見ればコーヒーが飲みたくなる&淹れたくなる写真の撮影テクニック

見ているだけでコーヒーが飲みたくなる&淹れたくなる写真の撮影テクニック

みなさん、はじめまして。コーヒーに関するブログ『CAFICT(カフィクト)』を運営しているMariko Kubota(@cafict)です。

コーヒーに関する情報をブログで発信しながら、最近では「コーヒーのある暮らし」をテーマに動画を撮影して、YouTubeでも公開しています。

 

Z 7、NIKKOR Z 24-70mm f/4 S
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今回はコーヒーを軸にした暮らしを発信することについて、写真とその撮り方を一緒にお伝えしていけたらと思います。

 

ある器具に出会い、コーヒーの世界にのめりこむ

コーヒー器具を調べるうちに、自らブログで発信するように

Z 7、NIKKOR Z 24-70mm f/4 S

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コーヒーにはまりだしたのは、2012年頃。きっかけは…実は“コーヒーの味”ではなく、「CHEMEX(ケメックス)」というコーヒー器具に出会ったことなんです。「なんてかわいい器具なんだろう」と思って、さっそく家でコーヒーを淹れはじめました。

その次に目をつけたのが、コーヒーミル。「ミルを買ってみよう!」とネットで探してみるも、まったく情報がない…。「それなら私が情報を発信しよう!」とブログをはじめることにしたんです。

 

2012年から開始したブログ『CAFICT』

2012年から開始したブログ『CAFICT』。

 

ブログを徐々に更新していると、ちょうどコーヒーブームが到来。いろんな産地のさまざまな種類のコーヒーを飲むことができるようになり、最初は苦手だった酸味のあるコーヒーをいつの間にか好むように。毎日家でコーヒー豆から挽いて飲むということも当たり前になっていきました。

 

Z 7、NIKKOR Z 24-70mm f/4 S

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週末にゆっくりとコーヒーの香りを楽しんだり、無心になってコーヒーを淹れたり。美味しいものを買ってコーヒーと一緒に食べたり、“自分のため”にちゃんと食べたいものを作ってコーヒーと楽しむことが、家事や子育てといった普段の忙しさからひと呼吸おいて、癒やしを与えてくれる大切な時間になっていました。

 

Z 7、NIKKOR Z 24-70mm f/4 S

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癒やしの時間「コーヒータイム」を、写真や動画で撮る日々

Z 7、NIKKOR Z 24-70mm f/4 S

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写真や動画に興味を持つようになったのは、ブログで情報を発信するようになったからです。

多くの器具が登場する中で、それを試しながらコーヒーを淹れるというのがすごく楽しくなってきて…。徐々に「もっときれいに撮りたい!」と、クオリティーにもこだわるように。すべて独学で、「こんな映像が撮りたいな」というイメージを見つけては、それに近づくためにはどうすればいいのかを考えて撮影してきました。

 

約1年前にまわりのブロガーさんの影響ではじめた動画も含め、私が今も続けられているのは単に「カメラとコーヒーが好きだから」というのが大きいです。もちろんモチベーションが下がる時期もあります。でもコーヒーを淹れていると、「写真撮ろうかな」「写真があるなら、記事を書こうかな」という気持ちになり、今まで続いている気がします。

見た人がコーヒーを飲みたくなる、淹れたくなる写真の撮り方

Z 7、NIKKOR Z 24-70mm f/4 S

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ここでは、実際に写真を撮るときに意識していること、大事にしていることをご紹介したいと思います。

写真を独学で試行錯誤していくうち、特に2つのポイントを意識してきました。

  • 光や色味
  • 主役を決める

空気感を表現するための光のとらえ方と編集

陰影をつけることで、雰囲気がぐっと引き立つ

自然光を生かして陰影をつけることで、何気ない食卓でも人を引きつける魅力が加わると思います。

 

Z 7、NIKKOR Z 24-70mm f/4 S
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左は自然光が入っていない写真で、すごくフラットな印象です。右の写真は右側から自然光が入り、コーヒー粉の膨らみにも陰影がつくことで立体感が出て、香りが漂ってきそうな写真になっていると思います。光をさえぎらないように左側から注いでいます。

 

Z 7、NIKKOR Z 24-70mm f/4 S

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調理工程を撮るときもこの陰影を意識。コーヒーを撮るときと同じ場所で自然光を生かすことが多いですが、キッチンなど日が当たらない場所で撮りたいときは、光が足りないのでLEDライトを使うこともあります。

 

Z 7、NIKKOR Z 24-70mm f/4 S

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LEDライトの光は天井に当てて反射させて、被写体に直接光が当たらないようにしています。

 

撮影時間を決めて、ルーティンをつくる

Z 7、NIKKOR Z 24-70mm f/4 S

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自然光も時間によって光の強さや色味が大きく変わってしまうので、できるだけ同じ時間帯に撮影しています。【10時〜14時】は撮影時間と自分の中で決めていて、毎日のルーティンが決まることは“撮影を続けていられる理由”の一つかもしれません。

落ち着いたヴィンテージ感のある編集

仕上がりの好みは、少しヴィンテージ感のある青みがかった暗めのトーンの写真です。
写真の編集は「Lightroom」で、調整するのは基本的に「ライト」「カラー」「効果」の3項目。「ライト」では露光量やコントラスト、ハイライト/シャドウなど各項目で写真の明るさを調整していき、「カラー」では色温度や彩度を、「効果」ではぼかしたい部分とそうでない部分の調整を行っています。

 

Z 7、NIKKOR Z 24-70mm f/4 S
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左:編集前、右:編集後

何を伝えたいか、主役は何か?

Z 7、NIKKOR Z 24-70mm f/4 S

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写真はたった1枚でも、見てくれた人が「想像して、解釈してくれる」部分が魅力だと思っています。そのためには、自分の中で「主役は何か」をはっきりさせることが大事です。

  • ドリップシーン
  • カップへ注ぐ瞬間
  • 食卓に並んだコーヒーやフード
  • コーヒー器具

「コーヒーのある暮らし」というテーマでもいろんな主役が考えられます。コーヒータイムの雰囲気を伝えたいのか、コーヒー器具を紹介したいのか。それによって、アプローチの仕方が変わってきます。

至福のドリップシーンは、コーヒー粉の膨らみをアップで

お湯を注ぐとコーヒー粉がふんわりと膨らみ、とても美味しそうに感じる瞬間です。ドリップしていて心地いいこの瞬間を、私はよく切り取ります。

 

Z 7、NIKKOR Z 24-70mm f/4 S

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Z 7、NIKKOR Z 24-70mm f/4 S

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2枚目の写真は、使っている「器具」を紹介したい場合です。1枚目は俯瞰気味に膨らむコーヒー粉の様子を切り取りましたが、2枚目はアングルを変えてフィルターの特徴がわかるようにしています。同じシーンでも、“見せたいポイント”によってアングルや構図が変わります。

 

コーヒーが落ちる瞬間も画になる

Z 7、NIKKOR Z 24-70mm f/4 S
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器具の中で、特にコーヒーサーバーが好きです。コーヒーが入ることでより一層魅力が出ると言うか…。コーヒーが落ちていく瞬間が、また画になるんです。

カップにコーヒーを注ぐ瞬間の動きをとらえる

コーヒーはカップに注いでしまうと、もう動きを表現するのが難しくなってしまうので、“カップに注ぐ瞬間”は大事なシーンの一つです。

 

Z 7、NIKKOR Z 24-70mm f/4 S

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サーバーから注がれる瞬間はもちろん、滴がはねたり動きが出る瞬間を撮るようにしています。

 

コーヒーの動きをとらえるためのポイント

Z 7、NIKKOR Z 24-70mm f/4 S

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動きのあるシーンを1人で撮るときは、タブレットとカメラを連携させてリモート撮影でシャッターを切ります。アングルを変えやすいよう、三脚は大きいものを床置きで。F値はあまり気にしないのですが、シャッタースピードは1/100秒程度に設定(動画も同じです)。動きに目がいくように、まわりにはあまり物を置かないか、アップで撮影するようにしています。

食卓を撮るときは、特に主役決めが大事

Z 7、NIKKOR Z 24-70mm f/4 S

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テーブルに置いたコーヒーやフードを撮るときは、雰囲気重視になることが多いです。
光の入り具合とテーブル上のバランスに気を配るのですが、物が多くなると「ただテーブルの上を撮っただけ」になりがちなので、イメージを持って主役を決めるようにしています。

上の写真ではコーヒーやフード単体が主役ではなく、「コーヒーのある暮らし」が主役。一方、下の写真では、「私から見える朝の風景」をイメージしました。

 

Z 7、NIKKOR Z 24-70mm f/4 S

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手前で食べている私から見える奥の夫の朝食…というシーンで、フードと左のコーヒーカップが主役です。主役を決めたら、いい雰囲気になるアングルを探していきます。このときは座ったときの視点のアングルに。ちなみに、雰囲気重視でさらに全体を写すときは、俯瞰で撮ることは少ないです。

そして、コーヒープレスや手前のコーヒーカップなどを実際に使用する位置を意識しながら、主役を邪魔しないように配置していきます。

 

アップ撮影では、わかりやすさを意識

Z 7、NIKKOR Z 24-70mm f/4 S

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主役を「フード」などにより限定するときはアップで。どんなときも、必ず上下左右いろんなアングルから見ることと、光がちゃんと入る位置に調整することは忘れません。

 

Z 7、NIKKOR Z 24-70mm f/4 S
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アップのときのアングルを決めるポイントは“わかりやすさ”です。焼き菓子ならそのふっくら感が、エスプレッソならクレマの状態が伝わりやすいアングルを探して、シャッターを切ります。

器具の写真は、見た人に使用イメージや特徴が伝わるように

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器具はネット購入がほとんどで、機能は各メーカーのサイトでチェックします。機能をチェックして器具を買うかどうか検討する…というサイクルを繰り返すうち、ブログで紹介するときは「見た人がわかりやすい」を強く意識するようになりました。

 

Z 7、NIKKOR Z 24-70mm f/4 S

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上の写真では、ポットで重要な注ぎ口の形状を説明するためにフォーカスしました。
器具を撮るときは、“使っているところ”がイメージできる写真と、使い勝手や細かい部分の説明の写真がほとんど。撮影前に何度も使って確認後、実際に使いながら、その器具のポイントや気をつけてほしいところ、メリットやデメリットなど記事で書く文章を頭の中でイメージして写真を撮っています。

 

コーヒーを淹れたくなるオススメ器具

私が器具を選ぶときは、まずは「デザイン」を見て、気に入れば「機能」を入念にチェックします。コーヒーサーバーのような食器に近い器具はデザイン重視ですが、ミルやドリッパーなど味に影響するものは機能が気に入らなければ購入しません。

今回は、選りすぐりのオススメ器具を4つ紹介したいと思います。

HMMのドリッパー&ポット

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1~2杯淹れるのにちょうどいいサイズ。ダブルウォール(2層壁)になっていて、デザインのかわいさはもちろん、外側が熱くならないなど使い勝手も◎

Kalitaのウェーブシリーズのドリッパー

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ドリッパーにウェーブ型のフィルターを使うタイプで、お湯が全体に行き渡りやすいフォルムをしているため安定した味を抽出できます。(コーヒー粉の膨らみも形がよくて、写真でもきれいに撮りやすいです)

COMANDANTEのコーヒーグラインダー

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手動ミルの最高峰といわれるコーヒーグラインダーです。こだわり抜かれた材質・設計で、コーヒー粉をより均一に、最小限の力で挽くことができます。(均一に挽けないと、味のブレや雑味の原因になります)

1ZpressoのZproコーヒーグラインダー

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世界トップクラスと名高いコーヒーグラインダーの一つ。より均一に挽ける設計なのはもちろんのこと、持ちやすさ、挽きやすさ、挽き具合の設定のしやすさなど細部まで考え抜かれています。

Photographer's Note

Z 7、NIKKOR Z 24-70mm f/4 S

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私は写真や動画を毎日撮影していますが、一つ一つを作りこんでいると疲れて楽しくなくなって、無理が生じてきます。なので、基本はあくまでシンプルに。

その中でバリエーションを出すために、使うカップやグラスの種類を変えたり、違う器具を使ったり、フードは食べたくて買ってきたものや普段食べているものなどを一緒に撮ります。

“無理なく”写真がマンネリ化しない、楽しく続けられる方法を常に探しています。

 

Z 7、NIKKOR Z 24-70mm f/4 S

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コーヒー器具で言うと、どんどん新しいものが発売されて、高価で高機能なものも多くなりましたが、例えすごく使いづらい点があったとしても、気に入っていて大切にできるならそれが“最高の器具”だと思います。

忙しい生活の中で、自分が大切にしているものと一緒に過ごす“ちょっと癒やしのひととき”をこれからも発信していけたらなと考えています。現在は家の中で撮る動画が主ですが、「撮る」こと自体が好きなので、いつか他の人の「コーヒーのある暮らし」も撮ってみたいです。

 

最後に、残暑にオススメな「レモンコーヒー」をご紹介!

Z 7、NIKKOR Z 24-70mm f/4 S

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作り方は簡単で、ハチミツや砂糖にレモンスライスを漬けたものをコーヒーに入れるだけ。(国産のレモンがオススメですが、防カビ剤・ワックスを使用していない冷凍スライスレモンでもOK)

浅煎りのフルーティーなコーヒーをドリップして、お好みでレモンシロップを入れると、爽やかなコーヒーが楽しめますよ。

 

ぜひみなさんも、癒やしのコーヒータイムを過ごしてくださいね!

 

 

Supported by L&MARK

 

 

 

Z 7

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製品ページ ニコンダイレクト
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Mariko Kubota

Mariko Kubota

2012年にコーヒーに関するブログ「CAFICT」を開始。子育てをしながら、コーヒーや器具について発信している。2019年にはYouTubeで動画配信をスタート。「コーヒーのある暮らし」をテーマに、コーヒーやおとものレシピ、コーヒー器具などを独自の世界観で紹介している。