みなさん、はじめまして。北海道在住のデザイナー・sachi(@sachi.427)です。勤め先の会社では、エディトリアルデザインを担当していて、雑誌のデザインを得意としています。NICO STOPでは、「#NICOSTOPと日々」のアイキャッチデザインなどを担当しました。
趣味はフィルムカメラで写真を撮ることで、休日は友人と北海道の素敵な景色を求めていろいろなところへ出かけています!
カメラに興味を持ったきっかけは、段ボールでピンホールカメラを作り、暗室で現像するという大学の授業でした。その後、実家に帰った際に父から使っていない35mmのフィルムカメラを譲ってもらい、そのカメラを愛用しています。
今では35mmの他に、中判カメラ2台とハーフサイズカメラ1台、デジタルカメラが相棒です。
私は、写真を撮ることと雑誌のデザインをすることが大好きで、写真と文字を組み合わせたデザインをしてSNSにアップすることが多いです。 自分自身の日々を写真に残しながら、写真×デザインをライフスタイルとして心から楽しんでいます!
今回は私が実践している、生活がちょっぴり豊かになる写真×デザインのTIPSをご紹介したいと思います。
- SNS投稿にフレームを加えて、自分らしいギャラリーを作る
- 大切な思い出の写真を、雑誌風にまとめる
- 写真を印刷して、カタチとして残す
- Designer's Note
- 【特別企画】sachiさんがデザイン! あなたの写真をポストカードに ※募集は終了いたしました
SNS投稿にフレームを加えて、自分らしいギャラリーを作る
Instagramをはじめた当初、ギャラリーの統一感を大事にしたいと思っていたのですが、複数台のフィルムカメラやデジタルカメラで撮影することもあるため、どうしても統一感を出すのに苦戦しました。
いろんな方法を試していくうち、たどり着いたのが「フレームをつける」でした。そうすることで、写真同士に余白が生まれ、統一感を出せることに気づいたんです!
白フレームと英字で統一感を出す
エディトリアルデザインをしていると、余白と写真のバランスを考えてレイアウトすることが多くあり、余白と写真の組み合わせがどんどん好きになったのが、そのきっかけでもあります。
中判カメラの6:7の比率や、35mmの3:2の比率の写真が混ざっても違和感がないと思います。組写真でストーリー性を出したいときにも、この形だと応用が利くんです。
各画像の両サイドに入れているのは、カメラ&フィルムの種類と日付です。ただの白いフレームだけでは自分らしさを表現できないと思ったのと、使ったカメラとフィルムの種類や更新日を記載することで「思い出としても残せる」と思い、今のデザインに至りました。ちなみに英字を縦に入れるのは、大好きなファッション誌の中で、写真の横に英字を縦で入れているのがとてもかわいかったので参考にしています。
今回は実際に、デジタルカメラで撮影した下の写真を使って、Instagram投稿をデザインしてみたいと思います。ちなみにこの子は預かり猫のよもぎさん。同僚が出張のときに預かることもしばしば。
下のように白いフレームをつけて、左側には使用した機材を、右側には投稿する日付と自分の名前を入れます。
こうすることで、普段フィルムの投稿が多い私のInstagramギャラリーにこのデジタル写真を投稿しても、違和感はありません。
私は主にPCでデザインをしていますが、スマホアプリの「Canva」などを使えば、このようなシンプルな写真×文字のデザインを簡単に作ることができます。
Point
- 各投稿の、上下左右どこかの余白幅を統一すると◎
- 英字で小さくテキストを入れるだけで、こなれた雰囲気に
フレームに色をつけると、より個性が出る
先ほどは白フレームで統一しましたが、自分の撮る写真テイストに合わせて色を加えてみてもおもしろいです。
こちらは、デザインと暮らし専用のInstagramアカウント(@ig_sachidesign)で、写真のほとんどはスマホとデジタルカメラで撮っています。白フレームと色ありフレームを交互に更新することで、リズムも生まれていると思うのですが、いかがでしょう?
白フレームの画像は余白を少なく、色ありフレームの画像は余白を大きく…とデザインを2パターンにしているのもポイントです。
実際に自宅のインテリア写真で、上のアカウントのテイストに合った画像を作ってみたいと思います。
BEFORE
AFTER
アカウント全体の統一感を意識して、淡い色にしました。写っているものに対して、線を引いて英字を入れてもかわいいですよね!
その次に投稿する画像として、デザイン風景の写真に白フレームをつけました。文字を入れるだけでオシャレな雰囲気になったと思います。
先ほどのアカウントに追加してみるといかがでしょう? 統一感がありながら、色の変化や交互に入る白フレームでリズムが生まれました。見ているだけでも楽しいですし、次に投稿するのもわくわくします!
Point
- フレームの色は、投稿ごとに変えても彩度をそろえるのがポイント
- 写真自体の色味もそろえるとなお◎
スマホアプリ「VSCO」で写真の編集をしていますが、プリセットを1つに絞ると簡単に色味をそろえられます。(私は「A6」をよく使います)
大切な思い出の写真を、雑誌風にまとめる
思い入れのある写真や連続性のある写真は、雑誌風にまとめることで、見返したときに鮮明に記憶を思い出すきっかけになります。
Instagramのスワイプ機能を使う
私はInstagramのギャラリーに複数枚画像を投稿して、スワイプで雑誌風に見せることがあります。
タイトルは『SACHI IRO』。「sachi色(自分の写真の色)」「幸色(しあわせな日常の様子)」という意味をこめて名づけました。
先日、預かり猫のよもぎさんをデジタルカメラで何枚も撮影したので、その写真を使って雑誌風にデザインしてみたいと思います。
BEFORE
AFTER
矢印をタップすると他の写真を見ることができます。
メインカット1枚で表紙を作り、複数枚の写真を使い雑誌のようなレイアウトにしました。動きがあるカットの場合、並べて配置することでストーリーをより感じさせることができます。
また、Instagramは縦画像の場合に4:5の比率が最大なため、マガジン風デザインも4:5で制作します。正方形で作るよりも文字など多くの情報を入れられて、縦長のほうが見た目も雑誌に近づくからです。
こちらは以前、預かったときにスマホ写真のみで作った雑誌風デザインです。今見返しても、そのときの様子がよみがえってきます。
Point
- 自分の大きなテーマをタイトルにする(私の場合『SACHI IRO』)
- デザインが思い浮かばない場合、好きな雑誌のレイアウトを参考にしてみる(丸パクリはNGですよ)
- Instagramの一覧表示では正方形になるため、表紙は上下が切れても違和感のないように(切れてしまうところに文字を配置しないなど)
- 写真の時間軸の流れを意識して、順番を考える
- Instagramではページがつながっているように見せられるので、大きな写真でページをまたがって使うのもおもしろいです
- 長い文章のときは、縦書きにすると雑誌っぽくなります
Instagramのストーリーズ機能を使う
また、私はInstagramのストーリーズでもデザインを加えて発信することがあります。写真を同時にたくさん見せたいときや、物語を感じさせたいとき、文字を入れたら雑誌風になりそうな写真(インテリアやファッション、スイーツなど)が撮れたときなど。Instagramのストーリーズはテンポよく切り替わるので、統一感のあるデザインだとWEB上で雑誌を見ている感覚になるんです!
今回は、フィルムカメラで撮影した北海道の冬の景色でストーリーズ画像を作ってみたいと思います。
BEFORE
AFTER
複数枚の写真をストーリーズに投稿するときも、コラージュしてそこに文字を添えると物語性が生まれます。
上の画像はIllustratorで作成しましたが、先ほどご紹介したアプリの「Canva」には、ストーリーズ用のシンプルで素敵なテンプレートがあるのでスマホでも簡単に作ることができますよ!
Point
- 同じ日に撮影した写真で統一感を出す
- 自分なりの言葉を加えて物語性を出す
- 写真に大小をつけ、メリハリを出すことで飽きないレイアウトに
- ストーリーズの静止画表示は5秒と短いため、文字が多くなりすぎないように&フォントサイズもしっかり読めるよう大きさに注意!
写真を印刷して、カタチとして残す
撮影した写真は、実際に印刷してみると思い入れが深まるのでオススメです。このときも、文字を入れたりひと味加えてみるだけで、印象が変わります。
文字を加えて、ポストカードとして印刷する
私は写真に文字を加えて、ポストカードとして印刷することがあります。今はコンビニで簡単にポストカード印刷ができるので、ぜひ試してみてください。
左:よもぎさんが子猫のときの写真。右:父が珈琲を淹れてくれているときの写真。
自分が写っているポストカードにちょっかいを出す、よもぎさん。
写真に英字を添えるだけで、ぐっと仕上がりがよくなります。写真好きな友人やフォロワーさんに送ってみてはいかがでしょう?
そして、作ったポストカードはインテリアにもなります。
真ん中の2枚は自分の写真で作ったポストカードです。
壁にポストカードやポスター、額縁を飾るのが好きなんですが、自分の写真で作ったポストカードをそこに並べて飾ると、写真により愛着が湧いてきます。
撮りためた写真でフォトブックを作る
ポストカードの他に、1年に1冊フォトブック(ミニ写真集や雑誌のようなZINE)を作るのもオススメです。
今まで撮った写真は、スマホやPCの中にあるだけではまとめて見ることができませんよね。1冊にまとめると、手に取ってぱらぱらとめくることができるので、思い出もより鮮明によみがえりますし、自分だけの大切な1冊になると思います!
フォトブックを作るときは、何か一つのテーマがあるといいです。私は昨年、「薄縹色とその近似色」というテーマで1冊のフォトブックを作りました。自分の撮ったフィルム写真の色が、薄縹色やその近似色であることが多いなあと気づいたからです。
実際に作ったフォトブックの中身を少しだけお見せしますね!
矢印をタップすると他の写真を見ることができます。
表紙は、左側のタイトルが書かれた部分をめくると1枚写真が現れるようにしました。テーマである「薄縹色とその近似色」についての説明や、その色が好きな理由のページも入れています。お気に入りの写真を見開きで大きく見せたり、情景を引き立てるよう写真に言葉を添えたり、ページごとに変化をつけました。
テーマを決めなくても、思い出の写真を集めて1冊にまとめるだけで特別なものになると思います。私は、「しまうまプリント」や「Photoback」といったサービスを使ってよく1冊にまとめているんですが、シンプルで簡単にレイアウトできるサービスはたくさんありますよ!
Designer's Note
私はもともと、自分の写真には特徴や個性があまり感じられないと思っていました。ですが、デザインという要素を加えることで自分らしさを表現できるようになり、今の生活がとっても楽しくなったんです! スマホアプリなどで簡単にできるデザインもありますので、ぜひ一度トライしてみてはいかがでしょうか?
この記事が、写真とデザインが好きだという方の表現の参考になればうれしいですし、自分の好きなもの同士を掛け合わせることで、何か“新しい可能性”が見つかるきっかけになってくれたら幸いです!
【特別企画】sachiさんがデザイン! あなたの写真をポストカードに ※募集は終了いたしました
今回の記事に連動して、写真×デザインの特別企画を実施します。TwitterまたはInstagramで投稿いただいた写真の中から、特に素敵なものをsachiさんがポストカードにデザイン。3名の方に、実際に印刷したポストカードをプレゼントいたします!
- 参加方法:NICO STOP編集部のアカウントをフォロー
Twitter:@nicostop_editor / Instagram:@nicostop_official - 「#NICOSTOP」「#写真でポストカード」を付けて写真を投稿
- 投稿枚数:制限なし(単写真でも、組写真でもOK)
- 撮影機材条件:なし
- 参加者条件:なし(年齢・性別・経験年数問わず)
- 応募期間:2020年4月10日~5月10日
- 発表方法:5月下旬にNICO STOP公式アカウントよりTwitterまたはInstagramのDM(ダイレクトメッセージ)にてご連絡させていただきます。メッセージ内に、ご連絡用のメールアドレスと詳細を記載いたしますので期限までにご返信ください。
みなさんの投稿をお待ちしています!
Special Thanks:よもぎさん
Supperted by L&MARK
Photographer / Designer
sachi
北海道帯広在住のデザイナー。エディトリアルデザインを中心に、WEBデザインやパッケージデザインなど幅広く手がける(デザインアカウント:@ig_sachidesign)。趣味はフィルムカメラで写真を撮ること。