クリームソーダ職人が教える、おうちクリームソーダ!作り方と撮影の楽しみ方

クリームソーダ職人が教える、おうちクリームソーダ!作り方と撮影の楽しみ方

はじめまして、クリームソーダ職人のtsunekawa(@tsunekawa_)です。

独学でクリームソーダを作りはじめ、風景とともに撮影したり、「旅する喫茶」として各地を旅してクリームソーダを作るなど、クリームソーダの魅力を発信してきました。

 

photo by NICO STOP編集部

photo by NICO STOP編集部
2023年に開催されたNICO STOP PHOTO FESでも、クリームソーダを作りました。
 
今回は、おうちでのクリームソーダの楽しみ方を紹介します。
好きな時間・好きな空間でクリームソーダを味わえるのが何よりの魅力です。
 

クリームソーダの作り方

Z f、NIKKOR Z 40mm f/2(SE)

Z f、NIKKOR Z 40mm f/2(SE)
 
まずは、クリームソーダの作り方です。
青色のクリームソーダを例に紹介しますが、シロップの色を変えたり、トッピングをしたり、お好みのクリームソーダを作ってみてください!
 
【用意するもの】
クリームソーダ職人が教える、おうちクリームソーダ!作り方と撮影の楽しみ方
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  • 好みの色のシロップ:明治屋のマイシロップをよく使います。「ブルー」はラムネのような懐かしい爽やかな味です。
  • 炭酸水
  • 氷(ロックアイス)
  • アイス:ロッテ「爽」がオススメです。入手しやすく、シャーベット状なのですくいやすいです。
  • サクランボ
  • グラス:喫茶店で見かけるような脚付きタイプ。
  • アイスディッシャー:安価でもステンレス製のものがオススメです。スプーンでも代用できますが、ディッシャーがあるときれいに盛り付けできます。
  • 他:グラスの受け皿や、カトラリーがあると雰囲気が出ます。
    ※グラスやカトラリーなどは、100円ショップなどでも同様のものを入手できます。

 

【作り方】

1.氷をグラスいっぱいに入れる
2.炭酸水とシロップを混ぜる
クリームソーダ職人が教える、おうちクリームソーダ!作り方と撮影の楽しみ方

 

クリームソーダ職人が教える、おうちクリームソーダ!作り方と撮影の楽しみ方

いきなり作るのではなく、別容器で味と色を確認するのがポイントです。

3.ソーダを注ぐ
4.氷とソーダを足す
クリームソーダ職人が教える、おうちクリームソーダ!作り方と撮影の楽しみ方

グラスの8分目あたりまで入れます。

クリームソーダ職人が教える、おうちクリームソーダ!作り方と撮影の楽しみ方

氷が溶けていくので隙間を埋めるように氷を追加し、ソーダをグラスいっぱいに注ぎ足します。

5.アイスとサクランボを盛り付けて完成!
クリームソーダ職人が教える、おうちクリームソーダ!作り方と撮影の楽しみ方
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層を作るポイント

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ポイントは「比重」の違いです。シロップに含まれる糖は比重が大きく、糖の分量で比重差を作ると2種類の液体は混ざらず層ができます。

まず、シロップと炭酸水を混ぜたものを2種類用意します。一つはシロップの分量を多くし、もう一つはシロップの分量を少なく。比重の大きな液体(シロップの分量が多い)を先に注ぎ、その後に比重の小さな液体(シロップの分量が少ない)を静かに注ぐと、2層の完成です。

 

クリームソーダの撮り方

Z f、NIKKOR Z 40mm f/2(SE)

Z f、NIKKOR Z 40mm f/2(SE)
 
ここからは、おうちでクリームソーダを撮る際のポイントを紹介します。

【機材】暗所に強いカメラ+寄り引きしやすいレンズが◎

  • カメラ:室内では暗いシチュエーションで撮ることも多いため、暗所に強いと安心です。手持ち撮影でも十分ですが、三脚があると写りを確認しながらスタイリングや構図などを調整しやすくなります。また、三脚に固定して一人で注ぐシーンを撮る場合など、バリアングル式画像モニターが確認しやすく便利です。
 

クリームソーダ職人が教える、おうちクリームソーダ!作り方と撮影の楽しみ方

 
  • レンズ:標準域で十分で、今回はすべて40mmで撮影しました。スペースが限られている中で、寄り引きしやすい40mmは、自ら動いていい位置を探れます。
 
Z f、NIKKOR Z 40mm f/2(SE)
Z f、NIKKOR Z 40mm f/2(SE)
Z f、NIKKOR Z 40mm f/2(SE)
 
また、NIKKOR Z 40mm f/2(SE)は最短撮影距離0.29mと近寄れるレンズです。ソーダの気泡をアップでとらえるなど、表現の幅が広がります。
 
  • 三脚:おうちで撮る際、本格的な三脚は必要ありません。クイックシュー付き/縦横のアングル切り替え/高さが150cm程度まである三脚が、取り回ししやすく便利です。

【設定】露出を確保し、主題に合わせてF値を調整

  • F値:一部に寄って際立たせたいときや暗いシチュエーションなどでは開放気味に、引いて世界観を写したい場合はバランスを見て絞ります。
 
Z f、NIKKOR Z 40mm f/2(SE)
Z f、NIKKOR Z 40mm f/2(SE)
Z f、NIKKOR Z 40mm f/2(SE)
左:F2.2、右:F8
 
  • シャッタースピード:注いでいる一瞬を切り取る際は、シャッタースピードを速める必要があり、1/125~1/640程度に設定することが多いです。
 
Z f、NIKKOR Z 40mm f/2(SE)
Z f、NIKKOR Z 40mm f/2(SE)
Z f、NIKKOR Z 40mm f/2(SE)
左:1/500秒、右:1/30秒
 
なお、暗所ではシャッタースピードの確保が難しくなります。1/30秒程度なら手持ちでも大丈夫だと思いますが、不安な場合は三脚を使うか、台の上にカメラを置いて撮影するなどでブレを防ぎます。
 
  • ISO感度:極力は低く、暗い室内ではブレないシャッタースピードを確保できるように調整します。

【撮影】セッティングとバリエーション

おうちでの撮影は、光の入る位置に合わせてセッティングしたり、周囲を気にせず画づくりできるのもポイントです。
 
【セッティング】

Z f、NIKKOR Z 40mm f/2(SE)

Z f、NIKKOR Z 40mm f/2(SE)
 
自然光で撮る場合、窓際でグラスの横から光が入るようにすることで、透明感・立体感を出せます。小回りがきく小さめのテーブルなどがあると、窓際にセッティングして光の向きを調整しやすくオススメです。
 
 
【バリエーション】
一つのクリームソーダでも、さまざまなバリエーションで撮影できます。
 
クリームソーダ全体:グラス全体が入るようにし、背景をシンプルにする/主題を中心に背景の小物に角度をつける/背景をぼかすなどで、主題を際立たせることができます。
 

Z f、NIKKOR Z 40mm f/2(SE)

Z f、NIKKOR Z 40mm f/2(SE)
 
パーツアップ:アイスやサクランボ、ソーダとアイスが溶け合う様子など、各パーツも魅力的な被写体です。寄る際は、背景をぼかすと主題が際立ちます。より目がいくよう、日の丸構図にすることが多いです。
 
Z f、NIKKOR Z 40mm f/2(SE)
Z f、NIKKOR Z 40mm f/2(SE)
Z f、NIKKOR Z 40mm f/2(SE)
 
クリームソーダのある空間:くつろぎの空間を意識します。引き気味でF値は少し絞り、世界観が伝わるように撮影します。
 

Z f、NIKKOR Z 40mm f/2(SE)

Z f、NIKKOR Z 40mm f/2(SE)
 
作る過程:クリームソーダは、作る過程を撮るのも楽しいです。特にソーダを注いだときに、シュワシュワとグラスの中で炭酸が弾ける瞬間が好きです。
 
Z f、NIKKOR Z 40mm f/2(SE)
Z f、NIKKOR Z 40mm f/2(SE)
Z f、NIKKOR Z 40mm f/2(SE)

おうちならではの撮影の楽しみ方

時間にとらわれず自由に撮影ができ、好きな空間に囲まれながらリラックスして撮影を楽しめます。

ソーダと光で雰囲気づくり

日中・夕方・夜と、自然光や照明の雰囲気を生かすのがポイントです。それに合わせて、ソーダの色を変えるのも楽しいですよ!
 
 
【日中】青空色のソーダ×自然光

Z f、NIKKOR Z 40mm f/2(SE)

Z f、NIKKOR Z 40mm f/2(SE)
 
日中の白っぽい光は、ソーダの透明感や爽やかさを引き出します。
 
Z f、NIKKOR Z 40mm f/2(SE)
Z f、NIKKOR Z 40mm f/2(SE)
Z f、NIKKOR Z 40mm f/2(SE)
 
特にアイスにも光を当てたいときはサイド光が◎。直射では光が強すぎる場合があるので、レースカーテンなどで光をやわらげると、クリームソーダの淡い雰囲気を表現できます。
 
 
【夕方】夕暮れのような赤や橙色のソーダ×夕日

Z f、NIKKOR Z 40mm f/2(SE)

Z f、NIKKOR Z 40mm f/2(SE)
 
ノスタルジックな夕方。ソーダとアイスが溶けていく様子で、ゆったりとした時間の流れが伝わります。
 
Z f、NIKKOR Z 40mm f/2(SE)
Z f、NIKKOR Z 40mm f/2(SE)
Z f、NIKKOR Z 40mm f/2(SE)
 
夕日が横から被写体に当たるようにセッティング。夕日は光の角度や強さが変わりやすいので、部屋への差しこみ方を事前にチェックしておくのがオススメです。また、暖色の照明を合わせることで、夕方らしさを演出。全体的な配色も暖色を意識し、暖かな世界観で統一しています。
 
 
【夜】夜空のような深い青色のソーダ×ランプの光

Z f、NIKKOR Z 40mm f/2(SE)

Z f、NIKKOR Z 40mm f/2(SE)
 
夜はランプなど室内照明を生かして、シックな雰囲気で撮影できます。
暗いため、三脚があると撮りやすいです。手持ちで撮る際は、ISO感度を上げすぎないように気をつけましょう。
 
Z f、NIKKOR Z 40mm f/2(SE)
Z f、NIKKOR Z 40mm f/2(SE)
Z f、NIKKOR Z 40mm f/2(SE)
 
照明の光を生かして撮る際、ソーダの透明さにはより気を配ります。後ろにロウソクなど光源を配置することで、透け感を強調しています。

おうちで好きな世界観をつくりこむ

Z f、NIKKOR Z 40mm f/2(SE)

Z f、NIKKOR Z 40mm f/2(SE)
 
おうちでは好きなアイテムを置いて、自分好みの世界観をつくりこむこともできます。オススメは「喫茶」の再現です。
私はレトロなランプやティーカップなど、古道具屋さんにあるようなもので雰囲気をつくります。実際には夜は暗闇ですが、イメージとして青白い照明を使い、夜らしさを出しています。
 

Z f、NIKKOR Z 40mm f/2(SE)

Z f、NIKKOR Z 40mm f/2(SE)
 
なお、世界観は画角内で成立すればよく、上の写真のように画角に収まるだけの小物で撮影を行っています。小物を多く配置する場合、クリームソーダを中心にして角度をつけるようにすると、主題が際立ちます。

Photographer's Note

Z f、NIKKOR Z 40mm f/2(SE)

Z f、NIKKOR Z 40mm f/2(SE)
 
私は、友人と一緒にはじめて作ったクリームソーダがとても楽しく、魅力にはまりました。また、昔おばあちゃんが連れて行ってくれた喫茶店のクリームソーダを思い出し、気づいたら夢中になって作っていました。
自分でクリームソーダを作り・撮影するのは、最初は難しさを感じるかもしれませんが、その試行錯誤もきっと楽しめると思います。自分なりの喫茶時間をぜひ楽しんでください!
 

「Z f」を使ってみて

クリームソーダ職人が教える、おうちクリームソーダ!作り方と撮影の楽しみ方

 

第一印象で外観がよく、撮ることの楽しさを改めて感じさせてくれました。ダイヤル操作が心地よく、感覚的にアクセスしやすかったです。レンズはNIKKOR Z 40mm f/2(SE)を使いました。狭い空間の中でも構図を探る幅が広く、寄り引きどちらも対応できるのがよかったです。

 

Z f、NIKKOR Z 40mm f/2(SE)

Z f、NIKKOR Z 40mm f/2(SE)

 

今回は三脚に固定して撮影するのがメインでしたが、手持ちの際に手ブレ補正がしっかり効いているのを感じました。AFがスムーズで、描写は適度なやわらかさがあり、心地いい写りです。

Z fは、NIKKOR Z 40mm f/2(SE)1本と一緒に旅に持っていったり、映像制作も行ってみたいと感じるカメラです。

 

 
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tsunekawa

tsunekawa

服職人として活動する傍ら、独学でクリームソーダを作りはじめる。各地で「旅する喫茶」を開店し、クリームソーダ職人として全国を巡る。2019年より実店舗「旅する喫茶」をオープン。 クリームソーダに関する書籍を多数出版。