セルフポートレートや日常を綴ったSNSが人気のフォトグラファーカップル・jyotaさんとmisuzuさん。2021年に入籍し、2023年1月に第1子が誕生しました。
misuzuさん(@pettit0524)
大学1年生のときにカメラをはじめ、作品集としてInstagramを開設。写真関係の会社を退職後、現在はフリーランスフォトグラファーとして幅広く活動している。
NICO STOPでは、お子さんが生まれるまでと、生まれてからのフォトライフを2回にわたってご紹介します。第1回は、jyotaさんにお子さんが生まれるまでの日々を綴っていただきました。
2022年5月
妻がとてもうれしそうに
妊娠を報告してくれた
「いつか子供がほしいね」と話していたので、
正直うれしすぎてなんだか不思議な感覚。
すごく気持ちが高まっているけれど、
どこか冷静…。
「これから親になるんだ」という責任感が
芽生えた瞬間だったかもしれません。
妻との2人の時間を大切に、
貴重な瞬間を写真にたくさん残したい。
そう思いました。
産婦人科は新型コロナの感染予防のため、
病院には妻のみが入れました。
後からエコー写真を見せてもらうのですが、
はじめて見たとき
「とっても小さな生命が誕生したんだな」
と実感しました。
6月
はじめてのマタニティ撮影
僕たちの写真で少しでも
ハッピーな気持ちになってくれたらいいなと、
応援してくださる・見てくださる方に向けて
SNSで妊娠報告するための撮影をすることに。
いつも通りのセルフポートレートで、
そしてユニークな写真で報告できたらと思い、
2人でアイデアを出し合って
いろんなポージングで撮影をしました。
妊娠がわかってから最初の撮影だったので、
すごく楽しくて記憶に残る瞬間でした!
結婚1年記念日の7月7日に投稿すると
温かいメッセージをたくさんいただいて、
「これからもずっとがんばろう」と
大きなパワーをもらえました!
7月
戌の日の安産祈願
戌の日に、中山寺に安全祈願へ。
最高に天気がよくて、
なんだか縁起がいい。
こういった節目があると、
子供が生まれてくることに
より現実味が増してきます。
中山寺では、いただいた腹帯に書かれた性別と
反対の性別の子が生まれる
というジンクスがあるそうです。
僕たちの腹帯には「男」と書いてあったので
「女の子なのかな~」と話をしていました。
7月
結婚1年記念日
結婚1年記念日は、温泉小旅行へ。
すごく気持ちよくて、癒やしの時間でした!
話すのは、赤ちゃんのこと。
「生まれてきてくれたらこんな写真が撮りたい」
「将来どんな子になってほしい」
「一緒にキャンプをしたいな」
なんてたくさん話していました。
ちょうどこの日が七夕で、
短冊に願いを書いたこともいい思い出です。
8月
スイカと同じ大きさのおなか
妻のおなかが徐々に大きくなってきて、
夏過ぎにはスイカと同じくらいの大きさに。
記念にスイカと一緒に撮ることにしました。
エコー写真も一緒に。
赤ちゃんは人間らしく成長していて、
毎回エコーを見るのが楽しみでした。
9月
性別がわかった日
ジェンダーリビールケーキってご存じですか?
性別をお披露目するために作るケーキで、
性別に見立てたフルーツなどが中に入っていて
カットしたときに性別が判明するものです。
僕はそのケーキを知らなかったのですが、
妻が前々から考えてくれていました。
マスカットなら男の子、イチジクなら女の子。
僕がブルーベリーを好きなので
ベランダで育てている
ブルーベリーも入れてくれました。
ケーキは大きなバームクーヘンで作るんだそう。
フルーツを入れるときだけは、
中身がわからないように
僕はキッチンから離れていたので、
どちらなのかドキドキ。
ケーキを切ると中からイチジク…。
ということは、女の子です!
「男の子だったらいいな~」
と妊娠当初は言っていたのですが、
女の子のベビーグッズや洋服などを見ていると
一つ一つがかわいくて、
いろんな想像をしているうちに、
いつしか希望が女の子寄りになっていました。
なので、イチジクが出てきたときは
本当にうれしかったです。
カットの瞬間を動画でも記録したくて、
僕はカメラ3台を準備していました。
入念に設定や構図を意識しすぎたあまり
いいリアクションができず…。
それがおもしろくて、
妻と2人でずっと笑っていました。
9月
毎日おなかに話しかける
この頃にはもう
おなかの中で動いているのが感じとれました。
まだ赤ちゃんはおなかの中だけど、
3人で生活しているんだな。
仕事に行くときに
おなかの赤ちゃんに向かって
「行ってきます」と話しかけていました。
妻が大きくなってきたおなかを見ていたり
なでている瞬間がとても好きで、
ことあるごとに撮っていました。
おなかの大きさでわかる、赤ちゃんの成長。
そして、何十年後に見返したとき、
この家の家具や雰囲気を思い出せるように
部屋の様子と一緒に。
10月
ふもとっぱらでキャンプ
僕らの好きなキャンプ。
もう当分行けなくなると思い、
安定期の時期に行ってきました。
はじめてのふもとっぱらで1泊。
夜は焚き火を見ながら、
子供が大きくなったら…と
“未来”について語り合いました。
翌朝は快晴。
富士山が驚くほど美しく見えました。
記念に富士山をバックにセルフポートレート。
コキアが色づきはじめていて、きれいでした。
妻は家の中で過ごすことが
どうしても多くなっていたので、
少しでも気分転換になったようでよかったです。
11月
奈良公園で鹿と
この日は、奈良公園で行われたグルメフェスに。
鹿が近くに来たのですが、
まるで赤ちゃんがいるのをわかっているようで。
赤ちゃんに話しかけているように感じました。
11月
妻のふるさとに帰省
出産前に一度、香川に帰省することにしました。
2人の思い出の場所巡り。
生まれたら3人で来たいな。
妻の実家に行くと、
おなかの大きさにみんな驚いていました。
おじいちゃんやおばあちゃんも
とても喜んでくれて、
今しかない家族写真を
たくさん残せたのがうれしかったです。
香川は景色がきれいで、
行くたびに撮影意欲が湧いてきます。
地元の妻にとっては、
気持ちが落ち着くのかもしれません。
シャッターを切りながらだんだんと
「母親の顔になってきている」
そう感じた瞬間でした。
11月
世界一幸せな洗濯
出産まで残り2か月。
ベビー服を買いそろえ、
赤ちゃんの肌への刺激が少なくなるよう、
ベビー用の洗剤で洗濯をすることに。
最高に天気がいい日に
洗濯をしようと決めていました。
一緒に服をたたんでいると、
「こんなに小さいんだな~」と
服にも愛着が湧いてきました。
このかわいい服たちもきっと
すぐ大きくなって入らなくなるんだろうな。
11月
大阪の思い出の夜景
妻の地元でマタニティフォトを撮影したので、
僕の地元・大阪でも撮ることに。
学生時代に付き合っていたときに、
よく見に来ていた思い出の夜景です。
この日は、よく遊んでいる友達とも一緒に。
生まれてくる子供に、
いつかこの夜景を見せてあげたい。
12月
準備万端
残り1か月を切り、
ベビーグッズの準備も佳境です。
「実は男の子だったらびっくりだね」
と笑いながら準備していました。
12月
安産祈願をもう一度
母親からパワースポットだと
教えてもらった場所に行ってみました。
「参拝時に光が差すと願い事が叶う」
とも言われているそうです。
参拝した日は、きれいな光が!
元気な赤ちゃんが生まれてきてくれることを
2人でお願いしてきました。
12月
出産後の楽しみ
レモンシロップ作り
毎年、実をつけてくれる我が家のレモン。
今年はちょうど妊娠がわかった頃に実をつけ、
「赤ちゃんよりレモンのほうが大きいね!」
なんて話していたのですが、
だんだんと妻のおなかのほうが大きくなり、
変化を楽しみながら育てていました。
そんなレモンを収穫し、
「退院したら一緒に飲もう」と
レモンシロップを作りました。
1月
出産
予定日は、お正月。
大晦日は、家でごはんを食べて、
テレビを見て過ごしていました。
そしていよいよ年越し。
一緒にカウントダウンして
新年を迎えたのですが、
その瞬間に妻の体調が悪くなり、
すぐに病院に電話をして車で向かいました。
僕は中には入れないので、
1人家に戻り、ただ祈るだけです。
そして1月2日、
無事、女の子が生まれてきてくれました。
病院に入れない僕に代わって、
妻が撮って送ってくれる写真が楽しみでした。
小さな手足や泣き顔、すべてが尊いです。
母子同室になり、スマホ越しでの対面。
なぜか緊張してしまいました。
はじめてみる赤ちゃんは、本当にかわいくて!
ひと目見た瞬間、妻似だなと思いました。
対面の日
いよいよ退院の日、
前日は緊張でまったく眠れませんでした。
「車内の温度はこれで大丈夫か?」
「チャイルドシートはしっかりついているか?」
いろいろと再確認しながら、
病院の駐車場で待っていました。
そしてついに、はじめて赤ちゃんとの対面!
あまりの小ささに、
赤ちゃんを抱っこしているのに気づかず
妻に話しかけてしまいました。
かわいすぎて、もう最初からメロメロです。
今まででいちばん慎重に、
安全運転で帰宅しました。
家に着いて、はじめての抱っこ。
抱っこすると赤ちゃんと顔の距離が近くなって、
よりかわいい!
ずっと抱っこしていたいと思いました。
はじめて生で見る寝顔。
ずっと見ていられる。
ずっと撮っていられる。
生まれてきてくれてありがとう。
僕たちは家族になりました。
* * *
はじめての出産は、はじめてづくし。
その瞬間は二度とないので、妻に「撮らなくていいよ~」と言われても撮影していました。
この写真は、退院時に妻が涙した瞬間。
僕も涙が出てきました。感謝しきれません。
これからは、3人家族です。
子供が大きくなったときに一緒に見返せるように、写真をたくさん撮ろうと思います。
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※温泉は、温度や成分によって避けたほうがよい場合があります。行きたい温泉の情報を事前に調べる、問い合わせるなどして確認しましょう。
※キャンプは安定期がよいとされています。安定期の場合でも体調を優先しましょう。
※何か不安がある際は、かかりつけ医に相談するなど、体に負担がかからないことを第一に考えましょう。
jyota tomonori
関西在住の写真家。彼女の写真をメインにしたSNSが人気で、Instagramのフォロワーは4.7万人を超える(2019年4月現在)。彼女のmisuzuさんと一緒に開催している動画講座も人気。
misuzu
1995年 香川県出身。大学一年生の時にカメラを始め、自身の作品集としてinstagramを開設。柔らかな空気を感じさせる写真からスタートし、現在は独特のセンスで捉えたフィルムポートレートやナチュラルな日常写真が人気を集めている。学生時代には日本最大級の水族館でワークショップを実施し、近年ではカメラメーカ等でトークショーや写真展を開催。現在は、フリーフォトグラファーとしても活躍している。