ドラマチックに水族館を撮りたい!難易度別の撮り方と魅力的に写すテクニック

ドラマチックに水族館を撮りたい!難易度別の撮り方と魅力的に写すテクニック

みなさんはじめまして、あき(@akira1027_photo)です。全国のいろんな水族館をめぐって、生きものたちのかわいい姿や癒やしの光景をとらえた写真を、SNSで発信しています。

 

海の生きものは小さい頃から大好きで、友人の勧めで一眼レフD5300を購入したのを機に、「好きなものをたくさん撮りたい!」と水族館を撮りはじめました。今では、多いときは週4回行くほどに。撮りながら癒やされ、一期一会のシャッターチャンスにわくわくしながら、最高の瞬間を求めて通い続けています。

 

Z 6、NIKKOR Z 24-70mm f/4 S
Z 6、NIKKOR Z 24-70mm f/4 S
Z 6、NIKKOR Z 24-70mm f/4 S
Z 6、NIKKOR Z 24-70mm f/4 S
Z 6、NIKKOR Z 24-70mm f/4 S

 

今回は、水族館撮影の基本からドラマチックに表現するコツなど、僕なりの撮り方を紹介していきたいと思います。

 

基本の機材は標準ズームと明るい単焦点

まずは、水族館撮影の機材について。今回の撮影のときの鞄の中身はこんな感じです。レンズは、24-70mmの標準ズームに加えて50mm単焦点があれば、大体のシチュエーションを撮影することができます。

 

ドラマチックに水族館を撮りたい!難易度別の撮り方と魅力的に写すテクニック

  • Z 6
  • NIKKOR Z 24-70mm f/4 S
  • NIKKOR Z 50mm f/1.8 S
  • NIKKOR Z 85mm f/1.8 S
  • NIKKOR Z 20mm f/1.8 S
  • 予備バッテリー(3つは使いませんでしたが、撮影が長い場合は予備があると安心です)
  • 撮影小道具(水晶玉を使った写真は記事の後半で)
  • お手入れ道具

 

画角整理がしやすい24-70mmの標準ズーム

NIKKOR Z 24-70mm f/4 S

水槽全体や生きもの単体のどちらでも撮ることができます。明るめな場所であれば開放F4でも十分です。まず広角側で撮り、被写体が目立っていなければズームで余分な情報を落としていくという画角整理もしやすいです。

明るさがほしいときの50㎜単焦点

NIKKOR Z 50mm f/1.8 S

暗い水槽の中や動きの速い生きものを撮るときなど、特に明るさが必要な場合は、開放F値の小さい単焦点を使います。50mmであれば、肉眼に近い自然な雰囲気で撮ることができます。

 

望遠と広角の単焦点もあると、撮れるシーンが増える

Z 6、NIKKOR Z 85mm f/1.8 S
Z 6、NIKKOR Z 20mm f/1.8 S
Z 6、(左)NIKKOR Z 85mm f/1.8 S、(右)NIKKOR Z 20mm f/1.8 S

 

暗い中で生きものをアップでとらえて質感を表現したい、幻想的なライトアップショーを空間ごと明るく切り取りたい…など、撮影を続けていると撮りたいイメージがどんどん湧いてきます。そんなとき、望遠と広角の単焦点があると表現の幅が広がります。

設定はシャッタースピードを軸に調整

水族館撮影では、シャッタースピードが特に重要です。

  • 撮影モード:生きものの動きに慣れないうちは、被写体の動きに集中できるシャッター優先オート(S)がオススメです。慣れてきて適切な設定が身につくと、F値もコントロールできるマニュアルのほうが撮りやすくなります。
  • シャッタースピード: 1/80秒をベースにして、動きをとらえられるかまず試し撮りをします。高画質で撮るためISO感度はなるべく低くしたいので、ぶれなくなる、かつ極力遅いスピードに調整します。

 

Z 6、NIKKOR Z 50mm f/1.8 S
Z 6、NIKKOR Z 50mm f/1.8 S
Z 6、NIKKOR Z 50mm f/1.8 S

左:1/125秒、右:1/10秒(左右ともISO400)

 

  • ISO感度: ISO400をベースにして、シャッタースピードに合わせて微調整していきます。ノイズを防ぐため、上げてもISO1000程度に留めます。
  • F値:明るい水槽であればF4でも十分。暗い水槽はF値が小さいほど確実ですが、極力F2程度に少し絞りピント範囲を広げて被写体のピンボケを防ぎます。

なお、後から編集する前提で、ホワイトバランスはオートに、白とびしないように少し暗めに撮影します。

難易度別で見る生きもの撮影のポイント

ここからは、生きものの習性などに基づく撮影のポイントを難易度別に紹介します。被写体の動く速さや範囲など、カメラで追えるかどうかが難易度レベルの基準です。

低:水槽の底でじっとしている生きもの

Z 6、NIKKOR Z 24-70mm f/4 S/1/50秒・F4・ISO400・AF-S
Z 6、NIKKOR Z 50mm f/1.8 S/1/15秒・F4・ISO400・AF-S
Z 6、(左)NIKKOR Z 24-70mm f/4 S/1/50秒・F4・ISO400、(右)NIKKOR Z 50mm f/1.8 S/1/15秒・F4・ISO400

 

チンアナゴやフウセンウオのように、動く範囲が決まっていたり、水槽の底でじっといる魚は撮りやすいです。シャッタースピードは、ベースの1/80秒からぶれないギリギリまで遅くします。絞りはF4程度で背景をぼかしつつ、かわいい目や質感をシャープに描写。撮影するときは、被写体の真横から撮るとピントが合わせやすいです。

中:動きが速い魚や暗い水槽の生きもの

Z 6、NIKKOR Z 50mm f/1.8 S/1/80秒・F2.2・ISO400
Z 6、NIKKOR Z 24-70mm f/4 S/1/60秒・F4・ISO500
Z 6、(左)NIKKOR Z 50mm f/1.8 S/1/80秒・F2.2・ISO400 、(右)NIKKOR Z 24-70mm f/4 S/1/60秒・F4・ISO500

 

カクレクマノミのように動きが速くて小さい魚にピントを合わせるときは、動きを観察して、よく近寄るイソギンチャクや岩にマニュアルフォーカスで「置きピン」をするのがオススメです。また、クラゲの水槽は暗いことが多いので、なるべく光源の近くでカメラを構えて、クラゲが画角に入ってくるのを待ちます。特にミズクラゲは半透明なので、光源の近くで撮って背景とのコントラストを強めると、浮かび上がるように写ってとてもきれいです。

高:動きが大きく予測が難しいイルカショー

Z 6、NIKKOR Z 24-70mm f/4 S/1/1600秒・F4・ISO200
Z 6、NIKKOR Z 50mm f/1.8 S/1/400秒・F2・ISO1600
Z 6、(左)NIKKOR Z 24-70mm f/4 S/1/1600秒・F4・ISO200、(右)NIKKOR Z 50mm f/1.8 S/1/400秒・F2・ISO1600

 

イルカショーは撮影するのが難しい分、想像を超える瞬間が撮れたときはとてもうれしくて、同じショーを何回撮影しても飽きません。

イルカのジャンプの瞬間をとらえるには、特にシャッタースピードを速く設定する必要があります。はじめて見るショーの場合は、トレーナーさんの動きに注意しながら、イルカが水面から出る直前までは肉眼で観察。飛んでからファインダーをのぞき、シャッターを切るのがポイントです。右の写真のようなライトアップショーは、ISO感度を高くする必要がありますが、ISO1600くらいまでを上限にすれば、ノイズによる画質劣化は気になりません。

初見ですべてのジャンプを撮りきるのは難しいので、何度も通うことをオススメします。

 

 

跳ぶ位置が予測できる場合は置きピンで

Z 6、NIKKOR Z 85mm f/1.8 S/1/640秒・F1.8・ISO800

Z 6、NIKKOR Z 85mm f/1.8 S/1/640秒・F1.8・ISO800

 

ジャンプしてボールにタッチするプログラムなどは、置きピンで撮影できるのではじめてのショーでも比較的撮りやすいです。ボールが上から降りてきたらジャンプのサインなので、マニュアルフォーカスでボールに置きピン。イルカがボールに触れる瞬間を狙って撮影します。

 

 

プログラムを覚えるとレアなシーンもとらえられる

Z 6、NIKKOR Z 50mm f/1.8 S/1/500秒・F2・ISO640

Z 6、NIKKOR Z 50mm f/1.8 S/1/500秒・F2・ISO640

 

このショーでは、大ジャンプは数回しかない緊張するシーンです。水面をたたくとイルカがトレーナーさんの上を飛び越えていくプログラムなので、トレーナーさんにピントを合わせ、イルカがジャンプしたらタイミングよくシャッターを切ります。

 

ショーが終わった後にも注目

Z 6、NIKKOR Z 85mm f/1.8 S/1/200秒・F1.8・ISO400

Z 6、NIKKOR Z 85mm f/1.8 S/1/200秒・F1.8・ISO400

 

ショーの後は、イルカの健康チェックやえさやりをする水族館が多いので、そのチャンスを狙うとかわいらしい瞬間に出会えます。これはトレーナーさんがかける水を、イルカが口を開けて待ち構える様子。トレーナーさんとイルカの信頼関係がうかがえる、とても好きなシーンです。

水族館をドラマチックに撮る秘訣

生きものたちが水槽の中を優雅に泳ぐ姿や、ショーで魅せるダイナミックな演技は、撮り方次第でよりドラマチックに見せることができます。

光に注目して生きものを際立たせる

美しい写真を撮るためには光が重要です。いい光を見つけて構図を決め、生きものがその構図に入ってくるのを待ちましょう。

 

被写体にスポットライトが当たる瞬間を狙う

Z 6、NIKKOR Z 24-70mm f/4 S/1/100秒・F4・ISO500

Z 6、NIKKOR Z 24-70mm f/4 S/1/100秒・F4・ISO500

 

いろいろな生きものが暮らす大水槽では、光が上から差しこんでいる場合が多いです。その中で特定の生きものを際立たせたい場合は、日の丸構図で水槽の光がスポットライトのように当たる瞬間を狙います。事前にメインの被写体を試し撮りして、ぶれないシャッタースピードを見つけて設定しておきましょう。
なお、光のラインはF値が大きいほうがくっきり写ります。暗い水槽などを単焦点で撮る際も、F2程度に少し絞るようにしています。

 

光の明暗差で立体感を出す

Z 6、NIKKOR Z 24-70mm f/4 S/1/100秒・F4・ISO500

Z 6、NIKKOR Z 24-70mm f/4 S/1/100秒・F4・ISO500

 

群れを撮るときにも、光の使い方が重要です。上の写真はイワシの群れにエイが突入して、イワシたちが逃げているシーン。上の光に近い部分と手前で明暗差ができ、立体感と迫力を表現できました。

 

水槽内の光源を生かして美しく撮る

クラゲは半透明で薄い種類が多く、光を生かした撮影がしやすいです。水槽内の光源を生かして逆光で撮るとドラマチックに仕上がります。明るい単焦点で、少し絞って繊細な口腕(傘から伸びるひらひらした部分)までシャープに写すのがこだわりです。

 

Z 6、NIKKOR Z 50mm f/1.8 S/1/250秒・F2.2・ISO250

Z 6、NIKKOR Z 50mm f/1.8 S/1/250秒・F2.2・ISO250

 

上の写真は光源を中心に配置して、クラゲを待って撮影。厚みがある傘の部分は光を透過しにくいので、口腕を入れることで、光を透かした艶やかなクラゲを表現しました。

 

Z 6、NIKKOR Z 50mm f/1.8 S/1/200秒・F2.2・ISO400

Z 6、NIKKOR Z 50mm f/1.8 S/1/200秒・F2.2・ISO400

 

クラゲの光が当たった部分を強調したい場合は、半順光やサイド光になるように移動して、ISO感度を400くらいまで下げて背景が暗くなるようにします。

ローアングルで水中のように撮る

Z 6、NIKKOR Z 20mm f/1.8 S/1/100秒・F2・ISO1000
Z 6、NIKKOR Z 20mm f/1.8 S/1/100秒・F2・ISO1000
Z 6、NIKKOR Z 20mm f/1.8 S/1/100秒・F2・ISO1000

左:アイレベルで撮影、右:ローアングルで撮影

 

2つの写真は、アングル以外は同じ条件で撮影しています。左のアイレベルでは、上からの光を取り入れにくく、水槽内の要素が多く入るため窮屈な印象に。右のローアングルでは光を取りこめる上に、斜め上の奥行を表現できるので、水中写真のような世界が広がります。

水しぶきを躍動感たっぷりに表現する

イルカショーなどの躍動感を伝えるには「水しぶき」の写し方がポイントです。暗い屋内のショーでは、比較的簡単に水しぶきをまとったダイナミックなイルカの姿を撮ることができます。

 

Z 6、NIKKOR Z 24-70mm f/4 S/1/320秒・F4・ISO1000

Z 6、NIKKOR Z 24-70mm f/4 S/1/320秒・F4・ISO1000

 

このショーでは、イルカにスポットライトが当たるので、その部分に露出を合わせることで背景が暗くなり、イルカと水しぶきを強調できます。三分割構図で交点にイルカの頭部がくるように撮影し、イルカの視線の先に余白をつくることで気持ちのいい抜け感が生まれました。

 

イルカショーで水しぶきをとらえるポイント

  • 自分で被写体に近づけないので、望遠でなるべく大きくフレーミング
  • 水しぶきの背景が暗い場所を選ぶ
  • 環境に合ったシャッタースピードとISO感度にする:暗い室内は1/320秒・ISO1000前後、晴れた屋外は1/3200秒・ISO100前後、くもりや雨では1/1600秒・ISO200前後

 

外のショーでは水しぶきが際立つ背景を狙う

Z 6、NIKKOR Z 24-70mm f/4 S/1/1600秒・F4・ISO200

Z 6、NIKKOR Z 24-70mm f/4 S/1/1600秒・F4・ISO200

 

水しぶきが空まで上がっていますが、見えるのは青い壁のところだけです。屋外では背景が暗い場所など、水しぶきが際立つ場所を狙って切り取ります。

世界観を広げる撮影アイデア

水面のリフレクションを狙う

Z 6、NIKKOR Z 50mm f/1.8 S/1/60秒・F2.8・ISO250

Z 6、NIKKOR Z 50mm f/1.8 S/1/60秒・F2.8・ISO250

 

「泳いでいるペンギンを撮りたかったのに、みんな陸に上がってる…」そんなときはペンギンが水際に来たタイミングで、リフレクションを狙ってみましょう。風が弱く水面がなめらかなときは、きれいな反射を写すことができます。

個性的な展示は空間ごと撮る

水族館は展示にも工夫がされていて館ごとに個性があり、それを写すのも楽しさの一つです。

 

Z 6、NIKKOR Z 24-70mm f/4 S/1/8秒・F4・ISO250・撮影地:新江ノ島水族館

Z 6、NIKKOR Z 24-70mm f/4 S/1/8秒・F4・ISO250・撮影地:新江ノ島水族館

 

天井の照明が美しかったので、真ん中の丸い水槽と一緒に撮影。まわりに人がいるときは、アンダー気味で撮影し、真ん中の水槽と天井に視線を誘導すると効果的です。

 

Z 6、NIKKOR Z 24-70mm f/4 S/1/30秒・F4・ISO500・撮影地:横浜・八景島シーパラダイス
Z 6、NIKKOR Z 24-70mm f/4 S/1/10秒・F4・ISO250・撮影地:マクセル アクアパーク品川
Z 6、NIKKOR Z 24-70mm f/4 S/(左)1/30秒・F4・ISO500・撮影地:横浜・八景島シーパラダイス、(右)1/10秒・F4・ISO250・撮影地:マクセル アクアパーク品川

 

人が少ない時間を狙うとより空間の魅力が伝わる1枚に。エイなどの生きものと一緒に撮る場合は、生きものがぶれないシャッタースピードを優先します。また、床の反射を生かして、床すれすれでリフレクションを撮影するとより幻想的です!

小物を使って不思議な世界観を演出

ライトアップされた展示は、水晶玉やスマホを使うと、被写体を閉じこめたような不思議な写真を撮ることができます。

 

背景をぼかして水晶玉の中の被写体を撮る

Z 6、NIKKOR Z 85mm f/1.8 S/1/60秒・F1.8・ISO640
Z 6、NIKKOR Z 24-70mm f/4 S/4秒・F4・ISO100
Z 6、(左)NIKKOR Z 85mm f/1.8 S/1/60秒・F1.8・ISO640、(右)NIKKOR Z 24-70mm f/4 S/4秒・F4・ISO100

 

左の写真は、水槽の近くに水晶玉を持っていき、クラゲが写りこむ位置で撮影。開放F値で水晶玉以外をぼかすことで、クラゲが水晶玉の中にいるかのような世界を表現しています。

右の写真は、床の映りこみと背景のきらめきを生かしつつ、イルミネーションを水晶に閉じこめるイメージで撮りました。撮影するときは、まわりの人の迷惑にならないように、開館直後や閉館間際の人が少ない時間帯を狙います。

 

 

スマホの画面で額縁効果を狙う

Z 6、NIKKOR Z 50mm f/1.8 S/1/30秒・F2.2・ISO400

Z 6、NIKKOR Z 50mm f/1.8 S/1/30秒・F2.2・ISO400

 

スマホのカメラ機能で写した部分だけにピントを合わせると額縁効果で強調できます。カメラのピントはスマホ画面に合わせ、背景を玉ボケにすることで、華やかな雰囲気を演出しました。

美しい青を引き出す編集の仕方

最初に編集前提で、ホワイトバランスはオートで撮るとお話ししましたが、ここで水槽をきれいな青色に編集するコツを、下の写真で紹介したいと思います。

 

Z 6、NIKKOR Z 24-70mm f/4 S/1/25秒・F4・ISO400

Z 6、NIKKOR Z 24-70mm f/4 S/1/25秒・F4・ISO400

 

ポイントは青色の色相・彩度・輝度

ソフトはスマホ版のLightroomを使用し、カラーミキサーで青色を調整します。

 

ドラマチックに水族館を撮りたい!難易度別の撮り方と魅力的に写すテクニック

 

  1. 色相:少しマゼンタ側に寄せると青が際立ちます。
  2. 輝度:白とびしないよう暗めに撮るため、輝度を上げる。
  3. 彩度:輝度を上げると色味が薄くなるので、彩度も上げる。

 

編集後
編集前

左:編集前、右:編集後

 

水槽が爽やかな青色になり、少し明るくしたことで透明感が出ました。

他には露光量・シャドウ・明瞭度・ノイズ軽減などの調整で、より明るくシャープな印象に仕上げていきます。

よくあるお悩みQ&A

 Z 6、NIKKOR Z 50mm f/1.8 S/1/200秒・F1.8・ISO500

Z 6、NIKKOR Z 50mm f/1.8 S/1/200秒・F1.8・ISO500

 

TwitterのDMでよく水族館撮影に関する質問をいただきます。その中で、特によくあるお悩みにお答えしたいと思います。

 

 

Q.水槽の反射の写りこみをなくすには?

A.レンズを水槽に近づけて、水槽と平行に構えることで軽減することができます。さらに、望遠で撮ればガラス面がぼけやすく、写る範囲も狭いので、反射のリスクは低くなります。

広角で広い水槽を見上げるように撮りたい場合は、望遠レンズで撮るときよりも水槽に近づくことを意識しましょう。

 

Z 6、NIKKOR Z 85mm f/1.8 S/1/500秒・F1.8・ISO200

Z 6、NIKKOR Z 85mm f/1.8 S/1/500秒・F1.8・ISO200

 

 

Q.暗い場所でノイズが出てしまうのを防ぐコツは?

A.シャッタースピードは被写体ブレ・手ブレしない範囲でなるべく遅くすることで、ISO感度の上げすぎによるノイズ(画像のざらつき)を抑えることができます。

水槽を泳ぐ生きもののシャッタースピードの見極め方

  • 1/80秒で撮影してみて被写体がぶれていないか確認
  • ぶれていなければ1段分遅く、ぶれていたら2段分ほど速くする

 

動きの速い被写体で、感度が上がりノイズが出てしまう場合

ISOオートで撮るときは、制御上限感度を設定しましょう。僕の場合、屋内のイルカショーは上限ISO1600、屋内の熱帯魚やエイ、水槽を泳ぐペンギンなどは、上限ISO800で撮るようにしています。さらに被写体が光源の近くに来た瞬間を狙うと、ISOを上げずに露出を確保できます。

 

Z 6、NIKKOR Z 85mm f/1.8 S/1/320秒・F2.2・ISO500

Z 6、NIKKOR Z 85mm f/1.8 S/1/320秒・F2.2・ISO500

 

 

Q.開放F値で撮るとピントが外れやすい

A.F値が小さいほど明るく撮れますが、被写界深度が浅くなりピント範囲からずれやすいので、開放ではなくF2程度に絞るとピントが合わせやすくなります。露出アンダーになりがちなので、ぶれない程度までシャッタースピードを遅くして、光の当たるところに被写体が来た瞬間を狙いましょう。

 

Z 6、NIKKOR Z 50mm f/1.8 S/1/80秒・F2・ISO400

Z 6、NIKKOR Z 50mm f/1.8 S/1/80秒・F2・ISO400

 

 

Q.白とびを防ぐには?

A.薄暗い館内は水槽の光源と明暗差があるので、全体が適正露出になるように撮るとハイライトが白とびしやすいです。僕は白とびしない程度に少し暗めに撮影して、編集過程で好きな明るさに調整しています。ミラーレスならEVFで確認、一眼レフならライブビューか一旦撮ってプレビューで確認しましょう。

 

Z 6、NIKKOR Z 24-70mm f/4 S/1/50秒・F4・ISO400
Z 6、NIKKOR Z 24-70mm f/4 S/1/50秒・F4・ISO400
Z 6、NIKKOR Z 24-70mm f/4 S/1/50秒・F4・ISO400

左のように少し暗めに撮り、右のように編集で明るくします。

 

 

Q:人が多くて思うように撮れない

A: 開館直後や閉館前のお客さんが少ない時間なら、ゆっくり撮影することができます。特に撮影の練習をしたい場合は、集中できるのでオススメです。

 

Z 6、NIKKOR Z 24-70mm f/4 S

Z 6、NIKKOR Z 24-70mm f/4 S

土曜日の閉館30分前の横浜・八景島シーパラダイスの様子

Photographer's Note

これまで数えきれないほど水族館に来ていますが、その時々で見える景色が違います。「最高の写真が撮れた!」と思っても、もしかしたら光の入り方や被写体の位置でもっと素敵な写真が撮れるかもしれない。そんな気持ちでずっと通っています。

 

「映えそうだから」「デートスポットだから」と、きっかけは何でもいいんです。僕の写真を見て、1人でも多くの人が水族館に足を運んでくれたらうれしいです!

 

水族館撮影のマナー

  • 生きものに悪影響を及ぼす可能性のあるフラッシュ・AF補助光はNG
  • 他のお客さんの邪魔になる三脚はNG(水族館が禁止している場合もあります)
  • 長時間同じ水槽の前を占領しない

 

こちらの記事もチェック!

あきさんのフォトライフについて、 Z マウントシステムで作品づくりを楽しむフォトグラファーをピックアップする「Zcreators」でもインタビュー記事が掲載されています。ぜひあわせてご覧ください!

 


【撮影協力】

新江ノ島水族館
神奈川県藤沢市片瀬海岸2-19-1/TEL:0466-29-9960/営業時間(最終入場):[3月1日~11月30日]9:00~17:00(16:00)、[12月1日~2月28日]10:00~17:00(16:00)
※夏休み、年末年始、イベントにより営業時間の変更がございます。
https://www.enosui.com/

横浜・八景島シーパラダイス
神奈川県横浜市金沢区八景島/TEL:045-788-8888/営業時間:平日10:00~17:00、土日祝10:00~19:00
※営業時間は日、施設により異なります。
http://www.seaparadise.co.jp/

マクセル アクアパーク品川
東京都港区高輪4-10-30(品川プリンスホテル内)/TEL:03-5421-1111/営業時間(最終入場):平日10:00~18:30(18:00)、土休日10:00~20:00(19:00)
http://www.aqua-park.jp/aqua/

※こちらに掲載している情報は2020年11月10日現在のものです。最新の情報は各ホームページをご覧ください。

 

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あき

あき

SNSを中心に水族館の写真を投稿している。多いときは週に4回ほど通い、生きもののかわいい姿や癒やされるシーンを撮影。ダイビングのライセンスを取得し、水中撮影にも挑戦中。