水辺に暮らす野生生物を撮影する写真家 岡田裕介さん(@yusukeeokada)と、全国の水族館で撮影を行うフォトグラファー あきさん(@akira1027_photo)。異なる環境で同じ水中世界を被写体に活動するお二人に、その魅力と厳しさ、表現へのこだわりについてお話ししていただきました。今回インタビュアーをつとめるのは、あきさんご本人。憧れと夢が詰まった対談の模様をお届けします。
こんにちは、あきです。大好きな水族館の魅力を伝えるべく全国の水族館を撮影していて、前回の記事では水族館撮影のコツを紹介しました。
みなさんには憧れの写真家はいますか?
私は、水中や海辺の生きものを中心に撮影されている写真家 岡田裕介さんの大ファンです。
はじめてSNSで岡田さんの作品を見たとき「自分の好きな世界がそのまま表現されている!」と衝撃を受けて、当時名古屋で開催されていた写真展に東京から飛んで行ったほど。
今回、岡田さんにインタビューする機会をいただき、写真家になった経緯や野生の生きものを撮る上で大切にしていること、愛用の機材などについてうかがいました。
写真家を志したきっかけと水中撮影のはじまり
左:水族館フォトの人 あきさん、右:写真家 岡田裕介さん
あき:お会いできてうれしいです! インタビュアーははじめてでとってもドキドキしています…。
岡田:名古屋で開催した写真展に来ていただいたんですよね。会場で話したときに「東京から来ました!」と聞いて、すごくびっくりしたのを覚えています! うれしかったな~。
あき:大きくプリントされた作品を生で見て、その迫力や美しさ、表現力に圧倒されて。それ以来、岡田さんのような写真家になりたいと思っています。
…まずは、岡田さんが写真家になった経緯をお聞きしたいです。
岡田:写真に興味を持ったのは、高校の修学旅行先で見た戦場写真がきっかけです。1枚で被写体の心情や戦争の悲惨さを物語る“写真の力”を感じて、今でもあの衝撃は記憶に残っています。
あき:戦場写真がきっかけ…なんだか意外です。
岡田:その経験があったから、はじめは戦場カメラマンに憧れました。
18歳くらいのときにカメラを買って、海外の戦場の近くまで行って。…でも、一歩を踏み出す勇気がなかったんです。覚悟が足りないというか、自分には無理だと感じて諦めました。
そこからどうしようか考えたのですが、すでに写真は大好きだったので、フォトグラファーにはなりたくて。写真専門学校へ通い、アシスタントとして2年間ほど働いて独立しました。それからファッション雑誌の撮影や広告など、いろんなジャンルを経験して今に至るという感じですね。好きな写真だけを撮れるようになったのは本当に最近です。
あき:フォトグラファーになってから「水中写真」にたどり着くまでの経緯を教えていただきたいです。昔から海の生きものが好きだったのでしょうか?
岡田:子供の頃はサファリパークに行くと大興奮して、騒ぎすぎて親に叱られるほどでした(笑)今思えば当時から生きものが好きだったんですね。でも、地元の埼玉県には海がなくて、たまに水族館でイルカを見るくらいで水中生物にはあまり縁がありませんでした。
岡田:水中の世界に出会ったのは、フォトグラファーになってから少したった26歳のときです。たまたま旅行先で体験ダイビングをする機会があって、「ちょっとやってみなよ!」と半ば強引に(笑)大雨の中で初ダイビングを経験しました。
海の中は暗くて魚もあまりいなかったけど、ふと見上げると“雨が水面に突き刺さるような”今まで見たことのない光景が広がっていたんです。海の生きものに興味を持って水中撮影をはじめたというより、水中の景色や浮遊感に惹かれてダイビングにのめりこんだのがスタートですね。
あき:水中撮影はダイビングのスキルも重要ですよね。撮影も水中ではより難しいことも多いと思います。
岡田:機材のハードルが高いし、お金もかかります。それに泳力はもちろん、経験がものを言う世界です。はじめてから3年間くらいは水中写真が仕事になることはなくて…。でも諦めきれず、覚悟を決めて沖縄に移住しました。
あき:沖縄移住から本格的な水中撮影がスタートしたんですね!
視野を広げた先で出会う「想像を超える世界」
あき:水中撮影をはじめた当初、どんな気づきや発見がありましたか?
岡田:自然の中ではどこでどんなことが起こるかわからないので、常に視野を広くしておくことが大切だと実感しました。
石垣島のマンタがたくさん集まる有名なスポットで毎日のように撮影していたのですが、ありきたりな既視感のある写真しか撮れず、しばらく試行錯誤していました。
そんなある日、マンタがたくさん集まってきたタイミングで、あえていつものスポットと逆方向へ行ってみたんです。
岡田:すると、群れに合流しようとしているマンタとウミヘビが一緒に泳いでいるような、今まで見たことのない光景に出会いました。みんなが狙っているシャッターチャンスに背を向ける勇気も必要だと気づいた出来事です。
あき:目の前のことだけではなく、空間全体に意識を向けなければいけないんですね。
岡田:そうですね。僕は音楽も好きでアーティストのライブ撮影もしているのですが、無音の水中世界と爆音のライブの撮影には意外と共通点があって。生きものも演奏も待ってくれないから、どちらも視野を広くしてシャッターチャンスを探しまわらなければいけません。大変ですが“想像を超える世界”と出会えるからやめられないなと思いますし、それがこの撮影の醍醐味だと思っています。
あき:私も知り合いのライブ撮影をしていますが、会場内を移動しながらシャッターを切り続けるのはかなり体力が必要ですよね。そういった面でも水中撮影に通じるところがあるのでしょうか?
岡田:もちろん、技術があっても“いい瞬間にたどり着ける体力”がないと撮れませんからね。例えばイルカやクジラで撮りたいアングルがあったら、機材を持った状態で泳いで少しでもそこに近づかないといけません。
コントロールできない要素が多い分、特にはじめて行く場所は調べられることはすべて調べて、機材・服装も少し余計なくらい準備をして、どんな状況にも対応できる体力や泳力をつけておくことが大切なんです。なので、普段から自宅周辺の山に登ったり海に潜ったりして、体力を維持するようにしています。
あき:体力と泳力はどちらも自信がないので、ジムに通って少しずつ鍛えている最中です。水中での動きのシミュレーションもしながら続けていきたいと思います!
あき:私が岡田さんの作品の中で特に好きなのが、このペンギンが大きな波に立ち向かっているような1枚です。これはどんな状況で撮影されたものでしょうか?
岡田:フォークランド諸島へはじめて行ったときの写真ですね。ペンギンが天敵に食べられないように波に乗って陸に上がって来る瞬間を撮ろうと待っていると、少し離れた場所の崖が目にとまりました。「あの崖の上からはどんな景色が見えるんだろう」と興味が湧いて、ヌメヌメした岩を命がけで登ったらこの光景に出会えたんです。予想外のことでしたが、足場が悪くても歩ける靴と超望遠ズームレンズを準備していたおかげでとらえることができました。
岡田:同じフォークランド諸島の写真でも、これは完全に狙って撮ったシーンです。リフレクションを撮るために波が引いたタイミングで水面ギリギリにカメラを構えて、ペンギンの動きや太陽の位置を確認しつつ、次の波で機材に水がかからないように…とさまざまなことに意識を張り巡らせてとらえました。
あき:野生の生きものの自然な姿を近距離でとらえているのも、岡田さんの作品のすごいところだと感じます。何か秘訣があるのでしょうか?
岡田:アーティストの密着撮影時によく言われるのが、「岡田くんは存在感がなくていいね」って(笑)それは最高のほめ言葉で、特に動物を撮影するときは相手に一切影響を与えたくないと思っています。僕がそこにいることでストレスを感じさせたり、動きを変えてしまうくらいなら撮らなくてもいい。だからこそ人より何倍も時間をかけて安心感を与えて、その場に溶けこむように意識しています。
岡田:これはハワイ島で撮った写真です。イルカが休憩しに来る場所だったから、追いかけたりしないで海の底に潜ってじっとしていました。そしたら突然光が降り注いで、「天国か」と思うくらいきれいだったな…。こういう瞬間を待つことも重要で、僕はその場に居続けることがまったく苦にならない性格だから、ネイチャー写真に向いているのかなと思います。あきくんもそうなんじゃない?
あき:そうですね。水族館の開館から閉館までいることもよくありますし、イルカやクラゲをぼーっと見ているだけで、気持ちが楽になるんですよね。たまにシャッターを切るのを忘れるくらい(笑)
それから、ライトの位置や生きものの動く範囲が決まっている水族館だからこそ、イメージ通りに撮ることにこだわってその瞬間をひたすら待っています。
あき:これは、今までで一番自分の理想を表現できた写真です。セイウチの大きな牙とずっしりとした重量感、のしかかられたら死んでしまうという恐怖や迫力を切り取れたと感じています。セイウチがガラスの近くまで来たときに下にまわりこんで連写して、ほんの数秒のことでしたがこの瞬間を撮れたことが本当にうれしかったです。
岡田:あきくんの写真を見ると、何回も通って時間をかけて撮影していることがわかります。実は僕もセイウチが大好きで、水族館に行くと必ず撮るけど相当難しいよね。
あき:そうなんです。色が思い通りに写らなかったり、他のお客さんの状況にも左右されますね。水槽の前を占領して迷惑をかけることのないように、平日の閉館前まで待って撮影しました。
岡田:「人事を尽くして天命を待つ」という言葉があるけどまさにその通りで、どんな状況にも反応できるように備えて、そこから先は本当に神様次第。ネイチャー撮影では、お金をかけて海外へ行っても何も撮れなくて、泣くほど悔しい思いをしたことも多々あります。でも、今はいつでも平常心で状況を受け入れて楽しむようにしています。
あき:チャンスをつかむための準備と、生きものへの敬意、そして撮れない時間も楽しむことが大切なんですね。私も忘れないようにしたいと思います。
「好き」を突き詰めて溢れ出るものが個性になる
あき:先ほど水族館でセイウチを撮影するというお話がありましたが、水族館にはよく行かれますか?
岡田:行きまくっていますよ(笑)カレンダー撮影のお仕事や写真展を開催させてもらったり、出張したときには必ず近くの水族館へ足を運ぶようにしています。
あき:本当ですか! 私も日本各地の水族館に行っているのですが名古屋港水族館が大好きで、特にイワシの大群が泳いでいる水槽を撮り続けています。
あき:同じ水槽にいるサメが近づくとイワシは塊になって逃げていくという、海の中の日常を垣間見られるところが魅力的なんです。奥のイワシも手前のサメも印象的に写すためにライトのある場所に来るのを待って、さらにサメは曲がるときの身体のラインが一番かっこいいのでカーブした瞬間を撮りました。
岡田:サメのこの形が好きなのすごくわかるなぁ。ライトもきれいに当たって、水族館は本当に夢の世界ですよね。
あき:そうですね。たくさん撮っているうちに撮りたいシーンが明確になって、ライトの生かし方や生きものがよりよく写る瞬間を意識するようになりました。岡田さんもペンギンやイルカ、クジラなどは何度も撮影されていると思いますが、好きなものを撮り続けることは表現を極める上で重要ですか?
岡田:それ以外ないってくらい重要なことです。今はカメラが進化しているから少し知識があれば撮れるけど、気持ちがこもってない写真は見た人に何も伝わらないからね。
岡田:このアシカの写真も「この顔が好き」っていう僕の気持ちを切り取ったものです。好きなものをさらけ出すって恥ずかしいことだけど、好きを突き詰めて溢れ出るものが個性になるんだと思います。あきくんの写真は「この瞬間が好き」っていう思いがすごく伝わってきますよ。
あき:ありがとうございます! 私は図鑑のように生きものの形や模様がよくわかる写真ではなくて、雰囲気や空間ごと切り取ることが多いのですが、それが自分の「好き」なんだと今気づきました。
岡田:自然と好きな撮り方を選んでいたんですね。SNSのフォロワーがたくさんいるということは、あきくんの気持ちに共感する人がそれだけいるということで、それはとてもすごいことです。
僕は写真を撮ることがとにかく好きだから、いつまでも写真家でいられるようにこれからも自分の気持ちを素直に表現していこうと思います。すごく照れるけど、後悔したくないからね。
あき:私ももっと自分の「好き」と向き合って、表現していきたいと思います!
長時間を一緒に過ごす機材は愛着のあるものを
あき:私ははじめてカメラを買ったときからずっとNikonで、今はZ 7IIをメインで使っているのですが、岡田さんの機材へのこだわりについてお聞きしたいです。
岡田:僕も写真をはじめた頃からNikon一筋です。シャッターを切るという行為がすごく好きで、中でもNikonのシャッター音が本当によくて…。昔は、D3Sをどこへ行くにも持ち歩いていました。今はD850を2台持っていて、フィッシュアイレンズと14-24mmの広角レンズをつけるのが水中を撮るときの標準装備です。
あき:私も14-24mmを使っています! あのレンズを買って世界が変わりました。
岡田:D850につけたときのバランスも最高で、構えたときにテンションが上がるんです。僕はその場に居続けるのが苦にならないって話をしたけど、長い時間を一緒に過ごすからこそ機材への愛着もすごく重要だと思っています。
あき:好きな機材じゃないと、ずっと一緒にいられませんよね。ちなみに、水中撮影に絶対持っていたほうがいいレンズはなんでしょうか?
岡田:1本だけ用意するとしたら、フィッシュアイレンズかな。大きい生きものに寄ったり、好奇心旺盛な生きものが近づいてきてくれたときに、画面からはみ出してしまうのが一番悔しいから画角は広いほどいいと思います。下の写真はトンガのザトウクジラで、近距離からフィッシュアイレンズで撮影したものです。
岡田:これまでドローンでの撮影も試したことがありますが、遠隔で決定的な瞬間をとらえるのは難しいですし、僕はそこに生きものがいるなら潜って目の前でシャッターを切りたいと改めて感じました。他にもいろんなグッズや機材も試しましたが結局はシンプルな装備が一番で、カメラ1台だけで身軽に撮るのが理想ですね。
あき:身軽さが大切ということは、当然機材も軽いほうがいいですよね。
岡田:特にイルカはこちらがうまく泳げるほうが興味を持って寄って来てくれるので、機動力が上がればシャッターチャンスも増えると思います。
実は最近、軽さに惹かれてミラーレスのZ 6IIを購入したんです。まだ水中には持って行けてないのですが、これからの活躍に期待しています。
あき:Z 6IIで撮影される岡田さんの作品も楽しみです!
多くの人に届く「いい写真」と写真が変える価値観
あき:ここまで、いい瞬間をとらえるための準備や表現、機材の大切さについてお聞きしましたが、岡田さんにとっての「いい写真」とはなんでしょうか?
岡田:「いい写真」というか、思い入れがあるのは、水中写真家として仕事をするようになったきっかけでもあるマナティの写真ですね。先輩の写真家 福田幸広さんとご縁があってフロリダへ一緒に行けることになり、そのときに撮影しました。
岡田:遠くからこの光景を見て絶対に撮りたいと思って、その次の日に近くへ行ってカメラの前に来るのを1日中待ってたんですよ。すると、ちょうどいいタイミングで光が差して、思い描いたシーンをとらえることができました。シャッターを切った瞬間のことは、約10年たった今でも覚えています。
この写真で世界的な賞を受賞したり、最近では中学3年生の教科書の裏表紙に採用していただきました。海外の方や子供たちが自分の写真を見てくれているところを想像するとすごくわくわくしますが、この写真を超えるものを早く撮りたいとも思っています。
あき:岡田さんの代表作であり、今後の指標でもあるんですね。
あき:私にとっての「いい写真」はこのピラニアを写したもので、SNSでいいねをたくさんもらえるような写真ではないのですが、撮れた喜びが大きい1枚です。「コントラスト」というタイトルで、止まっているように見えるピラニアと躍動感のある背景、被写体の進行方向などいろんな要素が対になっていて、すべてが狙い通りに表現できました。
岡田:きれいなだけではない、長くつき合える写真だね。
あき:岡田さんにそう言っていただけてうれしいです。写りはイメージ通りだったのですが、群れで同じ方向に泳ぐイメージだったピラニアが、ばらばらに泳いでいるというのは予想外で新しい発見でもありました。岡田さんは、ネイチャー写真を撮る中で気づいたことや、価値観が変わった経験はありますか?
岡田:当たり前に“世界は人間だけのものじゃない”と思うようになりましたね。たくさんのペンギンが暮らしているフォークランド諸島の無人島に1人でいると、ペンギンの国におじゃましている気持ちになります。
岡田:それから、自然を相手にしていると自分の意思ではどうにもならないことばかりで、天候はもちろん、撮りたい生きものに出会えるかもわからない。だから少しでも多くのチャンスに恵まれるように、道にゴミが落ちていたら必ず拾うようにしています(笑)農家の方が豊作を祈ってお祭りをしたりするのと同じ気持ちで、もう神様にお願いするしかないんですよ。
あき:写真への思いが日々の行動にも影響しているんですね。
岡田:それから、常にものを細部まで観察するようになったというのもあります。そうすると限られた条件の中でもまったく飽きることなく長時間向き合えるし、いろんな発見ができるんです。ネイチャーだけではなく、どんなジャンルでもディテールを見るようにすると写真がもっと面白くなりますよ。
あき:私も日常の中でのものの見方を意識してみようと思います!
写真家としてのこれからと一生に一度は撮りたいもの
あき:最後に、これからの岡田さんの目標についてお聞きしたいです。
岡田:目標は「写真作家」として好きなものを撮り続けて発表することですね。1年に1回は写真展をやったり、写真集を出すことを続けていけたらいいなと思います。あと、今は写真展やHPで作品プリントの販売をしていますが、いつかは自分のギャラリーを持って作品を展示したり販売したりしたいです。作品を見て直接反応をいただけると写真家になってよかったと改めて思いますし、写真を続ける原動力にもなるんです。
2012年版クラレカレンダー 3月掲載作品。
岡田:特にうれしかったのが、2012年の5月頃に屋久島へ行って宿にチェックインしようとしたら、フロントに僕が写真を担当した企業のカレンダーが3月のまま貼ってあったんです。理由を聞くと、従業員の方が3月の写真を気に入って「毎日見て元気をもらっています」と言っていただけました。
僕が好きな写真を撮って、それを見て喜んでくれる方がいるというのは、とてもありがたくて幸せなことだと感じます。
あき:私もいつか写真展をやってみたいのですが、写真をプリントするときに青の色味がなかなかうまく出せないのが悩みです。
岡田:青は特に難しいですよね…。僕もなかなかモニターで見ているような仕上がりにならなくて試行錯誤していましたが、銀塩プリントに出会ってそのストレスが解消されました。透明感や深みなどさまざまな青の美しさを表現できるので、写真展などで刷り上がりを見に行くのが毎回楽しみです。また、大きくプリントするとモニターでは気づかないことに気づけたりもするので写真上達のためにも大切なことですよ。
あき:銀塩プリントですね。覚えておきます!
あき:これからは水中撮影にも挑戦したいと思っていて、上の写真は手はじめに海へ行って撮影したクジラです。ダイビングのライセンスは持っているので、さらにスキンダイビングのスキルを高めて御蔵島のバンドウイルカや沖縄のザトウクジラを撮って、いつかは海外の海へも行きたいと思っています。
岡田:僕が水中写真をはじめたのが26歳なので、24歳のあきくんはまだ全然若いし、これから楽しみなことばかりですね! 野生のイルカは水族館と全然違ってすごく力強いので、イルカのイメージが大きく変わると思いますよ。クジラは何度見ても大きさと迫力に感動しますし、実際に自分の目で見るからこそ感じられることがたくさんあるのでぜひ体験してほしいです。
あき:今からわくわくしています。岡田さんがこれから撮りたい生きものはなんですか?
岡田:ネイチャーで言うと、大好きなセイウチとコウテイペンギンですね。特にコウテイペンギンに挑戦したいのですが、南極なので行くのも大変ですし、立ち入れる場所が限られているのですごく難しい撮影になると思います。だから、人生の最後に撮りに行きたいですね!
あき:私もやりたいことを実現するためにこれからもかんばります。貴重なお話をたくさん聞かせていただき、ありがとうございました!
インタビューを終えて…
あき:憧れの写真家 岡田裕介さんへのインタビューは緊張しましたが、とても楽しく夢のような時間でした。水中世界の驚きや感動とともに、思い通りにいかない場面が多いことや撮影にとてもお金がかかるなど、厳しい面も知ることができてよかったです。私も日々の仕事をこなしつつ、水中撮影にどんどん挑戦していきたいと思います!
インタビュー写真:塩川雄也(@yuyashiokawa)
Supported by L&MARK
岡田裕介
水中や海辺の生物を中心に撮影する写真家。現在は神奈川県の三浦半島を拠点に活動している。2009年National Geographicでの受賞を機に世界に向けて写真を発表。写真展の開催や写真集の出版をはじめ、企業広告・カレンダーなど幅広く活躍中。
あき
SNSを中心に水族館の写真を投稿している。多いときは週に4回ほど通い、生きもののかわいい姿や癒やされるシーンを撮影。ダイビングのライセンスを取得し、水中撮影にも挑戦中。