いつかの夏休みを思い出す、アニメのワンシーンのような夏 – 日本の四季を届けるフォトレター by Akine Coco

いつかの夏休みを思い出す、アニメのワンシーンのような夏 – 日本の四季を届けるフォトレター by Akine Coco

福井県在住のAkine Cocoさん(@akinecoco987)が、写真と言葉で身近な風景に感じた季節感を伝えるフォトエッセイ。今回は「アニメのワンシーンのような夏」をテーマに切り取られた、いつかの夏休みを彷彿とさせる、懐かしくてどこか切ない光景の数々をお届けします。

記事の終わりにスマホ用壁紙プレゼントのお知らせもありますので、ぜひ最後までご覧ください。

 

こんにちは、Akine Cocoです。突然の梅雨明けとともに、暑い季節がはじまりました。青い空と湧き立つ入道雲、鮮やかな緑の田んぼは、幼い頃から見てきた福井の夏の象徴です。汗ばむ熱気とセミの声に包まれて田んぼ道を歩けば、気分はいつかの夏休み。Z 5といつものズームレンズ、それから新しいマイクロレンズを携えて、昨年とは少し違う夏を探しに行きます。

 

 


 

 

いつかの夏休みを思い出す、アニメのワンシーンのような夏 – 日本の四季を届けるフォトレター by Akine Coco

 

 

田舎の夏の朝は早い。

 

 

Z 5、NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S

Z 5、NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S

 

 

農作業へ向かう軽トラックは

朝焼けに染まり淡いオレンジ色。

 

子供の頃、眠い目をこすり

ラジオ体操をしていた日々を思い出した。

 

 

Z 5、NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S

Z 5、NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S

 

 

露のきらめきに目を奪われ

田んぼの脇にしゃがみこむ。

 

朝日にレンズを向けて

焼けた空と光の粒を写し取った。

 

シャッター音は
セミの声に混ざって消えた。

 

 

Z 5、NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S

Z 5、NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S

 

 

太陽は真上にのぼり

ジリジリと照りつける。

 

夏のトレードマーク

入道雲のおでましだ!

 

空にそびえる姿はたくましく

いつかあの上に登りたいと

夢見た気持ちがよみがえる。

 

 

Z 5、NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S

Z 5、NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S

 

 

ひときわ大きな雲と鉄塔の背比べ。
僅差で鉄塔の勝ち。

 

ふと思った、

「雲の向こうには何があるんだろう」

 

好奇心のままに歩き出す。

 

 

Z 5、NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR

Z 5、NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR

 

 

稲は青々と育ち

澄んだ空とのコントラストが美しい。

 

 

Z 5、NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR

Z 5、NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR

 

 

緑色の絨毯を風が走る。

 

揺れる稲と呼応するように

流れる雲を切り取ると

地平線に吸いこまれそう。

 

 

Z 5、NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S

Z 5、NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S

 

 

電柱が連なる道沿いに

彩りを添える夏色の花。

 

 

Z 5、NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S

Z 5、NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S

 

 

小さい太陽みたいな

かわいらしさに惹かれて近寄ると

しべの繊細な造形に驚いた。

 

 

Z 5、NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S

Z 5、NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S

 

 

元気印のひまわりも

太陽に透かすとどこか儚げ。

 

マイクロレンズの向こうは

知らないことで溢れていた。

 

 

Z 5、NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S
Z 5、NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S
Z 5、NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S

 

 

のどが渇いてひと休み。

 

コップに冷たいサイダーを注ぐと

日差しと空の青が泡に溶けこみ

夏が弾けた。

 

 

Z 5、NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S

Z 5、NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S

Z 5、NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S

Z 5、NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S

 

 

ツタに覆われたバス停は

いつからここで待っているのか。

 

哀愁を帯びる姿を見上げると

木漏れ日が目に染みた。

 

どこかで見たような光景に

懐かしさがこみ上げる。

 

 

Z 5、NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR
Z 5、NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR
Z 5、NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR

Z 5、NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR

Z 5、NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR

 

 

夏の太陽はゆっくりと傾き

影が伸びた。

 

1日の終わりはいつも切なく

人の気配を感じるものにレンズを向ける。

 

何十年も前からそこにある

営みに触れると

少し心が落ち着く気がした。

 

 

Z 5、NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S

Z 5、NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S

 

 

空を眺めて

今日のことを思い返す。

 

昔は何もないと思っていた田舎の風景。

大人になってカメラを持ったら

“何もない”がかけがえのないことだと気づく。

 

溢れる想いを飲みこむように

グラスに夕日を閉じこめて

シャッターを切った。

 

 

 


 

- Photo Letter -

 

Z 5、NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S

Z 5、NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S

 

福井の夏を改めて撮影して、思い出したことがたくさんありました。

夏休みの宿題は好きな科目だけ先に終わらせて、苦手な科目はギリギリまでやらなかったこと。夏の間はおばあちゃん家に預けられて、年下のいとこたちと田んぼ道を走りまわったり花火をして遊んだこと…。たくさんの思い出が詰まった風景だからこそ、今でも強く惹かれ、安心感を覚えるのかもしれません。

 

Z 5、NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S
Z 5、NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S
Z 5、NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S

 

そんな慣れ親しんだ場所も、マイクロレンズを通して見ると新しい発見や驚きがあります。

NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR Sは、中望遠で入道雲を引き寄せて迫力を表現できる他、これまであまり撮ることのなかった手元や小さな自然も繊細に写してくれました。

左の写真は、サイダーの爽やかさを表現するために青空を背景にして撮影した1枚です。ローアングルから半逆光でとらえることで、弾ける気泡のきらめきと透明感も表現できたと思います。右は注ぐ部分の激しい泡立ちをクローズアップして、夏の色と清涼感を詰めこみました。

被写体に寄ってじっくり見つめると、何にでも興味を持って観察していた子供の頃の好奇心やワクワク感を思い出しますね。

 

 

昨年の秋から福井の四季を綴ってきたフォトレター。お楽しみいただけたでしょうか?

幼い頃からずっと眺めている景色ですが、空の色が毎日違うように、撮るたび新しい表情に出会えることを実感しました。これからも、田舎の風景の懐かしさや愛しさに共感していただけるような写真を撮っていきたいと思います。

— photo & text by Akine Coco

 

 

LINEで友達登録してスマホ用壁紙をゲット!

Akine Cocoさんが今回撮影した写真でスマホ用の壁紙画像を作ってくださいました。NICO STOPのLINE公式アカウントを友達登録してくださった方に、期間限定で無料配布いたします。ぜひ、下のバナーよりご登録ください!

配布期間:2021年8月20日(金)~2021年9月3日(金)

※配布は終了しました。

※LINEにて「NICO STOP」と検索しても登録可能です。

 

 

Supported by L&MARK

 

 

20190523173955

Z 5

製品ページ ニコンダイレクト
NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S

NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S

製品ページ ニコンダイレクト
NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR

NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR

製品ページ ニコンダイレクト
Akine Coco

Akine Coco

福井県在住のフォトグラファー。身近な風景を「アニメのワンシーン」のようにとらえた作品をTwitterで発表している。どこか懐かしく、物語を感じる情景は、国内のみならず海外での人気も高い。