カメラ越しに感じる愛おしさ。飼い主が教えるペット写真の魅力と撮影のコツ


ペットのかわいらしい表情や姿をそのまま写真に残したい。でも、いざ撮ってみると、なかなか思い通りにいかない…そんな悩みを抱えている方も多いはず。

 

そこで今回は、SNSでかわいいペット写真を発信している3名のフォトグラファーに、ペットの魅力を引き出す撮影のコツや楽しさについて伺いました。

 

日常の中でカメラを向けることで、新たな一面に気づくようになり、愛情がさらに深まったように感じたのだとか。この記事を読んで、あなたも大好きなペットの素敵な瞬間をカメラに収めてみませんか?

tetsuさんと愛犬のくるみちゃん

 

はじめまして、tetsu(@tetsu_photo2)です。

元々は風景を撮っていましたが、妻が愛犬のくるみと一緒にいるとき、とても幸せそうだったので、2人の未来を残したいと思い撮り始めました。今では、くるみと妻が一緒にいる光景が、自分にとっての「絶景」だと感じます。

今回は、 Z6IIIで、くるみを撮影しました。

 

 

わが家の愛犬「くるみ」

Z6III、 NIKKOR Z 20mm f/1.8 S

 

妻の実家で飼っていたワンコが亡くなり、ペットロスになっている時にくるみが家に来てくれました。名前の由来は、出会った時にクルクルと回っていたので「くるみ」。今でもクルクル回ってくれて、ずっと変わらないでほしいなと思います。

性格は明るくて食いしん坊です。かわいい瞬間は、ご飯を食べているところやお散歩でクンクンと匂いを嗅いでいるところ、寝ているところ… 全てが愛おしいですね。

ペットの魅力を引き出すコツ

自然な雰囲気を撮影する

撮影の際は、くるみの自然な表情やリアクションを大切にしています。特に、妻とのツーショットは、愛情あふれる自然な雰囲気になるので、くるみの魅力をより引き出すことができます。

 

Z6III、NIKKOR Z 135mm f/1.8 S Plena

 

ワンちゃんの負担にならないように

撮影をしに行って終わりではなく、お散歩を優先させてあげるようにしています。お出かけが楽しいと思ってもらえるとカメラを好きになってもらえるようにもなり、撮影も早く終わります。

 

Z6III、NIKKOR Z 135mm f/1.8 S Plena

 

また、1回撮り終えたらかならず褒めて、休憩させるようにしています。1回の撮影時間も長くても、10分以内でやってあげると、ワンちゃんの負担にならないと思います。ただ、動物の撮影には特有の難しさがあります。動きが予測できなかったり、じっとしていなかったりするため、思った通りの瞬間を捉えるのが難しいことも。そのため、うまく撮れないときは、合成などの手法で楽しむようにしています。

 

ペットをかわいく撮影する設定のコツ

 

Z6III、NIKKOR Z 20mm f/1.8 S

 

オートフォーカスの活用

普段は、オートフォーカスを使って撮影しています。特に、動きのあるペットを撮影するときには、オートフォーカスの追尾機能が役立ちます。ピントが自動的に追いかけてくれるため、撮影もスムーズです。もし、追尾機能がないカメラの場合でも、ペットの自然な姿を楽しみながら撮ることを心がけると、良い写真が撮れると思います!

 

ISO感度を低めに設定して画質を向上させる

カメラの設定はマニュアルモードを使い、ISO感度を100〜400に固定しています。また、シャッタースピードとF値を調整することで、背景のボケ具合やペットの動きなど、表現の幅を広げています。ISO感度を低めに設定することで、画質が向上し、レタッチでシャドウやハイライトの調整がしやすくなります。

 

被写体に応じた絞り設定

ワンちゃん1匹なら、背景をぼかすために開放で撮影します。複数のワンちゃんや妻と一緒に撮影する時は、絞って全員にピントが合うように設定します。

 

シャッタースピードの調整

動きが速いので、シャッタースピードをできるだけ速く設定しましょう。動きのある瞬間を捉えるためには、最低でも1/1000秒に設定しておくと安心です。また、シャッタースピードを調整することで、動きのある絵や静止画を意図的に変化させることができます。

 

ペットの写真をかわいく仕上げるレタッチのコツ

撮影中はリードを絶対に離さず安全を最優先にしているのですが、リードをなるべく写さないように撮影することで、後のレタッチでリードを消しやすくなります。

 

それでは改めて、くるみをかわいく仕上げるレタッチのコツを紹介します。

 

・色味:目の色はブルーを足しています。体毛に関しては、奥行きが出るようコントラストをつけています。また、全体の色味は背景と被らないようにして、彩度を上げています。

 

・明るさ:撮る時に光の位置を考えて、写真の情報量から光の多い箇所は強調して、影の多い箇所はシャドウを薄めるか濃くするかなどを考え、写真が生きるようにしています。

 

・効果:被写体選択でボディーは明瞭度を上げて、線型グラデーションで明瞭度を下げると表面の毛がフワフワになります。シャドウやかすみの除去も少しプラスすると良いです。

tetsuさんのお気に入りの写真

 この写真を撮ったとき、私自身も撮影を楽しめました。妻とくるみのリアクションがとても良く、それが写真に反映されている点が特に気に入っています。

 

Z6III、 NIKKOR Z 20mm f/1.8 S

 

撮影は、近くの公園で夕陽が沈んだ後、気温が30度以下に下がった時間帯に行いました。逆光が強く、シルエット風の写真に仕上がったことが印象的です。撮影時には、愛犬が楽しそうにしている瞬間や妻とくるみの様子を横から眺めるような写真を撮りたいという想いがありました。

ペットを撮影する面白さや魅力とは

 

Z6III、NIKKOR Z 20mm f/1.8 S

 

くるみを撮影するようになり、くるみに対する理解が深まったと感じます。「これは好きだから面白い顔が撮れるのね!」、「あ、これは嫌いなのね。」などなど。また、撮影をするたびに、人と犬との関係性を考えさせられます。撮った数だけ、「もっとこうした方がくるみに負担が少ないんじゃないか?」と常に考えています。また、妻とくるみがいると幸せな空気感を感じられていいな…と改めて思いました。

いつか、サイレントモードでの寝顔を撮ってみたいです。撮った事はあるけどまだ満足していないので、不意打ちの1枚が撮りたいんです。

 

photographer

tetsu

tetsu

愛犬のくるみと妻を被写体に、優しい雰囲気のアート写真を撮影している。2019年および2022年〜2024年まで、東京カメラ部インスタグラム部門で入選。

 

 

ぱるさんとハムスターのふたばさん

ぱる(@gsm_iham2)です。

以前からカメラが趣味だったのですが、ハムスターを家に迎えたことをきっかけに、自然とハムスターを写真に残すようになっていました。今では、時折見せる愛くるしい表情を残したいという想いがとてもあります。

今回は、 Z6IIIをお借りして、ハムスターのふたばさんを撮影しました。

わが家のハムスター「ふたばさん」

 

Z6III、NIKKOR Z 50mm f/1.8 S

 

ふたばさんは、ジャンガリアンハムスターの女の子です。ハムスターをお迎えしたいと思っていたところ、一目惚れしました。

 

 Z6III、NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S

 

ふたばさんは、出会った頃から飼い主に対する警戒心があまりなく、今では名前を呼んで手を見せるとかけよってきてくれます。また、おやつを見つけた時の表情がとても好きです。

ペットの魅力を引き出すコツ

撮りたいイメージに合わせてレンズを変える

撮影の際はNIKKOR Z 50mmf/1.8SやNIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR Sのレンズを使用することが大半です。50mmのレンズは、ハムスターを中心に写し、余分なものが入らないよう背景を整理して写すことができます。

 

Z6III、NIKKOR Z 50mm f/1.8 S

 

また、気分を変えたいときには、マイクロレンズの105mmレンズを使用しています。ハムスターの速い動きへの対応は難しいレンズですが、被写体にぐっと寄ることができ、解像感も素晴らしいレンズです。

 

視線をあげて、豊かな表情をとらえる

手渡しで食事をあげたり手のひらにのせてあげたりすると、飼い主とハムスターの関係性が伝わるような写真を撮ることができます。また、ハムスターの視線が少し上がるので、表情が豊かになるところも捉えられます。

 

Z6III、NIKKOR Z 50mm f/1.8 S

ペットをかわいく仕上げる設定・編集のコツ

【設定】背景は柔らかくぼかし、オートで自然な雰囲気を残す

・撮影モード:マニュアル

 

・シャッタースピード:1/400~1/500秒

 

・ホワイトバランス:AUTO(白を優先する)

 

・ピクチャーコントロール:オート

オートで自然な雰囲気を残しています。

 

・F値:50mmのレンズを使う場合は、F値をF2.0からF2.8に設定します。これにより、背景が柔らかくぼけてくれます。また、105mmのレンズを使用する場合は、F2.8からF4.0程度に設定するのが良いでしょう。ただし、F値を小さくしすぎると、ピントが合う範囲が狭くなり、動くペットにピントを合わせ続けるのが難しくなる場合があるので、状況に応じてF値を調整し、ピントが合いやすい設定を心がけると良いです。

 

・フォーカス:動くペットにピントを合わせ続けるために『AF-C』というフォーカスモードを使用します。また、フォーカスエリアをカメラが自動的に選んでくれる『オートエリアAF』を使い、カメラがペットを認識できるように被写体検出設定を『動物』に設定します。

 

Z6III、NIKKOR Z 50mm f/1.8 S
【編集】シャドウを少し上げて、顔を明るくする

 ・明るさ:どうしてもハムスターの顔が暗くなりがちなので、シャドウを少し持ち上げるようにしています。

ぱるさんのお気に入りの写真

この1枚は、ふたばさんと一緒の時間を過ごしている温かさが感じられ、また飼い主との関係性も伝わってくるように感じます。また、人間の手とふたばさんの小ささが対比されていて、その愛らしさが際立つ1枚となりました。ふたばさんがこちらを見ている姿もとても愛おしく感じられます。

 

Z6III、NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S

 

撮影は日中に行い、ふたばさんが起きてゲージから出てきた瞬間に撮影しました。ハムスターは手の上でも素早く動くため、撮影が難しいのですが、この写真はその瞬間をうまく捉えられたと思います。

ペットを撮影する面白さや魅力とは

 

Z6III、NIKKOR Z 50mm f/1.8 S

 

毎日一緒にいると、ハムスターの成長の変化に気付きにくかったりします。ですが、写真を撮ることで、ペットの表情が日々変わっていることに気づくようになりました。例えば、どことなく『機嫌が良いのかな?』と思えるような愛くるしい表情を見せる日もあれば、まるで飼い主には興味がないような表情をする日もあります。

いつか、広いスペースでこちらに走ってくる瞬間など撮ってみたいなと思います。本気で走っている時はどんな表情をしているのか気になります。

 

photographer

ぱる

ぱる

ハムスターと過ごす日常やさまざまな表情を撮影してSNSで発信。ハムスターと飼い主のあたたかい関係性が伝わるような写真を撮ることを大切にしている。

 

 

ぴよさんとカエルちゃん

 はじめまして、ぴよ(@PIYO_KAERU)です。

カエルと言うとなかなか「かわいい」というイメージを持つ人は少ないと思うのですが、たくさんの人にカエルのかわいさを知ってもらいたいと思い、カエルたちの写真を撮るようになりました。

今回は、 Zfcでペットのカエルちゃんたちを撮影しました。

 

わが家のカエルちゃんたち

Zfc、NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR

 

5年前に娘がつかまえてきた1匹のアマガエルをきっかけにカエルに夢中になり、今では100匹ほどのカエルちゃんと一緒に暮らしています。

カエルちゃんは1匹のほうがいろんな表情やかわいいポーズを撮りやすいのですが、2、3匹一緒にいると、会話をしているような姿や仲良く肩を組んでいるような姿を撮ることができます。

 

Zfc、NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR

 

また、カエルは、無表情なようで意外と表情豊かです。ごはんの時間になるとみんな目を輝かせたり、人間みたいな仕草をしたりと、いろいろな表情を見せてくれます。私を見上げながら後を追いかけるカメラに慣れた子もいて、そんな意外な姿に毎日癒されています。

ペットの魅力を引き出すコツ

ごはんを食べている時の輝いた笑顔をとらえる

写真はいつもごはんの時間に撮るようにしています。ごはんを食べるとみんな目が輝いていい笑顔になるので、その瞬間を狙って撮っています。

 

Zfc、 NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR

 

無理強いはしない

カメラを嫌がる子に無理強いはしないようにしています。そのため、カメラ目線のカエルをとらえようとはしないで、カメラの方を動かして撮るようにしています。    

 

Zfc、 NIKKOR Z MC 50mm f/2.8

ペットをかわいく仕上げる設定・レタッチのコツ

【設定】オートフォーカスで撮影

 人に慣れているカエルはあまり動かずじっとしているので、オートフォーカスで撮影しています。

【レタッチ】本来の色が伝わるように色味や明るさを調整する

明るい雰囲気を出すために、明るさを少し上げています。また、カエルちゃんたちはみんなきれいな色みをしているので、写真でも本来の色が伝わるように色味や明るさを調整するようにしています。

 

Zfc、NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR

ぴよさんのお気に入りの写真

この写真は、ごはんを準備しているときにカエルちゃんが「ごはんはまだかなぁ」と待っている様子をとらえたものです。ごはんを楽しみにしてバケツから顔を出し、ワクワクしている様子がとてもかわいらしく感じられました。

 

Zfc、NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR

 

わが家のカエルちゃんたちはみんなバケツが大好きで、よくバケツの中で寝ていることが多いため、そんな大好きなバケツと一緒に撮影したいと思いこの写真を撮りました。撮影後に写真を見返してみると、お気に入りのバケツと一緒で安心感があるのか、緊張していないようなとても良い表情が撮れたと感じました。

ペットを撮影する面白さや魅力とは

Zfc、 NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR

 

カエルちゃんたちはただ寝てるだけでもかわいいのですが、一瞬の表情や仕草が笑っていたり挨拶をしていたりするように見える時があります。そういった瞬間は最高にかわいいので、撮れると嬉しい気持ちになります。

また、普段は人工物の中で写真を撮っているので、いつか緑の中でいきいきとしている姿も撮りたいなと思っています。

 

photographer

ぴよ

ぴよ

カエルのかわいい写真を日々Xやinstagram、youtubeで公開している。カエルが好きでカエルのかわいさを広めるべく写真や動画を撮っている。2023年に『ぴよのカエルびより』(KADOKAWA)を出版。

 

Supported by 東京通信社

 

 

Z6III

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Z fc

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NIKKOR Z 50mm f/1.2 S

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NIKKOR Z 20mm f/1.8 S

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20190523173952

NIKKOR Z 50mm f/1.8 S

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NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S

NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S

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