写真初心者のミナちゃんが、カメラや写真について学んでいく連載企画「はじめてのミラーレスカメラ」第8回。カフェで出会い、カメラを通じて友達になったミナちゃんとmisuzuさん。今度はポートレート撮影の練習に出かけることにしました。misuzuさんから「当日に撮りたいテーマを考えてきてね!」という宿題をもらったミナちゃんですが、どんなアイディアを思いついたのでしょうか? 友達のジュンくんにも協力してもらい、自然な姿と表情を引き出す撮影のポイントを学びます。
ミナちゃん
友達や家族の自然な姿を撮りたい! 自分が写るときはピースしがち。
misuzuさん
関西を拠点に活動しているフリーランスフォトグラファー。日常写真をはじめ、暮らしにまつわる動画やマタニティー、ウエディング写真を撮影。
ジュンくん
ミナちゃんの友達。カメラが趣味。撮影するのは好きだが、撮られるときは緊張する。
自然な表情とポーズを引き出す撮影のポイント
- 「テーマ」を決めるのがおすすめ!
撮影前に大まかな「テーマ」を決めることで、被写体のシチュエーションに合った自然な姿をイメージでき、ポーズがワンパターンになることを防げます。また、撮影時に撮影者と被写体がイメージを共有できるため、スムーズに狙った写真を撮ることができます。
- 自然な姿・表情を引き出すコミュニケーション
普段通り、会話をしながら楽しく撮影することがポイントです。ポーズや動きの指示は、撮影者が見本を見せると伝わりやすくなります。また、撮影者と被写体の両方が後悔のない作品作りをするためには、髪や服の乱れなど、気になることは細かく指示をしてあげることも大切です。
POINT被写体が緊張してしまうときは、シャッターを消音にすると自然な姿を引き出しやすくなります。また、「撮るよ」の合図からあえてワンテンポ遅れてシャッターを切ると、スキのあるリラックスした雰囲気の姿を捉えやすくなります。
- 動きを感じる写真の作り方
ポートレートでは風になびく髪、服などはシャッターチャンス。小道具を使える場合は、ストールなどの布で風の動きを捉えたり、雑誌をめくって実際に動いてもらうなどして撮影してみましょう。男性は髪や服装などなびく要素が少なく動きを捉えにくいため、より大きく動いてもらいましょう。
- 表情の印象を深める、光と影の使い方
被写体の強調したい部分に光をあてると、より印象深い作品になります。ポートレートでは、顔に落ちた木漏れ日の光を目の周辺に合わせるなど、特に「目」を意識して光を取り入れると、雰囲気が増し、さらに表情の印象が強まります。
POINT光が眩しくて被写体が表情をしかめてしまうときは、一度目を閉じてもらってから撮影者の「開けて!」の合図に合わせて開いてもらい、シャッターを素早く切るのがおすすめです。
Adviser's Note
ポートレート撮影では、被写体の自然な姿、表情を引き出すことを意識しています。
例えば、光が強くて眩しい場面では「まだ目を閉じてていいよ」と、一声かける。これは眩しい顔になるのを避けるためでもありますが、第7回の「カフェで友達に『食べていいよ』と声をかける」テクニックと同じように、被写体の「撮られている」という緊張感をなくすことが大きな目的です。そして「せーの!」のかけ声で目を開けてもらい、タイミングを合わせるように撮影します。
それから、「〇〇風の顔をしてみて」「〇〇にいる感じで」と、私からちょっとしたお題を出して表情を引き出すこともあります。被写体の好きな俳優や女優、映画などを聞いてみて、トライしてみてはいかがでしょうか。コミュニケーションも生まれますし、空気が和み自然な表情が引き出せますよ。
そういった行動が、シャッターを切るときの笑顔につながり、ナチュラルな姿を引き出せると感じています。
第9回は…
ジュンくんに付き合ってもらいながら、撮影の練習を続けるミナちゃん。最近は背景を大きくぼかした、雰囲気のある写真の撮り方がお気に入りです。けれどフォトグラファーの嵐田さんいわく、ボケにも使い所があるんだとか。ボケの効果や詳しい作り方など、奥深いボケの世界を学びます!
illust:冨田マリー(@tomitamary_)
Supported by 東京通信社
Adviser
misuzu
1995年 香川県出身。大学一年生のときにカメラを始め、自身の作品集としてinstagramを開設。柔らかな空気を感じさせる写真からスタートし、現在は独特のセンスで捉えたフィルムポートレートやナチュラルな日常写真が人気を集めている。学生時代には日本最大級の水族館でワークショップを実施し、近年ではカメラメーカ等でトークショーや写真展を開催。現在は、フリーフォトグラファーとしても活躍している。