「きれいに撮れた」「新しい表現をみつけた」「賞をとった」「とにかく好き」。
そんな「自分にとって大切で、最高の1枚」が皆さんにもきっとあるはず。
フォトグラファーさんそれぞれの「最高の1枚」について伺うこの企画。
今回は日本全国を回りながら、四季の移ろいを撮影されているペレーさん(@pere_peri_peru_)の「最高の1枚」と、撮影のエピソードをご紹介します。
ペレー
2017年から趣味でカメラを始める。日本の四季の風景に魅力を感じ、日本各地を巡りながら 風景の広大さ、美しさに人物を入れて表現する写真を撮影している。SNSはInstagramを中心に活動。東京カメラ部10選 2022選出。
彩色千輪を見上げる私と彼女のセルフポートレート
カメラを始めたばかりの頃、いちばん遠出をして撮影した花火が、三重県熊野市で行われている熊野大花火大会でした。そこで打ち上げられていたのは「彩色千輪」という花火。今まで見たどの花火よりも美しいその光景に感動した私は、それから毎年、彼女を連れて通っていたんです。
しかし、その後コロナ禍の影響で熊野大花火大会は中止が続きました。次はいつ見られるんだろうと思っていたところ、2022年11月に15分間だけ開催されることに。そこで、開催日が平日であること、花火のシーズンから外れた季節であることから人混みの懸念も少ないと判断し、彼女とのセルフポートレートに挑戦しようと決めたんです。
かなり難しい撮影になることは、撮影前から分かっていました。彩色千輪は普通の花火と違い、真上だけでなく、横や斜めからも打ち上がるので、構図の中心が取りづらいんです。そのためカメラを2台用意して、それぞれ別の位置から三脚を使って撮りました。
正直「撮れたらラッキー、撮れなかったら感動だけを持ち帰ろう」くらいの気持ちで挑んだ撮影。しかし実際に撮れた写真を確認して驚きました。トリミングがいらないほど、バッチリ構図が決まっていたんです! 花火に対してちょうど中心に人物が配置されている。花火の見切れ具合も許容範囲、むしろ迫力がある。白飛びもしていない。何より花火のバランスが本当にちょうどいい! これほど嬉しいことはありませんでした。
かなりハードルの高い撮影が成功したことへの喜び。彩色千輪を前に2人で感動しているシーンを、これだけきれいに残すことができた。
この写真が、私の「最高の1枚」です。
Supported by 東京通信社
ペレー
2017年から趣味でカメラを始める。日本の四季の風景に魅力を感じ、日本各地を巡りながら 風景の広大さ、美しさに人物を入れて表現する写真を撮影している。SNSはInstagramを中心に活動。東京カメラ部10選 2022選出。