芸人たちを撮り続ける、お笑い芸人「かが屋」加賀さん(@kagaya_kaga)。独特な視点で写したオフショットやライブ風景が、SNSやメディアで話題になっています。前回の記事では、カメラをはじめたきっかけから、芸人を撮ること、写真の魅力についてのインタビューをお届けしました。
今回は加賀さん自身に、写真で伝えたいお笑いの魅力を語っていただきます。
はじめまして。僕は「かが屋」というお笑いコンビで活動している、お笑い芸人の加賀翔と申します。
ご存じない方の目に触れる前提なので、他所行きの姿勢で文章を書いています。普段、活動している場とはとても雰囲気が違うため、肩には力が入り顔もこわばります。ただ僕のことを知ってくださっている方は「おいおい、ついにこんなところにまで入り込んだのか」と驚きながらも、喜んでいただけているのではないでしょうか。
左:加賀翔、右:賀屋壮也。2015年にお笑いコンビ「かが屋」を結成(マセキ芸能社)。
かが屋というコンビでは、主にコントを披露するなどの活動をしており、そのネタが生活の範囲内から生まれているものも多いため、『プロ日常切り抜き師』というキャッチコピーをつけていただくこともありました。正直なところかなり照れくさいのですが、このキャッチコピーはまるでフォトグラファーや写真家を表す別の呼び名のようにも聞こえます。なので、僕がカメラを持って歩くことは、絵に描いたような『プロ日常切り抜き師』になってしまうと思い、一時期はカメラを持つこと自体が恥ずかしく感じたこともありました。
愛用しているD800。落としてファインダー部分が壊れたものをテープで補強している。
しかし、その照れくささや恥ずかしさ以上に写真を撮ることは楽しく、気がつけば8年ほどNikonのカメラを持ち続けていて、ついにはNikonさんから公式にお仕事をいただき、こうして文章を書かせてもらっています。何事も続けてみることが大事なのだと感じる人生、感無量です。
芸人として写真を撮ること
もしお笑いをやっていない人生だったとしたら、別の形でカメラをはじめていても、こんなふうにハマっていなかったと思います。そのくらい芸人の写真を撮ることは楽しく、魅力的だと感じています。
爆笑問題 田中さん・太田さん
何度も何度も考えていることではあるのですが、やっぱりどう考えても、こんなに笑っている人の多い業界は他にないんじゃないでしょうか。そして、日常生活では絶対に見ることのできない突拍子もない格好やキテレツな小道具、かと思えば漫才師のビシッと決まったスーツ姿。そりゃ、写真撮るの楽しいだろうと思います。自分が芸人をやっているおかげで、フォトグラファーさんでは入れないようなところまで共有することができるわけですし、本当に自分が芸人をやっていてカメラが好きでよかったなと感じます。
脳みそ夫さん、ウエストランド 河本さん・井口さん
ただ、はじめからこんなふうにガンガン撮れていたわけではなく、人見知りもあったので、今こうしていろんな場所で写真を撮らせてもらっているのは、本当に先輩たちのおかげです。
コンビを組むのとほぼ同時にカメラを手にしたので芸歴=カメラ歴になるのですが、マセキ芸能社に入って最初の仕事もライブのフォトグラファーでした。僕がカメラ好きだと知ったスタッフさんが、ライブの写真を任せてくれたんですね。人見知りだった僕は「ここでがんばらないと」と思って、いろんな芸人さんに声をかけてとても張り切りました。
マセキ所属芸人のライブ
しかし、その振る舞いがあまりにもそれっぽすぎて、本当にフォトグラファーだと思われてしまったり、スタッフとして道を聞かれたりしてしまいました。僕はそのことにツッコめるほどの度胸はなく、誰も知らない若手がはしゃぐわけにはいきません。これは、「カメラを持ち歩いて覚えてもらうのは難しいから、ちゃんとコントをがんばらないとな」と気を引き締めました。そこからはとにかくコントを一生懸命やっていたのですが、どこかで「ストイックな子」というような印象になってしまい、とっつきにくいと思われていたみたいです。
毎月7日から11日までの期間が事務所ライブで、他の人たちはそこで話して仲良くなったりしていたのですが、僕はなかなか話せずにいました。しかしあるとき、カメラのおかげでその状況が変わります。
事務所ライブは開場中に音楽を流すのですが、その30分くらいのプレイリストを月替わりで芸人さんが作ることになっていました。その月担当の芸人さんの写真を告知も兼ねて事務所の人がTwitterに上げていたのですが、僕の趣味がカメラであることを知っていたスタッフさんが「その写真を撮ってほしい」と任せてくれたんです。
同じ事務所の先輩、安原カラスさん
そのおかげで、各コンビやピンの先輩と一対一で話せる時間を作ってもらえて、それがきっかけで事務所ライブで話せる人が増え、その人がまた他の人に写真のことを話してくれて、とてもいい循環が生まれました。そこからは、撮るか撮らないかわからなくても、毎日必ず首からカメラをぶら下げておくようにしていましたし、もしチャンスがあれば写真を撮らせてもらっていました。
毎日持つのは大変でしたが、根性のおかげで段々と「カメラのやつ」というふうに覚えてもらえるようになりました。何より、ライブの写真を共有できることが、とても楽しかったんですね。
同じ事務所の先輩、ジグザグジギー 宮澤さん・池田さん
劇場ではオンとオフの姿をどちらも見ることができて、その姿を撮ることはとても楽しいです。といっても、いわゆる「仕事モードに切り替える」ことは芸人にはほとんどなく、やることが違うだけで芸人はずっと芸人なんですね。ライブの合間には何かおもしろいことがないか散歩に行ってみたり、集まってご飯を食べてそこでお互いの話をしたり。
なので、そのままのテンションで舞台に立ったりする人もいて「そこまで言っていいの?」ということや、逆にゆるすぎる瞬間を見ることがあります。これがたまらないです。ライブでしか見られない表情というのが間違いなくあって、写真を撮ることでよりはっきりしたというか、僕もお客さんもそこに取り憑かれているんじゃないかなと思うようになりました。
オフとは違うかもしれませんが特に覚えているのは、合間に事務所の先輩・三四郎の小宮さんが「散歩に行こう」と誘ってくれたときのことです。
流れ星☆ ちゅうえいさんと三四郎 小宮さんと散歩しているときの写真
マセキの中では少しだけ写真のイメージを持ってもらえていたのですが、他の事務所の先輩を撮らせてもらうことはあまりありませんでした。そんなときに東京以外でのライブで一緒になった小宮さんが、流れ星☆のちゅうえいさんと3人で「せっかくだし散歩しよう」と声をかけてくれて、「よかったらカメラも持ってきたら?」と言ってくれたんです。
ちゅうえいさんもとても優しくて、どんどん写真を撮らせてもらえました。そうして夢中になっていたら僕が転んでしまって、二人が心配してくれたのですが、僕は自分のことを無視してシャッターを押したんです。そうしたら、それをおもしろがってもらえて、各地へライブで行くときには合間で写真を撮らせてもらえるようになり、これまでだったら話せなかったような先輩と話せるようになりました。
ザ・マミィ 酒井さん、三四郎 小宮さん
ぜひとも「ライブ」を観てほしい芸人さんたち
これを読んでいる方で、「お笑いライブを生で観たことがある方」はどのくらいいらっしゃるでしょうか。
写真を撮ることが好きな方は、言ってしまえば生であること、ライブの魅力に取り憑かれている方なのかなと思います。そんな方にこそお笑いのライブを観てもらいたいです。ただのお笑い好きが業界に入って、さらにお笑いを好きになれているというのは、とてもラッキーなことですし、できれば伝えていきたいと思っています。
ライブにはたくさんの思い出が詰まっていますし、これからもどんどん増えていくはず。どうか来てもらえたらうれしいので、その手助けになるかわかりませんが、僕が好きな芸人さんを紹介したいと思います。
三四郎 小宮浩信さん・相田周二さん
まずは事務所の先輩の三四郎さん。先ほども書きましたが、本当にあらゆる場面でたびたびお世話になっている先輩です。
はじめて三四郎さんを知ったのはマセキのオーディションを受ける前、「どんな人がいるんだろう」と思ってマセキの公式YouTubeを観たのがきっかけです。はじめて観た三四郎さんの漫才はあまりにも異質で本当に度肝を抜かれました。
これまで自分が知っている漫才とはまったく違う導入で、パンクロックを見ているような衝撃でした。全部壊すような勢いで進んでいって最後は余韻もなく一瞬で終わってハケていく姿に、「東京はやばい、とんでもないところに来てしまった」と絶望しました。
ライブ中で、舞台袖から僕が見ている光景に非常に近いものです。自分の出番が終わった後は大体袖にしゃがんで、先輩のネタを観ています。
ネタ中の三四郎さんを撮るときにとても魅力的なのは、お二人の表情が対照的なところです。小宮さんはしかめっ面だったり驚いたりとても忙しく、対する相田さんが終始飄々としていて素直に笑うところが見ていてとても楽しい。
オフショット
モグライダーさんのネタを観ている小宮さん。小宮さんはよく袖にいて、他の人のネタを観ているイメージがあり、そのときの表情がいつも楽しそうなので写真を撮りたくなります。
モグライダー 芝大輔さん・ともしげさん
次も事務所の先輩、モグライダーさんです。
かが屋を組むことになって少しした頃、どこの事務所に入るかいろいろと探していて、その中でマセキはオーディションがあると知りました。それを受けるためには事務所ライブを観て、そのチケットの半券が必要になるとのこと。勉強もかねて新宿の劇場にそのライブを観に行ったのですが、そこで観たモグライダーさんの漫才は本当にすべてがその場で生まれていて、劇場を出てからもしばらく立ち尽くしてしまいました。
漫才中のモグライダー 芝さん。こちらだけ見ると漫才の途中とは思えない瞬間。
お二人の漫才は、何十回観ても毎回絶対に違うところが魅力だと思います。ともしげさんは噛んだり間違えたり絶対に何かがうまくいかなくて、いつどんなふうにそれが起きるかわかりません。それを受け流すように応えていく芝さん、さらに間違えるともしげさん。次は一体どうなるのか絶対に目が離せない、そう感じるのはとんでもないことで、絶対に真似できない魅力だと思います。
オフショット
こちらの写真はモグライダーさんがライブDVDを出されるとき、僕にそのジャケットの写真を任せてくださり、その撮影の合間に撮ったものです。
「キラキラした感じに」ということだったのですが、当時の僕はまったく知識がなく、フィルターにマーガリンを塗って線を入れようとしてみたのですがうまくいかず、当日はクロスフィルターを買って臨みました。これがなかなかに難しく悪戦苦闘したのですが、お二人がとても優しくいろいろなことを試してくださったので、「もっとがんばりたいな」と思えるきっかけになりました。
ルシファー吉岡さん
続いては、ルシファー吉岡さん。マセキの先輩がすごく好きなんですね。
ルシファーさんは勝手に先生のように思っている先輩で、自分たちのコントにとってとても大事な部分を勉強させてもらっています。具体的な箇所を言うのは恥ずかしいのですが、ルシファーさんの単独ライブを手伝わせてもらったことがきっかけで、自分になかった発想や気配りなどを見せていただいた気がします。
コントの設定が下ネタなものであることが多いので、そのイメージの方もいらっしゃるかと思いますが、僕はその見せ方や包み方の上品さにいつも痺れています。どこか少し紳士に見えたり、博学なんだろうなというキャラクターが登場するので、その論理や感情に心を打たれます。
事務所ライブの最中、舞台袖から撮影した写真。
特にルシファーさんを撮るときに意識しているのは、本当にそこにいる相手と話しているように撮れたらいいなということです。一人でのコントはシチュエーションや話している相手の特徴を身振りや言葉でお客さんに想像してもらう必要があります。ルシファーさんのネタを見ていると、本当に相手がいるように感じてくるので、その感動が少しでも伝わればと心がけています。
オフショット
こちらは、ルシファーさんとかが屋の3人でユニットコントをしたときの楽屋の写真。ずっと単独のお手伝いをしていたので、「一緒にコントをする」という念願が叶っています。打ち合わせをしているとき、練習しているとき、写真を見返して楽しかったのを思い出せるというのは、カメラ冥利に尽きます。ルシファーさんが足の遅い天狗で、子供に逃げられまくるというコントでした。
錦鯉 長谷川雅紀(まさのり)さん・渡辺隆さん
続いては、錦鯉さん。
錦鯉さんは「これぞ日本のおじさん」というような雰囲気なのですが、お二人ともタイプが違うのでセットで見たときに他の人にはない哀愁と渋み、今では凄みも感じます。
はじめて会ったのは新宿バッシュという劇場だったのですが、僕らのネタを見たまさのりさんが「すごいおもしろいよね! 実力派だ!」と大きな声で言ってくれたことがあったのですが、なぜかそのトーンや明るさにくすぐられているように笑ってしまいました。
お二人の魅力は、「静と動のおじさん」であるところだと思います。しっかりど真ん中のおじさんに見える隆さんと「こんなおじさんいるわけない」というまさのりさん。信じられないくらいふざけているネタなのに妙な説得力があったり、隆さんの安心感が心地よかったり、ベテランの魅力だと思います。
ネタ中ほぼずっと動き続けているまさのりさんと、ツッコむとき以外ほとんど動かない隆さん。一度そのことに気がつくと、そこからはずっと楽しい。シャッタースピードを少し遅くして「残像を出せたら」と思って撮ることもあります。
オフショット
こちらはライブの差し入れでメロンをいただいときの楽屋、見たままですがメロンを食べるまさのりさんです。メロンを食べているだけなのに、メロンへの情熱が伝わってくるというか、気持ちがこもっていてとても好きな写真です。
ZAZYさん
最後は、ZAZYさん。
ZAZYさんのネタの魅力は、次から次へとはじめて聞く言葉を叩き込まれていくうちに、まったくわからなかった言葉がなぜかすんなり入ってきて、どんどん受け入れていってしまうところに謎の快感を感じるところだと思います。「ZAZYさんは今日どんなことをやるんだろう」というワクワク感。そこが魅力です。
一度ラジオのゲストに来ていただいたことがあり、そこからちょこちょこご飯に行かせてもらうようになったのですが、プライベートでいちばんご飯に行っているのはZAZYさんかもしれません。
こちらは、ZAZYさんが主催のライブに呼んでもらったときに撮影したもの。暗転中はかなり暗くなるので、ライブ撮影は感度を上げていることが多いです。
ZAZYさんは言わずもがなのフォトジェニック。実際に写真を撮る人たちからの人気もすごいらしく、「ZAZYを撮りたい」という声がたくさん届くみたいです。
ZAZYさんはオンオフ問わず常に衣装のような服で、いつも会うのが楽しみ。ZAZYさんを劇場で撮るときは、ギラギラの照明や少し暗くなっているときを狙って、他の人には出せない妖しさを撮れたらいいなと思って臨んでいます。
オフショット
こちらはラジオにゲストで来てくださったときの写真。ラジオなのにしっかりと衣装を着て、別でしっかりコントも撮りました。
僕も着用。このときはマネージャーさんがまだカメラに慣れていなかったので、少しだけピントがズレていますが、ここからぐんぐんとうまくなっていきます。
そして、自分たち「かが屋」と相方・賀屋のこと
この写真は、自分たちの単独ライブのジャケットやパンフレットみたいなものに使えないかと撮ってもらった写真。かが屋の写真は自分でなかなか撮れないのですが、僕がマネージャーさんにお願いして撮ってもらうことがあり、最近ではマネージャーさんもどんどんとカメラを使うのが上手になってきていて、僕よりいい写真だなと思うことがあります。
自分たちを撮ってもらうときは服が地味なので、背景が派手なほうがいいなと思っています。なので、海の写真はすごく気に入っています。地味だから溶け込みやすいというか違和感なく写れるのがいいところだと思います。
相方の賀屋は、写真との相性がいいほうだと思います。僕に撮られ慣れていることもありますが、あのくらいのロン毛でしっかりデカいというのはなかなかいませんし、最近では自分から「ここよさそうじゃない?」と言うようにもなりました。
こんな離れた場所に立ってもらってお願いできるのは、コンビ間じゃないとなかなか難しい。
昔の単独でやったネタの写真。小さな子供を笑わせるために、あの手この手で工夫をするフォトグラファーというネタでした。
寝っ転がっているのに、寝っ転がっていないみたいに堂々とした顔をしている賀屋。
賀屋のいいところは、堂々とした顔をするのがうまいところだと思います。顔の印象と真顔の相性がいいのかもしれないです。いろいろな写真を見るとよくこの顔をしていますが、「なんでその顔できるの?」という疑問がおもしろいところかもしれません。
不思議なのですが、よく考えたら芸人の中でもかなり写真の多いコンビだと思います。特に賀屋は相当な枚数残っているので、おじいさんになったとき、写真を振り返るだけでもおもしろいんじゃないでしょうか。見た目も雰囲気も地味ではありますが、こうやってたくさん残っていることで、後々に記録として楽しめるコンビになったらいいなと思います。
カメラとこれからについて
今回、Z 7IIと Z 9を使わせてもらってびっくりしたのは、本当にライブと相性がいいということです。静かなネタ中や隙間でシャッター音が漏れることはタブーなので、シャッター音を抑えてこの画質・このAF性能を発揮しているというのは、D800を使っていた身としては驚愕です。
モグライダー 芝さん
ライブ中の芝さんの写真で感じましたが、はっきりと顔が見えていなくても「ここだろう」と予測して追いかけてくれたり、背中を向けていてもしっかりと顔を追ってくれるのは楽すぎてびっくりしました。
レンズも自分が撮ったものじゃないみたいにきれいな写真が撮れるので、持ち歩くだけでも楽しかったです。NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR Sは、ほとんどの劇場で漫才を撮るときにも、コントを撮るときにも、袖から撮るのにピッタリで圧倒的な活躍を見せてくれました。
劇場は舞台以外が暗かったりするので、明るいズームレンズがあるという安心感があり、人を撮ることが確定しているのでこれ1本で舞台・楽屋・道中すべてが補えました。パソコンに取り込んだとき、これはもう元には戻れないと、半分喜んで半分落ち込んだくらいです。
今回カメラとレンズを使わせていただき、日に日に装備が大きくなっていくのでみなさんがいじってくれたり、逆にずっと見ていた人は「おめでとう」と声をかけてくれたりしました。あと、現場でフォトグラファーさんが Z 9に興奮してくれて話しかけてくださることが、とてもうれしかったです。
Z 7IIと Z 9は返却して、今手元にはD800だけに。もちろん大好きなカメラで、音もとても好きなのですが、Z 9に触れてしまったことで、とんでもない金額が頭をよぎってしまっています。
恐ろしいのがこのタイミングで Z 8が出たことです。「運命なのでは」と言い聞かせて、とんでもないローンを組んでしまいそう。
ただ Z 7IIも非常に気に入っていて、メカシャッターで音があることが、芸人さんを撮るときにはとても必要なのだと感じました。みなさんサービス精神が豊富なので、シャッターを切る音でポーズや表情を変えてくださることに気がついたときは、びっくりしました。
こんなにも苦しく楽しい悩みは他にないように感じます。しかし、Z 8をどこかで触らせてもらったらおしまいな気もする。もっと売れてお金を貯めます。
これからのこと
写真を撮ることを通じて、たくさんの芸人さんの姿を見てもらいたいですし、自分がきっかけで「少しでもライブに足を運んでみよう」と思ってもらえるようになったらいいなと思います。
そうして、さらに盛り上がっているライブに自分も出て、写真も撮れたらこの上ないですね。これからも芸人さんとそのライブを撮り続けていきたいです。
あと、マセキの同期や後輩の写真ももっと撮っていきたいです。あまりに芸歴が離れるとどんどん話せなくなっていくので、今のうちにみんなと会って話して撮っておきたい。春組織やマタンゴなど、知ってほしい人がたくさんいるので、マセキの宣材写真を任せてもらえるように、僕ががんばります。
Supported by L&MARK
※D800の写真は過去に撮影されたものです。
加賀翔
マセキ芸能社所属のお笑い芸人。賀屋壮也とのコンビ「かが屋」のメンバー。コンビ結成と同じ2015年に、カメラを購入。WEBや雑誌で写真に関する連載を持つ。『キングオブコント2022』で、2度目の決勝進出。レギュラー番組『かが屋の鶴の間』、『かがやけ!ミラクルボーイズ』、初小説『おおあんごう』刊行。