NICO STOP写真展 #6 宵月絃「わたしの小さな雨降る花の箱庭世界」WEBギャラリー

NICO STOP写真展 #6 宵月絃「わたしの小さな雨降る花の箱庭世界」WEBギャラリー

人気フォトグラファー7名が「Z fc」で撮り下ろした写真展「伝えたい、わたしの世界」を2021年9月14日~11月10日、ニコンプラザ東京・大阪で開催しました。この記事では宵月絃さん(@__yoii_to)の展示をWEBギャラリーとしてお届けします。展示に込めた想いや、Z fcというカメラの存在についてもお聞きしました。

 

宵月 絃

宵月 絃
「わたしの小さな雨降る花の箱庭世界」

八月なのに季節外れの雨が降る。数えても止まない雨音の中で静かに息をする。
小さな箱の中で夏に咲く花と私だけが此処にいる世界。外の花も枯れてしまうほどの、憂鬱さを隠した季節の中だからこそ表現したいと思ったことを写真に、記録に。たまに猫にもなってこの世界をのぞいてみる。

雨の音は弾けるしゃぼん玉、ひんやりと肌に雨粒がまとう感覚は水滴や光の泡、温度感を青で表現。

いつかは雨が上がるのを期待する気持ちを、朝がくればまた夜が巡るという時間の流れでイメージして、記憶を編んでゆけたらと写真を撮りました。

空の気まぐれが見せてくれた夕暮れと、早朝に見た三日月と朝焼けの空はとても好きな色をしていて、そんな雨音響く八月の記憶たちを小さな手紙にしてお届けします。

 

 

NICO STOP写真展 #6 宵月絃「わたしの小さな雨降る花の箱庭世界」WEBギャラリー

 

 

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Photographer's Note

テーマや展示構成に込めた想い

私がよく写す世界は花が主役で、今回も「夏の花」を多く写せたらと考えていました。
ですが、待ちわびた夏とは違う、梅雨が足踏みしてとどまっているような…、梅雨も「夏を見てみたい、知りたい」と願い雨を降らしに来たような日々が2週間続きました。
ずっと部屋の中で息をする日々。花を見に一歩も外へ行くことができないもどかしさ、悲しさ、不安。そのときの感情をそのまま写したいと思い、小さな花屋さんで夏の花を手に。自分のいる小さな部屋の隅っこで、箱庭のような空間を想像し、花を愛でる時間を残しました。

この部屋の中で生きている小さな命。花も、人も、雨も、どれをとっても必要で。時に困らせてしまうことがあっても、「その瞬間が愛おしいのだと」そう感じて被写体を選びました。

 

Z fc、NIKKOR Z MC 50mm f/2.8
Z fc、NIKKOR Z MC 50mm f/2.8
Z fc、NIKKOR Z MC 50mm f/2.8

 

今回、マイクロレンズをメインに使いました。目で見る世界とレンズを通した世界では、同じ場所と時間にいるのに、まったく違う世界のようで。使うほどに楽しく、時間はあっという間に過ぎていきました。

   

Z fc、NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR
Z fc、NIKKOR Z DX 50-250mm f/4.5-6.3 VR
Z fc、(左)NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR、(右)NIKKOR Z DX 50-250mm f/4.5-6.3 VR

 

出口の見えない雨の日々、心はくもるばかりで晴れ間を待ち遠しく想う。でも朝がくれば夜を巡るように、雨が降ってもまた晴れるように写真を並べていきました。 部屋に咲く向日葵からはじまり、雨ばかりの退屈さに嫌気がさして猫になってみたり、そんな日々が明け、久しぶりの晴れ間に心躍らせた一日。夕暮れを見て、また夜が来て。最後は夜が明け、朝の月を眺める。 そんな流れで構成しています。

 


写真展を通して感じたこと

「影の部分がどんな人の中にあるもののように感じられた」「心を揺さぶられた」「スマホでは味わえない没入感を感じられた」などの声をいただきました。暗闇の中にいても小さな光のかけらを集めてゆけたらと考えながら撮影しましたが、ふさぎ込みそうな感情の中でも「心だけは花を咲かせていたい」「自由に雨の中でも泳ぎたい」そんな気持ちも重なったからか、いつもとは違う部分をその場で感じていただけたのがうれしかったです。

今回他の方の展示も拝見して、「同じ時間を歩いていても見ているものが異なる」当たり前だけれど、だからその人の見ているものを残せるのは貴重なことだと実感しました。誰かの大切な時がそこにはあって、自分の知らない世界にも想いを馳せられる。そんな瞬間が、自分の見ている世界と隣り合わせであるのだと感じました。

カメラと向き合ってみると、シャッターを切るたびに「自分の好きって、表現したい世界って、どうなんだろう」とふいに深く考え、写し出せたときに「この世界が愛おしくて仕方がない」とときめく気持ちが何よりも大切なのだということも、改めて感じるきっかけとなりました。

 

 

「わたしの世界」を記録する Z fc

Z fc、NIKKOR Z MC 50mm f/2.8
Z fc、NIKKOR Z 50mm f/1.8 S
Z fc、(左)NIKKOR Z MC 50mm f/2.8、(右)NIKKOR Z 50mm f/1.8 S

 

Z fcは見た目がかわいく、部屋にも飾っていたくなる、そんな身近な存在に感じました。気軽にパッと手に取れて好きなときに好きなだけ撮れる、日々の記録を残してくれるちょっとした小さな友人のよう。猫も緊張することなく、カメラに興味津々です。

また、繊細な部分から優しく儚いものを表現したいと考えながら撮影していたので、イメージした色を出しやすく、質感描写も好きでした。空のグラデーションや好きな青を表現したい私にとっては、とても好みの写りです。

 

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宵月 絃

宵月 絃

デジタルカメラで身近な四季の花や月、星、空など「すき」と感じるものを写真に収めてSNSを中心に発信。淡く儚い雰囲気や、静寂の中にやさしさを感じる光景など、見る人の気持ちに寄り添うような写真が人気を集めている。