何気ない光景がアートに変わる!嵐田大志流「ミニマル写真」のススメ

はじめまして、フォトグラファーの嵐田大志(@Taishi_Arashida)です。

ライフワークとして家族の日常写真を撮っている僕ですが、今回はサイドプロジェクト的に撮りためている「ミニマル写真」というジャンルをみなさんにご紹介したいと思います。

 




ミニマル写真って?

ミニマル写真は字のごとく、「minimal=最小限の」画面構成で成り立っている写真のことで、海外では以前から人気の高いジャンルの一つです。特に欧米においては、写真や絵を額装して飾る文化が根付いていて、主張が強すぎずインテリアと調和しやすいミニマル写真は市民権を得ているように感じます。

ミニマル写真は場所を選ばず、日常の中のちょっとした空き時間の中でも撮影できるのでオススメです。実際…今回ご紹介する作例は、ほとんどが撮影に行こうと思って撮った写真ではなく、ふとした瞬間に「あ、これミニマルに切り取れそう」と思いついて撮ったものです。

言葉だけではわかりにくいと思いますので、具体的に過去のミニマル写真の作例を見てみましょう。

 

何気ない光景がアートに変わる!嵐田大志流「ミニマル写真」のススメ

何気ない光景がアートに変わる!嵐田大志流「ミニマル写真」のススメ

何気ない光景がアートに変わる!嵐田大志流「ミニマル写真」のススメ

何気ない光景がアートに変わる!嵐田大志流「ミニマル写真」のススメ

何気ない光景がアートに変わる!嵐田大志流「ミニマル写真」のススメ

 

ひと口にミニマル写真と言っても、これといって決まりがあるわけではありません。おそらく100人に聞けば100通りの答えが返ってくるでしょう。あくまで僕の場合ですが、ミニマル写真を撮るときに意識しているのは4つのポイントです。

  1. 写真を構成する要素を絞る
  2. 余白を効果的に使う
  3. 写真のキーカラーを意識する
  4. パターンや直線を効果的に取り入れる

4ポイント全部ではなくても、1つか2つ気にするだけでミニマリスティックな写真が撮れると思います。今回、撮り下ろした写真とともに、各ポイントをご紹介していきますね。




Point.1 写真を構成する要素を絞る

写真を撮っていて、よくばって「富士山+海+新幹線」みたいに要素を満載にすることはありませんか?「写真は引き算」と言われますが、ことミニマル写真に関しては、引き算からさらにもう1要素引くぐらいの気持ちで撮りましょう。何か物足りない?と思ってもグッとこらえてください(笑)

 

NIKKOR Z 50mm f/1.8 S

NIKKOR Z 50mm f/1.8 S

NIKKOR Z 50mm f/1.8 S

NIKKOR Z 50mm f/1.8 S

NIKKOR Z 50mm f/1.8 S

NIKKOR Z 50mm f/1.8 S

NIKKOR Z 24-70mm f/4 S

NIKKOR Z 24-70mm f/4 S

NIKKOR Z 24-70mm f/4 S

NIKKOR Z 24-70mm f/4 S

NIKKOR Z 24-70mm f/4 S

NIKKOR Z 24-70mm f/4 S

 

ちなみに街中で要素を絞るのは非常に難しいです。通常のストリートフォトでは街ゆく人々をフレームに入れてライブ感を演出するのが王道ですが、ミニマル写真らしくするには上の写真のようにカメラを上方に向けるなどして人が写り込まないようにします。あたかも街から人の気配を消し去るような感覚です。

 




Point.2 余白を効果的に使う

たっぷりと余白を確保するのも効果的です。イメージとしてはフランス料理の「大きなお皿の真ん中に料理がポツン」のあの感じです。

 

NIKKOR Z 50mm f/1.8 S

NIKKOR Z 50mm f/1.8 S

NIKKOR Z 24-70mm f/4 S

NIKKOR Z 24-70mm f/4 S

NIKKOR Z 50mm f/1.8 S

NIKKOR Z 50mm f/1.8 S

 

写真において「三分割構図」という理論があります。画面を縦横に三分割した交点に被写体を配置するとバランスがよくなるという考え方です。余白をたっぷり確保したいミニマル写真においては、この理論は一度忘れてしまってOKです。例えば夕焼けの写真では、三分割よりかなり下方に富士山を配置してみました。

 

ミニマルTIPS

Point.1~2を実現するためには、トリミングも大いにアリです。上のジェットコースターの写真は下のように大胆にトリミングしました。

 

何気ない光景がアートに変わる!嵐田大志流「ミニマル写真」のススメ

 

望遠レンズがあればズームして切り取ることもできますが、このときは50mmのレンズしかなかったのでトリミング前提で撮りました。大事なのはトリミングした後の完成形をイメージした上で撮影することです。トリミング前の写真もミニマルに近いのですが、画面右端の展望台や下の建物群などの要素を排除することで、よりドリーミーな空気感が生まれたと思います。

 

何気ない光景がアートに変わる!嵐田大志流「ミニマル写真」のススメ

 

また、街中を「引き」の構図で取った写真はどうしても要素が多くなるため、ミニマルとして成立しづらいですが、通行人が見える部分をトリミングすることで整然とした雰囲気に仕上がります。

 

NIKKOR Z 24-70mm f/4 S

NIKKOR Z 24-70mm f/4 S

 

看板の文字や色の要素は多いものの、トリミングと青空の余白によってミニマル写真らしさは出せたのではないでしょうか。

 




Point.3 写真のキーカラーを意識する

ミニマル写真においては、キーとなる色を決めて撮影するのもオススメです。画面構成がシンプルなゆえにインパクトに欠けやすいので、ビビッドな色をキーカラーに持ってくるのもおもしろいと思います。

 

NIKKOR Z 50mm f/1.8 S

NIKKOR Z 50mm f/1.8 S

NIKKOR Z 50mm f/1.8 S

NIKKOR Z 50mm f/1.8 S

NIKKOR Z 24-70mm f/4 S

NIKKOR Z 24-70mm f/4 S

NIKKOR Z 50mm f/1.8 S

NIKKOR Z 50mm f/1.8 S

 

ポイントとなるカラーは1色に絞ってもいいですし、上の花とフェンスの写真のようにピンクとブルーの2色の組み合わせでも◎。暖色と寒色、補色関係などをうまく取り入れると目を引くことができると思います。

 




Point.4 パターンや直線を効果的に取り入れる

風景の中からパターンや直線を見つけ出して撮ってみると、ミニマルな世界が見えてくることもあります。例えば、道路標示のような人工的なものも大胆に切り取るとリズムが生まれてきます。

 

NIKKOR Z 50mm f/1.8 S

NIKKOR Z 50mm f/1.8 S

NIKKOR Z 50mm f/1.8 S

NIKKOR Z 50mm f/1.8 S

NIKKOR Z 50mm f/1.8 S

NIKKOR Z 50mm f/1.8 S

NIKKOR Z 50mm f/1.8 S

NIKKOR Z 50mm f/1.8 S

NIKKOR Z 50mm f/1.8 S

NIKKOR Z 50mm f/1.8 S

 

世の中には人工物や自然のものを問わず、意外に直線や曲線、パターンなどが存在しています。写真を撮っていないときもそういうものがないか探す練習をすると、一見つまらない景色もおもしろく感じると思います。

 

ミニマルTIPS

生き物の群れなどを、パターンとしてとらえることもできます。

 

NIKKOR Z 50mm f/1.8 S

NIKKOR Z 50mm f/1.8 S

NIKKOR Z 50mm f/1.8 S

NIKKOR Z 50mm f/1.8 S

 

 




ミニマル写真の可能性

ミニマル写真は、シンプルゆえに単体で見た場合はややインパクトに欠ける場合があります。ところが複数のミニマル写真を組み合わせるとどうでしょう…クールなアートワークっぽく見えてこないでしょうか? 一見関連性のない写真が「組み合わせの妙」によって、より魅力的に見せやすいのもミニマル写真ならではです。

 

何気ない光景がアートに変わる!嵐田大志流「ミニマル写真」のススメ
何気ない光景がアートに変わる!嵐田大志流「ミニマル写真」のススメ
何気ない光景がアートに変わる!嵐田大志流「ミニマル写真」のススメ
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何気ない光景がアートに変わる!嵐田大志流「ミニマル写真」のススメ
何気ない光景がアートに変わる!嵐田大志流「ミニマル写真」のススメ

 

上の6枚の写真は撮影場所が違いますし、人工物もあれば生き物もあり、関連性はまったくありません。しかし、いずれもミニマル写真を撮るときの4ポイントを忠実に実践していて、ランダムに組み合わせてもしっくりなじんでいると思います。

 

Photographer’s Note

写真は言うまでもなく、平面で3次元を表現しています。一般的には、前景や背景を効果的に重ねながら立体感を表現するわけですが、ミニマル写真に限っては「3次元の世界を平面的なグラフィックのようにとらえる視点」が必要です。最も大事な要素なので、もう一度言いますね。「3次元の世界を平面的なグラフィックのようにとらえる視点」です。

ミニマル写真のいいところは、今回紹介した4ポイントさえ押さえれば誰でも簡単に撮れること。わざわざ絶景スポットに出かけなくても、街中のちょっとした光景を切り取ればアラ不思議、何だかちょっとアーティスティックになるんです。写真って「嘘も方便」的なところがあって、ごちゃごちゃしていたり、写したくない部分をカットしてきれいに見せちゃっていいと僕は思っています。

日本ではまだまだ主流とは言えないジャンルではありますが、「ミニマル写真」撮ってみたくなりませんか?

 

ミニマル写真を撮るときに意識する4つのポイント

  1. 写真を構成する要素を絞る
  2. 余白を効果的に使う
  3. 写真のキーカラーを意識する
  4. パターンや直線を効果的に取り入れる

 

Supported by L&MARK

※撮影協力:江⼾東京たてもの園/東京都小金井市桜町3-7-1(都立小金井公園内)/TEL: 042-388-3300
https://www.tatemonoen.jp/

 

 

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Z 6

製品ページ ニコンダイレクト
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NIKKOR Z 50mm f/1.8 S

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NIKKOR Z 24-70mm f/4 S

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嵐田大志

嵐田大志

本業の傍ら、東京をベースにフォトグラファーとして活動。LightroomやVSCOを活用し、フィルム風の空気感を表現。家族や身近なものを中心にしつつ、頻繁に旅する海外でのスナップを撮り続けている。