私と写真、自分らしい楽しみ方 – ごりかめ「心の奥に突き刺さる美しい風景」

ふと目に留まった写真。
あの人の写真に、なぜ心が動かされるのでしょうか?

この企画では、日々カメラで写真撮影を楽しむ方をピックアップし、「写真を始めた理由」「写真の魅力」「愛用カメラ」「写真を撮り続ける理由」を教えていただきます。

今回は、星空と人工物をかけ合わせた幻想的な写真を撮影している写真家のごりかめさん(@goricame_jp)です。

Zf、NIKKOR Z 20mm f/1.8 S

 

フォトグラファーのごりかめです。

日常の中で出会う星空の美しさや、ノスタルジックな風景に心を動かされながら、その瞬間を切り取ることを大事にしています。

ほかには、星空フォトウォークを主催し、星空撮影の魅力を伝えながら撮影方法からレタッチまで、参加者の皆さんと一緒に学び合う時間を大切にしています。

 

Zf、NIKKOR Z 20mm f/1.8 S

こぼれ落ちそうな満天の星空を、自分のカメラに収めたいという衝動から始まった星空撮影

始まりは、友人に連れられて行った「奈良の大台ヶ原の星空」

星空を撮影するようになったきっかけは、6年前くらいに友人に連れて行ってもらった奈良の大台ヶ原の星空です。その時友人が撮った星空写真を見て感動し、「自分も星空を撮りたい!」と思い、翌週にはカメラを買いに行きました。こぼれ落ちそうなほどの満天の星が広がる大台ヶ原の星空は、今でも覚えています。

 

目に映る美しい星空を、永遠に残せるのが星空写真の魅力

Zf、NIKKOR Z 20mm f/1.8 S

 

きれいな星空を見に行って、その風景を残せるのが星空撮影の最大の魅力だと思います。長時間露光で撮影をするので、15秒後のモニター越しに見る星空の風景に毎回感動して嬉しくなります!

私にとって美しい風景とは、“心の奥に突き刺さるような魅力”を感じるものです。
美しさの感じ方は人それぞれですが、私の心に深く残っているのは、原体験である大台ヶ原での「星空」なのです。

また昔から、電線やカーブミラー、標識越しに見る空が好きでした。大人になった今でも、帰り道に空を見上げてオリオン座を見つけると、“なんか懐かしい”、“なんか良い”と小さな感情が動き、星空の撮影するたびにそんな瞬間が私にとって特別で大切なものだと感じます。

 

新海誠さんや東地和生さんからの影響

星空写真を撮るにあたって影響を受けたのは、新海誠さんの作品です。写真を始める前から新海誠作品が好きで、星空であったり、空の広さであったり、そのイメージに影響を受けています。新海さんの作品では、電柱や鉄塔の描写が多く出てくるのですが、ローアングルで空の広さを強調していて、小さなスクリーンで見ても壮大に見えます。まるで、本当の星空のように美しいんです。

Zf、NIKKOR Z 20mm f/1.8 S

 

新海誠作品以外には、アニメ背景美術監督の東地和生さんの影響もかなり受けています。とくに夕方の空の色や空気感に影響を受けていると感じます。空や背景、光のきれいな作品が好きで、背景美術集を読んではインスピレーションをもらって、自分の写真に落とし込んで表現しています。

私の思い出に残る1枚

イカ釣り漁船さえも夜空からこぼれた星のように。満月に照らされた海で撮った1枚

この写真は、NICO STOPのYouTubeの撮影で撮った時の写真です。撮影の日がちょうど満月付近でした。いつもは新月近辺で星空撮影に行くので、満月付近での撮影が何気に初めてで、どんな写真が撮れるのかワクワク7割、ちゃんと撮れるのか不安3割でした。ですが、現地に着くとそんな不安も吹き飛びました。幻想的な月と、月の光に負けないぐらいに輝く星たち、遠くの海に浮かぶイカ釣り漁船がまるで空からこぼれ落ちた星のようで、心を奪われました。

Zf、NIKKOR Z 20mm f/1.8 S

 

星空と日常が織りなす瞬間をとらえる楽しみ

星空撮影といえば、天の川や北斗七星などを撮ろうとしがちだと思うのですが、有名な星座を無理に撮ろうとしなくても、だだそこに広がる星空と日常の風景を一緒に撮るのも良いなぁと思うようになりました。

また、多少街灯があるような場所でも、その光とうまく向き合えるようになりました。星空を電柱や標識と組み合わせて撮ることが多いので、場所によっては周りに街灯の光が入り込むこともあるんです。以前は電柱や電線を邪魔に感じて好きじゃなかった時期もありましたが、写真を見た方から「ごりかめさんの写真に出会ってから電線と星空の組み合わせが好きになりました!」という感想をいただいた時は、とても嬉しかったですね。

Zf、NIKKOR Z 20mm f/1.8 S

 

心に残る、大変だった星空撮影の旅路

1人で種子島に行ったことがあるのですが、その時の移動が1番大変で心に残っています。

夕方に大阪を出発し、鹿児島を経由して種子島へ向かいました。高速バスで約2時間、高速船で2時間半、路線バスを乗り継ぎ歩きながら撮影場所までにさらに3時間ぐらいかかり、目的地に着いたのは日が沈む頃でした…。

移動はとても大変でしたが、漆黒の宇宙の中に放り出されたような不思議な星空を見上げながら、街灯も届かないサトウキビ畑の真ん中を自転車で走ったのはとても良い思い出です。

星空撮影を共にする愛用のカメラとレンズ

カメラは、Zfを使っています。憧れのフォトグラファーさんが使っていて、次にカメラを買うなら絶対にZfと決めていました。また、カメラのデザインがかわいいことも理由のひとつです。

Zf、NIKKOR Z 40mm f/2(SE)

 

かわいいだけじゃない。1台で全部を完結させるカメラ「Zf」

Zfはフルサイズなのに見た目がフィルムカメラっぽくてかわいいので、首からさげているだけで楽しくなるところがお気に入りです。また、動画も含めて撮って出しがとてもきれいです。Zfを購入してから動画を始めるようになったのですが、星空をタイムラプスで撮ったらカメラ1台ですべて完結できることもZfの魅力かなと思います。

 

星空撮影は24mmと20mmレンズで撮影

普段のレンズはNIKKOR Z 40㎜ f/2(SE)の単焦点を使っています。星空撮影ではNIKKOR Z 24mm f/1.8 Sか NIKKOR Z 20mm f/1.8 Sで撮影しています。40㎜ f/2(SE)の単焦点レンズは、ボケが滑らかで、軽量でコンパクトな点がお気に入りです。星空撮影で使用している20mmは、ちょうど良い画角で抜けが良く、透明感のある描写がお気に入りです。

私が写真を取り続ける理由

私が写真を撮り続けるのは、好きなものと向き合いながら、ただ純粋に写真を撮るという行為が好きだからです。

 

時を経て思い出せなくなったことや変わってしまった風景はたくさんありますが、写真を見返せばその当時の光景や思い出が鮮明に蘇ります。この瞬間を忘れたくないと思える光景に出会った時や、誰かに共有したいという感情が生まれた時、そんな大切な瞬間を写真に残せることが、私にとっての写真の魅力です。

 

Z 6Ⅱ、NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S

 

いつか、外国に出て、南半球の星空やオーロラを撮ってみたいです!国内だと、広島の十文字展望台や小笠原諸島で星空を撮ってみたいですね。星空以外だと、全然ジャンルは違ってくるのですがミニマル写真にも興味があります。    

 


ごりかめさんがエピソードで触れたNICO STOPでの撮影はYouTubeで公開中です。

事前の準備や必要な機材、シチュエーションや時間帯ごとの撮り方のコツなどを実際にロケをしながらお話しいただいています。「自分が最初に星空写真を見た時の感動を同じように味わっていただきたい。」と語るごりかめさん。初めての方でもチャレンジしやすい撮影方法について解説いただいていますので、ぜひ星空撮影にチャレンジしてみてください!

また「フォトグラファーのマストアイテム」をテーマに普段愛用されているZfの使用感や撮影に欠かせない必需品、機能性を意識したアイテムなどをピックアップいただきました。あわせてお楽しみください。

動画は以下からご覧ください。


はじめての星空撮影のポイント 自分だけの夜空を記録に残そう! | ごりかめさん


フォトグラファーのマストアイテム | ごりかめさん

Z f

Z f

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20190523173955

Z 6II

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NIKKOR Z 20mm f/1.8 S

NIKKOR Z 20mm f/1.8 S

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NIKKOR Z 40mm f/2

NIKKOR Z 40mm f/2(SE)

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NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S

NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S

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ごりかめ

ごりかめ

星空と人工物をかけ合わせた幻想的な写真を撮影している。星や空、田舎の夏などのノスタルジックな風景に心を震わせ、その瞬間を切り取ることを大切にしている。