今年も残すところあとわずか。そろそろ準備をはじめたいのが「年賀状」です。
子供や家族写真、友達との思い出や旅の様子など、写真で年賀状を作ると、近況がより伝わりやすくなります。せっかくなら1年間撮りためた写真で、自分らしい年賀状を作ってみませんか?
今回は2人のデザイナーに、みなさんが使用できる年賀状デザインのテンプレートを作成していただきました。デザインのポイントと実際にテンプレートを使用する際のコツを紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
教えていただくのはこの2人
sachiさん(@sachi_427_)
エディトリアルデザインを中心に、WEBデザインやパッケージデザインなど幅広く手がける。
haruka hommaさん(@haruka_homma)
グラフィック・WEBデザイナー。出版レーベル「湖畔」のアートディレクターを務める。
テンプレートを利用できる「GLAM PRINT」
PCやスマホから作成できる年賀状WEB作成サービス。写真・背景色・書体を自由に組み合わせることで、世界でただ一つの、シンプルな魅力溢れる年賀状を作ることができます。2人が作った年賀状デザインのテンプレートはこちらから利用可能で、オンライン上でレイアウトから印刷発注までできます。
写真1枚でストレートに伝える年賀状 - sachiさん
こんにちは。デザイナーのsachiです。
今年はキャンプにどっぷりハマった年だったので、そのときに撮影した写真を使って年賀状を作りたいと思います。
今回は、受け取った方に近況をストレートに伝えられるように、写真1枚を大きく使った年賀状デザインを作成しました。
こちらのデザインのポイントや年賀状作りのコツをお話ししていきますので、以下のリンクからデザインテンプレートを選んで一緒に作っていきましょう!
>年賀状デザイン:https://glam-print.com/template/6001
写真1枚で作るデザインのポイント
まずは今回のデザインのポイントを紹介していきます。実際に写真を選ぶ際、また一からご自身でデザインを作る方も参考にしてみてください。
1.写真のレイアウト「文字を入れる余白を作る」
写真1枚を大きく使う場合、余白を設けるかどうかで印象が大きく変わりますが、年賀状をデザインするときは、相手へのメッセージを書きこむ場所を確保するのが大事です。
空などが広く写った写真は、その部分にメッセージを書きこんでも視認性を確保できますが、写真によっては文字が見えにくいため、右のデザインのように余白を設けることで汎用性を高めています。
2.文字のレイアウト「手書きで温かさを出す」
人の視線の流れは上→下、横書きの場合は左→右、縦書きの場合は右→左と考えます。そのため、最初に伝えたい横書きのメインコピーは左上に配置し、書きこむメッセージは下になるように配置すると自然です。
- メインコピー:手書きの「Happy New Year 2022」を左上に配置しました。手書きにすることで、温かみやその人らしさを感じさせることができます。文字色は、黒・白・グレーなどモノトーンが写真を引き立たせやすいです。
- サブコピー:フォントを使用することでメリハリを出し、メインコピーの近くに配置してまとまりやすくしています。
文字の視認性を確保できる「ザブトン」
サブコピーなど小さい文字を写真の上に配置すると、同化して読みにくい場合があります。
右の赤で囲んだ、サブコピーと写真の重なる部分の白いボックスが「ザブトン」。
そのときに有効なのが「ザブトン」です。背景色によらず文字の視認性を確保できます。1行ずつにザブトンを敷くことでサブコピーの存在感を強めすぎず、かつ隙間ができるため写真の雰囲気を大きくは損ないません。
テンプレートを利用した年賀状作りのコツ
ここからは、実際にテンプレートを利用した年賀状作りについてです。GLAM PRINTでは写真のセレクト・メッセージの入力が可能です。
※デザインによっては背景色の変更が可能ですが、今回のデザインの背景は「白」で固定です。
1.写真セレクト
1年間のベストショットや、ハマっていることを表す写真など、「今いちばん伝えたいことは何だろうか?」と考えてセレクトしてみましょう。
1枚で大きく使いたい候補をピックアップしました。人よりも場の雰囲気や楽しさを伝えたかったので、顔が写っていないものを選びました。
今回のデザインは左上に黒色のメインコピーが入るため、背景の色が薄めの空やボケなど、左上に写真の余白があるものを選ぶとマッチしやすいです。
なお、背景がボケていてもメインコピーの視認性が悪くなる場合があります。左は緑の色が濃く黒が沈んでしまっているのと、要素が多くゴチャゴチャした印象です。右のように薄めの背景でシンプルな写真のほうがマッチしやすいです。
家族写真で年賀状を作る場合は、顔が写っているほうがより近況が伝わります。手書きの「Happy New Year」によって、温かみのある雰囲気に仕上がりました。
2.メッセージを入れる
年賀状はメッセージを添えることで、「自分のことを考えて出してくれたんだな」と気持ちが伝わります。
メッセージは左下の余白に入れましょう。なお今回のデザインは、切手面にメッセージを書きこみ、デザイン面に余白があいたままでも成立するようにレイアウトしています。
メッセージは、GLAM PRINTならデザイン面に入力できますし、後から手書きで書きこんでもいいと思います。ぜひメッセージを添えて年賀状を出してみてください!
sachiさんデザインの年賀状作りのポイント
- 黒色のメインコピーが写真に重なるため、背景の色が薄めの空やボケなど、左上に写真の余白があるものを選ぶ(実際に写真を入れてみて、文字の視認性をチェック)
- 場の雰囲気を伝えたい場合などは顔が写っていない写真を、近況を伝えたい場合には家族写真など顔が写っている写真を選ぶ
複数枚でストーリーを感じる年賀状に - harukaさん
はじめまして。haruka hommaです。普段はグラフィックデザイナーとして、主に印刷物のデザインをしています。
今はSNSなどで手軽に新年の挨拶ができてしまうので、せっかく年賀状を作るのであれば、自分にとっても受け取った方にとっても、大事に残しておきたくなるようなものにしたいですよね。
今回は、写真を複数枚使用したデザインを作成しました。複数枚で作るメリットは、たくさん情報を伝えられること。こちらのデザインのポイントや年賀状作りのコツを紹介していきたいと思います。
>年賀状デザイン:https://glam-print.com/template/6002
複数枚の写真で作るデザインのポイント
お気に入りの写真が多くて選びきれないという方にも利用してもらいたいと思い、できるだけたくさん写真が使えるデザインにしました。これ以上入れると1枚1枚が小さくなってしまうので、6枚にしています。
1.写真のレイアウト「サイズや位置に変化をつける」
複数枚でレイアウトを組むとき、まず整然と並べるデザインを思いつくのではないでしょうか。
6枚の写真を同じサイズで整列。
そのほうがまとまりやすいのですが、お気に入りの写真を大きく使いたい・動きをつけたいと考え、それぞれのサイズに変化をつけました。
こちらがサイズや配置に変化をつけたパターン。キャンプのワクワクや高揚感も伝わるレイアウトにしました。写真と写真の余白をしっかりあけ、ゆとりを持たせることで、ゴチャゴチャしすぎないよう気をつけました。
2.文字のレイアウト「縦書きのアクセント」
横書きの場合、上→下/左→右という人の視線の流れる方向を意識すると、情報伝達がスムーズになります。今回は写真もハガキも横向きにし、さらに文字の配置に遊び心を加えました!
- メインコピー:「HAPPY NEW YEAR」で縦のラインを作ることで、デザインのアクセントにしました。どんな写真でも文字が読みやすいようにザブトンを敷いています。
- サブコピー:「飾りたくなるようなハガキ」を意識し、飾り文字として英字を入れました。メインコピーと同じフォントにすると統一感が生まれます。
「2021-2022」はさりげなく変化をつけるため、サイズを小さくしてイタリックにしました。赤枠で囲んだメインコピーと右下の2枚組の写真で縦のラインを作っていますが、バランスを考慮して「2021-2022」も縦に配置しました。
テンプレートを利用した年賀状作りのコツ
1.写真のセレクト
今回はsachiさんが撮影した写真を6枚使い、「友達との楽しかったキャンプ」というテーマで年賀状を作りました。
写真セレクトのポイントは以下の通りです。
-
モチーフの多い写真ばかりを集めるとハガキ全体がゴチャゴチャした印象になるため、構図に空をたっぷり入れたものや、草花を背景にしたシンプルなものを一緒にセレクト
-
景色や食事、人物などいろんな視点で切り取った写真を盛りこむことで、ストーリーを意識
-
アングルや寄り/引きが違う写真を織り交ぜると変化をつけられる
子供や家族の写真で構成したい場合でも、顔や全身が写ったものだけでなく、手元・足元のアップなどもセレクトしてみましょう。
写真配置の決め方
このテンプレートに写真を配置する場合、①のいちばん大きいところから決めていきます。
- メインコピーが入るため、①は余白の多い写真
- ②と③、⑤に情報量の多い写真を
- 間を埋めるように④と⑥に情報量の少ない写真を入れる
2.メッセージを入れる
相手へのメッセージを書きこむ場合、短いメッセージであれば赤で囲んだ左側のスペースに。たくさん書きこみたい場合は切手面を利用していただくのがよいと思います。
※GLAM PRINTでは切手面への文字入力ができないため、手書きで書きこむ場合。
3.背景色を選ぶ
ハガキの背景色によっても、印象が大きく変わります。今回GLAM PRINTで使用できるテンプレートは、背景色の選択が可能です。
上は背景を「濃いベージュ」にしたパターンです。濃い色にすると一気にシックなイメージになりますね。色を選ぶ際のポイントは、写真の中にある色に近いものを使用すること。木やパンケーキなど茶系が入っているので、濃いベージュがマッチしました。
GLAM PRINTで選択できる背景色にした他パターン(左:薄いベージュ、右:薄いブルー)。
ご自身の写真に合うテーマカラー選びも、ぜひ楽しんでください!
harukaさんデザインの年賀状作りのポイント
モチーフの多い写真ばかりではゴチャゴチャした印象になるため、背景がシンプルなものを一緒に選ぶ
いろんな視点で切り取った写真を盛りこむことで、ストーリーを意識
背景色は写真の中にある色に近いものを選ぶとマッチしやすい
2人のデザインテンプレートで年賀状を作ってみよう!
2人が作成した年賀状デザインは、「GLAM PRINT」のデザインテンプレートとして登録され、実際に使用することができます。
作り方は簡単です!
デザインを選んだら、自分の写真を反映して、メッセージを入力。差出人情報を入力したら、後は発注で年賀ハガキに印刷されます。
※作成には会員登録が必要です。
GLAM PRINTの作成画面。写真を選択し、文字を入力したり、背景色を選択できます。
GLAM PRINTで印刷したハガキは高級感のある厚みと優しい手触りが特徴で、ツヤあり・ツヤなしを選ぶこともできます。また、宛名印刷もでき、宛先への直接投函や自宅へまとめて宅配も選べるので、とても便利です。
今回2人のデザイナーが作成したNICO STOPオリジナルデザインを活用して、今年1年撮りためた写真を見返しながら、年賀状作りをぜひ楽しんでください!
>以下からデザインを選択すると、実際に年賀状を作成できます。
https://glam-print.com/lp/nicostop
協力:GLAM PRINT
写真提供:tommy(@tommy_coconarq)
→tommyさんの家族写真を掲載している記事はこちら
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Designer
sachi
北海道在住。エディトリアルデザイナー。北海道のライフスタイル雑誌のデザインを行う傍ら、“北海道の自然と人”をテーマにフィルム写真をメインに撮影。日々写真とデザインの組み合わせの表現を模索している。
haruka homma
滋賀と京都を拠点に活動するグラフィック・WEBデザイナー。2020年に出版レーベル「湖畔」を立ち上げ、アートディレクターとして芸術・文芸分野の本づくりを行っている。