岐阜県のオススメ撮影スポット15選 – 地元の写真家が奇跡の1枚を求めて通う四季の絶景

岐阜県のオススメ撮影スポット15選 – 地元の写真家が奇跡の1枚を求めて通う四季の絶景

はじめまして、岐阜県在住のフォトグラファー・小林淳です。
地元の魅力的な風景を撮影し、発信することをライフワークとしています。

 

岐阜県は面積の約8割が山地で、とても自然豊か。平地の河川や田園も、フォトジェニックな風景をつくり出します。歴史や伝統を感じられる建物や催しも多く、年間を通じて撮影を楽しめる場所です。

この記事では、数あるお気に入りの風景からオールシーズン撮影できる3か所と、季節ごとの表情が美しい12か所を厳選して紹介していきます。

 

1年を通じて絶景と出会えるスポット3選

まずは、季節を問わず撮影を楽しめる場所から紹介します。

①【岐阜城】迫力ある月とのコラボは必見

Z 7II、AF-S NIKKOR 600mm f/4E FL ED VR/撮影:2021年5月下旬、19時前後

Z 7II、AF-S NIKKOR 600mm f/4E FL ED VR/撮影:2021年5月下旬、19時前後

 

金華山の山頂にそびえる岐阜城は、岐阜市のシンボルであり、月とのコラボレーションが話題の被写体です。満月が人気ですが実は欠けた月でもかっこいいので、月齢に関わらず天候と月の軌道の条件が合えば、いつでも撮影することができます。

 

Z 7II、NIKKOR Z 100-400mm f/4.5-5.6 VR S/撮影:2022年2月上旬、20時前

Z 7II、NIKKOR Z 100-400mm f/4.5-5.6 VR S/撮影:2022年2月上旬、20時前

 

撮影のポイント

  • 場所と時間:上の写真は、長良川公園から金華橋方面へ少し歩いた河川敷から撮影しました。事前に月の出入り時刻と軌道をサイトやアプリで調べ、月と岐阜城が重なる時間と場所の目星をつけます。
  • 設定や構図:焦点距離500mm以上のレンズで城から離れて撮影すると、城は小さく、月は大きく写ります。露出は月のクレーターが見える程度を目安に調整。シャッタースピードが遅すぎると月が動いてしまうので、1秒以下に設定しましょう。ブレやすい状況のため、三脚を使用しリモート撮影するのがオススメです。
    ※スマホアプリ「SnapBridge」を使うと手軽にリモート撮影ができます。

 

D850、AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED

D850、AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED

 

岐阜城は、月以外との組み合わせも画になります。上は、岐阜城と稲妻のコラボをとらえた写真です。長良川公園付近から焦点距離60mmで撮影しました。空を広く写して稲妻が画角に入る確率を上げ、複数枚を比較明合成しています。雷を予測するのは難しいですが、夕立が発生しやすい夏の夕方は確率が高いです。

 

Z 7II、NIKKOR Z 100-400mm f/4.5-5.6 VR S

Z 7II、NIKKOR Z 100-400mm f/4.5-5.6 VR S

 

こちらは、岐阜市東島あたりの長良川堤防から、焦点距離400mmで撮影しました。冬の日没から夜にかけてはこのように霧に包まれることが多く、ライトアップされた岐阜城が浮かび上がりミステリアスな雰囲気に。周囲は暗いので三脚を使用し、4秒前後の長時間露出で撮影します。

 

岐阜城
岐阜県岐阜市金華山天守閣18
https://www.city.gifu.lg.jp/kankoubunka/kankou/1013051/1005097/1005098.html

注意点:周囲の方の迷惑にならないように、気をつけて撮影しましょう。ライトアップは日没~23時まで。岐阜城パノラマ夜景の期間中は減灯されるので、HP内のリンクから日程をご確認ください。

 

②【長良川】地元で愛される清流のリフレクション

Z 7II、NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S

Z 7II、NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S

 

長良川は、岐阜市の中心部を流れる川でありながら、水がとても美しいことで有名です。伝統の鵜飼が行われる場所でもあり、昔から地元の人々に愛されています。長良橋から川沿いに約650m続く遊歩道・長良川プロムナード付近は流れが穏やかで、朝日と夕日のリフレクションが絶景です。

 

撮影のポイント

  • 場所:川は東西に流れており遮るものがないため、長良川プロムナードの中間地点から朝日も夕日も狙えます。この場所からは、岐阜城の撮影も可能です。
  • 時間帯:晴れた風の弱い日の、日の出・日の入りの時間。前日が雨だと、川の流れが激しい場合もあるので避けましょう。
  • 設定や構図:焦点距離35mm程度で岐阜城のたつ金華山を入れて、空と川を1:1で写すのがオススメです。F8ほどに絞り、清々しい空気と川の美しさをクリアな描写で表現。薄暗い状況なので三脚を使用し、シャッタースピードで露出を調整します。

 

長良川
(長良川プロムナード)岐阜県岐阜市長良
https://www.city.gifu.lg.jp/kurashi/douro/1002472/1002481/1002487/1002502/1002503.html

注意点:長良川プロムナードは車両の乗り入れができません。車で訪れた際は付近の駐車場をご利用ください。周囲の方に配慮して、ルールを守って撮影を行いましょう。

 

③【モネの池】自然が彩りを添える絵画のような世界

D850、AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8E FL ED VR

D850、AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8E FL ED VR

 

その名の通り、フランスの画家・モネの絵画のような世界観を楽しめる池。本来は名もなき池ですが、SNSで話題になり「モネの池」という通称が生まれ、人気の撮影地になりました。水の透明度が高く、水中の植物やコイがクリアに写ります。この写真は紅葉の時期に撮影したものですが、スイレンの花が咲く夏頃や、雪が積もったときも素敵です。

 

撮影のポイント

  • 場所:池のまわりが遊歩道になっているので、水が特に澄んでいる場所や、紅葉・スイレンの花がきれいに写るポイントを探してみてください。
  • 時間帯:午前中の早い時間帯は、人が少なく撮影しやすいです。日差しが強いと水面に反射して池底が写りにくいので、少しくもっている日を狙います。
  • 設定や構図:24~35mmほどで周囲の風景ごと写しても、70~150mmほどで水面を切り取っても画になります。水面の反射を抑えるPLフィルターを使うと、水中がよりきれいに写ります。

 

モネの池(通称)
岐阜県関市板取字下根道上448
https://itadori-seki.jp/nature/60/

注意点:周辺にはいくつか無料駐車場があります。水中にカメラを入れた撮影やコイへの餌やりは禁止です。ルールを守り、譲り合って撮影しましょう。

 

四季の表情を楽しめるスポット12選

ここからは、季節ごとに美しい風景が見られるスポットを紹介します。

①春【根尾谷淡墨ザクラ】樹齢1500余年の荘厳な佇まい

D800E、AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED

D800E、AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED

 

樹齢1500年以上にもなる巨大な桜の木。散り際の花が淡い墨色になることから「淡墨(うすずみ)桜」と名づけられたそうです。日本三大桜の一つに数えられ、国の天然記念物にも指定されています。

  • オススメ時期:3月下旬~4月上旬

 

撮影のポイント

  • 場所:柵の外から淡墨桜の真正面に立って撮影。淡墨桜の後方に植えられた2世の桜と重なり、花が扇のように広がるダイナミックな風景が撮影できます。
  • 時間帯:昼間はもちろん、星空とのコラボは圧巻の美しさ。ここ数年、ライトアップは開催されていませんでしたが、星空を写すなら明かりがないほうが好条件です。
  • 設定や構図:焦点距離24~35mmの広角で、桜の迫力を引き出します。昼間は手持ちでOKですが、星空を写す場合はローアングルで三脚にカメラを固定し、30秒程度の長時間露出で撮影します。

 

根尾谷淡墨ザクラ
岐阜県本巣市根尾板所字上段995
https://www.city.motosu.lg.jp/category/2-1-0-0-0-0-0-0-0-0.html

注意点:2022年度ライトアップは3/19~4/30の日程で開催予定(まん延防止重点措置発令中は実施なし)。車でお越しの場合は、淡墨公園の駐車場を利用可能です。桜のシーズン中は公園や付近の道が混雑するので、余裕をもって訪れ、譲り合って撮影しましょう。

 

②春【岐阜公園・日中友好庭園】渦巻く花筏が幻想的

D800E、AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED

D800E、AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED

 

岐阜公園内にある日中友好庭園には、中国風の門や東屋があり、四季折々の自然とともに異国の情緒が味わえます。特に春は庭園全体が桜で彩られ、中央の池に花びらが浮かぶ風景が幻想的です。

  • オススメの時期:4月上旬

 

撮影のポイント

  • 場所:杭州門から直進したあたりの池のほとりから撮影します。
  • 時間帯:昼間も美しいですが、夜が特にオススメです。桜の時期は庭園全体に赤い提灯を設置するのが恒例ですが、ここ数年は実施されていません。
  • 設定や構図:焦点距離14~35mmほどあると、東屋と桜を画面に収められます。撮影場所の周辺には提灯が設置されないため、長時間露出がしやすいです。三脚を使ってシャッタースピード30~60秒で水面を写すと、花びらの流れが線で描写されます。

 

岐阜公園・日中友好庭園
岐阜県岐阜市大宮町1丁目
https://www.city.gifu.lg.jp/info/machizukuri/1007994/1008005/1008007.html

注意点:2022年度の提灯の設置は未定です。車で訪れた際は岐阜公園の駐車場が利用可能ですが、日中友好庭園に隣接する駐車場の利用時間は21時までなのでご注意ください。桜の時期は大変混み合うので、譲り合って利用しましょう。

 

③初夏【坂折棚田】朝日に心洗われる原風景

D800E、AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED

D800E、AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED

 

この坂折棚田は、江戸時代初期から400年余りの歴史があり、周辺の民家も相まってどこか懐かしい風景をつくり出します。四季を通して美しい場所ですが、特に見ていただきたいのは、展望広場から見る朝日の風景。初夏は田んぼに張られた水に空が映って、より感動的です。

  • オススメの時期:5月初旬~中旬

 

撮影のポイント

  • 場所:展望広場から棚田を一望できます。
  • 時間帯:日の出の時間帯に、風が穏やかな日を狙います。雲一つない晴天よりは、少し雲がある方が空に表情が生まれて魅力的です。
  • 設定や構図:焦点距離24~35mmほどで、空1:地上3の割合で写すとバランスよく収まります。F9程度に絞って棚田にピントを合わせ、白とびしないように太陽に露出を合わせます。雲がある場合は、太陽が雲から顔を出した瞬間を狙って撮影しましょう。

 

坂折棚田
岐阜県恵那市中野方町
https://sakaori-tanada.com/

注意点:私有地に立ち入らない、大きな音を出さないなど、地元の方の生活に配慮した撮影をお願いします。展望広場には休憩場所やトイレ、駐車場があります。

 

④初夏【樽見鉄道】どこか懐かしい夕暮れのひととき

Z 7II、NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S

Z 7II、NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S

 

樽見鉄道は、岐阜県大垣市から本巣市根尾までを結ぶローカル鉄道。自然の中を走り抜ける姿はかわいらしく、心惹かれる風景です。中でも初夏の田園風景と樽見鉄道の組み合わせは風情があり、郷愁を誘います。

  • オススメの時期:4月下旬~5月初旬

 

撮影のポイント

  • 場所:糸貫駅から本巣駅方面へ15分ほど歩くと、線路が田んぼに挟まれた見晴らしのいい場所があり、電車のリフレクションと背景に沈む夕日を写せます。
  • 時間帯:特に気に入っているのは、情緒的な雰囲気が漂う日の入りの時間帯。沈む太陽と電車が重なると、車両はシルエットに、窓はオレンジ色に染まって一層ドラマチックです。
  • 設定や構図:焦点距離24~30mmほどで、田んぼのリフレクションと空を1:1で写すと、空間の広がりが伝わる写真に。電車をとらえるためにシャッタースピードは1/300秒以上、絞りはF8に設定します。

 

樽見鉄道
岐阜県本巣市長屋
https://tarumi-railway.com/

注意点:運行本数が1時間に1~2本のため、事前に日の入り時間と時刻表を照らし合わせて、タイミングが重なる日にチャレンジしましょう。道路は狭いので、人や車の往来に注意が必要です。

 

⑤夏【円原川】光芒が差しこむ爽やかな渓流

D800E、AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED

D800E、AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED

 

円原川(えんばらがわ)は、透明度の高い水と豊かな緑、澄んだ空気に思わず深呼吸したくなるスポットです。水温と気温の差が大きくなる夏の早朝は川霧が出やすく、木々の間から差しこむ光が反射して光芒になり、神秘的な風景をつくり出します。

  • オススメの時期:7~8月

 

撮影のポイント

  • 場所:川の水が一度地中に潜り、岩の間から湧き出る「伏流水ポイント」は、水温が低いため川霧がよく発生する人気の場所です。伏流水ポイント以外でも川霧と光芒は撮影できるので、川沿いの道路から川原へ下りて散策しながら、お気に入りのスポットを探してみましょう。
  • 時間帯:早朝は川霧が発生しやすく、川に光が差しこむ8時頃がベストです。
  • 設定や構図:焦点距離24mm程度で、岩場と緑、降り注ぐ光芒を写します。明るい部分が白とびしないようにアンダー目に撮影し、編集で暗部を持ち上げて仕上げます。

 

円原川
岐阜県山県市円原
https://www.city.yamagata.gifu.jp/site/yamanavi/1165.html

注意点:現在、伏流水ポイントへの道路は工事で通行止めになっています。工事の日程などの詳細は、HPのお知らせでご確認ください。周囲の迷惑になる場所での路上駐車はご遠慮ください。川原は滑りやすいため足元に注意して、苔を踏み荒らさないようにしましょう。

 

⑥夏【ぎふ長良川の鵜飼】伝統の漁の迫力ある光景

D850、AF-S NIKKOR 300mm f/2.8G ED VR II

D850、AF-S NIKKOR 300mm f/2.8G ED VR II

 

ぎふ長良川の鵜飼は、1300年以上の歴史を持つと言われる岐阜の夏の風物詩。夜の川に浮かぶ幻想的な篝火と、見事に鵜を操る鵜匠たちの迫力ある光景を見られます。シャッターチャンスは、6艘の鵜舟が並んで一斉に漁をする「総がらみ」というクライマックスシーンです。

  • 鵜飼開催期間:5/11~10/15

 

撮影のポイント

  • 場所:長良川プロムナードの中間地点付近で、川を下ってくる鵜舟を待ちます。
  • 時間帯:20時過ぎ頃、鵜舟が撮影場所付近に差しかかり総がらみがはじまります。
  • 設定と構図:焦点距離300mm前後あれば、鵜飼の迫力をとらえることができます。周囲は暗く鵜舟や鵜匠の動きが早いので、開放F値でシャッタースピードは1/100秒程度に設定しましょう。鵜舟がきれいに6艘連なる構図が理想ですが、動きが毎回変わるので思い通りに撮るのはなかなか難しいです。期間中はほぼ毎日開催しているので、粘り強くチャレンジしてみてください。

 

ぎふ長良川の鵜飼
(長良川プロムナード)岐阜県岐阜市長良
https://www.ukai-gifucity.jp/Ukai/

注意点:毎年中秋の名月頃の1日は鵜飼休み。その他増水などで実施できない場合があります。長良川プロムナードは車両の乗り入れができません。車で訪れた際は付近の駐車場をご利用ください。

 

⑦秋【コスモス畑】朝霧に包まれる秋の彩り

D800E、AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED

D800E、AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED

 

休耕田を利用した関市東田原のコスモス畑で、満開の時期は圧巻の美しさです。まわりが田園なので見晴らしがよく、遠くに見える街並みから暮らしのぬくもりを感じます。早朝の朝霧に包まれた風景は、より幻想的です。

  • オススメの時期:10月中旬~下旬

 

撮影のポイント

  • 場所:どこから撮っても画になりますが、明るい東側の空を背景にすると、黄金の空と逆光で輝くコスモスの絶景が広がります。
  • 時間帯:日の出30分ほど前から待機して構図を決めておき、日の出直後から撮りはじめます。
  • 設定や構図:焦点距離24~35mm程度で、コスモス2:街並みと空1の割合にするとバランスよく収まります。一面のコスモスにピントを合わせるため、F8程度に絞りましょう。

 

コスモス畑
岐阜県関市東田原

注意点:花の開花時期は毎年異なります。周囲に専用の駐車場はありません。地元の方が丁寧に手入れしてくださっています。自然を大切に、マナーを守って撮影しましょう。

 

⑧秋【大智寺】瓦土塀が趣深い紅葉風景

D850、AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8E FL ED VR

D850、AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8E FL ED VR

 

大智寺は春のツバキや夏の新緑など、季節ごとの自然が美しいお寺。秋はヒガンバナが有名ですが、鮮やかに色づいたモミジも見事です。見頃の時期には、境内の地面まで真っ赤に染まります。

  • オススメの時期:11月中旬

 

撮影のポイント

  • 場所:敷地内には瓦が施された特徴的な土塀があり、紅葉との組み合わせがフォトジェニックです。
  • 時間帯:お昼頃の真上からの光で、紅葉が鮮やかに写ります。
  • 設定や構図:焦点距離70mmほどで紅葉を圧縮し存在感を強めます。放射線構図で奥行きを出しながら縦位置で情報を整理すると、より紅葉に目が行く1枚に。

 

大智寺
岐阜県岐阜市山県北野668-1
https://www.daichiji.com/

注意点:周囲の方に配慮し、ルールを守って撮影しましょう。

 

⑨秋冬【学びの森プロムナード】季節の色に染まるイチョウ並木

D850、AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8E FL ED VR

D850、AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8E FL ED VR

 

学びの森は、芝生広場や池・小川のある自然豊かな公園です。敷地内にある学びの森プロムナードは、全長200mにわたるイチョウ並木で、毎年11月中旬~下旬には一斉に葉が色づき多くの人を魅了します。冬は並木に雪が積もり、黄葉とはひとあじ違う凛とした美しさが見どころです。

  • オススメ時期:11月中旬~下旬、12月上旬~2月下旬

 

Z 7II、NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S

Z 7II、NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S

 

撮影のポイント

  • 場所:奥に連なる様子を写すため、並木のはじまりから撮影します。
  • 時間帯:無人の風景を撮るなら、早朝や夜がオススメです。秋は光が差しこむ早朝が◎。冬の写真は夜に撮影したもので、街灯の光がアクセントになっています。
  • 設定や構図:焦点距離120mmほどの望遠で木々の密度を高めて、放射線構図で奥行きを表現します。F7程度に絞って連なる木々にピントを合わせ、暗い場合は三脚を使って長時間露出をして明るさを確保しましょう。

 

学びの森プロムナード
岐阜県各務原市那加雲雀町10-1
https://www.city.kakamigahara.lg.jp/shisei/shisetsu/1005631/1005649.html

注意点:早朝・夜は人通りが少ないですが、昼間は多くの人が行き交います。通行する方の邪魔にならないように、注意して撮影しましょう。

 

⑩秋冬【百々ヶ峰】岐阜を一望できる最高峰からの景色

D850、AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8E FL ED VR

D850、AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8E FL ED VR

 

百々ヶ峰(どどがみね)は、標高約418mで岐阜市の最高峰です。天気のいい日は、山頂の展望台から岐阜の市街地や金華山と岐阜城を一望できます。秋~冬は特に夜景がきれいで、上の写真を撮影したときは、街を覆う霧が満月に照らされ、街明かりを一層鮮やかに写すことができました。このような条件はめったになく、4年間通ってやっと撮れた奇跡の1枚です。

  • オススメの時期:10月上旬~3月上旬

 

撮影のポイント

  • 場所:山頂の展望台から金華山方面を向くと、暗い山との対比で夜景の輝きが際立ちます。
  • 時間帯:登山口から山頂まで1時間ほどの登山コースを歩くので、日没前に向かうのがオススメです。
  • 設定や構図:焦点距離90~100mmで、岐阜城の建つ金華山と岐阜市街地を切り取ります。F7程度に絞り、三脚を使って長時間露出(このときは50秒)で街明かりを強調しました。

 

ながら川ふれあいの森 百々ヶ峰展望台
岐阜県岐阜市三田洞字日向平211
https://fureainomori.jp/

注意点:ながら川ふれあいの森 四季の森センターに大きな駐車場があります。大雪などの悪天候時は登山を控えましょう。特に冬は管理道の凍結にご注意ください。安全管理上必要な場合は、予告なく管理道などが通行止めになる場合があります。また、夜間はイノシシなどの野生動物の動きが活発になりますので十分にお気をつけください。ルールとマナーを守って、安全に利用しましょう。

 

⑪冬【白川郷】暮らしのぬくもりを感じる雪景色

D850、AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8E FL ED VR

D850、AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8E FL ED VR

 

世界遺産(文化遺産)に登録されている白川郷。合掌造りの集落はまるで昔話の世界に迷いこんだようで、特に日没後の家屋に明かりが灯った光景が幻想的です。冬は一面が雪に覆われ、厳しい寒さの中にもぬくもりを感じる風景が撮影できます。

  • オススメの時期:12月下旬~3月上旬

 

撮影のポイント

  • 場所:三小屋(三連合掌)と呼ばれる、3つ並んだ家屋のそばの道路から撮影。肩を寄せ合うように並ぶ家々がかわいらしく、昔話の雰囲気がより感じられます。
  • 時間帯:16時頃には、家屋に明かりが灯りはじめます。
  • 設定や構図:焦点距離100mm程度で三小屋と大きな木が収まるように写すと、風景が凝縮されてより印象的です。降雪時は開放F値でストロボを照射すると、雪が玉ボケになって際立ちます。周囲は暗いので、三脚を使用してシャッタースピードで露出を補います。

 

白川郷
岐阜県大野郡白川村荻町
https://shirakawa-go.gr.jp/

注意点:周囲の田畑は私有地なので、畦道などに立ち入っての撮影はご遠慮ください。夜道は真っ暗になるので、散策する際は懐中電灯を使用して足元にお気をつけください。

 

⑫冬【岐阜シティ・タワー43】近代的な岐阜駅前の夜景

Z 7II、NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S

Z 7II、NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S

 

自然豊かな岐阜ですが、JR岐阜駅前の岐阜シティ・タワー43の無料展望室からは、このような近未来的な夜景を見ることができます。駅前広場を囲むように伸びるU字型のデッキは長良川をイメージされていて、近代的な中にも歴史を感じられる光景です。夜景はいつ見ても美しいですが、空気が澄んでいる冬は一層きらびやかなので、ぜひ訪れてみてください。

  • オススメの時期:12月~2月

 

撮影のポイント

  • 場所:展望室は2つあり、東側展望室からJR岐阜駅周辺の夜景が見られます。
  • 時間帯:日没直前からスタンバイし、夕日に染まる空から夜景まで撮るのがオススメです。
  • 設定や構図:焦点距離24~35mmほどで、U字型のデッキを中心にした駅前の夜景がきれいに収まります。F8ほどに絞りネオンをクリアに描写。三脚を使用して13秒程度の長時間露出で車の光跡を写し、比較明合成で仕上げています。

 

岐阜シティ・タワー43 43階展望室
岐阜県岐阜市橋本町2-52
開場時間:10:00~23:00(最終入場は22:00まで)
https://www.city.gifu.lg.jp/kankoubunka/kankou/1013051/1005072/1005074.html

注意点:開場時間は変更になる場合があります。最新情報はHPのお知らせでご確認ください。長時間場所を占有することのないように、譲り合って撮影しましょう。

 

Photographer's Note

写真をはじめた当初は、岐阜の風景を背景に家族を撮影していました。いつしか岐阜の魅力を発信したいという気持ちが強くなり、家族写真と並行して風景写真も撮りはじめ、今ではライフワークとなっています。数あるすばらしい風景の中で、一番思い入れがあるのは「岐阜城と月」。今は全国から撮影者が訪れる人気スポットになりましたが、私が撮りはじめた頃はほとんど人がいませんでした。

 

Z 7II、NIKKOR Z 100-400mm f/4.5-5.6 VR S

Z 7II、NIKKOR Z 100-400mm f/4.5-5.6 VR S

 

発表するたびに「合成写真」と言われましたが、最近はメディアにも多く取り上げていただき、私自身の出世作のようにも思っています。今後も奇跡の1枚を目指して、撮影を続けたいです。

 

ここで紹介した以外にも、岐阜には素晴らしい風景がたくさんあります。みなさんもぜひ、カメラを持って訪れてみてださい!

 

風景撮影に欠かせないNikonの機材

地元・岐阜の風景を撮影する中で、高画素を重視して Z 7IIとD850を愛用しています。ダイナミックレンジが広く、編集の自由度が高いところも魅力です。また、Nikonのレンズは圧倒的な描写力で風景の魅力を余すことなく伝えてくれる、非常に心強い相棒だと思っています。性能はもちろんのこと、 Z シリーズは軽量ながら重厚感のある質感やデザインがかっこよくてお気に入りです。

 

 

 

※こちらに掲載している情報は、2022年3月10日現在のものです。
※「長良川」以外の写真は、過去に撮影されたものです。
※新型コロナウイルスの感染症対策に十分にご留意いただくとともに、政府、自治体など公的機関の指示に従った行動をお願いいたします。

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20190523173955

Z 7II

製品ページ ニコンダイレクト
NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S

NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S

製品ページ ニコンダイレクト
20190523173949

NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S

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NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S

NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S

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NIKKOR Z 100-400mm f/4.5-5.6 VR S

NIKKOR Z 100-400mm f/4.5-5.6 VR S

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小林淳

小林淳

岐阜県在住。建築士の傍ら、岐阜の風景と家族の撮影をライフワークとしている。作品がテレビ番組やWEBニュースなどのメディアで取り上げられる他、写真展の開催やフォトコンテストの審査など幅広く活躍。撮影マナー向上に向けた活動にも取り組んでいる。