こんにちは、NICO STOP編集部(@nicostop_editor)です。
9月も間もなく終わり衣替えが近づくこの時期、「夏」というキーワードが入ったタイトルに驚かれた方もいると思いますが、実はこの夏あるプロジェクトを進めていたんです。
それは、NICO STOP参加フォトグラファー10人による「季節の新しい切り取り方」。夏のテーマは…「スイカ」です! 10人のフォトグラファーたちも「スイカ…!?」と驚かれていました。
最近フィルムカメラをはじめたモデルの稀ちゃんにも特別に参加していただきました!
非常に限定的なテーマですが、そこから10人がどんな発想で、どんな視点で、「スイカ」で夏を描くのか? 各フォトグラファーの作品と着眼点を通じて、発想~表現のプロセスを知ってもらったり、新しい撮り方の参考になるのではないか…という想いでテーマを選びました。
夏の「自由研究」とも言えるような、新しい試み。10人がスイカで表現する「夏」の共演をぜひお楽しみください。きっと、季節の新しい切り取り方の参考になるはずです!
- もなみん「ふたつ・ふたつ」
- 酒井貴弘「スイカと透明感」
- jyota「ぼくの夏の思い出」
- 松浦稀「水彩花」
- 澤村洋兵「潤す」
- 嵐田大志「双子たちの夏休み」
- Hana「記憶」
- nano「あの娘と、夏の残像」
- yasuka「晴れたら」
- yuki「二人で過ごした夏休み⑧」
- 【本イベントは終了しました】写真投稿募集の特別編を開催します!
もなみん「ふたつ・ふたつ」
「友人と過ごす瞬間を切り取ること」が多いのですが、大好きな夏の「夏らしさ」を表現する一方で、やわらかい光でつつむことで「夏が終わってしまうさみしい気持ち」を表現しました。
スイカでないもの(赤いワンピース)をスイカに見立てることで、写真にアクセントを加えています。もともと青みのある写真を撮るのですが、青みによりスイカが引き立ったかなと思います。
そして、各写真は何らかの対にしているので、タイトルも対にしよう!…と。リズムが生まれて、視覚的にも印象に残るかなと思ったのですが、どうでしょうか?
もなみん
東京在住のフォトグラファー。季節をテーマに、友人と過ごす瞬間をメインにフィルムカメラで撮影している。企業PRなどの撮影、旅行系メディアでの執筆など、幅広く活動中。「たいていワンピースを着ています」
酒井貴弘「スイカと透明感」
普段はポートレート作品をメインにしていますが、「スイカ」というお題をいただいて、人物ではないスイカという果物でも「透明感」というものが出せるのか挑戦してみようと思い撮影しました。
- 動かないスイカで、動きや表情をいかに出すか
- 川で水をかけたり、水の輝きや滴り、切った直後のみずみずしさを生かす
- スイカに命があるように、生きているような写真表現に挑戦
- 過ぎた夏を懐かしめるように「夏らしい爽やかさ」を詰め込む…等々
「透明感」という言葉は抽象的な言葉で、具体的に何を示すのかは僕自身もわかっていないところもありますが、スイカという夏の風物詩から夏の暑さの中にある涼しさが届けられたらいいなと思っています。スイカで透明感、感じてもらえたでしょうか?
酒井貴弘
関東を拠点にしながら活動するフォトグラファー。ポートレートを中心に作品を発表し、Instagramのフォロワー数は約2年間で5万人(2019年6月現在)を超える。写真教室やオリジナルプリセットも手掛けるなど幅広く活動中。
jyota「ぼくの夏の思い出」
「スイカ」というテーマをいただいて、この日はスイカを一日中持ち歩いて過ごしました。
普段は食べ物やアイテム、食べているシーンを撮影しないので、とても新鮮! お互い楽しく味わいながら撮影できました。スイカを買ってから食べるまでの表情の変化を、4枚の写真で表しています。
スイカを彼女の一部だと思って撮影しました!
jyota tomonori
関西在住の写真家。彼女の写真をメインにしたSNSが人気で、Instagramのフォロワーは4.7万人を超える(2019年4月現在)。彼女のmisuzuさんと一緒に開催している動画講座も人気。
松浦稀「水彩花」
スイカをよく食べたのは幼稚園ぐらいのとき。記憶は曖昧でした。でも、どこかわくわくする、楽しい想い出の中にあるような気がして。そんなキラキラと想い出の中で輝くスイカをイメージして撮影しました。
が…はじめての本格的な作品撮りは、とても難しかったです。スイカのみずみずしさ、色、鮮やかさなど、スイカの美しさをたっぷり写そうと試行錯誤して、なんとか自分の中でフィットした4枚。
撮影も組み合わせも難しかった分、「あ、好きかも!」と思えたときがたまらなくうれしかったです。撮影後に食べたスイカは何だか一味も二味も美味しく感じました!
松浦稀
撮影モデルとしてだけでなく、書籍カバーモデルやMVにも多数出演。ダンスや舞台など、積極的に表現活動を続けている。主な出演作品に舞台「中田ステーションセブン」など。はじめてのフィルムカメラを手にしたことをきっかけに、写真意欲が急上昇中。
澤村洋兵「潤す」
スイカといえばみずみずしさ。
夏の渇きを潤してくれるもの。
というイメージから渇いた喉と体を潤す様とみずみずしさを表現しました。
みずみずしいスイカ。
みずみずしい肌。
水。
乾きから潤いを欲する。
澤村洋兵
美容師、和食料理人、バリスタ、珈琲焙煎士など様々な職業を経験してきた異色のフォトグラファー。
それぞれの職業で培った感性と器用さを武器に、ポートレートから風景、カフェ写真など幅広く活躍している。
嵐田大志「双子たちの夏休み」
スイカといえば、縁側! 直球で「古き良き日本の夏」を表現しました。イメージしたのは、おばあちゃん家でスイカを食べるシーン。
※ちなみにスイカを撮るときは、種の多い面が見えるようにするとスイカらしさが伝わります。
The日本の夏を双子が満喫している中で、種を気にせず大胆に食べる兄と、種が気になってちょびちょび食べる弟…という違いに気づいたある日の夏の情景でした。
嵐田大志
本業の傍ら、東京をベースにフォトグラファーとして活動。LightroomやVSCOを活用し、フィルム風の空気感を表現。家族や身近なものを中心にしつつ、頻繁に旅する海外でのスナップを撮り続けている。
Hana「記憶」
私はスイカが嫌いだ
スイカを食べると思い出すんだ
小さかったあの頃を
夏になると必ず食べていた
食卓に並び家族円になって食べて
種を飛ばして遊ぶ
そしていつからか
スイカを食べる事がなくなって
食卓からも消えた
昨日久し振りにスイカを食べた
シャリシャリとした食感と
水っぽさがどうも好きになれない
夏の夜
スイカを食べながら思い出した
家族で食べた小さい頃
旅先で出てきたスイカを
合宿の夜みんなで奪いあって食べたスイカを
友人と歩きながら食べたスイカを
懐かしい
恋しい
でもやっぱり好きになれない
私はスイカが好きではない
「スイカ」と聞いて思い浮かんだのは“昔の記憶”。小さい頃によく食べていたので、このイメージが湧きました。実は、今はもうスイカが嫌いなので、より懐かしい記憶として残っています。
今回、スイカから「赤と緑」「夏の印象」をイメージして作品づくりをしました。手に持っているのは「鶏頭」という花で、花言葉は「風変わり」「色褪せぬ恋」。消して色褪せない、思い出してしまうほど恋しい記憶…という意味を込めて、鶏頭という真っ赤な花を選びました。
そして、組写真の左3枚は過去を思い出す瞬間を切り取り、一番右は現在を指しています。懐かしくて切ない雰囲気を感じさせる左の3枚と、今を楽しむ雰囲気の写真を楽しんでいただければと思います。
Hana
フォトグラファー(平日は会社員)。美学生図鑑のフォトグラファーを務める。ポートレートだけでなく、風景やスナップ撮影にも力を入れている。
nano「あの娘と、夏の残像」
来年だって再来年だってずっと残る日がある、
それが今日だったりする。
誰だって過ごした事のある普通の一日が、
特別な一日だ。
夏の記憶の中で誰もが見たことのあるような光景を集めました。神社の屋台や暑い日のお昼寝、足早にかけていく浴衣の女の子とスイカを美味しそうに食べるあの娘。残像のようにいつまでも残る、ただの一夏の思い出。特別な記憶。
色で例えるなら夏は青、スイカは赤ってイメージを持つ方が多いんじゃないかなと考えていました。でも本当は、それぞれに残っている色はきっと違っているはず。既存イメージをなくすためにあえてモノクロで表現したいと考えました。
「今年見た夏の色はどうでしたか?」そんな問いかけをしたかった写真です。
Fujikawa hinano
Instagramで作品を投稿。グループ展やメディア執筆など、幅広く活動中。「日常と非日常の中にある曖昧さ、そして感情を丁寧に表現したいと思っています」
yasuka「晴れたら」
今年は晴れの日が少なかった九州。やっと晴れた日、みんなで山いく?海いく?川いく?とわくわくしながら遊んだ日の写真。本当に楽しく笑っている写真を撮りたかったので、全力で遊ぶことに力をいれました。その一瞬を切り取ることができたと思います。
スイカは切った(割った)ときの形が、心から楽しいときの全力の笑顔のように私には見えます。1枚目は晴れた日に笑ってるようなイメージ。2~3枚目は全力で遊んでいるとき、4枚目は遊んだ日に撮る記念写真のような写真を選びました。みんなスイカのような笑顔でした!
yuki「二人で過ごした夏休み⑧」
今年の夏休みを楽しく過ごしている二人のところにおじゃまして撮らせてもらいました。タイトルの⑧は、彼氏がTwitterで「彼女と過ごす夏休み①~⑦」までをアップしているので、その続きとなる特別編です。
スイカは「食べ物」としてより「赤い色の夏アイテム」として、一番映える色合いの場所に行きました。「俳句」なら季語が多過ぎるほど、スイカも含めて夏らしいものが写っている中で、さらに夏を楽しんでいる二人を撮影。これ以上ないくらいの「夏」をそろえました!
yuki
新潟県出身、在住の写真愛好家。豊かな自然の風景写真のほか、ロケーションを活かしたポートレートも撮影する。新潟の色鮮やかな四季を追いかけながら、日々写真愛好家として活動中。
いかがでしたか?
同じ「スイカ」でもこれほど多彩に、そして色鮮やかに「夏」の情景が描かれています。
季語のように「スイカ」をテーマにした夏のとらえ方。みなさんだったら「スイカ」でどんな夏を表現しますか?「秋」だったら、「冬」や「春」だったら、みなさんは何を季語にして表現しますか? あなただけの季節表現を、ぜひチャレンジしてみてください!
フォトグラファーたちによる「季節の新しい切り取り方」は、今後もやっていきたいと思います。さて、次はいつになるのでしょうか…ぜひお楽しみに!
【本イベントは終了しました】写真投稿募集の特別編を開催します!
今回の企画に連動して、「夏の思い出」をテーマにした写真を募集いたします。
投稿いただいた写真の中から、今回の10人のフォトグラファーが1~3作品を選出します。選ばれた方にはささやかですが、NICO STOPオリジナルTシャツをプレゼントいたします。
- 参加方法:NICO STOP編集部(@nicostop_editor)をフォロー&「#NICOSTOP」「#夏の思い出」を付けて画像投稿
- テーマ:夏の思い出(過去に撮った写真でもOK)
- 投稿枚数:制限なし(単写真でも、組写真でもOK)
- 撮影機材条件:なし・参加者条件:なし(年齢・性別・経験年数問わず)
- 応募期間:2019年9月26日~10月4日
- 発表日:2019年11月1日
- 審査員:10人のフォトグラファー
- 選出作品:1~3作品
- 景品:NICO STOPオリジナルTシャツ
NICO STOPオリジナルTシャツ
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