日本には、春夏秋冬それぞれに季節を表す「季語」があります。
季節ごとの自然を表すものだけでも数多くの季語が存在し、日本の風景の豊かさを感じます。このエッセイでは、福井の田園風景を撮り続けるAkine Cocoさん(@akinecoco987)に、身近な風景の中から「季語」を集めていただき、美しい季節をフォトレターとして届けていただきます。
こんにちは、Akine Cocoです。地元・福井の田園風景の撮り方を紹介した前回の記事はお楽しみいただけましたか? あの頃は空に大きな積雲が浮かんでいて、そこらじゅうでセミの声がしていたのに、ふと気がつけばすっかり秋。新しい季節の訪れを感じると、なぜかわくわくして、外へと出かけたくなります。
少し早起きをして、朝日と一緒に家を出た。
いつもの道で、優しく彩る秋を探しに。
まばらな雲の下、秋風は少し肌寒く、
長袖がちょうどいい季節になってきた。
優しくて、どこか切なさのある、
この季節が好きだ。
田んぼの稲刈りも終わり、
一見殺風景なこの景色にも
どこか味わいを感じる。
秋の雲には、ひつじ雲とうろこ雲という
似ているものがあるらしい。
今日の雲はどっちだろう…。
気がつけば立ち止まって、
じっと同じ風景を眺めていた。
公園に立ち寄ると、
そこにも秋の訪れを感じた。
木々の葉が色づきはじめ、
夏の緑の景色から表情を大きく変える。
それは美しく、散る前の最後の輝きでもある。
春の桜もそうだが、
美しい時間はあっという間。
落ち葉は水に流されどこへ行くのか。
そんなことを考えながら
シャッターを切っていた。
サラサラサラ…。
堤防沿いにはススキが風になびいていた。
秋の音色を楽しみながら
のんびりと歩いてみよう。
気づけば日がだいぶ落ちてきていた。
日の光に透けるススキも味わい深い。
沈む夕日に照らされたコスモス。
どこか遠くを眺めているようなその姿。
いったい何を見ているのだろうか。
足元には一輪だけ咲いた白いコスモス。
満開になった頃、また見に来てみよう。
夕暮れ空の下に広がる花畑。
そばの花が咲くと、
福井に秋が訪れたことを実感する。
一緒に生えていた猫じゃらし。
幼い頃に何度も握って、
毛虫みたいに手から出す遊びをしていた。
忘れていた記憶がよみがえり、
ふと懐かしい気持ちになる。
小川の前を通ると、
夕日できらきら輝いていた。
今日もあと少しで一日が終わる。
- Photo Letter -
最近は日が沈むのが早くなり、今まで以上に夕暮れの時間帯を撮影する機会が増えました。一日の終わりを連れてくる、この光景が印象的な「秋」には、季節の中でも特にエモーショナルな雰囲気を感じています。
今回の写真は、どれもなじみ深い福井の風景です。この季節、若い頃はなぜかいつも恋愛に関する悩みを抱えていた記憶があります。写真を撮ることで、それを懐かしんだり、胸の奥が熱くなったりしました。今ではどれも大切な思い出です。
その時その時に感じた思いを作品にこめて、今後も発信していきたいと思います。またよかったら見てください。
— photo & text by Akine Coco
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Akine Coco
福井県在住のフォトグラファー。身近な風景を「アニメのワンシーン」のようにとらえた作品をTwitterで発表している。どこか懐かしく、物語を感じる情景は、国内のみならず海外での人気も高い。