2021年7月下旬に発売となる「Z fc」。一足早く手に取っていただいたjyotaさん&misuzuさんに、Z fcの魅力や撮影の楽しさについておうかがいしました。
愛着を持てるカメラのあるフォトライフを、「キミと僕のニコ日和」特別編としてお届けします。
misuzuさん(@pettit0524)
大学1年生のときにカメラをはじめ、作品集としてInstagramを開設。写真関係の会社を退職後、現在はフリーランスフォトグラファーとして幅広く活動している。
キミと僕のニコ日和「新しいカメラが我が家にやってきた」
僕たちは、
一緒になって7年が経った。
ふとした瞬間もかわいい彼女。
学生時代はフィルムカメラが好きで、
カメラを構える姿に惚れこんだのをきっかけに
僕も写真をはじめた。
今では生活も一緒に。
朝起きて、ごはんを作る彼女と
飲み物を準備する僕。
美味しいごはんを食べながら過ごす
このひとときが何よりの幸せ。
一日一日が愛おしくて、
気づけば二人ともカメラを手に
何気ない日常を記録している。
そんな我が家に新しいカメラがやってきた。
まるでフィルムカメラのようなフォルム。
どこに置いても画になるおしゃれなデザインで、
インテリアや観葉植物との相性は抜群!
持っていることがうれしいから、
どこへ行くにも連れていきたい。
おそろいのカメラにうきうきして、
ついつい撮り合ってしまう!
「かわいい」という言葉が
いつもより増えてしまったかも(笑)
このカメラは撮ることがすごく楽しい!
フィルム好きの心をくすぐるダイヤル、
思わず触りたくなってしまう。
ファインダーをのぞき、ダイヤルを回し、
シャッターを切る。
学生時代に夢中になった
フィルムカメラで撮っているような感覚に
ドキドキした。
「好きなカメラで、目に映る好きな光景を撮る」
純粋な楽しさを思い出させてくれた。
そして、
二人で過ごす日常が特別なんだと
あらためて気づかせてくれる。
Z fcの魅力についてお二人にインタビュー
― Z fcを一足先に使っていただきましたが、まずはこのカメラをはじめて目にしたときの感想を教えてください。
jyota:デザインがフィルムカメラのようで、すごくおしゃれだと思いました!
misuzu:部屋に飾ってもかわいいよね!
jyota:持っているだけで満足しちゃう(笑)
被写体になる人に持ってもらうと、それだけで画になる撮影小物にもなります。
― フィルムカメラのようで心惹かれる見た目に加えて、実際の使用感はいかがでしたか?
misuzu:使ってみるとしっかりしたカメラで、ミラーレスに興味がある人はもちろん、フィルムカメラに興味がある人にもオススメしたいです。
jyota:今フィルムカメラを使っている人もきっと楽しめると思います。
僕は学生時代にフィルムカメラを使っていましたけど、その頃あればこっちを選んでいましたね。
それくらいこのカメラには、フィルムカメラに感じていた「撮る楽しさ」が詰まっています!
フィルムカメラの「持つ喜び」「撮る楽しさ」を感じられる
― お二人は、フィルムカメラがお好きなんですね!
jyota:学生の頃にNikonのフィルムカメラF2を手に入れたのですが、男心をくすぐられるレトロな見た目がたまりませんでした。
それからよくカメラを持って出かけるようになり、フィルムカメラが写真を本格的に撮るようになったきっかけでもあります。
misuzu:私も学生の頃にフィルムカメラをはじめました。フィルム特有の質感やシャッター音が好きで。現像に出して写真が返ってきたときの「何が撮れているかな?」「どんなふうに撮れているかな?」というワクワク感も好きでした!
フィルムカメラの好きなところ
- 持っているだけでも満足してしまうレトロなデザイン
- 撮影していて楽しいマニュアル操作
- シャッター音のよさ
- フィルム特有のやさしい写り
フィルムは枚数が限られているので、1枚1枚とても大切に撮影するようになります。もちろん失敗もありますが、失敗を繰り返してこそ成功につながります。
― フィルムカメラの好きなところで、特にZ fcに感じる魅力を教えてください。
jyota:まずはこのデザインです。見た目がおしゃれでコンパクトなので、常に持って歩きたくなります!
misuzu:軽いけど、軽すぎないのも気に入っています。
軽すぎるとおもちゃみたいに感じるので、少し重さがあるほうが「撮影している」気分が上がるんですよね。
―「撮る楽しさ」についてはいかがでしたか?
misuzu:「ファインダーをのぞく」「ダイヤルを操作する」「シャッターを切る」…という一連の操作がすごく楽しかったです。
① 丸型のファインダー
jyota:ファインダーのアイピースが丸型になっていて、のぞくときにワクワクするんです。最近では珍しい形で、レトロな感じがしてそこも気に入りました。
② 上面のダイヤル
jyota:そして、何よりこのダイヤル。フィルムカメラ好きならテンションが上がります!
画面を確認しなくても、ダイヤルを見れば今の設定値がわかるのも実は便利です。
Z fcのダイヤル。上面にISO感度・シャッタースピード・露出補正ダイヤルがあり、F値のダイヤルは右手側の前面上にあります。
misuzu:ぱっと見ると「難しそう」と感じるかもしれませんが、位置と指の運びを覚えれば、ファインダーをのぞきながらの操作がしやすいんです。
ダイヤル操作のコツ
好きな雰囲気やボケ具合などを見つけて、それに合わせてたくさんの場所で撮影することが一番の近道です。私たちは雰囲気やボケ具合を調整するためにまずF値から決定し、シャッタースピードやISO感度を決めています。
左:F2.8、右:F6.3
- F値:合わせるレンズ次第ですが、ぼかしたいときは開放気味に、風景全体を撮るときはF4以上に。
- シャッタースピード:被写体の動きの有無に応じて、ブレないスピードに調整。
- ISO感度:上げすぎるとノイズが出やすくなるので、2500以上には上げない…と自分の中でルールを決めています。
シャッタースピード:1/250秒
愛犬たちが動き回る中で、シャッタースピードをダイヤルで変えるのは操作しやすく、いい瞬間を逃さず撮影できました。
misuzu:私は元々デジカメでオート撮影をしていましたが、マニュアルのフィルムカメラを買ってからダイヤル操作を覚えました。ダイヤルを操作していると、露出の三要素(F値、シャッタースピード、ISO感度)の関係性もわかってきますし、イメージした写真にするための設定が見えてきます。
自分が設定したダイヤルで写真のクオリティが決まるわけですからドキドキしますが、失敗してもそれはそれで愛着のある写真になると思いますよ!
jyota:失敗もいい思い出になりますし、覚えて上手になっていく過程も楽しかったです。
③ 心地いいシャッターフィーリング
jyota:あとはシャッターの感触です。ここだと思った瞬間にシャッターを切り、その感触がいいとすごくテンションが上がりますよね。
misuzu:「カシャッ」と重厚感があり、歯切れのいい音が気持ちいいんです。
サイレントにもできるので、静かな店内など音が気になるシーンでも使えますしね。
デジタルの充実した機能で楽しさが何倍にも
―フィルム好きなお二人は、デジカメもお使いですよね?
jyota:特に仕事や失敗できないときはデジカメを使っています。
misuzu:デジタルはやっぱり機能が充実して便利ですし、安心ですよね。
―フィルムカメラとの違いで、特にメリットはどんなところだと思いますか?
jyota:デジタルは撮ったらすぐ見返して、枚数を気にせず何度もトライできるのがいいところです。
misuzu:学生時代は、フィルム代や現像代に悩んだ時期もありましたね。
jyota:その点デジタルは、構図違いや設定にもこだわって撮れるので上達は速いですし、編集の際に設定やどのレンズを使ったかを後から確認できるので “自分らしい作品”を意識できるようになると思います。
misuzu:それとこのカメラのモニターは映りがすごくきれいで、撮っているときのテンションが上がるんです。
jyota:ファインダーもきれいで、ファインダーの中の世界に没頭しながら撮影に夢中になれました。
―このカメラの「写り」はいかがでしたか?
jyota:ファインダーで見た“きれいさ”がそのまま写真データに反映されていました! 撮って出しがいいので、編集でさらに仕上がりのクオリティがアップします。
jyota:特に逆光で撮影した写真がとてもきれいで、光の加減が抜群に好みでした。
上の写真はLightroomでフィルムライクに編集していますが、明るさと彩度を調節するだけでも完成形に近づけることができました。
左:編集前、右:編集後
フィルムライクに仕上げる編集のポイント
後から色の調整がしやすいため、白とびしないようにアンダー気味に撮影します。
Lightroomでの編集では、全体の「彩度」を-15ほど下げて自然な鮮やかさに調整。暗く撮影した部分は、「トーンカーブ」のダークとシャドウを+20ほど明るくして戻します。そして「効果」の粒子を好みの量だけ加えれば、フィルムライクに仕上がります。
misuzu:夜撮影を楽しめるのもデジタルならではですよね。
上の写真はISO3200で撮影しましたが、想像以上にノイズがなくて編集もしやすかったです。フィルムカメラでは難しい夜撮影にも安心して使えます。
オールドレンズのようなデザインのキットレンズ
― Z fcにはキットのレンズが2つありますが、レンズの感想を教えてください。
misuzu:まずデザインですが、カメラにマッチするオールドレンズのような見た目が素敵です。
① 標準ズーム「NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR」
16~50mm(35mm判換算24~75mm相当)をカバーするNIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR 。
jyota:焦点距離としても広角から望遠までズームできるので、お散歩フォトにぴったり。ボケ感も十分です。僕は彼女と空間を一緒に撮ることが多いので、このズーム域は助かります。
望遠端50mm(35mm判換算75mm相当)で撮影。
広角端16mm(35mm判換算24mm相当)で撮影。
② 標準単焦点として使える「NIKKOR Z 28mm f/2.8(Special Edition)」
28mm(35mm判換算42mm相当)の単焦点NIKKKOR Z 28mm f/2.8(Special Edition)。最短撮影距離は0.19mと近接撮影も可能。
misuzu:この単焦点も小さくて、持ち歩きにいいですよね。単焦点レンズとして、ボケをきれいに表現できるところも気に入りました。
jyota:それに、すごく近づけられるのにはびっくりしました。
misuzu:想像以上に近くでピントが合って驚きましたし、撮るのがすごく楽しかったです。余計なものを写さずに被写体を強調したいときにもいいですね。
撮影がもっと自由になるバリアングル
― この機種では液晶モニターがバリアングルですが、使用感はいかがですか?
jyota:カフェのように限られた狭い範囲で撮るときに、アングルを好きに変えられるのはすごく便利です。料理を真上から撮るのも楽でした。
misuzu:私は背が低いので、高い位置の植物を前ボケにしたいときも重宝します。しかもバリアングルなら、縦位置に構えた状態でもハイアングル・ローアングルと変えられるのがポイントです。
左:目線より高い位置にあった葉を前ボケにするため、バリアングル式画像モニターを確認しながらハイアングルで撮影。
右:足元に広がる花畑を入れるため、かがんでローアングルで撮影。
jyota:あとはやっぱり、自撮りできるのがバリアングルの魅力ですね。
misuzu:三脚にセットしてセルフで写真や動画を撮る場合、リアルタイムで自分の表情や写り方を確認できるのは便利です。
自然なセルフ撮影のポイント
セルフ撮影をするときは、Nikonのアプリ「SnapBridge」をスマホにインストールするとスマホ上で写りやリモートシャッターを切れるようになり、格段に撮影しやすくなります。
- 三脚にカメラを固定
- バリアングル式画像モニターやSnapBridgeで写りを確認
- リモートでシャッターを切る(SnapBridgeやリモコン)
このとき、会話しながら撮影したり、シャッターを切る瞬間をあえて言わないようにするのが自然な表情を撮るコツです。
なお、SnapBridgeではスマホを確認する際に下を向くことになるため、顔映りを確認しながら撮る場合はバリアングル式画像モニターが活躍します。また、別売りのリモコン(ML-L7)を使うと、手元を確認しなくてもシャッターを切れるので、セルフ撮影の幅が広がります。
― 最後にあらためて、「Z fc」はどんなカメラですか?
jyota:フィルムカメラで写真に夢中になったときに感じた、「撮る楽しさ」や「持つ喜び」を味わえるミラーレスカメラです。
misuzu:コンパクトサイズなので、旅行や近くの散歩などにも持っていったり、常に持っておきたいカメラだと思いました。
jyota:壊れるまで使いこみたい、愛着を持てるカメラですね。
misuzu:好みのストラップをつけたりすると、さらに愛着が深まると思います!
Z fcで撮影した二人のお気に入り写真
jyotaさんのベストショット
jyota:きれいな夕日を、イメージに近い色味で写すことができました。さらに編集すると思い通りに仕上がり、非常に満足度の高い写真です。瞳AFで撮影しましたが、彼女の瞳にピントがばっちり合っていました。
misuzuさんのベストショット
misuzu:私も夕日の写真です。オレンジの光が髪の毛や芝生の1本1本にあたり、リネンの洋服に透き通っている、この時間だからこその光景をやさしく写し取ることができました。
misuzu:もう1枚は、朝の光が入る部屋の中で、順光で撮影した写真です。ガラスや金属のテクスチャーも感じられ、より自然な日常風景を写すことができました。
jyotaさん&misuzuさんの写真が楽しめるZ fcのカタログ
今回の記事で紹介したjyotaさん&misuzuさんの写真は、カタログでもお楽しみいただけます。このカタログには、Z fcの特徴や撮る楽しさも詰まっていますので、ぜひ店頭で手に取ってみてください。下記からデータのダウンロードも可能です。
https://www.nikon-image.com/products/mirrorless/lineup/z_fc/pdf/z_fc.pdf
※機材名が入っていない、Z fcを撮影した写真はZ 7IIで撮ったものです。
同行撮影:酒井貴弘(@sakaitakahiro_)
Supported by L&MARK
jyota tomonori
関西在住の写真家。彼女の写真をメインにしたSNSが人気で、Instagramのフォロワーは4.7万人を超える(2019年4月現在)。彼女のmisuzuさんと一緒に開催している動画講座も人気。
misuzu
1995年 香川県出身。大学一年生の時にカメラを始め、自身の作品集としてinstagramを開設。柔らかな空気を感じさせる写真からスタートし、現在は独特のセンスで捉えたフィルムポートレートやナチュラルな日常写真が人気を集めている。学生時代には日本最大級の水族館でワークショップを実施し、近年ではカメラメーカ等でトークショーや写真展を開催。現在は、フリーフォトグラファーとしても活躍している。