲気になります。

Photographer's Note

リフレクションスポットはさまざまなところに潜んでいます。今回紹介したような場所やSNSなどで見かけた場所で撮影してみるのもいいと思いますし、自分なりのリフレクションスポットを探すのも楽しいですよ。私はいつか、ウユニ塩湖でリフレクションを撮りたいという夢もあります。

 

Z 6II、NIKKOR Z 24-120mm f/4 S
Z 6II、NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S
Z 6II、(左)NIKKOR Z 24-120mm f/4 S、(右)NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S

 

これから暑くなっていきますが、リフレクションは過ごしやすい夜や屋内でも楽しめる撮影ですので、ぜひトライしてみてください!

 

Nikon機材を使ってみて

私は、2022年3月頃からNikonのカメラを使うようになりました。決め手は、風景写真を撮っている方にNikonユーザーが多かったのと、描写のよさです。

 

不思議な世界が現れるリフレクションの魅力 – 東京のオススメスポット5選と幻想的な表現のポイント
不思議な世界が現れるリフレクションの魅力 – 東京のオススメスポット5選と幻想的な表現のポイント

 

特に今回使用した Z 6IIは描写や色味が好みで、シャドーの持ち上げも強いため、暗所の撮影に適しています。ボタンなどの操作系もよく、設定変更などをするときにすぐに対応できて使いやすいです。

レンズはNIKKOR Z 24-120mm f/4 Sをメインで使用しましたが、広角から100mm以上の望遠までカバーできるため、風景撮影ではこれ1本あればという印象。とても扱いやすく、かゆいところに手が届くようないいレンズでした。

 

 

※こちらに掲載している情報は、2023年7月13日現在のものです。
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Daisuke Uematsu

やまちゃん

東京を拠点に活動するフォトグラファー。2019年にカメラを購入し、本格的に写真撮影を開始。夜景や風景など迫力のある写真を撮影している。