地元フォトグラファーオススメの神戸撮影スポット6選 – 新しさと懐かしさを感じる港町の絶景

地元フォトグラファーオススメの神戸撮影スポット6選 - 新しさと懐かしさを感じる港町の絶景

はじめまして。兵庫県在住のフォトグラファー・鎌田シンイチ(@shinichillout54)です。地元や旅先の風景と人を写す“ランドスケープポートレート”を主に撮影しています。

 

私が生まれ育った兵庫県神戸市は、古くから港町として栄え、現在も観光地として人気の場所です。歴史を感じる街並みと、近代的な建物や夜景、自然を満喫できる場所など…。さまざまに楽しめるところが一番の魅力だと感じています。

 

この記事では、神戸市のオススメ撮影スポットとロケーションを生かした撮り方のコツをお伝えします! 市内は公共交通機関で移動しやすいので、車なしで巡りたい方にもオススメです。

 

神戸市のオススメ撮影スポット6選

昔から変わらない風情と都会の華やかさをあわせ持つ神戸の、多様な表情を切り取れる6か所をピックアップしました。レンズは、24~70mmの標準ズームレンズがあればOK。さらに35mm単焦点があれば、風景を生かしながら人の存在感が際立つ写真が撮れます。

【神戸港】港町の都会的な魅力を満喫できる

Z 7II、NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S/メリケンパーク

Z 7II、NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S/メリケンパーク

 

神戸港は、日本のほぼ中心に位置する国際貿易港です。市街地に近く、メリケンパークの「BE KOBEモニュメント」や「神戸ポートタワー」をはじめとするランドマークが一望でき、港町・神戸らしい風景が広がります。

 

Z 7II、NIKKOR Z 35mm f/1.8 S/メリケンパーク

Z 7II、NIKKOR Z 35mm f/1.8 S/メリケンパーク

 

オススメポイント:船が往来する景色

神戸港に面したメリケンパークや突堤では、神戸港を行き来する船を入れて街をかっこよく撮影できます。夜景や冬のイルミネーションもきれいです。

 

撮影のポイント

  • 場所:メリケンパークのBE KOBEモニュメントは、記念写真にぴったり。モニュメント左側の海沿いは、左右に突堤があるため船を背景に入れて撮影しやすいです。
  • 時間帯:12時前後にモニュメント付近から左にカメラを構えると、順光で空と海の青さが際立ちます。
  • 設定や構図:雲が白とびしないようにアンダー目に撮影。F3.5以上に絞ると街並みがしっかり写ります。船や建物などポイントになるものは、画面を三分割したラインに配置するとバランスがいいです。

 

Z 7II、NIKKOR Z 35mm f/1.8 S/中突堤

Z 7II、NIKKOR Z 35mm f/1.8 S/中突堤

 

メリケンパーク近くにある中突堤の右側には、ハーバーランドのビルや観覧車などが見え、より都会的な雰囲気です。船の縄をつなぐためのボラードは、ポップな色と味のある数字がかわいくて写真のポイントになります。

 

Z 7II、NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S/高浜岸壁

Z 7II、NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S/高浜岸壁

 

ハーバーランドにある高浜岸壁から中突堤方面を撮影すると、神戸ポートタワーも入れた街並みが撮影できます。広角で空を広く入れて撮ると、清々しい雰囲気が出せるのでオススメです。

 

神戸港周辺

  • メリケンパーク

兵庫県神戸市中央区波止場町2
https://www.kobeport-upark.jp/
※詳細は上記HPをご確認ください。

 

  • 神戸ハーバーランド

兵庫県神戸市中央区東川崎町
https://www.harborland.co.jp/
※詳細は上記HPをご確認ください。

注意点:BE KOBEモニュメントは、休日は撮影待ちの行列ができることもあるため、落ち着いて撮るなら平日の昼間が狙い目。なお、モニュメントに登って撮影するのは厳禁です。

また、神戸ポートタワーは改修工事で休業中です。2022年12月末頃まではタワー全体が足場で隠れており、2023年1月以降、上部から少しずつ見えるようになります。外観全体が再び見られるようになるのは、2023年5月頃以降の予定です。

【明石海峡大橋】佇まいが美しい世界一のつり橋

Z 7II、NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S

Z 7II、NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S

 

本州と淡路島を結ぶ明石海峡大橋は、全長3911mの世界最長のつり橋。この橋がかかる前は、フェリーで淡路島に住む祖父の家に行っていたので、便利になったな…としみじみ思います。

 

Z 7II、NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S

Z 7II、NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S

 

オススメポイント:兵庫県立舞子公園から見る橋×夕日の絶景

橋のたもとにある兵庫県立舞子公園からは、橋を迫力満点に写せます。昼間の青い空と海に佇む姿や夜のライトアップも魅力的ですが、夕日とのコラボが特にオススメ。沈む位置や時間は季節によって変わるので、太陽の軌道を確認できるサイトやアプリで事前に調べて、撮影時間や場所を決めるとスムーズです。10~2月頃は、橋に近い西側の海に夕日が沈むので撮影しやすいです。

 

撮影のポイント

Z 7II、NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S

Z 7II、NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S

 

  • 場所:橋の背景に沈む夕日をとらえるなら、孫文記念館付近の海沿いの歩道がイチオシです。橋と夕日を並べて撮るなら、橋の科学館付近の柵前でスタンバイしましょう。橋の真下で撮ると、その大きさがより伝わります。
  • 設定や構図:橋の造形や島・船のシルエットをしっかりとらえたいときはF5以上、幻想的な雰囲気を出したい場合は開放F値でふんわりとぼかします。風景に広がりを出すために、広角で手前の橋の根元を写さずにフレーミングするのがポイントです。

 

Z 7II、NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S

Z 7II、NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S

 

「夢レンズ」というモニュメントをシルエットにして、橋を背景に撮影すると印象的な1枚に。シルエットをくっきり見せたい場合はF5以上に絞り、夕日に露出を合わせてシャッターを切ります。

 

明石海峡大橋
(兵庫県立舞子公園)兵庫県神戸市垂水区東舞子町
https://hyogo-maikopark.jp/
※詳細は上記HPをご確認ください。

注意点:夕日の時間帯は写真を撮っている方が多いので、譲り合って利用しましょう。

【須磨海岸】白い砂浜と日差しで輝く海

Z 7II、NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S

Z 7II、NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S

 

須磨海岸は白い砂浜が美しい関西屈指の海水浴場で、夏は神戸市内外から多くの人が訪れる人気スポット。9~6月のオフシーズンは一変して、地元の人がゆったりと過ごす穏やかな景色が広がり、写真を撮るにはもってこいの場所になります。神戸の都心部から電車で約10分。JR須磨駅の目の前という立地のよさも魅力の一つです。

 

Z 7II、NIKKOR Z 35mm f/1.8 S

Z 7II、NIKKOR Z 35mm f/1.8 S

 

オススメポイント:西日で輝く海

西日に照らされて、海面がきらきらと輝く風景が情緒的で気に入っています。春や秋は西日で撮れる時間が長いので、特にオススメしたいスポットです。

 

撮影のポイント

Z 7II、NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S

Z 7II、NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S

 

  • 場所:白い砂浜が広がっていて、どこから撮っても画になります。さらに、海岸には突堤が複数あり、その先に立ってもらうと海と空に囲まれているような写真が撮れます。
  • 時間帯:14時頃から夕方までは、斜めから差しこむ光で海面が輝きます。太陽を画面に入れて逆光にすると輝きが際立ち、光の当たった場所だけを切り取ると、空や海の青さを表現できます。
  • 設定や構図:F3.5程度に絞って波や雲の形を写しましょう。まっすぐな水平線を生かした三分割構図や日の丸構図など、安定した構図が静かな海の雰囲気にぴったりです。焦点距離60mm程度で寄ると、風景を生かしながら人の存在感も出せます。

 

Z 7II、NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S

Z 7II、NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S

 

海には、ウィンドサーフィンを楽しむ人の姿がありました。焦点距離70mm程度で引き寄せると、青い空と海にカラフルなセイルが映えてかわいらしいです。

 

須磨海岸
兵庫県神戸市須磨区若宮町1~須磨浦通6
https://www.city.kobe.lg.jp/a46366/kanko/leisure/suma_beach/index.html
※詳細は上記HPをご確認ください。

注意点:突堤の先端部分に柵があるところは立ち入り禁止です。また、潮位が上がると突堤の一部が水没する場合があるので、十分に注意しましょう。

【神戸市立森林植物園】四季の自然に癒やされる

Z 7II、NIKKOR Z 35mm f/1.8 S

Z 7II、NIKKOR Z 35mm f/1.8 S

 

神戸市立森林植物園は、毎年季節ごとに撮影に行っている場所。春は桜と新緑、夏はあじさい、秋は紅葉が楽しめ、6~7月が見頃のあじさい園は特に有名です。北アメリカ・ヨーロッパ・アジアなど原産地別の樹林も個性的で、広大な敷地を歩いていると外国に来たような気持ちになれます。

 

Z 7II、NIKKOR Z 35mm f/1.8 S/森林展示館前広場

Z 7II、NIKKOR Z 35mm f/1.8 S/森林展示館前広場

Z 7II、NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S/シアトルの森

Z 7II、NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S/シアトルの森

 

オススメポイント:木漏れ日が美しい樹林

園内は植物ごとにエリアがわかれていて、シアトルの森などの樹林は、秋の鮮やかな紅葉をはじめ年間を通して美しいです。冬には葉が落ち、背の高い木々が異国感のある風景をつくり出します。

 

撮影のポイント

  • 場所:正門入口近くの森林展示館前の広場には、さまざまな種類の木々が立ち並びます。シアトルの森は正門入口から歩いて10分程。森に入るとトーテムポールがあり、その反対側には写真のような大樹がたくさんあります。
  • 時間帯:山間のため日が陰るのが早いので、15時頃までがオススメです。特に午後は木の影が伸びてアクセントになります。
  • 設定や構図:開放F値で木漏れ日や葉に反射した光を玉ボケにすると、みずみずしさを感じる爽やかな雰囲気に。逆光気味に撮ると全体が光に包まれて、透明感のある写真になります。地面を写して手前に伸びる木の影を生かしながら、ローアングルで木の大きさを強調するのもポイントです。

 

Z 7II、NIKKOR Z 35mm f/1.8 S

Z 7II、NIKKOR Z 35mm f/1.8 S

 

撮影に訪れた12月中旬は、あじさい園付近のサザンカが見頃を迎えていました。咲いている様子はもちろん、散った花びらも美しいので注目してみてください。あえてアンダー気味に撮ると花びらの色が強調され、冬らしい空気感も表現できます。

 

神戸市立森林植物園
兵庫県神戸市北区山田町上谷上字長尾1-2
開園時間:9:00~17:00(入園は16:30まで)
休園日:毎週水曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始(12/29~1/3)
https://www.kobe-park.or.jp/shinrin/
※開園時間や休園日は変更になる場合があります。詳細は上記HPをご確認ください。

注意点:最寄りの北鈴蘭台駅との間を、無料送迎バスが運行しています。時刻表はHPの「電車・バスでのアクセス」から確認できます。

【有馬温泉】ぬくもりを感じるレトロな温泉街

Z 7II、NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S

Z 7II、NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S

 

日本最古の温泉と言われる有馬温泉は、日本三名泉の一つにも数えられます。周囲の旅館やお土産屋、飲食店はどこも風情ある佇まいで、タイムスリップしたような気分になれる場所です。

 

Z 7II、NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S

Z 7II、NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S

 

オススメポイント:昔ながらの風情を感じる湯本坂

有馬温泉街で、もっともレトロな雰囲気を味わえるのが湯本坂。お店が集まっているエリアなので、買い物や食べ歩きにもぴったりです。

 

撮影のポイント

  • 場所:湯本坂の中間付近に昔ながらの赤いポストがあります。
  • 時間帯:夕方~18時頃にかけてお店に明かりが灯り、ぬくもりを感じる風景になります。
  • 設定や構図:開放F値で手ブレしない程度にシャッタースピードを遅くし、それでも暗い場合はISO感度600程度を上限に調整。見た目の印象に近い焦点距離35mm前後で、街の空気感を切り取ります。細い路地では、ローアングルで空を入れると抜け感が出ます。

 

Z 7II、NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S

Z 7II、NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S

 

有馬温泉
兵庫県神戸市北区有馬町
http://www.arima-onsen.com/
※詳細は上記HPをご確認ください。

注意点:火曜・水曜は定休日のお店が多く、街明かりが少ないので夜景撮影には向きません。撮影時はまわりの人の写りこみに注意して、お店の入口や道をふさがないようにしましょう。

【六甲山】日本夜景遺産の絶景

Z 7II、NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S

Z 7II、NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S

 

日本夜景遺産に選ばれている六甲山には、夜景を楽しめるスポットがいくつもあります。展望台から市街地を見渡すと、まわりを囲む海と山によって光が際立ち、宝石のように煌びやかで美しいです。

 

オススメポイント:神戸屈指の夜景が見られる天覧台

六甲ケーブル「六甲山上駅」のすぐ近くにある天覧台(六甲山上展望台)は、神戸はもちろん、大阪平野部や和歌山方面まで広がる1000万ドルの夜景が見られます。無料駐車場があるので、車でのアクセスも便利です。

 

撮影のポイント

  • 場所:鳥のオブジェの近くから大阪方面に向かってカメラを向けると、東神戸大橋と高速道路の明かりが印象的な夜景を撮影できます。
  • 時間帯:日没後、天気予報アプリやサイトで雲の流れを確認して、なるべく雲が少なく夜空がきれいに写るタイミングを狙います。
  • 設定や構図:三脚を使用してF7程度に絞りこみ、シャッタースピード1秒を目安に設定。クリアに写すために、ISO感度は800程度を上限になるべく低くします。夜景を撮るときは、アクセントになる建物を入れるのがポイントです。上の写真は、東神戸大橋と高速道路付近を焦点距離70mmで引き寄せました。山と海・夜景・空が層になるようにすると、暗い部分とのコントラストで輝きが際立ちます。

 

Z 7II、NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S

Z 7II、NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S

Z 7II、NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S

Z 7II、NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S

 

天覧台から車で10分程の場所にある「六甲ガーデンテラス」は、大きな樹のようなデザインの「自然体感展望台 六甲枝垂れ」のライティングが芸術的です。光の色は季節によって異なり、撮影した時期は冬バージョンでした。外側からも内側からも画になるので、いろんな撮り方を試してみてください。

 

六甲山

  • 天覧台

兵庫県神戸市灘区六甲山町一ヶ谷1-32
開放時間:7:10~21:00
無料駐車場(約30台):7:10~21:10
https://www.rokkosan.com/tenrandai/
※天覧台や駐車場の開放時間は変更になる場合があります。詳細は上記HPをご確認ください。

注意点:休日は混み合います。譲り合いながら、マナーを守って利用しましょう。なお、六甲ケーブルで訪れた場合は、21:10の最終便に乗り遅れないように注意が必要です。

 

  • 六甲ガーデンテラス

兵庫県神戸市灘区六甲山町五介山1877-9
https://www.rokkosan.com/gt/
※六甲枝垂れと有料駐車場の営業時間は、季節・曜日・天候により異なります。詳細は上記HPをご確認ください。

注意点:六甲山上駅から山上バス(約10分)でもアクセス可能です。

Photographer's Note

Z 7II、NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S
Z 7II、NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S
Z 7II、NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S
Z 7II、NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S
Z 7II、NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S

 

神戸には長年暮らしていますが、次々に新しい施設ができて散策するたびに新たな発見があります。一方で海・山などの自然や有馬温泉・異人館といった昔ながらの観光スポットも多くあり、懐かしさも感じられるところが魅力です。写真を撮りたくなる風景がたくさんあるのでカメラが欠かせません。

 

今回使用した Z 7IIは、どんなシーンにも対応できる解像力に驚きました。明暗差の大きいシーンでも階調豊かに、広角でもすみずみまでくっきりと写っていたのが印象的です。1日で複数のスポットを巡りましたが、機材が軽いので疲れにくくバッテリーの持ちがいいので、旅にぴったりだと感じました。みなさんも、ぜひお気に入りのカメラを持って神戸を訪れてみてください!

 

 

※こちらに掲載している情報は、2022年1月27日現在のものです。
※新型コロナウイルスの感染症対策に十分にご留意いただくとともに、政府、自治体など公的機関の指示に従った行動をお願いいたします。
Supported by L&MARK
撮影協力:神戸フィルムオフィス

 

 

鎌田シンイチ

鎌田シンイチ

兵庫県在住のフォトグラファー。夏フェス撮影、旅撮影、観光PR、ワークショップ、カメラ雑誌等を中心に幅広く活動。風景に人を入れたランドスケープポートレートが特徴。