青森県のオススメ撮影スポット16選 – 地元を撮り続ける風景写真家が伝えたい、美しい四季の絶景

青森県のオススメ撮影スポット16選 – 地元を撮り続ける風景写真家が伝えたい、美しい四季の絶景

みなさん、はじめまして。青森県在住のフォトグラファー・Shintaro Tsushima(@shin_12t)です。私は地元・青森県の風景を撮影しています。

元々は観光業の仕事をしていたのですが、地元フォトグラファーの写真展を拝見して衝撃を受け、Nikon D3300を購入して写真を撮りはじめました。そこから、“本当にいいと思う青森県の風景”を撮影し、自身の写真で地元の魅力を紹介したいと思うようになったのです。

 

今回は、これまで撮影してきた中から、青森県の四季のオススメスポット16選をご紹介します。

 

青森県の四季のオススメスポット16選

青森県は四季折々の自然が美しく、地域で暮らすからこそ見えてくる季節の移り変わりに毎年心を打たれます。今回は、そんな青森の風景を、季節ごとに4か所ずつピックアップしました。

①春【鶴田町間山桜並木】岩木山へ続く桜のアーチ

廻堰(まわりぜき)大溜池付近にある、地元の人しか使わないような小道の脇にソメイヨシノが咲き誇ります。その奥には標高1625mの青森県最高峰・岩木山がそびえ、山へ続く桜のアーチが美しいです。

  • オススメ時期:4月20日前後
    ※見頃時期は年によっても異なります。

 

Z 6、NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S

Z 6、NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S

 

撮影のポイント

  • 場所:廻堰大溜池の東側、県道200号から池沿いの小道に入ると、岩木山へ続く桜並木があります。
  • 光:日中、特に昼頃に光がきれいに入ります。
  • 設定や構図:120mm程度の望遠で岩木山を引き寄せ、圧縮効果を狙いました。山にもしっかりピントが合うようF8程度に。道の始点両端が写真下の隅にくるようにし、道・桜・岩木山の三分割を意識しています。

 

鶴田町間山桜並木

青森県北津軽郡鶴田町野木上藤森54

注意点:通行の邪魔にならないように、また同じ場所を占有しないなど、マナーを守って撮影しましょう。近くには民家も多いため、路上駐車は厳禁です。
周辺スポット:廻堰大溜池の西側には「鶴の舞橋」があります。冬のスポットとして紹介しますが、シーズン中は多くの人でにぎわいます。

②春【三戸城温故館】城と桜の古きよき春の風景

戦国時代にこの地を治めていた南部氏の城があった場所が、「国史跡三戸城跡 城山公園」として親しまれています。その敷地内には歴史資料を展示する「三戸城温故館」があり、まるで天守閣のような佇まい。春には、古きよき日本の文化を感じながら桜を楽しめます。同県内の弘前市でもお城と桜が撮影できますが、こちらは穴場です。

  • オススメ時期:4月中旬~5月上旬
    ※見頃時期は年によっても異なります。

 

Z 7II、NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S

Z 7II、NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S

 

撮影のポイント

  • 場所:三戸城温故館は公園の真ん中あたりに位置し、建物周辺に桜の木があります。
  • 光:午前中に建物に光が当たります。
  • 設定や構図:建物にピントを合わせ、周囲がボケすぎないようにF6以上に。超広角14mmで、桜の木に頭がつくイメージで木に近づき、見上げて撮影することで桜の存在感を出しています。同時に、建物と桜の木を対角線上に配置することで、ダイナミックさを強調しました。

 

三戸城温故館

青森県三戸郡三戸町 城山公園内

注意点:同じ場所を占有しないなど、マナーを守って撮影しましょう。桜のシーズン中は春まつりが開催されており、駐車場が混雑しています。
周辺スポット:三戸町は絵本『11ぴきのねこ』の作者・馬場のぼる氏の出身地で、町内には11ぴきのねこのキャラクターにちなんだ展示などが行われています。

③春【横浜町の菜の花畑】一面の黄色いじゅうたん

横浜町は日本最大規模の作付け面積を誇る、菜の花の名所です。見渡す限り菜の花が広がる、圧巻の絶景。奥にそびえるむつ市の釜臥山と一緒に撮影することができます。

  • オススメ時期:5月上旬~中旬
    ※見頃時期は年によっても異なります。

 

Z 7、NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S

Z 7、NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S

 

撮影のポイント

  • 場所:北西側に釜臥山が見えるので、そちらが背景に入るように。
  • 光:日中は菜の花に光が前方側から当たりきれいです。なお、写真のように夕方の少し暗くなった頃には逆光気味となり、晩春の哀愁が漂います。
  • 構図と設定:F8程度で前景から遠景までピントを合わせ、70mm程度の中望遠にすることで背景の山の迫力を出しつつ、菜の花の咲き誇る様子を表現できます。このとき、菜の花を画面の3分の2で配置するとバランスがよいです。

 

横浜町の菜の花畑

青森県上北郡横浜町大豆田

注意点:イベント会場として、立ち入りを許されている菜の花畑以外の畑内への立ち入りは厳禁です。通行の邪魔にならないように、また同じ場所を占有しないなど、マナーを守って撮影しましょう。
周辺スポット:菜の花畑から車で20分ほど南下したところに豆腐店「湧水亭」があります。おからを使用した「卯の花ドーナツ」が、ドライバーの休憩スポットの名物として人気です。

④春【弘前公園】水面に反射する美しい夜桜

弘前公園は国内で有数の桜の名所で、さまざまな種類の約2500本の桜が咲き乱れます。その中でも公園の外濠ではソメイヨシノが水面に反射し、夜間にはライトアップされて幻想的な光景が広がります。

  • オススメ時期:桜の満開時期は4月下旬頃、散ってからは花筏を楽しめます。
    ※見頃時期は年によっても異なります。

 

D750、AF-S NIKKOR 24-85mm f/3.5-4.5G ED VR

D750、AF-S NIKKOR 24-85mm f/3.5-4.5G ED VR

 

撮影のポイント

  • 場所:公園の外濠の両岸に桜並木が咲き誇り、ライトアップされます。中でも西側の「春陽橋」から見る桜がきれいです。
  • 光:ライトアップは日没時間から夜22時まで実施されます(2023年)。
    ※桜の開花状況により変更となる可能性がございます。詳しくは、公式HPをご確認ください。
  • 設定や構図:30mm程度の広角にすることで、両岸とその奥まで続く桜並木、空や水面をバランスよく撮れます。反射面を際立たせるには上下1:1にするのがポイント。現在、春陽橋は三脚や一脚の使用が禁止となっています。手ブレしないシャッタースピードを確保できるよう、ISO感度を上げて撮影に臨みましょう。
    ※写真は、まだ三脚が使用できた年に撮影したものです。

 

弘前公園

青森県弘前市下白銀町1
https://www.hirosakipark.jp/sakura/category/cherryblossom/
※詳細は、HPをご確認ください。

注意点:園内は通行の邪魔にならないように、また同じ場所を占有しないなど、マナーを守って撮影しましょう。春陽橋は三脚や一脚の使用は禁止、立ち止まらないようにという注意があります。周辺には近い駐車場が少ないため、祭り期間限定の大型駐車場などに車を置いて、歩いて公園周辺を散策するのがオススメです。
周辺スポット:さくらまつり会期中は、公園内に青森県内ならではの屋台も立ち並びます。黒こんにゃくや嶽きみ(とうもろこし)の天ぷらなど、地域の食材も同時に楽しめます。

⑤夏【行合崎海岸】夕日に照らされる薄紫色の浜辺

行合崎海岸は、西津軽郡深浦町にある奇岩に囲まれた岬です。変化に富んだ271種の植物相を持ち、アサツキが咲き浜辺の一角を薄紫色に染め上げます。

  • オススメ時期:6月中旬頃
    ※見頃時期は年によっても異なります。

 

Z 7、NIKKOR Z 24-70mm f/4 S

Z 7、NIKKOR Z 24-70mm f/4 S

 

撮影のポイント

  • 場所:海岸の中でも、キャンプ場の西側にアサツキが咲いています。
  • 光:青森県の西海岸に位置するため、西向きで夕日を撮影するのがオススメです。
  • 設定や構図:24mm程度の広角で、手前のアサツキを大きく際立たせながら、奥へ続く奇岩群まで写し入れました。F値は20まで上げ、前景から奥までしっかり描写しています。

 

行合崎海岸

青森県西津軽郡深浦町広戸家野上

注意点:同じ場所を占有しない、花を踏まないなどマナーを守って撮影しましょう。駐車場はありますが、撮影位置まで少し離れています。路上駐車は厳禁です。
周辺スポット:6月頃からニッコウキスゲの大群落が咲き誇ることでも知られています。また、深浦町は「ヒラメの漬け丼」も有名です。

⑥夏【岩木山】山頂から見る特別な星空

青森県最高峰・岩木山の山頂は、360°のパノラマビューが楽しめます。夜には頭上に星が輝き、眼下には街の夜景が。朝には雲海が見られることもあり、特別な体験ができる場所です。

  • オススメ時期:気温的に撮影しやすいのは6月~8月。雲海が出やすいのは8~9月。それ以外は残雪、降雪があるシーズンで危険が伴うことから、上級者以外の登山はオススメしません。

 

Z 7、NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S

Z 7、NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S

 

撮影のポイント

  • 場所:街明かりと奥に八甲田を入れるため東側を向いています。
  • 設定や構図:周辺には草木があるのですが、24mm程度で撮ると、夜景だけを切り取ることができます。開放F値で、ノイズが乗りすぎないようにISOは1250程度に抑え、星を点描写できる15秒に抑えました(「500ルール」と呼ばれるものがあり、500÷焦点距離=星がブレないシャッタースピードの目安です)。なお、街明かりが白とびしないよう露出には注意が必要です。

 

Z 7、NIKKOR Z 20mm f/1.8 S

Z 7、NIKKOR Z 20mm f/1.8 S

 

こちらは、朝日が出る瞬間を撮影しました。F値は少し絞り2.8程度でピントを広めに合わせ、三脚に固定してシャッタースピードで露出を調節しています。場所の特徴が一目で伝わるように、岩木山神社の奥宮である左側の建物と鳥居をフレームインさせる構図に。建物→鳥居→街明かりと視線の流れを意識しています。

 

岩木山頂

青森県弘前市百沢東岩木山
http://www.iwakisan.com/
※岩木山の情報はHPをご確認ください。

注意点:岩木山へ登るには、有料道路「津軽岩木スカイライン」を使うルートがオススメです。8合目まで車で行くことができ、山頂まではゆっくり歩いても2時間程度で着きます。8合目から9合目までは有料リフトも使用できるので、そこまで時間はかからずに登頂できます。ただし、9合目以上は傾斜角度が急で、岩肌がゴツゴツとした危険な場所があるため、しっかりとした登山の装いで登りましょう。夜~朝にかけて撮る場合、夜道は危険なので日中に山頂に着き、山小屋で夜まで過ごすのが無難です。山頂にはバイオトイレも完備されています。

⑦夏【沸壺の池】コバルトブルーの神秘的な池

青森県にある33の湖沼群の総称「十二湖」、その一つに特に透明度の高い「沸壺(わきつぼ)の池」があります。この池の薄く淡い色をした水のきれいさに、はじめて見たとき驚きました。そこからこの池のファンになり、深浦町に向かうことがあれば立ち寄っています。

  • オススメ時期:新緑が落ち着いた7~8月頃

 

D750、AF-S NIKKOR 24-85mm f/3.5-4.5G ED VR

D750、AF-S NIKKOR 24-85mm f/3.5-4.5G ED VR

 

撮影のポイント

  • 場所:池を見られる場所は決まっていて、柵で囲われています。
  • 光:光が当たる時間帯に青く見えるポイントが多いため、太陽が真上の午前中~昼までが好ましいです。
  • 設定や構図:24mm程度の広角で撮影することで、周辺の雰囲気も取り入れました。左下から中央に向かって木を象徴的に入れながら、水面と奥の木々全体を写し入れて池の魅力が伝わるようにしています。

 

沸壺の池

青森県西津軽郡深浦町松神国有林

注意点:同じ場所を占有しない、整備された道以外には踏み入らないなどマナーを守って撮影しましょう。徒歩15分ほどの位置に、有料ですが「奥十二湖駐車場」(森の物産館キョロロの近く)があります。十二湖にはいくつか駐車場が整備されているので、各池を巡りたい方は都度駐車場を変えて行くのがよいでしょう。
周辺スポット:この湖沼群には「青池」といういちばん有名なスポットもあり、散策道でつながっています。また、十二湖駅で販売されているソフトクリーム「青池ソフト」はご当地名物です。

⑧夏【奥入瀬渓流】水量豊富な「三乱の流れ」

奥入瀬渓流は十和田湖岸から約14km続く渓流で、青森県の景勝地として知られています。その中でも「三乱(さみだれ)の流れ」は奥入瀬渓流を代表する流れの1つ。3つの流れが合流することで白い泡が立ち、豊富な水量も見どころです。奥入瀬渓流は季節ごとに楽しめますが、5月下旬~6月上旬になるとツツジが咲き、新緑に紅一点のアクセントを入れられます。

  • オススメ時期:5月上旬~9月上旬まで緑を楽しめ、ツツジを撮影するには5月下旬~6月上旬頃。9月下旬~11月中旬まで紅葉を楽しめます。
    ※見頃時期は年によっても異なります。

 

Z 7、NIKKOR Z 24-70mm f/4 S

Z 7、NIKKOR Z 24-70mm f/4 S

 

撮影のポイント

  • 場所:石ヶ戸休憩所の北側に位置し、Google Mapsでも「三乱の流れ」として載っています。
  • 光:日中は光が入り全体を明るく撮影できます。個人的には写真のように夕方になって奥に西日が差しこむ時間帯が好みです。
  • 設定や構図:左上から右下への対角線の流れを意識し、27mm程度で川のスケール感を出しました。周囲の緑と赤色のツツジを入れ、木々の美しさを表現しながら、色の対比で渓流が際立つように。F20と全体をシャープに見せ、1.6秒のスローシャッターで水の流れを強調しています。

 

奥入瀬渓流・三乱の流れ

青森県十和田市奥瀬

注意点:最寄りの駐車場は石ヶ戸休憩所、バス停は石ヶ戸で、そこから徒歩10分ほどかかります。歩きやすい服装で、また滑りにくい靴を履いていきましょう。同じ場所を占有しない、危険な場所には踏み入らないなどマナーを守って撮影しましょう。
周辺スポット:約14kmの流れがある奥入瀬渓流は、数々の渓流や滝が存在するので、散策しながら自分のお気に入りの場所を見つけるのもいいと思います。焼山付近には「星野リゾート 奥入瀬渓流ホテル」があり、宿泊して楽しむのもオススメです。

⑨秋【瞰湖台】色づく十和田湖畔を一望できる

絶壁の上にある「瞰湖(かんこ)台」は、広大な十和田湖を大パノラマで見ることができる数少ないビュースポット。四季折々に表情を変える十和田湖ですが、紅葉で色づく秋が特にオススメです。

  • オススメ時期:紅葉シーズンの10月中旬~下旬
    ※見頃時期は年によっても異なります。

 

Z 7、AF-S VR Zoom-Nikkor 70-300mm f/4.5-5.6G IF-ED

Z 7、AF-S VR Zoom-Nikkor 70-300mm f/4.5-5.6G IF-ED

 

撮影のポイント

  • 場所:瞰湖台は湖の南東側に位置し、展望台では湖の北西側を見られます。
  • 設定や構図:F8で全体にピントを合わせ、140mm程度の望遠で撮影することで、広大な景色をダイレクトに感じられるように切り取りました。画角いっぱいに紅葉した山肌を写すと窮屈になってしまうので、上下に余白をつくることで周囲のスケール感が伝わるようにしています。

 

瞰湖台

青森県十和田市十和田湖畔

注意点:展望台では同じ場所を占有しないなど、マナーを守って撮影しましょう。
周辺スポット:十和田湖周辺は、蔦沼や奥入瀬渓流といった人気スポットがたくさんあるので、それらを巡る撮影旅もオススメです。

⑩秋【蔦沼】朱色に染まる水鏡の世界

「蔦七沼」と呼ばれる沼の一つ「蔦(つた)沼」は、秋になると紅葉した木々が水面に反射し、息をのむほどの美しさです。紅葉に加えて、朝日に照らされることで、朱色に染まります。

  • オススメ時期:紅葉シーズンの10月中旬~下旬
    ※見頃時期は年によっても異なります。

 

D750、AF-S NIKKOR 24-85mm f/3.5-4.5G ED VR

D750、AF-S NIKKOR 24-85mm f/3.5-4.5G ED VR

 

撮影のポイント

  • 場所:蔦沼東側にある展望台から西を向いて撮影します。
  • 光:朝日が昇る6時頃、順光で奥の木々が赤く染まります。
  • 設定や構図:70mm以上であれば、沼だけを切り取れます。水面を境に二分割になるように配置することで、美しい水鏡世界が写し出されます。

 

蔦沼

青森県十和田市奥瀬

注意点:大人気スポットで、朝日の時間に撮るために夜中から待機している方が多いです。マナーを守って撮影しましょう。また、紅葉時期の蔦沼は大変混雑し、近年交通渋滞が問題となっており、渋滞対策・環境保全のため、事前予約(早朝)及び協力金が必要となっております。
周辺スポット:「蔦七沼」には他に6つの沼があり、散策できるようになっているので他の沼も巡ってみてはいかがでしょう。

⑪秋【北金ヶ沢の大銀杏】樹齢1000年以上の巨木

深浦町の北金ヶ沢地区には樹齢1000年以上、高さ約31mの日本一のイチョウの木があります。秋には黄金色に輝き、夜間はライトアップされた大迫力の巨木を間近で観賞できます。

  • オススメ時期:紅葉がピークの11月中旬~下旬
    ※見頃時期は年によっても異なります。

 

Z 7II、NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR

Z 7II、NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR

 

撮影のポイント

  • 場所:周囲をぐるっと歩けるので、どこからでも撮影できます。
  • 設定や構図:画角いっぱいをイチョウで埋め尽くしながら、同行した人に入ってもらい少し離れたところから60mm程度で撮影すると、イチョウの大きさが際立ちます。手ブレしないシャッタースピードを確保しながら、F値を大きくして人とイチョウの木全体にピントが合うようにしています。

 

北金ヶ沢の大銀杏

青森県西津軽郡深浦町北金ケ沢塩見形356

注意点:同じ場所を占有しないなど、マナーを守って撮影しましょう。
周辺スポット:深浦町は夕日海岸と名付けられるほど夕日がきれいで、地元民の間でも人気のドライブコースです。

⑫秋【毛無岱】赤く色づく天空の楽園

「毛無岱(けなしたい)」は八甲田連峰の中腹にある大規模な湿原。八甲田の紅葉を最大限に楽しめるスポットで、印象的な長い階段と遠くに見える岩木山がお気に入りです。

  • オススメ時期:紅葉のピークは9月下旬~10月上旬
    ※見頃時期は年によっても異なります。

 

Z 7II、NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S

Z 7II、NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S

 

撮影のポイント

  • 場所:上毛無岱と下毛無岱の境の階段から見下ろすように撮影します。
  • 光:夕日を撮るため、西向きで撮影。15時頃に酸ヶ湯脇の登山道から登るのがちょうどいいタイミングです。
  • 設定や構図:広角24mmで、周囲の風景も含めてスケール感を表現しました。F8以上にし、遠くまでできるだけシャープに描写。長い階段を中央に配置し、続く遊歩道が岩木山に向かっていくような視線誘導を意識して構図を決めました。

 

毛無岱

青森県青森市荒川

注意点:シーズン中は多くの登山客でにぎわいます。同じ場所を占有しない、通行の邪魔にならないようになど、マナーを守って撮影しましょう。また、夕日撮影の帰りは真っ暗になっています。十分に安全に配慮しましょう。
周辺スポット:登山後や登山前に硫黄泉の温泉に浸かるのもオススメです。

⑬冬【阿闍羅山】頂から見下ろす白銀世界

「阿闍羅山(あじゃらやま)」は、津軽エリア有数のビュースポットです。標高709mほどの低山ですが、晴れていれば大鰐町や碇ケ関などの地域を眼下に望めます。特にオススメなのが、冬の白銀世界です。

  • オススメ時期:12月~2月頃の積雪時。また、夏から秋にかけて稀に雲海が発生します。

 

Z 7II、NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S

Z 7II、NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S

 

撮影のポイント

  • 場所:山頂から、晴れていれば眼下の町やその奥の山々が一望できます。
  • 設定や構図:この景色を最大限に生かすために、絞って全体にピントを合わせ、広角24mmで撮影しています。手前の木々はどうしても写りこむため心地いいと感じる位置に配置し、前景・街・奥の山々・空とレイヤーを意識して構図を決めました。

 

D750、AF-S NIKKOR 24-85mm f/3.5-4.5G ED VR

D750、AF-S NIKKOR 24-85mm f/3.5-4.5G ED VR

 

夏から秋にかけては、雨上がりや放射冷却で稀に雲海が発生します。広角で雲海の広がりを表現し、F20以上で手前から奥までディテールをしっかり写し出しました。

 

阿闍羅山

青森県南津軽郡大鰐町大鰐築館森

注意点:山のため、足元が悪い場所があると思います。撮影の際は怪我などに十分ご注意ください。「青森ワイナリーホテル」が近くにあるので、撮影時のマナーにも気をつけましょう。周辺は山林地帯でクマの目撃情報もあるので、クマ対策も怠らないように。
周辺スポット:大鰐町は温泉が有名で、歴史ある温泉旅館が現在でも複数営業しています。その温泉熱で育てた「大鰐温泉もやし」が絶品。大鰐温泉もやしラーメンなどが地元の食堂で食べられます。

⑭冬【鶴の舞橋】朝日に照らされる美しい白鳥

「鶴の舞橋」は、「大人の休日倶楽部」のロケ地として有名です。冬は白鳥が飛来し、朝日に照らされる湖面と極寒のこの地で生き抜く白鳥たちの姿から、北国の大自然を感じられます。

  • オススメ時期:白鳥と雪景色の撮影は1月に入ってから

 

Z 7、NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S

Z 7、NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S

 

撮影のポイント

  • 場所と光:朝日をバックに写し入れるため、橋の西側の道から撮影します。
  • 設定や構図:道には柵や付近に電柱などがあり、70mm程度の望遠で画角内に余計なものが入らないように。F16程度で、手前にいる白鳥から、橋、朝日まで鮮明に写し出しました。この写真は、朝日を中央に配置することで太陽の偉大さを表しながら、白鳥たちが心地いい配置になるまで待つことで実現しました。

 

鶴の舞橋

青森県北津軽郡鶴田町廻堰大沢

注意点:1月は気温が-10℃を下回る可能性が高いので、防寒対策をしっかり。撮影時は、同じ場所を占有しない、通行の邪魔にならないようになど、マナーを守りましょう。
周辺スポット:鶴田町はスチューベン(ぶどう)が特産。また、「道の駅つるた 鶴の里あるじゃ」のもちもちやわらかい大福も人気で、開店時間早々になくなってしまう種類もあるほどです。

⑮冬【寒立馬】極寒の中でたくましく生きる姿

青森県の北東端に位置する東通村にある、放牧された馬が見られる場所です。極寒の地でもたくましく生きる「寒立馬(かんだちめ)」には、いつも心を打たれます。夕方に撮影すると哀愁の漂う写真となり、気に入っています。

  • オススメ時期:雪が少ない地域ですが、1月~2月の雪が多く降る時期

 

Z 7II、AF-S VR Zoom-Nikkor 70-300mm f/4.5-5.6G IF-ED

Z 7II、AF-S VR Zoom-Nikkor 70-300mm f/4.5-5.6G IF-ED

 

撮影のポイント

  • 場所:12月下旬~3月下旬は、越冬放牧地「アタカ」に移動しています。
  • 光:夕焼けをバックに撮影したかったので、西向きで撮影。
  • 設定や構図:寒立馬に近づいてはいけないので、100mm以上の望遠で撮影します。周辺の環境も取り入れてフレーミングしながら、夕焼け空を多く取り入れることで、どこか哀愁の漂うこの場の雰囲気を表現しました。

 

寒立馬

青森県下北郡東通村尻屋

注意点:越冬放牧地アタカへの放牧は12月下旬から3月下旬頃まで、4月からは尻屋崎国定公園内の放牧地に移動となります。また、以下を守りましょう。

  • 撮影時は寒立馬と距離をとること。
  • 他の動物のにおいを嫌がります。ペット連れこみはアタカ内厳禁です。
  • 寒立馬にエサを与えないでください。
  • 駐車場はありません。安全に注意して路肩に停めてください。

周辺スポット:下北半島まで行くと、本州最北端・大間町までは車で1時間半程度。この北限まで来る機会はそうそうないので、ぜひ大間のマグロを現地で味わっていただきたいです。

⑯冬【八甲田の樹氷】雪原に現れるスノーモンスター

八甲田ロープウェーを登った山頂駅付近に、樹氷を楽しめるスポットがあります。アオモリトドマツに氷と雪がぶつかりながら大きく成長した樹氷、別名「スノーモンスター」が立ち並ぶ光景は圧巻。雪面にできる模様「シュカブラ」と樹氷の共演もたまらなくかっこいいです。

  • オススメ時期:1月~2月。1月初旬~中旬は降雪が多く天候が不安定で、2月下旬になると樹氷がとけてきます。

 

Z 7、NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S

Z 7、NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S

 

撮影のポイント

  • 場所:ロープウェー山頂公園駅付近。
  • 光:太陽を入れて晴天の様子を見せたかったので、逆光の位置で撮影しました。
  • 設定や構図:太陽の光条を出すためF13まで絞り、シュカブラを印象的に表現するために雪面すれすれで構え、広角24mmでスケール感を出しました。

 

八甲田ロープウェー

青森県青森市荒川寒水沢
http://www.hakkoda-ropeway.jp/
※詳細は、HPをご確認ください。

注意点:八甲田ロープウェーは山頂駅付近が強風だと即時運行を停止します。当日の天気予報をよく確認し、公式サイトで都度確認することをオススメします。
周辺スポット:撮影もさることながら、八甲田エリアのパウダースノーはウィンタースポーツにうってつけ。スキーやスノーボードも楽しめます。

Photographer's Note

私は観光系の仕事に携わっている時間が長かったこともあり、自分の写真を見て「青森に行きたい」「この場所に行ってみたい」と思っていただけることに大きな喜びを感じます。青森県を訪れた際には、今回紹介したスポットを訪れていただけると、とてもうれしいです。

青森はこれから春本番。県内には弘前公園をはじめ、多くの桜スポットが存在します。私は昨年ロケハンした、むつ市の「かさまい大畑桜ロード」などを撮影したいと考えています。

 

青森には地元の人でも行ったことがない、見たことがない“未開拓な風景”がまだまだたくさんあり、それらの絶景を見つけられたときの感動は、人類で最初に何かを成し遂げたかのような体験です。これからも新しい景色を求めて撮影を続け、写真を通じて魅力を伝えたいと思います。

 

風景撮影において信頼度の高いNikon機材

はじめてD3300を購入してからNikonのカメラを愛用していますが、何と言ってもすごいのが描写力と堅牢性です。「自分の目で見た絶景をありのままに残したい」という想いをしっかり叶えてくれます。さらに、炎天下でも氷点下でもエラーが起きず、シャッターもしっかり切れるので、安心して使用できます。暗所でも操作性が抜群のボタン配置も秀逸。直感的な操作も信頼でき、撮影中にカメラを見ることがほとんどありません。

 

Z 7II、NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S

Z 7II、NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S

 

特に Z 7IIは、ミラーレスで軽量化されているのにもかかわらず、その性能はDシリーズを遥かに凌駕していると感じています。圧倒的描写力と画質もさすがです!

レンズではNIKKOR Z 24-70mm f/2.8 Sが特に気に入っています。自分の好みとして標準域で事足りることが多いのが理由ですが、このレンズの描写力に圧倒的な信頼を置いています。

 

 

※こちらに掲載している情報は、2023年4月11日現在のものです。
Supported by L&MARK

 

 

Shintaro Tsushima

Shintaro Tsushima

青森の風景写真家。belu studio代表。青森県内をくまなく巡り、豊かな自然を撮り続ける。また、青森県弘前市の岩木地区(旧岩木町)にて、地域おこし協力隊として活動。