ミラーレスではじめる動画撮影|第3回「動かし過ぎはNG?! ブレブレ動画を卒業する、カメラの設定と基本の撮り方」

ミラーレスではじめる動画撮影|第3回「動かし過ぎはNG?! ブレブレ動画を卒業する、カメラの設定と基本の撮り方」


動画初心者のジュンくんが、ミラーレスでの動画撮影について学んでいく連載企画「ミラーレスではじめる動画撮影」第3回。動画クリエイターのTAKBONさんに動画の基礎知識を教えてもらったジュンくん。早速公園に出て、動画を撮りはじめます!

ジュンくん

ミラーレスカメラ Z 6IIを持ち歩き、日々思い出を記録。SNSでも積極的にシェア!

TAKBONさん

アーティストのMVなどを手がける動画クリエイター。SNSではショートフィルム、都市光景やストリートフォトなどの写真も投稿している。

動かし過ぎはNG?! ブレブレ動画を卒業する、カメラの設定と基本の撮り方

動かし過ぎはNG?! ブレブレ動画を卒業する、カメラの設定と基本の撮り方

動かし過ぎはNG?! ブレブレ動画を卒業する、カメラの設定と基本の撮り方

さらに詳しく! TAKBONさん流 動画撮影のポイント

基本の設定(フルHD、フレームレート)を確認
撮影を始める前に、動画サイズ、フレームレートを確認します。動画サイズは複数ありますが、まずはフルHDで大丈夫。フレームレートは実際に撮影したい動画に合わせた数値を選択しましょう。
※フレームレートについてはこちら

 

<動画サイズのタイプ>

  • フルHD:1,080p(1,920×1,080ピクセル)

基本の設定。テレビなど、一般的なディスプレイが対応しています。

 

  • 4K:2,160p(3,840×2,160ピクセル)

4K対応のディスプレイなどで流すなど、より高画質にしたい場合に使用します。


撮影モードは「マニュアル」に設定
一度の録画による一連の動画の中で露出を動かしてしまうと、ボケみや明るさが変化してしまい見づらい映像になります。撮影モードはマニュアルに設定し、シャッタースピードと絞り値を固定しましょう。また、色みなどはピクチャーコントロールを使って好きな設定にしましょう。


ピントは全オートから、慣れてきたらマニュアル利用も
ピントは被写体に合わせてくれるオート(AF-F)が最初はおすすめ。他に、シャッターボタンを半押しするとピントを合わせてくれるモード(AF-S)や、半押ししている間だけピントを合わせてくれるモード(AF-C)、マニュアルモードがあります。

 

<各モードの特徴>

  • AF-F:自動で被写体にピントを合わせ続ける

被写体が前後に動くなど、カメラと被写体の距離が変わるときに便利です。

 

  • AF-S:シャッターボタンを半押しでピントを固定

動かない被写体や、カメラと被写体の距離が変わらないときに使用します。
確実に撮りたいものにピントを合わせられます。

 

  • AF-C:シャッターボタンを半押ししている間、被写体の動きに合わせてピントを追い続ける

AFの開始と停止を思い通りに制御できるので、幅広い表現に対応できます。

 

  • マニュアル:手動でピントを調整

ピントを奥から手前の被写体に動かすなどの演出をしたいときなどに使用します。


「瞳AF」で人物も動物も表情をバッチリ抑えよう
 Z 6llは動画でも「瞳AF」が使用可能。自動で人物の瞳を検出してピントを合わせられます。また犬や猫の瞳を自動検出する「動物AF」もあり、動き回る動物も瞳にピントを合わせた撮影が可能に。愛犬・愛猫の撮影などに便利です。


手振れの防止はしっかりと
手振れが激しいと画面が揺れて見にくい動画になってしまいます。カメラ本体またはレンズの手振れ防止機能がオンになっているか確認しましょう。また、手持ちで撮影するときは、静止画の撮影と同じように、脇をしっかりしめて手振れを抑えましょう。

 

 

被写体とカメラの組み合わせ3パターンを使い分けよう
被写体とカメラの動きの組み合わせは大きく3パターンに分けられます。カメラを不用意に動かしすぎてしまうと、何を撮りたいのかわかりにくく、見にくい動画になってしまうので、被写体や撮りたい絵に合わせて適した撮り方を選択しましょう。

 

 

  • 被写体が動いていて、カメラは固定

風に揺れる花や木など動きがあるものに対しては、カメラを動かしすぎるとその動きに気を取られてしまい被写体の動きが感じられなくなってしまうため、カメラを固定します。カメラの動きが少ない分、動いているものに意識が集中します。また、手振れが起こりにくいので、初心者におすすめのパターンです。

 

  • 被写体は止まっていて、カメラを動かす

被写体自体に動きがないときは、カメラを動かすことで静止画のような印象を避けられます。また、カメラワークにより1カットの中で場面展開したいときにも使用します。例えば、人の手のアップから顔へカメラを動かすことで、手の動きを見せた後に顔の表情に意識を向けるなどの表現ができます。

 

  • 被写体が動いていて、カメラも動かす

歩く人を追う、被写体と一緒に歩くなど。人の動きに加え、背景の動きなども見せられるので、場所や状況も同時に動画で伝えやすくなります。カメラワークによっては3つのパターンの中で1番迫力のある絵が作れます。


最低10秒が目安! 思っているより長めに撮ろう
短すぎる動画は動きをあまり見せられず、静止画ではなく動画である意味が薄れてしまいます。1回の録画につき、最低10秒程度撮るのがおすすめです。また、後からの編集のしやすさも考慮し、実際に欲しい長さよりプラス5秒ほど長く撮影しましょう。長い動画は後から編集して短くできますが、短い動画を伸ばすことはできないため、はじめから少し長めに撮っておくことで調整しやすくなります。

Adviser's Note

動画は情報やイメージを伝えやすく、被写体をより魅力的に見せられる力があります。撮り方を変えていくつかのシーンを撮影し、それをつなげることで、ストーリー性を持たせられるのも動画の魅力の一つです。

最初は写真と同じような感覚で撮れる「カメラは手持ちで固定」からはじめてみましょう。光などをうまく捉えて絵作りをすれば、カメラ固定でも魅力的な動画が撮れるはず。僕自身も動画では、カメラを動かして撮影するシーンに加えて、カメラを動かさずに固定で撮影するシーンも必ず撮るようにしています。「カメラは動かさず被写体が動いている」と「カメラを動かしている」のどちらもあることが、編集で一つの動画にしたときのメリハリにもつながります。

「撮る・編集する」を何度も繰り返していくと、いろいろなパターンがイメージできたり、編集を考えた撮影ができたりと、動画がより楽しくなると思いますよ!

 

第4回は……
動画を撮るコツをTAKBONさんに教えてもらい、たくさん短い動画を撮ってみたジュンくんは、TAKBONさんにお披露目します。だけど、なんだかどれも同じような雰囲気…そこで、ミナちゃんとフォトウォークに行く前に、Vlogのためにどんな動画を撮ってくるといいのか、フォトウォークや旅行などお出かけ中の撮影のポイントを学びます!

illust:冨田マリー(@tomitamary_
Supported by 東京通信社 

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Z 6II

製品ページ ニコンダイレクト
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NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S

製品ページ ニコンダイレクト

 

Adviser

TAKBON

TAKBON

神奈川県在住の映像クリエイター。シネマティックな表現を得意とし、CMやミュージックビデオの制作なども手がけるなど、幅広く活躍。SNSでは動画のほか、都市光景やストリートフォトなどの写真も投稿している。