みなさん、こんにちは! コハラ タケル(@takerukohara_sono1)です!
Z シリーズで撮り下ろしたポートレート写真を参考に、撮影方法やノウハウを紹介する連載『キミと彩るポートレート』。僕は、初めましてのモデルさんとのコミュニケーションについて紹介していきます。
前回の初めましてのコミュニケーション〜撮影前のモデルさんとのやりとり編〜はいかがでしたか?
「会ったことのないモデルさんに声をかけたいけど、勇気が出ない」という人の後押しに、僕の記事が少しでもなれていたら嬉しいです。
さて、今回はいよいよ撮影中のコミュニケーションについてお話ししていきます。
撮影中は気づかいの心が大切
さぁ、準備も済んだところで撮影スタート!
僕は撮影中、以下の3つのことを気にかけるようにしています。
「のど渇いてない?」
「疲れてない? 休憩しなくて大丈夫?」
「トイレとか大丈夫かな?」
僕は基本的に公共機関の乗り物を使って移動することが多く、車は使いません。そのため、移動するのは歩きが中心となります。
撮る側も写る側も、撮影中は体力を消耗します。そこで重要なのは、やはりモデルさんの体力を気づかうことができるかどうかです。
疲れていないかどうかを確認し、モデルさんが疲れている場合はこまめに休憩をいれましょう。
また、僕は街撮りをする場合、”一箇所に立ち止まって撮影することが少ない”ため、モデルさんの荷物は「駅のコインロッカーに預ける」か「僕自身が持つこと」が多いです。
ちなみに編集込みで作品だと考えているため、撮った写真をモデルさんにその場で見せることはほとんどしません。どうしてもモデルさんが見たいという場合は、見せるようにしています。
撮影は体力勝負!モデルさんが疲れていないか定期的に聞いてみよう
ポージングは先に自分がやってみせる
コミュニケーションというのは、なにも会話だけで完結するものではありません。
どんなに事前のやりとりで丁寧に接していたとしても、撮影中のマナーが悪ければ、モデルさんとの関係は悪くなるでしょう。会話だけでなく、撮影中の行動も含めて大切にしないと、うまくコミュニケーションが取れなくなる可能性があります。会話や対応でモデルさんを気づかうことも大切ですが、僕が撮影中、大切にしていることはほかにもあります。
それは”僕自身がポージングをする”ことです。
例えば、海や山など、人があまりいないような場所であれば、モデルさんは人の目を気にせず撮影に集中することができます。ただし、街中での撮影となると、人がいないというシチュエーションはほぼありません。
周囲に人がたくさんいる街中で変わったポーズなどをする場合、やっぱり恥ずかしいですよね。
恥ずかしいポーズをやってもらう場合、「こうやって」と撮る側が一方的に指示を出すのが悪いというわけではありませんが、僕はまず自分がやって見せることが多いです。
モデルさんにやって欲しいポーズを自らポージング!
対等・笑顔が生まれる・安全確認
僕が先にポージングを見せる理由は3つあります。
- 撮影者とモデルが対等であるということを証明する
- ポージングを見せることで生まれる笑顔
- 安全確認
2番目の「ポージングを見せることで生まれる笑顔」に関しては、次回の記事でお話しします。
1番目に関しては、先に説明したように自分も同じポーズをすることで撮影する側の立場が上ではなく、お互い対等であるということを示すようにしています。
3番目の安全確認ですが、これはどういうことかと言いますと、例えばモデルさんに道路で寝転がってもらうことがあります。
室内は大丈夫な可能性が高いですが、外での撮影はもしかするとガラスの破片があるかもしれません。また、夏場はアスファルトがとても熱くなっているので、火傷をする可能性もあります。先に撮影する側である自分が寝ることによって、モデルさんがケガをしないかどうかチェックするようにしているのです。
このように会話だけでなく、モデルさんの体調や身体を気づかう行動を取ることによって、初めましてのモデルさんであっても良好なコミュニケーションを取ることができます。
モデルさんが怪我をしないよう、常に安全を確認!
感謝の気持ちを忘れずに
ここまでいろんなことを話してきましたが、全体を通して言えることは”モデルさんへの感謝の気持ちを忘れないこと”です。
今の時代、女性ポートレートを撮るとなると、ほとんどの場合においてその写真はSNSやwebサイト等で使用することになると思います。
女性がSNSに顔が写った写真を載せるというのは、決してメリットだけではありません。
その覚悟を受け入れ、モデルになってくれることのありがたみを忘れないようにしています。
感謝の気持ちは、きっと写真に現れると僕は信じています。そして、その気持ちは必ず、相手にも伝わるはずです。それこそが一番大切なコミュニケーションではないでしょうか?
これから女性ポートレートを撮ろうと考えている方もすでに撮っている方も、感謝の気持ちを忘れずに撮り続けましょう! 僕も頑張ります!
撮影中のコミュニケーション
・モデルさんの体力を気遣い、声をかける
・ポージングは自分が先にやってみせる
・モデルさんが怪我をしないよう、常に安全確認!
・感謝の気持ちを忘れない!
さて! 次回は「自然な表現を引き出す方法」についてお話します。
自然体を引き出すためには人間力がすべて?
いえいえ、それだけではありません。
技術的に引き出せる部分もたくさんあるんです。ぜひ、お楽しみに!
キミと彩るポートレート
Model:もろんのん(@moron_non)
Edit:Anco Oshita
Supported by CURBON
コハラタケル
1984年、長崎県生まれ。フリーライター時代に写真撮影もはじめ、その後、フォトグラファーに転身。企業案件や家族写真を撮影するだけでなく、会員140名を越える月額制noteサークルの運営も行っている。SNSの総フォロワー数は12万人以上。