自分らしい風景の撮り方が見つかる!自然風景の魅力を引き出す6つのヒント

自分らしい風景の撮り方が見つかる!自然風景の魅力を引き出す6つのヒント

季節や時間帯によってまったく異なる表情を見せる「自然風景」は、シャッターチャンスの宝庫です。光の向きや空の色、雲の形によって新鮮な感動を与えてくれます。

今回は「自然風景」をテーマに、魅力や美しさを表現するための視点やテクニックをご紹介します。自分らしい風景の撮り方のヒントがたくさんあると思います!

 

自然風景撮影の基本ポイント

まずは、撮影の基本から。事前に調べて風景の特徴をつかむことで、それに合った撮影の仕方が見えてきます。また、その経験が偶然出会った風景を撮るときにも生きてきます。

 

撮影前の準備

  • 撮影場所の見頃をリサーチ:自然風景は、より魅力的になる時期や時間帯があります。ネットで調べることに加えて、実際に訪れてスケール感や太陽の位置などを確認し、撮りたい情景をイメージすることで、持っていく機材や撮り方が決まってきます。
  • 日の出、日の入り時刻を確認:特に朝日や夕景を撮りたい場合は、日の出・日の入り時刻を調べられるアプリを活用してチェックしましょう。空を撮り続けるざきphotoさん(@zaki_3_0257)は、その時刻や方向が地図上で簡単に確認できるアプリ「日の出、日の入り」を愛用しています。

 

Z 6、AF-S NIKKOR 105mm f/1.4E ED
Z 7、NIKKOR Z 24-70mm f/4 S
(左)Z 6、AF-S NIKKOR 105mm f/1.4E ED、(右)Z 7、NIKKOR Z 24-70mm f/4 S

 

撮影のポイント

  • 撮りたい風景に合ったレンズを選ぶ:広角でダイナミックに、標準で自然な雰囲気に、望遠で一部をクローズアップ…など、自分の持っているレンズ特性を把握することが大切です。
  • 構図は三分割や二分割を基準にすると決めやすい:まずは定型の構図に当てはめ、そこから雲の表情や背景など、被写体の魅力がより伝わるように微調整していきます。

 

自分らしい風景の撮り方が見つかる! 自然風景の魅力を引き出す6つのヒント

 

当日は想定した天気や光の状態にならない可能性もあるので、その時々の風景を楽しむ気持ちを忘れずに!

花の表情や感情をフィルムで写し出す

F3、AI Nikkor 50mm f/1.4、FUJIFILM 業務用100

F3、AI Nikkor 50mm f/1.4、FUJIFILM 業務用100

 

身近な風景や花を撮影している久莉さん(@kuri_sss303)に、フィルムの質感を生かして花の美しさや優しい雰囲気を表現するコツを教えていただきました。ポイントは、人を撮るように花の瞳・表情・感情をとらえること。使うフィルムは、発色が自然なFUJIFILM C200や業務用100がオススメです。

 

「しべ=瞳」と考えて好きな表情を探す

F3、AI Nikkor 50mm f/1.4、FUJIFILM C200

F3、AI Nikkor 50mm f/1.4、FUJIFILM C200

 

花のしべを「瞳」としてとらえ、人を撮るときと同じようにいろんな角度から観察して、好きな「表情」を見つけた瞬間にシャッターを切ります。

上の写真は、よくしべが見える一輪をメインに、背景に木漏れ日が入る位置を探して開放で玉ボケに。きらめき感をプラスしています。このふんわりとした玉ボケの描写は、オールドレンズならではの写りです。

 

 

花の顔の向きから感情を演出する

F3、AI Nikkor 50mm f/1.4、FUJIFILM 業務用100
F3、AI Nikkor 50mm f/1.4、FUJIFILM C200
F3、AI Nikkor 50mm f/1.4、(左)FUJIFILM 業務用100、(右)FUJIFILM C200

 

花の「感情」を想像しながら撮影することで、花をより身近に、生き生きと感じられます。背景はその場の環境を生かしつつ、表現する印象によって写し方を変えます。

  • 上向きの花=ポジティブ:明るい笑顔を見せるように咲く上向きの花は、色味のある背景や玉ボケを入れて明るい雰囲気に。
  • 下向きの花=ネガティブ:うつむくように下を向く花は、なめらかなボケで落ち着いた感じにすると花の感情にマッチします。

 

記事では、アングルを変えて花の個性を引き出すコツや、天候ごとの撮影ポイントも紹介しています。ぜひ身近な花の撮影に出かけてみてください!

広い海を魅力的に切り取る構図とアングル

Z 7、NIKKOR Z 50mm f/1.8 S

Z 7、NIKKOR Z 50mm f/1.8 S

 

地元・香川で、身近にある海を日常的に撮影しているフォトグラファー・ひろさん(@hiro_photograph)。海の豊かな表情を魅力的に写す、構図とアングルを教えていただきます。

 

光や色を生かした構図で海を美しく写す

Z 7、NIKKOR Z 24-70mm f/4 S
Z 7、NIKKOR Z 50mm f/1.8 S
Z 7、(左)NIKKOR Z 24-70mm f/4 S、(右)NIKKOR Z 50mm f/1.8 S

 

海は、空の光や色を反映することでより美しく切り取ることができます。

左の写真は、海がオレンジに染まる部分だけになるように空を広く入れた構図に。太陽がまさに沈みそうな瞬間を狙い、水面に太陽の筋を描いています。

右の写真のように太陽が高いうちは、砂浜まで写すとぬれた砂の陰影や質感を生かせます。このとき光の筋に人を重ねると、シルエットが浮かび上がり物語性を感じる1枚になります。

 

 

足元の風景をローアングルで主役にする

Z 7、NIKKOR Z 50mm f/1.8 S
Z 7、NIKKOR Z 50mm f/1.8 S
Z 7、NIKKOR Z 50mm f/1.8 S

 

水のきらめきや砂浜の足跡など、足元にも魅力的な風景があります。地面に近い位置からローアングルで撮ることで、足元の風景を主役として写すことができるんです。

左の写真は、砂紋の層ごとのきらめきを生かすために、地面すれすれより少し上の位置から撮影。開放に近いF値で、水に反射する光を玉ボケにしています。

右の写真の足跡は、低すぎると写らないため座った高さで調整。人と風景を淡くぼかすことで、足跡を際立たせています。

 

他にも海のさまざまな表情を引き出すアイデアが満載です! いつも同じような写真になってしまうと悩んでいる方は試してみてはいかがでしょうか?

風景に溶けこむように撮るポートレート

Z 6、AF-S NIKKOR 105mm f/1.4E ED

Z 6、AF-S NIKKOR 105mm f/1.4E ED

 

自然風景の魅力を生かして、溶けこむように人物を撮る「風景ポートレート」について、写真愛好家yukiさん(@sty830)にイメージのつくり方から撮影の仕方、バリエーションの出し方までを解説いただきました。

 

ウォーミングアップをしながら、撮影イメージをつかむ

Z 6、NIKKOR Z 24-70mm f/4 S
Z 6、NIKKOR Z 24-70mm f/4 S
Z 6、NIKKOR Z 24-70mm f/4 S

 

まずは記念写真のように数枚、「見たままの景色を見たままに写す」ところからスタートです。そうすることでリラックスでき、撮りながらいろんなアイデアが浮かんできます。このとき、手元で画角を変えられるズームレンズが便利です。

 

Z 6、NIKKOR Z 24-70mm f/4 S
Z 6、NIKKOR Z 24-70mm f/4 S
Z 6、NIKKOR Z 24-70mm f/4 S

 

自然な視線の流れになる風景と人の向きの組み合わせや、きれいな空を際立てるためのコスモスとモデルさんの配置など、ウォーミングアップで把握した環境を生かすことで、自分らしい画づくりをすることができます。いい光や雲の状態の時間は限られているので、一つのポーズや構図に固執しすぎず、さまざまなパターンを撮ることが大切です。

 

 

理想のロケーション撮影のための準備と画づくり

夕焼けや朝方など、限られた時間帯に魅力的になるロケーションでは、特に撮影地のリサーチなどの準備と、モデルさんを入れて撮るまでの画づくりが重要になります。

 

Z 6、AF-S NIKKOR 105mm f/1.4E ED

Z 6、AF-S NIKKOR 105mm f/1.4E ED

 

こちらのロケーションでは、街の方角に太陽が沈むことを調べて、夕暮れの中に灯る街明かりを玉ボケにすることを事前に決めます。

撮影当日は、モデルさんが入った画をイメージして、風景だけの状態でカメラを設定していきます。暗い場合など、手ブレが心配なときは三脚に固定すると安心です。

 

Z 6、AF-S NIKKOR 105mm f/1.4E ED

Z 6、AF-S NIKKOR 105mm f/1.4E ED

 

次にモデルさんに入ってもらい、風景の魅力が際立つように画づくりをしていきます。上の写真では、玉ボケが一番多く写るように右側に立ってもらい、手は玉ボケに視線を誘導するように。このとき、顔を全面に写さないことで、風景に溶けこむように撮ることができます。

 

理想は「撮影者を感じさせない写真」。テクニックや演出を感じさせずに、見る人の心にすっと入りこむ1枚を撮るには、念入りな準備や違和感がないよう細部まで意識することが必要です。記事では、そんなyukiさんのこだわりを余すことなく紹介しています。

星空を長時間露出撮影で幻想的に描く

Z 7、NIKKOR Z 14-30mm f/4 S

Z 7、NIKKOR Z 14-30mm f/4 S

 

Z と写真家と47都道府県の旅』で、michikoさん(@michiko___o)が秋田・男鹿半島を旅した記事では、星空を撮影しました。ここでは、持ち物やカメラの設定など星空撮影の基本から紹介します。

 

星空撮影の持ち物

自分らしい風景の撮り方が見つかる! 自然風景の魅力を引き出す6つのヒント

 

【必須】
①リュック
②カメラ(高感度に強い)、レンズ(F値の小さい広角)
③三脚
④ライトやヘッドライト

【あると便利】
⑤レリーズ
⑥ブロアー
⑦レンズ拭き

寒い季節は特に、テントの中からリモートで撮れると便利です。

 

 

写りを確認しながらノイズが出ないように露出を設定

日が沈む前に撮影地に到着するようにして、撮る位置を決めます。そして、あたりが暗くなってきたら撮影開始です。

 

撮影の手順

自分らしい風景の撮り方が見つかる! 自然風景の魅力を引き出す6つのヒント
自分らしい風景の撮り方が見つかる! 自然風景の魅力を引き出す6つのヒント

 

  1. 三脚にカメラを固定する
  2. 撮影モードをマニュアルに設定
  3. 星を見つけて拡大し、一番小さな星にピントを合わせる(星が見つからない場合は、フォーカスリングを∞にして調整)
  4. カメラを設定する
    ・シャッタースピード:最長30秒を目安に、周囲の明るさに合わせて調整
    ・F値:開放
    ・ISO感度:高すぎるとノイズでザラザラになるため、画質を確認しながら周囲の明るさに合わせて調整(このときは、30秒・F4でISO4000に)

 

Z 7、NIKKOR Z 14-30mm f/4 S

Z 7、NIKKOR Z 14-30mm f/4 S

 

こちらが撮影した星空です。縦に伸びていた天の川を中心に配置。空に立っているかのような光景に圧倒されます。

 

 

バルブ撮影の露出時間を調整して星の表情を変える

Z 7、NIKKOR Z 14-30mm f/4 S
Z 7、NIKKOR Z 14-30mm f/4 S
Z 7、NIKKOR Z 14-30mm f/4 S

 

マニュアルモードでは、バルブ撮影で30秒以上の長時間露出も可能になります。左の写真は25秒、右の写真は約10分です。長くすると星が流れ、肉眼とは違う星空の表情を描くことができます。

 

記事では、ホワイトバランスで印象を変えたり、人と一緒に撮影したり、さらにバリ―ション豊かに星空を写すコツを紹介しています。

5ステップで夕焼け空を鮮やかにレタッチ

Z 7、NIKKOR Z 24-70mm f/4 S

Z 7、NIKKOR Z 24-70mm f/4 S

 

空の写真を中心に撮影しているフォトグラファー・ざきphotoさん(@zaki_3_0257)に、夕焼け空の魅力を引き出すレタッチの仕方をレクチャーしていただきました。PC版のLightroomを使用して、5ステップで夕焼け空を鮮やかに編集します。

 

編集前の写真がこちら

編集前

 

1.露出調整で全体像を把握し、方向性を決定

露出調整後

まずは全体像をつかむために、露出調整でフラットな状態に。特にシャドウと白レベルは思い切って調整します。そして、完成形をイメージして編集の方向性を決定。今回は、「全体的にオレンジ寄りの“暖かみのある田舎の夕空”」というイメージで編集していきます。

2.トリミングで、「空」が主役の構図に

トリミング後

メインの夕日と雲以外の要素を詰めこみすぎた写真だったため、「空」が際立つように空2:地上1の比率でトリミング。道路やリフレクションが主張しすぎず、いいアクセントになりました。

3.空≒雲にコントラストをつけて立体的に

コントラスト調整後

構図が定まったら、「雲」に着目して空にコントラストをつけます。テクスチャ・明瞭度・かすみの除去でディテールを強め、トーンカーブで雲の明部・暗部をそれぞれ強調して立体的に仕上げます。

4.「青」を意識して夕焼け空の色味調整

色味調整後

夕焼け空は「青」を意識することで、夕陽や色づいた雲が際立ちます。ホワイトバランスは青を残しながら暖色寄りにし、HSL(色相/彩度/輝度)で青とオレンジを強調します。特に美しい青になるよう色相の調整が重要です。

5.微調整を繰り返し、イメージに近づける

微調整後

ステップ1~4の後、微調整を繰り返して仕上げます。空と前景との対比、空の色味を吟味して、シャドウ・ホワイトバランス・色相「ブルー」などを微調整しています。

編集後の写真がこちら

編集後
編集前

左:編集前、右:編集後

 

雲が散ってにじんだ色の空を残しつつ、撮影時に感動した夕焼け空に仕上がりました。編集では、自分の想いやイメージが伝わるように表現することが大切です。

 

同じ場所で撮った空の写真でも、何をメインにするかによって編集の仕方も変わります。記事で編集のポイントをつかんだら、撮影した空の写真でぜひ実践してみてください!

 

 

 

#NICO STOP企画で選ばれたフォトグラファーを紹介!

いつも#NICOSTOPの投稿をいただきありがとうございます。たくさんの投稿の中から、今回は透明感溢れる海辺の光景を投稿していただいた、たかと。さん( @TaKaTocamera1)の作品をご紹介いたします。

 

 

編集部コメント

風になびくストールや、あたりを明るく照らす陽の光が絵画のように美しく、見ていると晴れやかな気持ちになりました! 投稿されていた4枚組の写真のどれも明暗がきれいで、海を訪れたくなりました。

 

そして、こちらを表紙に使用させていただきました。

 

photo by たかと。さん

photo by たかと。さん

 

たかと。さんコメント

この海岸はあまり来たことがなかったのですが、コスモスの撮影へ出かけたときに立ち寄りました。傾いてきた陽のやわらかい光と海風がとても印象的です。空は白とびさせすぎずに、きれいな青色を残して、布をなびかせて爽やかな秋の海を表現しています。

もともとは風景を撮っていたこともあって、阿蘇や海、季節の花など自然ロケーションでの撮影が好きなんです。

 

これからも、#NICOSTOPでのご投稿を楽しみにお待ちしています。

 

+ + +

 

「自然風景」特集、いかがでしたか?

広い風景の中でも、視点や切り取り方を工夫することで、自分が感じた美しさや見たときの感動が伝わる写真を撮ることができます。まずは、身近な風景をファインダー越しに見つめてみてください。新しい発見があるかもしれません!

 

 

Supported by L&MARK