はじめてのミラーレスカメラ|第9回「ボケ表現をマスター! 写真に深みを出す「後ボケ・前ボケ・玉ボケ」の撮り方」

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写真初心者のミナちゃんが、カメラや写真について学んでいく連載企画「はじめてのミラーレスカメラ」第9回。ジュンくんと人物撮影の練習を続けていたミナちゃん。最近は、背景をぼかした雰囲気のある写真がお気に入りです。けれどフォトグラファーの嵐田さんいわく、ボケにも使い所があるんだとか。意外に深いボケの世界を学びます。

ミナちゃん
ミラーレスカメラを買ってから、背景をぼかした写真を撮るのが楽しい。

嵐田さん
東京を拠点に、家族写真や都市光景を中心に撮影するフォトグラファー。

ジュンくん
ミナちゃんの友だち。撮影練習に付き合う日々。

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さらに詳しく! ボケの効果・種類・作り方

  • ボケの効果と使い所

一部の要素や背景をぼかすことで、メイン被写体を目立たせるのが「ボケ」の使い方。また、ほんのわずかにぼかすだけでも自然な奥行きが生まれ、二次元の表現手法である写真に立体的な印象を与え、作品にぐっと深みが増します。ボケはあらゆる撮影シーンで使える便利な表現。ただしいつも背景をぼかしてしまうと、どの場所で撮影されたのか区別がつかず同じ印象の写真になるため、使い分けてみましょう。

 

  • 抑えておきたい、3種類のボケ

(1)後ろボケ
ピントが合ったメイン被写体から、後ろの要素をぼかすこと。ボケの最もベーシックな手法。

(2)前ボケ
ピントが合ったメイン被写体から、手前の要素をぼかすこと。レンズ・メイン被写体間に置く要素がボケるイメージです。

(3)玉ボケ
イルミネーション、水面、木漏れ日など「点光源」からピントを外し撮影すると、光の玉が浮き出ます。これを玉ボケといい、幻想的な印象に仕上がります。後ろボケと前ボケ、どちらにも適用できます。

POINT
メイン被写体を前ボケ・後ろボケの両方で挟むことで、写真に3層構造が生まれさらに奥行きが生まれます。

Z 6 NIKKOR Z 50mm f/1.8 S

Z 6 NIKKOR Z 50mm f/1.8 S
  • ボケを作る4つの要素と作り方

(1)レンズ・被写体の距離
被写体と背景の距離が固定されている場合、カメラと被写体の距離が近いほど背景のボケは大きく、距離が遠いほど背景のボケは小さくなります。

(2)被写体・背景間の距離
レンズと被写体の距離が固定されている場合、被写体と背景の距離が近いほどボケは小さく、距離が遠いほどボケは大きくなります。

(3)F値
F値を小さい値にするほど大きくボケて、大きい値にするほどボケは小さくなります。設定できるF値はレンズによって決まっており、そのレンズの最小F値にした状態を「開放(開放絞り)」と呼びます。

(4)焦点距離
レンズには「mm」で表される「焦点距離」と呼ばれる値があります。焦点距離が長いほど望遠レンズではボケが大きく、短いほど広角レンズではボケは小さくなります。

Z 6 AI Nikkor 50mm f/1.4

Z 6 AI Nikkor 50mm f/1.4

POINT
はじめのうちは①・②の「被写体に関連する距離」もしくは③「F値」のうち片方を固定し、残りの片方の要素を調整しながら練習するのがおすすめ。撮影をするうちに、F値と距離次第でどれだけボケるか、ボケを作りやすい方法と好みのボケ感がわかるはず。撮影モードはAvモードを使うと、ISO、シャッタースピードをカメラが自動設定してくれます。

 

  • ボケの作り方

(1)F値を小さい値で固定し、撮影者・被写体・背景の距離を変更する
…テーブルフォトの際、F値を2.8で固定し、メイン被写体・ぼかす要素・撮影者を動かし距離を調整する

(2)撮影者・被写体・背景の距離を固定し、F値を開放値から調整する
…小さいお子さんから離れずに撮影する際に、被写体との距離を1mほどで固定し、F値を絞り開放から調整する

 

  • ボケが作りやすい単焦点レンズ

焦点距離が固定されズーム調整ができないレンズのこと。焦点距離が固定されたシンプルな構造な分、ズーム調整ができる種類のレンズよりF値が小さく設計されていて、主役を引き立たせるボケの表現が得意です。

Z 7 NIKKOR Z 35mm f/1.8 S

Z 7 NIKKOR Z 35mm f/1.8 S

Adviser's Note

Z 50 NIKKOR Z 35mm f/1.8
Z 50 NIKKOR Z 35mm f/1.8
Z 50 NIKKOR Z 35mm f/1.8 S

「ボケの表現」というと、撮影モードを絞り優先オートにし、F値を変えることでボケの大きさをコントロールすることが多いかと思います。しかし、単にF値を開放すれば理想的にボケるわけではないのが、ボケの奥深いところ。

例えば花や小物のような小さな被写体を、明るいレンズで絞りを開放にして、被写体に大きく近づけて撮影すると、必要以上に背景がボケてしまって見づらい写真となりがちで、少しF値を絞って撮るなどの調整が必要です。逆に離れたところの被写体(人など)の背景を大きくボカしたいときは、被写体の背後に壁などがあると絞りが開放であってもほとんどボケません。

F値だけでなく、「被写体や前景/背景との距離」の意識を持つと、より意図を持たせたボケの表現が可能になります。上の2枚の写真は、同じレンズ、F値かつ、レンズと被写体の距離もほぼ同じ条件下で撮ったもの。背景のボケ感を比べると、被写体と背景の距離が近い左の写真はボケが小さく、距離が遠い右の写真はボケが大きいことがわかると思います。F値や距離によってどのくらいボケ感が変わるのか、その辺りの感覚はいろいろと撮り比べながら身につけるといいでしょう。

 

第10回は…
これまで撮った写真を見返していたミナちゃん。すると、「自分らしい写真に仕上げてみたら?」と嵐田さんからアドバイスが。そこで、嵐田さんが得意とするフィルムのような風合いを出す編集を教わることに! そこでネガフィルム「Kodak PORTRA 400」らしく仕上げる編集と、自分らしい表現について学びます。

illust:冨田マリー(@tomitamary_
Supported by 東京通信社

Z 50

製品ページ ニコンダイレクト
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Adviser

嵐田大志

嵐田大志

スマートフォンのアプリを活用し、フィルム風の空気感を表現。家族や身近なものを中心にしつつ、頻繁に旅する海外でのスナップを撮り続けている。著書に『デジタルでフィルムを再現したい』(玄光社)