みなさん、こんにちは! 大分在住のフォトグラファーyasuka(@ya.24)です。
Z シリーズと47都道府県を旅する『Z と写真家と47都道府県の旅』で、九州のさまざまな場所を旅してきました。たくさんの方に読んでいただき、そして反響をいただき、とてもうれしいです!
私が旅撮影で何より大事にしているのは、「旅そのものを楽しむこと」。そして、写真自体が旅の魅力でもあります。友達との思い出を記録したり、絶景や非日常体験などの感動を収めたり…撮影している時間はとても楽しいですし、あとで見返すと旅の情景がよみがえってきます。
今回はこれまでの旅を振り返りながら、旅写真を撮るときに心がけていることについて紹介していきたいと思います。みなさんのこれからの旅に少しでも参考になってくれたら幸いです!
※本記事の写真はすべて、緊急事態宣言前に撮影したものです。
- 期待が高まる道中から撮影
- 非日常の風景との出会い、感動を写し取る
- 人+風景で、旅感たっぷりに撮影する
- お店や建物内の空気感を丁寧に切り取る
- 旅の食事を美味しそうに撮りたい
- アクティビティを楽しみながら撮影
- 友達との旅だからできること
- 【番外編】旅は準備からはじまっている!
- Photographer's Note
期待が高まる道中から撮影
旅は、家を出たときからはじまります。まずは、現地に着くまでの移動中も撮影を楽しんじゃいましょう!
移動中の風景も思い出のひとコマ
電車やバス、フェリーなど、移動中もきれいな風景に出会えるチャンスです。
流れる風景を背景に友達の横顔や後ろ姿を入れたり、電車であれば窓越しで額縁のように風景を写すと、旅感がより出てくると思います。
旅のはじまりを記録する
乗り物移動のときは、チケット売り場や乗り場もしっかり撮影。これからはじまる、旅へのワクワク感を写真として残せます。
非日常の風景との出会い、感動を写し取る
旅の醍醐味といえば、日常とは違う風景との出会いです。
自然の美しさを写真に残したい
自然豊かな風景は、見ているだけで癒やされますね。撮影するときは、柵など人工物が極力入らないようにしながら、自然を画面いっぱいにフレーミングするようにしています。人工物でも風景に溶けこんでいるものは、アクセントとして生かしてもいいと思います。
その季節ならではの風景や、四季折々の草花に出会えるのも旅の魅力です。目の前に広がる風景を広角でダイナミックに写したり、草花に近づいて撮影すると、旅写真のバリエーションを増やせます。夏らしさのあるワンピースなど、人からも季節感を出すことができますよ!
天気や時間で変わる、一期一会の風景を切り取る
有名スポットでなくても、空の表情や天気によって、その瞬間にしか出会えない思い出深い風景になります。そんな一期一会の風景を切り取るときは、ちょっとしたポイントを押さえるだけでぐっと写真がよくなります。
【晴れ】
- 場所:開けた場所が空の広がりを生かせる
- 撮り方:空をきれいに写したい場合、順光で撮る、もしくは太陽から離れた空を撮るのがオススメ
【雨やくもり】
- 場所:路地や街並み、夜の街に灯る明かりを生かす
- 撮り方:できるだけ空を入れない構図で、傘や濡れた路面でしっとりした雰囲気を出す
人+風景で、旅感たっぷりに撮影する
誰かと旅をするとき、きれいな風景と一緒に写真を撮りたいですよね。人+風景では、風景の割合を多くすると旅情溢れる写真になります。
視線の先に余白をつくり、風景の広がりを感じさせる
このとき、視線の先に余白を広くつくるのがポイント! 風景に広がりを感じますし、一緒に旅している気分になると思います。
手すりのある橋やベランダなどは絶好の撮影スポット。風景を眺めている様子を自然に切り取れます。実際にそこから見える風景も一緒に撮っておくと、見返したときにそのときのことをより鮮明に思い出せますよ。
「撮りたい」と思った場所では足を止めて撮影
友達にベンチに座ってもらったり、同じ道を数回往復してもらうこともあります。同じ道で帰るかわからないですし、天気や太陽の状況は変わってしまうので。また、友達と反対側の道路を歩いてみたり、先回りしたり、少し後ろを歩いみたり…。いつも動き回って、友達のいい瞬間を狙っています。
「ポツン構図」がかわいい!
先ほど風景の割合を多くしましたが、思いきり人を小さく入れる「ポツン構図」もオススメです。風景に溶けこむような仕草やポーズがポイントで、上の写真であれば「駅のホームで電車を待っている」イメージ。背景と被写体が同化しない位置に立ってもらうことも意識します。被写体は小さくなりますが、物語を感じてもらうように撮影しています。
旅の主人公をイメージして、客観と主観の両方で撮る
友達を旅の主人公に見立てて、引き+寄りの撮影をよくします。
- 引き=客観的:旅を楽しんでいる様子を写せて、見返したときにどんな場所かわかりやすい
- 寄り=主観的:写る人の目線を意識すると自分が旅の主人公になった気分に、逆に向き合って撮るとその人と一緒に旅している気分に
写真をまとめるときに交互に並べると、旅のストーリーにより浸れると思います。
お店や建物内の空気感を丁寧に切り取る
食事処やお土産屋さん、観光施設などいろんな建物巡りも旅の楽しみです。私は、その土地・建物ならではの空気感を丁寧に写すことを心がけています。
入口に入るシーンを意識すると、中への期待が高まる
まずは外観から。建物に入るときは、友達に入口に立ってもらうと中への期待感も表現することができます。
お店などで撮影するときに注意すること
- 「撮影してもいいですか?」とひと声かける
- 他のお客さんの迷惑にならないようにする(混雑しているときは長居しない…など)
店内全体+商品単独を撮ることで、雰囲気が伝わる写真になる
店内を撮る場合、以下の3つを意識しています。
- 全体の雰囲気がわかる引きの写真
- 物に寄った写真
- 人が物を手に持ったり、見ている様子の写真
引きだけでは記録写真になりがちで、寄りだけでは状況がわからない。うまく組み合わせるのが大事です。さらに人を入れると臨場感が出ると思います。
旅先でレトロなものを探すのも楽しい!
ノスタルジックな雰囲気が好きで、ランプやストーブ、風鈴など、好きなものをコレクションするようにシャッターを切っています!
このとき人を入れずに撮ると空気感がよくわかり、写真を見た方が想像を膨らませることができると思います。
お店の方と会話をすることで、その場所の物語を写す
また、お店や施設の方と会話したり、作業風景を写すと、その場所のストーリーが浮かび上がってきます。いきなりカメラを向けると抵抗があると思うので、コミュニケーションをとりながら撮影させてもらいましょう。
旅の食事を美味しそうに撮りたい
美味しい料理を求めて旅をするくらい、食事は旅の大きな目的。せっかくなら美味しそうに撮りたいですよね。
シズル感や動きを出す
料理は寄るほど美味しそうに見えると思うので、「美味しそう~」と友達が喜ぶ様子と一緒に、寄り写真も撮るようにしています。
他にも、運ばれてくるとき、すくうとき、お茶を注ぐときなどの動作を入れると、食べるまでのワクワク感も写せるんです。
並べてかわいく撮る
ドリンクやデザートなど、見た目がかわいいものは、並べて自然光を生かすとさらにかわいく写せます。
食事中の表情って、すごくかわいい!
撮るときに「美味しい?」と声をかけるようにしています。食べているときの表情って、自然ですごくかわいいんですよね。ぜひ、食べ物の写真と一緒に思い出を残してください!
お店の雰囲気を生かして、食べているシーンをオシャレに
アンティークな店構えや自然に囲まれた環境など、お店の特徴は積極的に写真に生かします。少し引いてインテリアを入れたり窓の外から撮影すると、お店の雰囲気ごと切り取ることができますよ。
席選びと撮影するポジション
席は自然光を生かせる窓際がベストですが、窓際の席に座れない場合や、店内に光が入らないこともありますよね。そのときは、小さいF値や遅いシャッタースピード、高いISO感度など、極力光を取りこめるように設定などでカバー。上からの照明は影になりやすいので、立ち位置にも気を配りましょう。
アクティビティを楽しみながら撮影
自然豊かな観光地などでは、アクティビティも体験できると思います。そこでチェックしておきたいのが動きながら写真を撮るときのポイントです。
目まぐるしく風景が変わるときは、プログラムオートで
上の写真は、カートが高所を走り抜けるアクティビティです。風景が刻々と変わるとき、カメラの設定をしている時間は少ないので、プログラムオートでカメラまかせがオススメ!
不安定な場所での撮影は、ブレに注意して
ボートなど土台が動く場所での撮影は、シャッタースピードに気をつけましょう。ぶれないようにできるだけ速いシャッタースピードに。あえてぶらして躍動感を表現してみてもおもしろいかもしれません。
アクティビティ撮影の注意点
必ず首からストラップを下げ、ライブビュー撮影に切り替えて周囲を確認できるようにしておくと安全です。
友達との旅だからできること
私は気心の知れた友達と一緒に旅することが多いのですが、友達との旅だからこそ撮れる写真がいっぱいあります。
写る人が増えるほど、楽しさも倍増!
1人より2人…と、人が多いほうが楽しい雰囲気も写真から伝わってくると思います。写真に写っている表情から撮っている人の気持ちも想像できるんじゃないかな…と。友達がカメラを持っている場合は、撮り合いっこも楽しいですよ!
自然な笑顔や仕草を撮るコツ
笑顔を引き出すために、撮影中も撮影以外の会話…例えば昨日のごはんの話だったり、好きなことだったり、自然に笑顔になりそうな話題を選ぶようにしています。
カメラ目線ではない写真を撮りたいときは、「この線の上歩いてみて!」「ジュースを飲んでみて!」のようにお願いして、動作や仕草を撮影しています。
撮る側の自分も写りたい
ついつい撮影に夢中になっていると「自分が写ってる写真がない」なんてこと…あるあるです。友達との旅なら、心おきなく自分も写れますよね。
それに、せっかくなら旅にきた全員の写真も撮りたいところです。その場にいるスタッフの方に撮影をお願いしてみましょう。このとき設定をすませたカメラを渡して、複数枚撮ってもらうのがポイント。「こんなふうに」と、先に撮って構図を見せると理想の写りに近づきます。
集合写真はセルフタイマーでも!
自分たちのペースで撮れるので、ポーズを合わせたり、表情を変えたり。カメラの位置からみんなで走って、シャッターが下りるまでに決まった位置でポーズをすると、みんな笑顔で楽しい写真が残せます!
おもしろいものを見つけたら、どんどん試してもらう
普段はしないようなことも、テンションが上がってやってしまうことありませんか? そんな絶好のシャッターチャンスは連写で! 上の写真は温泉街で、「顔湯」というものを見つけて友達に顔を入れてもらいました。
お土産を自分で作る体験にもチェレンジ!
これは長崎で友達と一緒に体験した「ぽっぺん」の絵付けです。後日完成したぽっぺんが届き、空に透かして撮りました。お土産を見るたびに、友達との旅の記憶がよみがえります。
【番外編】旅は準備からはじまっている!
絶対行きたい場所を軸にするとプランを決めやすい
旅の計画は、「ここは絶対撮りたい」というスポットを軸にすると、決めやすくなります。
上の写真を撮った福岡・能古島では、「大きなブランコを撮りたい」と、このスポットを軸にプランを決めました。
バルーンフェスタなどイベントの撮影を狙う場合は、イベントの情報収集、交通機関の乗り継ぎ、持ち物の準備など、かなり入念に計画を立てる必要があります。
日帰り旅の持ち物
- リュック
- ショルダーバッグ(撮影時に取り出して使います)
- カメラ+レンズ(インナーボックスに入れて収納)
- お手入れ道具(ブロアーとクリーニングクロス)
- モバイルバッテリー
- レジャーシートやハンカチスカーフ
- クリアファイルや筆記用具
- 麦わら帽子や防寒着
目的地に着いたら、ショルダーバッグに必要最低限のものだけを入れて散策。タオルやお土産撮影の背景にも使えるハンカチスカーフなど、1つで何役もこなす機能的なアイテムを活用するのがポイントです。
もちろん旅の計画をしっかり立てることに越したことはないんですが、旅慣れしてくるとガイドブックには載っていないスポットを探したくなってくるんです。メインは決めつつも、ちょっと寄り道して自分だけのスポットを探すのも旅の楽しみの一つですよ!
Photographer's Note
旅は…思いがけないことが起きたり、見たことのない絶景に出会えたり、日常では味わえない特別な時間を過ごすことができます。繰り返しになりますが、旅撮影の一番のポイントは、「旅そのものを楽しむこと」です。
これからもいろんなところへ旅して、肌で感じたその土地ならではの雰囲気とその時々の空気感を写真に残していきたいと思います。
それではまた! 次の旅へ行ってきます!!
旅撮影のポイント
- 移動中は、友達の横顔や後ろ姿を写すと旅感が出る
- 雨のときは、傘や濡れた路面でしっとりした雰囲気に
- 風景+人を撮る際は、視線の先に余白を持たせる
- お店撮影は寄り引きに加え、人を入れて臨場感を出す
- 食事は自然光で、シズル感や動きを出して撮る
- アクティビティ撮影は、プログラムオートでカメラまかせに
- 友達の笑顔を引き出すために、撮影以外の会話で和んでもらう
- 旅のプランは、「絶対行きたい場所」を軸にすると決めやすい
yasuka's travel list
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