神秘的な光芒撮影にチャレンジ! 撮り方のコツと、オススメの光芒スポット6選

神秘的な光芒撮影にチャレンジ! 撮り方のコツと、オススメの光芒スポット6選

みなさん、こんにちは。長野県出身のフォトグラファーDaisuke Uematsu(@daisukephotography)です。普段は「四季の美しさ」をテーマに、光と影の織り成す美しい景色を求めて風景撮影をしています。

これまで、桜・富士山・雲海と自然の被写体についてお話ししてきましたが、今回は6年ほど前から撮り続けている「光芒」についてです。

 

D800、AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED
D850、AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED
(左)D800、AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED、(右)D850、AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED

 

「光芒」は尾を引いているように見える光の筋のことで、木々や雲の間から差しこむと光のカーテンのように神秘的な光景が現れます。太陽の位置や湿度、風など特定の条件を満たしていなければ見られず、その希少性が光芒をより特別感のあるものにしているのかもしれません。

 

今回は、そんな美しい光芒を撮影するために知っておくべきことや、幻想的な光芒をより魅力的に写すポイントを紹介したいと思います。

 

基礎:光芒撮影のために知っておくべきこと

光芒は偶然性の高いものですが、現れやすい条件などを知ることでチャンスは格段にアップします。

ここではまず、光芒の基本について紹介します。

【シチュエーション】木などに囲まれた水分のある場所

光芒は、木や雲の隙間から差しこむ光が、空気中の水滴に当たることで見える現象のこと。森の中にある川や滝、雲におおわれた空などが、光芒の発生しやすいシチュエーションです。雲間から差す光芒は、その美しさから「天使のはしご」とも呼ばれています。

 

D850、AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED
D850、AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED
D850、AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED

左:森の中に差しこむ光芒、右:雲の隙間から差しこむ光芒

 

はじめて光芒撮影に挑戦するときには、SNSなどで「#光芒」と検索してみると、時期によって光芒が見られるスポットを見つけやすいと思います。

今回は、発生場所を予測できて狙いやすい、森の中の川や滝での光芒撮影をメインに紹介していきます。

【気象】晴天・低い太陽・湿潤の3条件

光芒は、以下の3つの条件が満たされているときに発生しやすくなります。

  • 晴天
  • 太陽の位置が低い
  • 大気中の水分が適度にある

太陽が低いのは時間帯として朝7時~8時頃、季節は湿度の高い夏だけでなく、気温が低くなる秋にも発生します。

 

D850、AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8E FL ED VR

D850、AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8E FL ED VR

 

気温が下がると上の写真の下部のような蒸気霧が発生しやすく、そこに光が入ることで光芒が現れます。特に前日の夜が晴れたときには、翌朝は放射冷却によって気温が下がり、蒸気霧の中に光芒が発生しやすくなるのです。

【機材】ダイナミックレンジが広いカメラ+ズームレンズ

神秘的な光芒撮影にチャレンジ! 撮り方のコツと、オススメの光芒スポット6選

 

  • カメラ:光芒は明暗差が大きくなるため、繊細な光をしっかりとらえられるセンサーを搭載し、ダイナミックレンジの広いカメラが向いています。今回撮り下ろしに使用した Z 7IIのように、わずかな光の濃淡も見逃さないカメラがオススメです。
  • レンズ:光芒は時間との勝負で、レンズ交換の時間も惜しい。そのため、ズームレンズのほうがチャンスが広がります。ほとんどは24~70mmの標準ズームで対応でき、後ろに下がれないなど、撮影場所に制限がある場合は14~24mmを使うこともあります。
  • 三脚:川などブレやすい被写体と一緒に写すときや暗い場合は三脚を使用します。川の中など不安定な場所を想定する場合はしっかりしたものを(私はカーボン製で堅牢なジッツオGT5543LSを愛用)、駐車場から距離がある場合は持ち運びしやすい三脚を選ぶといいでしょう。

実践:光芒撮影は時間との闘い

光芒は、朝日撮影の帰りに運転していて思いがけず遭遇することも稀にありますが、多くの場合は狙って撮りに行きます。光芒の表情は太陽の動きに合わせて刻一刻と変わるため、理想的な光芒に出会えたときは時間との闘いです。絶好のチャンスを確実にとらえるためにも、事前の準備~当日の撮影までの流れを覚えておきましょう。

 

D850、AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED

D850、AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED

前日から天気予報をチェック

撮影前日に雨が降ると空気中の水分が多くなり、光芒が発生しやすくなります。

そして、何より大事なのは、当日の朝7時~8時頃が「晴れている」こと。狙っている場所が晴れるかどうかを、前日に天気予報などで必ずチェックしておきましょう。私は、スーパーコンピューターが予測する高解像度の天気予報「GPV」や、1時間ごとの天気予報を活用しています。

木々の密度が適度な場所を探す

光芒が出やすいのは、滝や川の近くや森の中などの湿度が高い場所ですが、大切なのは太陽の光が届くことです。木々の密度が高すぎると太陽の光が届かず、反対にさえぎるものが何もない場所ではきれいな帯状の光にはなりません。下の写真のように木々の密度が高すぎず、太陽の光が分散されるように草木が生えている場所を探してみましょう。

 

D850、AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED

D850、AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED

 

普段から自然の中で撮影する方は、「サン・サーベイヤー」というアプリ(有料)などを使って太陽の位置を確認しておくと、「この場所は朝に光芒が見られるかも」と見当がつけやすくなります。

撮りたいイメージを考えておく

限られた時間の中で光芒を魅力的に写すためには、あらかじめどのような写真を撮りたいか考えておくことも大切なポイントです。

 

D850、AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED

D850、AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED

 

こちらは奈良公園で、降り注ぐ光芒の中で鹿を撮りたいと考えていました。光芒がつくり出す雰囲気や神秘さを意識して撮ることで、より魅力的な世界観を表現できます。

光芒を生かせる構図を頭に入れておく

光芒を確認できたらすぐ撮れるように、光芒を生かせる構図をインプットしておきましょう。

神々しさを際立たせるには、光だけでなく影の要素を取り入れコントラストを意識すること。光芒だけをアップで切り取るのではなく、木々や暗部を入れた構図にすることで立体感も増します。

なお、角度によっては太陽が直接見えますが、太陽を画角に入れてしまうと光の筋よりもそちらが強調され、フレアやゴーストなども発生し、光芒がきれいに描写できません。木々の葉や幹などで太陽自身を隠すのもポイントです。

 

D850、AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED

D850、AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED

 

また、光芒と相性のいい構図に「放射線構図」があります。上の写真のように、多方向に伸びる光の筋から、放射線構図を意識することで奥行きのある画づくりができます。

 

D850、AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED
D850、AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED
D850、AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED

左:70mm、右:36mm

 

実際に現地で構図を決める際は、ズームレンズが便利です。森の中の川や滝では、立ち入れる場所が限られているため、同じ位置からでも焦点距離を調整することで、光芒の美しい部分と撮りたい構成要素をしっかりと構図に入れることができます。

 

人を入れて撮る場合の配置

D850、AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED

D850、AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED

 

光芒と人を一緒に撮る場合には、光芒の入り方によって構図を考えます。バランスよくするには、いちばん輝きが美しい位置に人を入れ、その部分を画角の中央付近に配置。上の写真では、手前の影を構図に取り入れることで、奥行き感を出しています。また、光芒に人の目線を向けることで、光芒への印象を強めることができます。

露出はMモードで調整

光芒は、表現意図に合わせてF値・シャッタースピードの両方を変える必要があるため、Mモードがオススメです。

 

F値はF8を基準に

Z 7II、NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S
D850、AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED
(左)Z 7II、NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S、(右)D850、AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED

左:F8、右:F4

 

光の筋をきれいに描写するために、F値はF8を基準にF5.6~14程度に絞ります。風景の中に見せたい被写体があるときには、右の写真のようにF値をさらに小さくする場合もあります。

 

光芒はシャッタースピードが遅いほど明るく写る

光は露出時間を長くするほど明るく写ります。シャッタースピードを遅くすると、川や滝など水辺の場合には水の流れが滑らかになり、より印象的な光景に。

 

D850、AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED
D850、AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED
D850、(左)AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED、(右)AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED

左:1/8秒、右:1/4秒

 

ただし、シャッタースピードは遅すぎると草木のブレなどが生じてしまうため、三脚を使っていても1/2秒程度までにしておくのがよいでしょう。

また、ISO感度は最低値を基準として、白とびや黒つぶれしないような露出設定が必要です。

光芒の魅力を引き出す編集のコツ

光芒や水面の反射は白とびしやすいので、露出をかなり下げて撮影。撮って出しでは実際に見た光景と異なることがあるため、撮影後の編集を通してその空気感を再現していきます。
※編集にはLightroom Classicを使用しています。

 

Z 7II、NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S

Z 7II、NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S

編集前

 

神秘的な光芒撮影にチャレンジ! 撮り方のコツと、オススメの光芒スポット6選

Lightroom編集画面

 

まずは露出から。アンダーで撮影しているため露光量を上げ、白とびしないよう白レベルは下げます。黒レベルをプラスにして黒つぶれ部分を解消し、かすみの除去をマイナスにして光芒の雰囲気を強調。コントラストは、トーンカーブでS字を描くようにするとバランスよく調整できます。

 

神秘的な光芒撮影にチャレンジ! 撮り方のコツと、オススメの光芒スポット6選
神秘的な光芒撮影にチャレンジ! 撮り方のコツと、オススメの光芒スポット6選

左:編集前、右:露出など調整後

 

神秘的な光芒撮影にチャレンジ! 撮り方のコツと、オススメの光芒スポット6選

Lightroom編集画面

 

そこから、風景に合わせてマスク処理をしていくことで、光芒の美しさを際立たせることが可能です。

今回の場合は、光芒と水面反射の部分を指定し、自然な範囲で露出を上げ、実際に見たイメージに近づけていきました。

 

神秘的な光芒撮影にチャレンジ! 撮り方のコツと、オススメの光芒スポット6選
神秘的な光芒撮影にチャレンジ! 撮り方のコツと、オススメの光芒スポット6選

左:マスク編集前、右:マスク編集後

 

さらに、周囲の木々をマスクして調整し、全体のバランスを整えていきます。

 

神秘的な光芒撮影にチャレンジ! 撮り方のコツと、オススメの光芒スポット6選
神秘的な光芒撮影にチャレンジ! 撮り方のコツと、オススメの光芒スポット6選

左:編集前、右:編集後

 

コントラストのバランスを見ながら調整し、光芒が差しこむ滝が印象的な1枚となりました。

光芒に照らされて透き通って見える水面や光で浮かび上がる苔の様子、滝つぼから広がる水面に油をたらしたような緑の模様がアクセントとなり、美しい風景を再現できたと思います。

光芒のオススメ撮影スポット6選

ここからは、私がこれまでに訪れた場所の中で、オススメの光芒スポットを紹介します。

【千葉・亀岩の洞窟】限られた時期のみ現れるハート

D800、AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED

D800、AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED

 

ここは、私が光芒を撮るようになったきっかけの場所であり、光芒スポットとして有名な「亀岩の洞窟」です。限られた時期のみ、光芒が水面に反射してハートの光を見せてくれます。

  • オススメ時期:年に2回、3月と9月のお彼岸の時期の1週間ほど、6時半~7時半頃

 

撮影のポイント

  • 場所:清水渓流広場の立ち入れる場所から撮影。
  • 設定や構図:水面に反射する光芒を構図に入れる上で、24~70mmのレンズで問題なく撮影できます(上の写真は56mm)。三脚で撮るのが理想的ですが、人気スポットなので場所が空いていないことも。その場合には、ISO感度を少し上げれば手持ちでも撮影可能です。

 

D800、AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED

D800、AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED

 

季節によって朝日が差す角度は変わり、上の写真ではまるで別世界の入り口が現れたような光景でした。

 

亀岩の洞窟

千葉県君津市笹1954
https://www.city.kimitsu.lg.jp/site/kanko/2259.html

注意点:時期・時間が限られるため、期間中は多くの人が集まります。近年一部エリアが立ち入り禁止となっています。市が設置している看板を確認して禁止されている場所には入らないように、ルールやマナーを守って撮影を楽しみましょう。また、水辺は滑りにくい長靴が安全です。

【長野・竜返しの滝】新緑がベールに優しく包まれる

D850、AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED

D850、AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED

 

私の地元・長野県軽井沢にある「竜返しの滝」は、光芒が発生しやすいスポットです。上の写真では、日の出後から雲がかかってしまい1時間待って「もう諦めよう」としたときに、雲が晴れて広がりのある光芒が降り注いできました。

  • オススメ時期:7~8月、7時頃

 

D850、AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED

D850、AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED

 

撮影のポイント

  • 場所:滝つぼ手前の看板がある場所や、滝つぼから少し戻った遊歩道上からが撮りやすいです。
  • 設定や構図:1枚目は24mmで、周辺の緑、光の届かない暗い部分を写すことで、降り注ぐ光芒の美しさを強調しました。条件がいいと滝の周辺でも光芒が出現するため、超広角~標準域まであるとさまざまなパターンの光芒を撮ることができます。

 

竜返しの滝

長野県北佐久郡軽井沢町長倉(小瀬)
https://www.town.karuizawa.lg.jp/www/sp/contents/1001000000702/index.html

注意点:滝の周辺には「熊出没注意」の看板があります。熊除けの鈴を持って行ったほうが安心です。また、水辺は滑りにくい長靴が安全です。

【熊本・夫婦滝】岩と光が魅せる多彩な表情

D850、AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED

D850、AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED

 

「夫婦滝」は駐車場から近く、アクセスのいい場所です。九州で有名な光芒スポットですが、上の写真のときは幸運にも私の他に誰もいなかったので、静かに撮影に没頭できました。岩への光の当たり方で、まったく違う表情を魅せてくれます。

  • オススメ時期:5~9月初旬、6時頃~

 

D850、AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED

D850、AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED

 

撮影のポイント

  • 場所:「男滝」と「女滝」という2本の滝が寄り添うように流れていますが、上の写真は左側にある男滝を手前にしています。
  • 設定や構図:24~70mmのズームがあれば十分です。滝つぼから流れる川を入れこむことで、構図の下側に動きを持たせるのがポイント。2枚目では、苔むした特徴的な木が左上に生えていたため、アクセントとして入れました。岩と滝がメインですが、三脚を使用してスローシャッターにし、川を滑らかにとらえました。

 

夫婦滝

熊本県阿蘇郡南小国町満願寺
https://kumamoto.guide/spots/detail/12469

注意点:水辺は滑りにくい長靴が安全です。

【静岡・小國神社】紅葉と光芒の美しい共演

D850、AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8E FL ED VR

D850、AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8E FL ED VR

 

「小國神社」は、紅葉と光芒が撮れる場所として有名です。紅葉の時期には早朝から多くの人が集まるため、まわりの人とコミュニケーションは欠かせません。この日の撮影では、周囲の方々に了承を得た上で、光芒が出たタイミングで着物姿の妻に立ってもらい撮影しました。

  • オススメ時期:11~12月、9時頃(ただし、人が集まるため早めに到着)

 

D850、AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8E FL ED VR

D850、AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8E FL ED VR

 

撮影のポイント

  • 場所:境内を南北に流れる宮川の、小さな橋の上が人気の撮影スポットです。
  • 設定や構図:橋の真上から差しこむ光芒と人を撮影する上で、70~100mm前後の焦点距離が適しています(1枚目は110mm、2枚目は102mm)。また、光芒が少し遅い時間に出る傾向にあり、手持ちでも十分撮影できます。

 

小國神社

静岡県周智郡森町一宮3956-1
http://www.okunijinja.or.jp

注意点:紅葉の時期には早朝から多くの人が集まります。日の出より前から光芒を待っている方もいるため、モデル撮影をする場合はまわりの方とコミュニケーションをとる、他のモデルさんを撮影させてもらう場合には写真の使用可否を確認するなど、お互いに配慮しながら撮影しましょう。

【奈良・奈良公園】鹿に降り注ぐ幻想的な光芒

D850、AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED

D850、AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED

 

「奈良公園」は広大な園内にたくさんの鹿がいるため、比較的簡単に風景の中に鹿を入れた写真を撮ることができます。そして、秋~冬にかけては光芒も発生しやすく、鹿に光が降り注ぐ光景が見られます。

  • オススメ時期:10月下旬~12月上旬の紅葉時期、公園は広いため7時頃から行くのが◎

 

撮影のポイント

  • 場所:園内のいろいろな場所で光芒が見られますが、特にオススメは飛火野周辺です。
  • 設定や構図:鹿を際立たせるには、開放F2.8などの明るいレンズが理想的です。広い園内は三脚を使わず手持ちで歩き回りながらの撮影がオススメで、シャッタースピードは可能な限り速くする必要があります。1/200秒程度を最低ラインの目安として、できるだけ速く調整してみてください。

 

奈良公園

奈良県奈良市春日野町ほか
https://www3.pref.nara.jp/park/

注意点:鹿を驚かすような行為をしないようにしましょう。

【山梨・鐘山の滝】四季折々の風景と光芒

Z 7II、NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S

Z 7II、NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S

 

「鐘山の滝」は、上の写真のように新緑時期から、紅葉と四季折々の風景と光芒を堪能できるスポットです。次は美しい紅葉時期に再チャレンジしたいですね。

  • オススメ時期:新緑~紅葉の時期、8月では7時過ぎに光芒が見えはじめ、9時以降には見られる可能性が低くなるように感じます。

 

Z 7II、NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S

Z 7II、NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S

 

撮影のポイント

  • 場所:滝つぼまで来ると、周囲を半周ほど移動できるようになっており、光芒の様子に合わせて移動しながら撮影できます。1枚目は滝を右側から、2枚目は左側から撮影しました。
  • 設定や構図:24mm以下の広角域がオススメです。水の流れを前景に入れこみ、滝の奥には森林が広がる様子を写せます。

 

鐘山の滝

山梨県富士吉田市上吉田
https://www.yamanashi-kankou.jp/kankou/spot/p1_4826.html

注意点:滝や川などの撮影地では、高低差があって危険な場所も多いので、身のまわりや機材の安全確保には特に気をつけて撮影を行いましょう。

Photographer's Note

今回は山梨県の「鐘山の滝」で光芒の撮影に成功しましたが、その他に訪れたいくつかの撮影地では、天候に恵まれず光芒を撮影することは叶いませんでした。

 

Z 7II、NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S
Z 7II、NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S
Z 7II、NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S

 

上の写真の福井県にある「平泉寺白山神社」もその一つで、条件がよければ光芒が見られるのですが、この日は雲がかかってしまって現れませんでした。それでも、一面に苔むした参道や、境内にある権現造の珍しい鳥居や緑豊かなみたらしの池など見どころの多い美しい場所で、撮影を楽しむことができました。光芒はまた次回訪れたときのお楽しみにしておきたいと思います。

 

このように、光芒撮影は運要素が強く撮影するのが難しいものです。だからこそ、見られたときや想像よりも美しい光芒に出会えたときには、いつまでも記録に残るほどの体験になるのだと改めて感じました。

 

光芒撮影におけるNikon機材の魅力

Z 7II、NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S

Z 7II、NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S

 

カメラは、撮影中に手になじみ、違和感なく収まる感覚が重要だと考えています。その点、Z 7IIは、グリップのよさはもちろん、操作性も相変わらず良好でとても助かりました。

また、今回使用したレンズNIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S とNIKKOR Z 14-24mm f/2.8 Sは、開放F値2.8のズームレンズであるにもかかわらず大幅に軽量化されていて、取り回しもしやすく素晴らしいと感じました。14mmでも歪みは少なく、外周にわたってしっかり解像しています。レンズのディスプレイでピント数値を確認できるのも、暗所撮影時にはうれしいポイントです。

 

※こちらに掲載している情報は、2022年10月18日現在のものです。
Supported by L&MARK

 

 

※上記以外の機材で撮られた写真は、過去に撮影されたものです。

Daisuke Uematsu

Daisuke Uematsu

長野県在住のフォトグラファー。「四季の美しさ・自然と人の繋がり」をテーマとし、光と影が織り成す美しい瞬間を追い求めている。「二度と同じ写真は撮れない」という考えから、出会った景色の最も美しい瞬間をとらえることを目標としている。