香川県のオススメ撮影スポット6選 – 穏やかな瀬戸内海と自然がつくる絵画のように美しいひととき

香川県のオススメ撮影スポット6選 – 穏やかな瀬戸内海と自然がつくる絵画のように美しいひととき

こんにちは。香川出身のフォトグラファー・misuzu(@pettit0524)です。

瀬戸内海に面した香川は自然豊かで、澄んだ青空や夕日など、見ているだけで心が穏やかになる風景があります。そんな地元が好きで、NICO STOP写真展で展示した「私の思い出の世界」の作品は、すべて香川で撮りました。

この記事では、そのときの撮影地も含めたオススメのスポットを、 Z fcで撮った写真とともに紹介したいと思います。みなさんの写真旅の参考にしていただけたら幸いです。

 

香川県のオススメ撮影スポット6選

爽やかな瀬戸内海、三角の小さな山、あちこちにあるため池など、“香川らしさ”が感じられる6か所をピックアップしました。各スポットの距離が近く、徒歩や自転車で巡ることができるのも、日本一面積の小さい県・香川ならではの魅力です。

【高松港】アートな島旅への玄関口

Z fc、NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR

Z fc、NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR

大巻伸嗣「Liminal Air - core -」

 

高松港は、3年に1度開催される現代アートの祭典「瀬戸内国際芸術祭」の舞台となる島々への玄関口。JR高松駅や市街地にも近く、香川へ来たらまず立ち寄っていただきたい場所です。

 

オススメポイント:空と海に映えるアート

フェリー乗り場付近にあるカラフルな柱のアート作品や、水玉模様がかわいい四国汽船のフェリー「なおしま」が、高松港ならではの風景をつくり出します。

 

撮影のポイント

  • 場所:2本の柱の中間あたりで、全体が画角に収まる位置に立ちます。
  • 時間帯:斜光で海が輝く15~16時頃がオススメです。周囲に建物が多いので、その間から差す光や伸びる影がアクセントになります。フェリー「なおしま」を写すなら、出航時間を四国汽船HPの時刻表で事前に調べておきましょう。
  • 設定や構図:アート作品と船の全体を写す場合、縦位置で35mm判換算40mm程度がちょうどいいです。F5程度に絞って、柱の間に船が来るタイミングを狙ってシャッターを切ります。海に近づいて撮る際は、開放F値付近で撮影すると海面に反射する光が玉ボケになって、きらめきを表現できます。

 

Z fc、NIKKOR Z 40mm f/2

Z fc、NIKKOR Z 40mm f/2

 

海沿いには噴水のある広場があり、ゆったりと散歩をするのも楽しいです。夕方頃に噴水の近くから海へカメラを向けて、逆光+開放F値で撮ると光が印象的な1枚に。人工物が多い場所ですが、背景をぼかすことで全体がやわらかい印象になります。

 

高松港
香川県高松市サンポート
https://www.pref.kagawa.lg.jp/takamatsukokanri/port_takamatsu/kfvn.html
※詳細はHPをご確認ください。

注意点:アート作品に触れてはいけません。他の方と譲り合って撮影しましょう。

 

【瀬戸内海沿岸】心が休まる爽やかな風景

Z fc、NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR

Z fc、NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR

 

瀬戸内海は陸に囲まれているため波が少なく、静かに佇む島々と合わさり穏やかな景色をつくり出します。香川に住んでいた頃は日常でしたが、今は帰省するたびにその美しさを実感し、時間帯ごとに変化する表情も魅力的です。

 

オススメポイント:美しい青に包まれる突堤からの景色

瀬戸内海の沿岸には突堤や海岸が多く、散歩しながらよく立ち寄って撮影しています。香川ではヨット部の活動が盛んで、平日の夕方や休日になると白い帆を張ったたくさんのヨットが見られます。ヨットの白と海の青のコントラストが美しい、とても好きな風景です。

 

撮影のポイント

  • 場所:「LIVLOV」という家具店のすぐ近くにある突堤には、三角形の消波ブロックがあって風景のアクセントになります。2つの島の間にカメラを向けると、ヨットと遠くの景色に視線が誘導され、より広がりを感じる写真に。
  • 時間帯:斜光で海が輝く15~16時頃がベストです。
  • 設定や構図:広い空と海の清々しさが伝わるように、35mm判換算24mmで写します。F5.6程度に絞ると、ヨットや島の輪郭もとらえられます。

 

Z fc、NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR

Z fc、NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR

 

1枚目の写真と同じ突堤で、光が入る場所を探してハイアングルで切り取ると、きらめく海が背景になってとても爽やかな1枚に。このときは、段差の上に三脚を立ててセルフ撮影をしました。35mm判換算30mm程度にすると、画面が整理できて海の輝きがより引き立ちます。

 

Z fc、NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR

Z fc、NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR

 

瀬戸内海には、リフレクションで有名な父母ケ浜など、きれいな海岸がたくさんあります。干潮と夕暮れが重なる日は、全体がオレンジに染まり特に美しいので、ぜひ近くの海岸に立ち寄ってみてください。

 

瀬戸内海沿岸
(1・2枚目の突堤)香川県高松市浜ノ町49

注意点:突堤には釣りを楽しむ方が多くいるので、譲り合って利用しましょう。また、禁止されている場所に登るなど危険な行動はNGです。

 

【北浜alley】レトロな建物と緑に癒やされる

Z fc、NIKKOR Z 28mm f/2.8

Z fc、NIKKOR Z 28mm f/2.8

 

北浜alleyは、港の倉庫街をリノベーションして作られたレトロな雰囲気の商業施設。建物周辺には壁をおおうツタや植物が植えられていて、春~夏の晴れた日は生き生きとした緑と木漏れ日がきれいです。

 

オススメポイント:レトロな建物とローカルバス

敷地内の路地から見える海沿いの道路には、高松のローカルバスの停留所があります。水色のバスが通るときを狙うと、爽やかな空の色とマッチして風景がより魅力的になります。

 

Z fc、NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR

Z fc、NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR

 

撮影のポイント

  • 場所:キッシュのお店「206 TSU MA MU」付近は緑が豊かで、停留所にとまるバスも写しやすいです。
  • 時間帯:光が上から注ぐ12~14時頃は、木漏れ日がきれいです。バスのデザインが異なる場合もありますが、上り下り合わせて1時間に4本ほど通るので、散策しながらタイミングを合わせて撮影します。
  • 設定や構図:35mm判換算40mm程度にすると、緑に包まれる道をバランスよく写せます。2枚目のように、レトロな外観の建物をメインで写すのもかわいいです。角を中心にして24mm程度で撮ると、奥行きと立体感が出ます。

 

北浜alley
香川県高松北浜町4-14
https://www.kitahama-alley.com/
※詳細はHPをご確認ください。

注意点:撮影時は、お店や通行する方の迷惑にならないように。また、通路などを長時間占有しないようにしましょう。

 

【堤山】三角のフォルムがかわいい山

Z fc、NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR

Z fc、NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR

 

香川の讃岐平野には、昔ばなしに出てくるような三角の山が7つあり、さぬき七富士と呼ばれています。その中の一つの堤山は、のどかな田園風景にぽつんとある三角のフォルムがかわいらしく、ほっと癒やされる風景です。

 

オススメポイント:山に続く田んぼ道

山に向かってまっすぐ伸びる田んぼ道から撮影すると、風景のスケール感が伝わる写真に。両脇に建物がないので、山の存在感がより際立ちます。

 

Z fc、NIKKOR Z 28mm f/2.8

Z fc、NIKKOR Z 28mm f/2.8

 

撮影のポイント

  • 場所:山に伸びる田んぼ道を撮るなら、羽床駅の東にある踏切付近から。このあたりは特に見晴らしがよく、夕方は山の後ろに沈む夕日もきれいです。
  • 時間帯:山の形や色をはっきりと写すなら、お昼頃の順光がオススメです。15時頃~夕方は逆光で、光が溢れる情緒的な雰囲気になります。
  • 設定や構図:35mm判換算30~45mmにすると、山がバランスよく収まりのどかさを表現できます。さらに、道を中心にした放射線構図+ローアングルで風景の広がりを強調すると、山のポツン感が出てかわいらしいです。

 

堤山
香川県綾歌郡綾川町羽床下

注意点:田んぼ道は狭いので、周囲の迷惑にならないようにして撮影しましょう。

 

【ため池】夕日に染まる原風景

Z fc、NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR/平池

Z fc、NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR/平池

 

雨が少ない土地柄、香川にはあちこちにため池があり、昔から農業用水として活用されてきました。人の暮らしを助ける存在でありながら、珍しい生きものの生息場所としての役割も担っています。今回紹介する平池と前池は距離が近くそれぞれ違った魅力があるので、どちらも訪れてみてほしい場所です。

 

Z fc、NIKKOR Z 28mm f/2.8/前池

Z fc、NIKKOR Z 28mm f/2.8/前池

 

オススメポイント:夕焼け空とため池のリフレクション

普段は目に留まらない場所ですが、夕日に染まる様子は絶景です。海と違って波がないので、リフレクションもきれいに撮影できます。

 

撮影のポイント

  • 場所:平池は、池の東側の道から撮影すると、夕日を正面にとらえられます。前池は、池の北側にある法然寺近くの道路から西を向いて、三角の山と夕焼け空を写すときれいです。
  • 設定や構図:平池は周囲に建物が少ないので、35mm判換算24mmで風景の広がりを強調。前池は、42mm程度で奥の山にフォーカスすると、風景の魅力を引き立てつつ立体感が生まれます。どちらも水面が水平になるように注意して、手すりで対角線構図をつくり奥行き感を出すのがポイントです。夕日や水面は白とびしやすいので、編集を前提に少し暗めに撮影しておくと、色をきれいに表現できます。

 

平池・前池
香川県高松市仏生山町

注意点:撮影するときは、車や人の往来に注意しましょう。

 

【大串自然公園】穏やかな瀬戸内海を一望できる

Z fc、NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR

Z fc、NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR

 

瀬戸内海に突き出した大串半島にある大串自然公園。広大な敷地内にはワイン工場やオートキャンプ場などがあり、家族・恋人・友達、誰と来ても楽しめます。私のお気に入りは、芝生広場から眺める夕暮れの風景。景色を遮るものが何もないので、天気がいい日の青空や星もきれいです。

 

オススメポイント:幻想的なブルーアワーの瀬戸内海

空と海のグラデーションに島々がおぼろげに浮かぶ、絵画のように美しいひととき。ゆっくりと動く雲や船を眺めていると、自然と心が穏やかになります。

 

Z fc、NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR

Z fc、NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR

 

撮影のポイント

  • 場所:芝生広場の展望スペース横に階段があり、眼下に広がる公園と瀬戸内海を撮影できます。
  • 時間帯:日没後、空に明るさが残っている間が特に美しいです。日の出・日の入り時間が分かるサイトやアプリで事前に調べて、夕暮れ~日没後とみるみる変化する空と風景のコラボを狙います。
  • 設定や構図:スケール感を出すには35mm判換算24mm程度、風景の雰囲気を生かして人を撮るには50mm程度で、階段の手すりなどの人工物が写らないようにするのがポイントです。地面・空・海を同じ割合で写すと、バランスよくとらえられます。もっと広がりを出したい場合は、ローアングル気味にして地面の割合を少なくしてみましょう。芝生広場や展望スペースは広いので、三脚を使ったセルフ撮影もしやすいです。

 

Z fc、NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR

Z fc、NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR

 

夕焼けのグラデーションを主役にするなら、海と反対側を向いて撮影してみてください。前景をシルエットにすると、空の色が際立ち幻想的な雰囲気になります。

 

大串自然公園
香川県さぬき市小田
https://www.city.sanuki.kagawa.jp/sightseeing/sights/oogushi
※詳細はHPをご確認ください。

注意点:周囲の迷惑にならないように、譲り合って撮影しましょう。

 

Photographer's Note

香川がこんなにも美しく、心を穏やかにしてくれる風景で溢れていることに、カメラを持ってはじめて気づきました。今回ご紹介した、高松港と北浜alley、2つのため池は、それぞれ近い位置にあります。ぜひお散歩やサイクリングを楽しみながら、ゆったり巡ってみてください。

 

香川は空気が澄んでいて、晴れている日はいつもきれいな青空が撮影できます。 Z fcの発色とも相性がいいなと改めて感じました。広い海と豊かな自然がある香川では、広角まで撮れる16~50mmのレンズがとても活躍します。人工物の存在感を和らげたい場合や、きらめく海を撮るときは、28mmや40mmの単焦点がぴったりです。

 

Z fc、NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR

Z fc、NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR

 

上の写真は、今回撮影した中で一番のお気に入りです。日没後のほんの一瞬、淡く染まった空と海、静かに佇む島々と、ゆっくり動く雲や船の調和が本当に美しく感動的でした。

いつまでも眺めていたくなる風景を探しに、ぜひ香川を訪れてみてください!

 

 

※こちらに掲載している情報は、2022年2月17日現在のものです。
※「瀬戸内海沿岸」と「平池」、「北浜alley」の1枚目は、過去に撮影されたものです。
※新型コロナウイルスの感染症対策に十分にご留意いただくとともに、政府、自治体など公的機関の指示に従った行動をお願いいたします。

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misuzu

misuzu

1995年 香川県出身。大学一年生の時にカメラを始め、自身の作品集としてinstagramを開設。柔らかな空気を感じさせる写真からスタートし、現在は独特のセンスで捉えたフィルムポートレートやナチュラルな日常写真が人気を集めている。学生時代には日本最大級の水族館でワークショップを実施し、近年ではカメラメーカ等でトークショーや写真展を開催。現在は、フリーフォトグラファーとしても活躍している。