連載企画『写真家と学ぼう! カメラ初心者ガイド』。カメラ初心者のナツキちゃんと一緒に、カメラや撮影の基本を学んでいきましょう!
Step9は写真の雰囲気を調整できる「ピクチャーコントロール」です。フォトグラファーの鎌田風花さんに、好きな雰囲気に仕上げるための、ピクチャーコントロールの設定のポイントを教えていただきます。
ナツキちゃん
スマホで写真を撮っていたが、「もっと素敵な写真を撮りたい」とついにカメラを購入。選んだのはAPS-Cサイズのミラーレス「Z fc」と単焦点レンズ「NIKKOR Z 28mm f/2.8(Special Edition)」。モットーは「とりあえずやってみる」。好奇心旺盛で、少しうっかりやさんな女の子。鎌田風花さん
ナチュラルな風景や人物写真を得意とするフォトグラファー。家族写真の出張撮影や広告撮影なども行っている。
SNSで見かけるような、素敵な雰囲気の写真が撮りたいな~。
自分好みの雰囲気にしたいよね。実はカメラに、仕上がりの雰囲気を変えられる「ピクチャーコントロール」っていう機能があるんだよ!
そうなんですか!
ピクチャーコントロールで写真の雰囲気を変える
ピクチャーコントロールは写真の仕上がりを調整できる機能で、設定するだけで簡単に雰囲気を変えられます。
左:初期設定の「オート」、右「モノクローム」に設定
こんなふうに設定するだけで、一気に雰囲気が変わるでしょ!
モノクロかっこいい! 他にはどんな種類があるんですか?
じゃあ、それぞれどんな雰囲気になるか見てみよう!
ピクチャーコントロールの種類
ピクチャーコントロールは主に8種類あります。
※撮影モードが「AUTO」以外の場合に設定可能です。
スタンダードを基本に
被写体に合わせて自動調整
鮮やかでバランスの
取れた標準的な仕上がり
被写体に忠実な色味で
落ち着いた雰囲気
メリハリがあり
色鮮やかに仕上がる
全体がやわらかい印象で
肌がなめらかに仕上がる
自然風景や街並みが
色鮮やかになる
白黒やセピアなどの
ワントーンに
撮影後の編集向きで
メリハリが少ない
こんなに種類があるんですね。「ポートレート」や「風景」は、その被写体を撮るときに設定するんですか?
そうだね、被写体に合わせるとより魅力的に写せるよ。
左:「スタンダード」に設定、右:「ポートレート」に設定
でも大事なのは、撮る人の好みなんだ。たとえば、風景をやわらかい雰囲気で撮りたいときは「ポートレート」に設定してもいいんだよ!
左:「風景」に設定、右:「ポートレート」に設定
そんな使い方もあるんですね! たしかに、右のほうがソフトに感じます。
被写体ごとに設定を変えなくても、好きな雰囲気が見つかったらその設定に固定して撮っていいと思うよ!
もっと印象的に仕上がる「クリエイティブピクチャーコントロール」
さっきは自然な仕上がりの中で色味やメリハリが違っていたけど、Z シリーズにはもっと雰囲気を変えられる「クリエイティブピクチャーコントロール」という機能もあるんだよ。
クリエイティブ…めちゃくちゃ気になります!!
クリエイティブピクチャーコントロールとは?
クリエイティブピクチャーコントロールは20種類あり、色味や鮮やかさなどが細やかに作りこまれた多彩なフィルターです。効果(適用度)は100%~0%まで調整できます。
※クリエイティブピクチャーコントロールの詳細はこちら
ドリーム
あたたかみを感じる
優しい雰囲気に
ソンバー
暗い部分が強調され
しっとりした雰囲気に
メランコリック
やわらかな雰囲気で
全体がピンクがかる
ブルー
全体がブルーがかり
静かな雰囲気に
20種類あるから、いろいろ試してみても楽しいよ!
オシャレで迷います! 鎌田さんはどれが好きなんですか?
私は「サンデー」と「ピュア」が好きだな!
サンデー:メリハリのある爽やかなイメージに仕上がります。暗くてくすんでしまう場面でも、明るく鮮やかに。色味のある被写体に適しています。
左:「オート」、右:「サンデー」に設定
ピュア:ふんわりした優しい印象に仕上がります。青や緑の色味が加わるため植物写真にマッチしやすく、室内でも雰囲気のある写真になります。
左:「オート」、右:「ピュア」に設定
どっちも素敵ですね!
各モードは、100%~0%の間で効果も調整できるんだ。
効果を調整できるのはいいですね。
左:「ピュア」0%、右:「ピュア」50%
「ピュア」を30~50%くらいでかけると、すごく自然になるよ!
ほんとだ!
ピクチャーコントロールは鮮やかさやコントラストの度合いも微調整できるから、さらに自分好みにできるんだ。
ピクチャーコントロールで調整できる主な項目
- 彩度(色の濃さ):色の鮮やかさ。高いほど鮮やかさが増す。
- コントラスト:明るい部分と暗い部分の対比。高いほどメリハリが出る。
- 明瞭度:立体感や質感の度合い。高いほど立体感が増しシャープに、低いほどふんわりソフトな印象に仕上がる。
左:「ピュア」50%、右:「ピュア」50%に加えて彩度-2・コントラスト-1・明瞭度-5に調整
さっきの写真からさらに、彩度・コントラスト・明瞭度を調整してみたよ。この3つを0~-5の間くらいでマイナスにすると、ふんわり優しい自然な仕上がりになるんだ。「ピュア」と合わせるとフィルム写真の雰囲気に近づくと思うんだけど、どうかな?
わぁ、すごくいい雰囲気! フィルムにも興味があったので、早速試してみます!!
NEXT STEP!
次は、「画質モードと画像サイズ」についてです。カメラは、写真を保存するときの画質やサイズを設定できます。撮った後に後悔しないように、設定のポイントを鎌田風花さんに教えていただきましょう。
キャラクターイラスト:福士陽香(@f___haru)
Supported by L&MARK
※画面キャプチャ―や機能名は Z fcのものを記載しております。