こんにちは、嵐田大志(@Taishi_Arashida)です。
突然ですが、みなさんは「キャンプ」は好きですか?
僕は、子供の頃にYMCAのサマーキャンプなどに参加していたのが原体験としてあり、大人になってからは双子が2歳のときに友人に誘われて行きはじめました。
家ではそれぞれが別々のことをしていることが多いので、自然の中で一緒に準備をしたり、料理を作ったりしながら、しっかりと会話できるのがファミリーキャンプの醍醐味です。
今回は実際に家族でキャンプをしてきたので、その様子とともにファミリーキャンプの楽しみ方や撮影のコツを紹介したいと思います。
ファミリーキャンプをする前に知っておきたいこと
我が家は一番下の子がまだ小さく、テントを持っていって設営したり、寝袋で寝たりという本格キャンプが難しいため、最近はもっぱら以下のどちらかです。
- デイキャンプ
- グランピング
ファミリーにオススメなキャンプの種類
「デイキャンプ」気軽に自然を味わえる
日帰りの「デイキャンプ」は、テーブルセットと簡単な調理器具+食材だけと荷物を最小限に抑えられて、複数日予定が取れなくてもふらっと行くことができます。湖畔などで料理をしたり自然に浸ったり、気軽に楽しめます。
「グランピング」快適に過ごしながらアウトドアを満喫
「グランピング」は、物の用意や運搬・テント設営・気温対策が不要で施設が充実している場合が多く、自然豊かなロケーションの中で快適に宿泊しながらアウトドアを楽しめるのが魅力です。荷物がどうしても多くなるファミリー、小さい子供がいて外で夜を過ごすのが心配な方も気兼ねなく楽しめます。
今回は、休日を利用して家族でグランピングをすることに!リラックスした気持ちで「がんばらない」のが一番。ゆっくりと自然を楽しんで、身体も休めたいと思います。
グランピングには種類があり、準備や過ごし方が変わる
大きくわけて「テント型」「コテージ型」「トレーラー型」の3種類があり、「テント型」は寒暖差の対策が必要だったりお風呂などがなく難易度が高いため、我が家はホテルと同じ感覚で過ごせる「コテージ型」が多いです。
その中で、テント型とコテージ型の間くらいの感覚の「トレーラー型」に泊まってみることにしました。
今回利用したのは…「The Camp & Garden AMANAYU」
何よりビンテージなトレーラーがオシャレで、それだけでわくわくします。キッチンや寝室など居住スペースがあり、トイレ・シャワーつきで安心。まわりは自然に囲まれ、近くを清流が流れ、アウトドアも満喫できます。
以前トレーラーに泊まったとき、窓際でコーヒーを飲んでいて、ふと「これはまんまアメリカだな」と感動しました。“古きよきアメリカ”の雰囲気で、アメリカ好きの僕にとってはたまらないのです。そんな体験がまたしたいと思い、下の子が生まれてからはじめてのトレーラーハウスでのキャンプに行ってきました。
持ち物は何をして過ごすかで決める
キャンプ用品:施設が充実していれば基本は食材と着替えだけでOKですが、外で食事を楽しみたいと思い、以下を持っていきました。
- キャンプ用のテーブルとイス、調理台
- ランタンとランタンスタンド
- 調理用ストーブと、グリルとしても使える焚き火台
- はんごうやフライパンなどの調理器具
- キャンプ用の皿やコップ
アイテムは、機能性が高くスタッキングがしやすいことはもちろん、デザインにもこだわりがあります。アウトドア用品は派手な色のものが多いですが、シルバーやブラックで統一感を出すようにしています。
撮影機材:常に動きまわっているので軽量コンパクトな機材がベストです。長いレンズでは子供の頭にぶつかったりもするので、標準付近のレンズをつけて。外では土埃が舞うため、信頼できる1本で撮るようにしています。
今回は Z fc+NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VRを、それとせっかくならキャンプ場で Z fcを撮りたいので Z 5+NIKKOR Z 50mm f/1.8 Sのセットも持っていきました。
上の写真はトレーラーハウス内で撮りましたが、とてもいい雰囲気です。見た目がいい道具というのは、カメラであれキャンプ用品であれ、テンションが上がります!
トレーラーハウスで過ごす贅沢な1泊2日
南アルプスの麓にある、キャンプサイトに到着!
WEBの写真でイメージを膨らませてはいましたが、天気にも恵まれ想像以上によかったです。人や車の喧噪から離れ、緑の多さや澄んだ空気、鳥たちのさえずりが異世界でした。
早速、トレーラーに入ってみます。こちらはリビングに相当する場所で、車であることを考えると十分な広さです。
日が落ちる前に“すみか”を整えるのが鉄則
トレーラー内には空調がないため、暗くなるまでは外で過ごすことにしました。
イスやテーブル、調理台などをセッティング。子供たちにも手伝ってもらいます。
一通り車から荷物を出して、いったん休憩。
声をかけないで撮るのが基本なのですが、オーソドックスな家族写真らしく声をかけて撮ってみました。
グリルで炭を起こし、夕食タイム
今日の夕食は、はんごうでごはんを炊き、炭火でステーキや野菜を焼きます。子供に手伝ってもらうにははんごう炊飯は難易度が高いので、火の当番が中心です。
〈POINT〉
子供にも何かしらの仕事をしてもらうと、カメラを意識することなく取り組んでくれます。自分も写真を撮る余裕ができるのでオススメです。
外で食べるステーキは、塩・コショウ+炭の香りで、最高に美味しいです! 右の写真でピーマンのように見えるのは「万願寺唐辛子」で、炭火で焼いた後に塩をちょっと振るだけで絶品でした。
さらに、肉の上にハーブを添えると香り高くなりますし、皿の上が「茶色だけ」にならないように緑・赤・黄色と食材の彩りを加えると目でも楽しめます。
主役はステーキでしたが、エビやトウモロコシなど各々が好きな具材を焼いて食べるのが、BBQの醍醐味です。
〈POINT〉
料理を撮るとき、ランタンなどの人工光より自然光のほうが雰囲気が出ます。太陽が沈みゆく中、ISO感度を6000程度まで上げ、脇をしっかりしめてギリギリまで自然光でがんばりました。
ちなみに、食事中の写真も撮りたかったのですが、下の子にごはんをあげていたら撮れずじまいでした…。
食事の後は焚き火を囲んで、この場所だけに流れる家族の時間に浸りました。
そして、あたりが真っ暗になったら、自然の流れに委ねるように眠りにつきます。7月でしたが夜は気温が下がり、クーラーをつけて寝ているような感覚。トレーラーの電気を消すと真っ暗になり、木々のざわめきや川のせせらぎなど美しい音色が流れています。特にヒグラシは、都会ではほとんど鳴き声を聞かないので、何ともノスタルジーを感じました。
朝7:00 小鳥のさえずりで目を覚ます
朝日がトレーラーの中に差しこみ、気持ちのいい目覚め。
アラームをかけずに寝て、“自然に目が覚める”というのが最高にいい気分です。
キャンプサイトはすでに明るく、カメラを持って散策しました。
1枚目は洗い場で、水栓ひとつとってもオシャレ。2枚目はアメリカっぽい…映画『スタンド・バイ・ミー』のような雰囲気で惹かれました。
朝食は我が家の定番ホットサンド
みんな起きたので、朝食づくりを開始。
チーズやハムなど好きな具材をはさんだ食パンをホットサンドメーカーで焼くとめちゃくちゃ美味しいです。チーズだけのシンプルなものが好きな長男、トマトやアボカドなど野菜を入れたい妻…と各々好みが違います。
こちらは家で普段から使いこんでいるホットサンドメーカーです。安い食パンでも格上の味になります(笑)
ホットサンドにフルーツを添えるのが我が家のお決まり。見映えもよくなります。
…食事をすませたら、片づけです。子供たちにも積極的にやってもらいます。
キャンプ用品って、意外ときれいに収納するのが難しいのですが、最近はうまく袋に収めることができるようになりました。
皿などを洗い終わってちょっと休憩。今回のキャンプで、下の子もキャンプ用イスに座れるようになりました。
撮影が日常になっていると、こういうときも自然な姿を撮らせてくれます。
暑い日は、絶好の川遊び日和!
日中はかなり暑かったのですが、青空、入道雲、セミの声と、まさに日本の夏。こんな日は、きれいな水が流れる「清流」で川遊びに限ります。
寝食は快適に過ごして、時間や体力に余裕がある分、現地でのアクティビティに注力できるのもグランピングのよさです。
水着に着替えて、豪快にドボン!
双子たちは泳ぎ、娘は浅瀬でちゃぽちゃぽと石を触って遊んでいました。僕は足だけ入りましたが、水が冷たくて気持ちよかったです。
〈Point〉
遊んでいる様子を撮るときは、一緒に遊びながらよさそうなポジションを探します。見つけたらこそっと離れて、こそっと撮影。そしてすぐ戻って一緒に遊びます。また、水面近くで撮るときはバリアングルが活躍しました。
この日は迫力のある雲で、緑と空の下で遊ぶ子供たちの姿を切り取ると「ザ・夏休み」という感じで、いい思い出を残せました。
ファミリーキャンプの撮影のコツ
キャンプでは、家とは違う家族の表情や動きが見られるため、常に肩にカメラをかけておき、すぐに撮影できるようにしておきます。普段から家族を撮影していることもあり、子供たちもカメラを意識しないので、キャンプでも撮り方自体は変わりません。
撮影モードや焦点距離設定のコツ
撮影モードは絞り優先オートで、撮りたいシーンでF値を調整するのが、家族とのスナップには一番使いやすいです。またズームレンズの場合、広角端を基本にして広く撮れるようにしておき、寄りたいときやパースをつけないときは35mmや50mmにズームアップと、使う焦点距離を限定すると“いい瞬間”を逃さず撮りやすいと思います。
キャンプでは人が写っていない写真も撮る
自然豊かな場所では、普段は出会えないような印象的な光景を目にすることが多いです。そんな空気感を家族で共有できるのもキャンプならではなので、家族みんなで目にした光景を記録しましょう。
僕は、目の前にある光景が一見動きがないように見えても、「刻一刻と変わりゆき、やがてなくなるものなんだろうな」と愛しむ気持ちで撮っています。
また、暗い時間の比率が長いので、三脚もあると便利です。キャンプならではの光景である、暗闇の中で照らされたテントなど(今回はトレーラーハウス)を撮っておきましょう。三脚は作りがしっかりしていて、コンパクトに収納できるものがキャンプに重宝します。安価なものもあるので、1本あると撮れるシーンが増えますよ。
キャンプ撮影 × Z fcの相性は◎
①レンズを含めた軽さ:金属製のフィルムカメラのような見た目にもかかわらず、とても軽くて驚きました。小さい子がいると抱っこ攻撃に合うので、機材は軽くて小さいに越したことはないです。グリップがないので最初少し不安でしたが、想像以上にホールドしやすく「川に落としそう」という心配はありませんでした。
上の写真では Z fcにNIKKOR Z 50mm f/1.8 Sをつけてみましたが、グリップがなくてもホールド性は問題なかったです。開放F1.8にできるので暗くても露出を確保でき、背景のボケも強くなり子供たちを際立たせることができました。
ちなみに、何度も「カメラを貸して!」とせがまれましたが、子供が持っても軽そうでした。「何でそんなに昔のカメラを持ってきたの?」と聞かれて衝撃でしたが…(笑)
②ダイヤルの操作性:上面にマニュアル操作可能なダイアル類があるため、電源を入れる前から設定がわかり即応性が高いです。
③描写:Z シリーズに共通していることですが、透明感のある画づくりができ、青や緑の発色が素直で気持ちいいです。
④16-50mmズームレンズの使い勝手:レンズ交換しにくい環境で、35mm判換算24~75mm相当の焦点距離はとても便利。24mm相当あれば室内なども撮りやすいですし、望遠側で物撮りもできます。また、左下の写真はトレーラーハウス内ですが、薄暗くても手ブレ補正つきなので安心です。
左:16mm(24mm相当)、右:50mm(75mm相当)
⑤バリアングル:料理を真俯瞰で撮ったり、水面スレスレで撮ったりと大活躍でした。チルトよりも可動域が広いのはもちろん、バリアングルは反対向きに閉じると液晶に傷がつかず、よりフィルムカメラっぽい感じになるのも好きです。
Photographer's Note
キャンプでは、家では簡単にできてしまうこと…例えば炊飯器のスイッチを入れるだけですむことを、炭を起こしてはんごうで炊くというように、生活することのハードルが上がるのですが、その過程の中で無心になれて「心の洗濯」ができます。
そして、家族でキャンプに行くと、それぞれが日常とは異なる動きをします。普段は動画サイトを見たり、ゲームばかりしている双子のお兄ちゃんたちも積極的に手伝ってくれますし、僕自身もいつもと違ってテキパキとサイト設営や炭起こしなどに勤しんでいました。
スマホやタブレットの画面を見る時間が減り、家族がお互いの顔を見る時間が増え、会話も増えます。家族で焚き火を眺める時間は、リビングでテレビを一緒に見るのとは明らかに異なる体験。また、子供たちが手伝ってくれたとき成長を実感します。そんな貴重な時間だからこそ、今後も写真にしっかり残していきたいです。
※機材名が入っていない、Z fcを撮影した写真は Z 5で撮ったものです。
※新型コロナウイルスの感染症対策に十分にご留意いただくとともに、政府、自治体など公的機関の指示に従った行動をお願いいたします。
撮影協力:The Camp & Garden AMANAYU
Supported by L&MARK
嵐田大志
本業の傍ら、東京をベースにフォトグラファーとして活動。LightroomやVSCOを活用し、フィルム風の空気感を表現。家族や身近なものを中心にしつつ、頻繁に旅する海外でのスナップを撮り続けている。